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ゴミ屋敷片付け

大分県杵築市のゴミ屋敷に関する条例(杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例)の内容とは

大分県杵築市のゴミ屋敷に関する条例(杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例)の内容とは

大分県杵築市には「杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」が定められています。
環境に関する条例で、ゴミ屋敷問題も包括していると考えてよいでしょう。

しかし、ゴミ屋敷のためだけの条例ではありません。
廃棄物全般の条例になりますので、内容は多岐に渡ります。
そこで杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の中から、ゴミ屋敷問題への対応の根拠となる部分をご紹介します。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例について

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例について

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例は2005年10月1日に施行された条例です。
2005年といえばまだまだゴミ屋敷問題が社会問題として取り上げられる前になりますので、ゴミ屋敷のための条例ではなく、ゴミ屋敷を含めた杵築市の環境全般に関する条例となっています。
その中から、ゴミ屋敷問題の解決・対応の根拠となる部分をご紹介します。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第5条

第5条では土地や建物の所有者たる「占有者」は土地や建物を清潔に保つよう努めると規定されています。
生活環境の保全上支障のない方法での維持管理と記載されています。
そのため、ゴミ屋敷にしてしまうと第5条違反だと考えることができます。

また、第2項では占有者は市長が定める計画に従い、大掃除を実施しなければならないと定めています。
ですので、ゴミ屋敷に対して掃除を命じた際の根拠になると考えてよいでしょう。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第7条

第7条では、廃棄物の適正処理を確保する必要があると認めた時には、占有者に対して廃棄物の処理の報告を求め、さらには指示も可能だと定めています。
この条文から、適切な処理が必要だと認めるゴミ屋敷に対し、ゴミ屋敷の処理やゴミ屋敷処理の進捗の報告を求めたり、あるいは進捗するよう指示を出す根拠と考えることができます。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第9条

第9条では、大分県杵築市長は、一般廃棄物の収集や運搬・処分を委託できると定めています。
この条文から、ゴミ屋敷の処理を他の業者に委託し、処分を委ねることが可能だと解釈できます。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例13条

一時的に多量の廃棄物を排出する際には大分県杵築市が所有者に対して廃棄物の運搬場所・方法を指示できると規定しています。
つまり、ゴミ屋敷を掃除した際に出る大量の廃棄物の処理方法を市長が指示できる根拠となっています。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例でゴミ屋敷は解決できるのか

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例でゴミ屋敷は解決できるのか

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例のゴミ屋敷解決・対策の根拠となる部分を抜粋しましたが、果たして上記箇所の条例で、大分県杵築市のゴミ屋敷問題は解決できるのでしょうか。
いくつかの確度から杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例を検証してみるとしましょう。

比較的大雑把な条例

大分県杵築市にて策定されている杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例は、他の地域のゴミ屋敷条例と比較すると大雑把な条例です。
具体的施策ではなく、あくまでも「市長が可能」といったニュアンスの物が多いです。
裏を返せば、ゴミ屋敷だけではなく様々な環境問題にて市長がその都度指示・施策を打ち出せるよう言葉の意味・解釈を広くした条例だと考えることができます。

再発防止・支援策がない

ゴミ屋敷問題は、実は様々な問題が内包されています。
家屋・建物がゴミで埋め尽くされている光景はセンセーショナルなので、ゴミばかりに注目が集まってしまいがちです。
しかし、なぜゴミ屋敷になってしまったのか、原因の究明と、判明した原因に基づいた再発防止策が重要です。

実際、地域医療や福祉との連携や、経済的な支援を盛り込み、再発防止を目指すゴミ屋敷条例を策定している自治体もあるほどです。
しかし杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例に関しては、再発防止策や支援策は見当たりません。

費用責任の記載がない

いわゆるゴミ屋敷条例では、行政代執行までの根拠が条例に定められているだけではなく、行政代執行でかかった費用の請求先はゴミ屋敷の住居者にあると記載されています。
行政がゴミ屋敷を片付ける際にかかった費用は、ゴミ屋敷住居者に請求が可能で、かつ請求は税金同様の扱いになるので徴収が可能である点まで記載されている自治体が一般的です。

しかし大分県杵築市が策定している杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例には、そもそも行政代執行という言葉がありません。
「市長の施策」とは記載されていますので、他の地域の行政代執行も可能だと解釈できますが、そこでの費用をどこに請求するのかまでは記載がありません。

市長の決定プロセスがない

他の地域のゴミ屋敷条例では、行政代執行だけではなく、指導、勧告、命令まで規定されていますが、決して市長が独断で決定するのではなく、それらを施行する際には決定機関を作り、承認を得るよう求めています。
つまり、市長が一人で勝手に決めることができません。
市長の独走・私怨による施行の防止のためですが、杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例ではその点も見当たりません。

なぜこのような条例となっているのか

なぜこのような条例となっているのか

大分県杵築市が策定している「杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」は、他の地域のゴミ屋敷条例と比べると、具体性に欠ける部分があります。
ですが、なぜこのような条例となっているかといえば、そこには理由があるからです。

杵築市ではゴミ屋敷問題が顕在化していない

基本的に、条例とは未然に防ぐためのものではなく、一度問題として顕在化されてから対策として策定されます。
つまり、杵築市ではゴミ屋敷問題が顕在化されていないことを意味しています。

もし、杵築市でゴミ屋敷問題が顕在化し、周辺住民が困っていれば、現行の杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例だけでは不十分だと認識し、条例の改変を目指すことでしょう。

具体的施策がない=幅広い解釈が可能

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例ではゴミ屋敷に関する具体的な施策はありません。
この点を「頼りない」と感じる人もいるかもしれませんが、市長の権限等は規定しています。
つまり、具体的施策がないのではなく、どのような状況にも幅広く対応できるよう、広く解釈できる文言にて設定していると考えることも可能です。

むしろ具体的施策を名言すると、施策対象以外では条例の施策ができません。
ですので、むしろ幅広い解釈が可能な杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の方が効果的だとの見方も可能です。

条例は完成形ではない

条例とは決して決め打ちされたものではなく、各地域によって必要に応じて変えていくものです。
大分県杵築市とて例外ではありません。
杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例が策定されていますが、杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例だけでは不十分だと思ったら変えればよいだけの話です。

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例についてのまとめ

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例についてのまとめ

杵築市廃棄物の処理及び清掃に関する条例は2005年10月に策定された、ゴミ屋敷問題を包括した条例です。
決してゴミ屋敷問題解決のための具体的施策が策定されている条例ではありませんが、幅広く解釈できる条例だと考えることもできます。

もちろん条例に頼るだけではなく、市民一人一人がゴミ問題を意識し、条例に頼らずに快適な生活を送ることが大切です。
ですが、いざという時には根拠となる条例なので、大分県杵築市にお住まいの方は覚えておくとよいでしょう。

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この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。

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