ゴミ屋敷の住人は、「だらしない」「ズボラだ」と思われる傾向が見られますが、決してそれだけが真実だとは言い切れません。同じゴミ屋敷であっても、「片付けない」のと「片付けられない」のでは雲泥の差があり、ゴミ屋敷の住人だからといって「だらしない」とひとくくりにしてしまうのは時期早々です。
ゴミ屋敷の住人は、それぞれに片付けられない理由を抱えており、共通した特徴も見受けられます。ゴミ屋敷の住人に隠された、片付けられない共通する理由と特徴を詳しく解説しましょう。
目次
ゴミ屋敷になってしまうのは「だらしないから」だけではない

テレビなどのメディアでゴミ屋敷特集を観ると、「住人がだらしないからだ」と一言で片付けてしまう人がよくいますが、自宅がゴミ屋敷になってしまうのは決してだらしないからだけではありません。ほとんどの場合、ゴミ屋敷の住人は「このままではいけない」という危機感を持っており、「でも片付けられない」という苦悩を抱えています。
例えば、仕事や育児・介護などで追い詰められていると、片付けという日常的なルーティンすらこなせないほど心身が疲弊し、散らかった室内で片付けられない自分を責めがちです。突然の不幸に見舞われてしまった場合、思考能力すら低下して片付けなきゃという気持ちすら持てず、汚れた部屋で呆然としていることも珍しくありません。
つまり、ゴミ屋敷の問題は対岸の火事ではなく、いつ自分の身に降りかかってもおかしくない事象です。「だらしない」の一言で済ませず、なぜゴミ屋敷化するほど散らかってしまったのか、根本原因を探りながら問題解消に取り組むことが大切です。
だらしないわけではないのにゴミ屋敷になる理由

だらしないわけではないのにゴミ屋敷になる背景には、自分では気づけなかったり、あえて目をそらしたりしている理由が隠れています。無理矢理ゴミ屋敷を片付けたとしても、その隠れている理由を理解し解消しなければ、本当の意味でゴミ屋敷を脱したとは言えません。
ゴミ屋敷の住人によくある理由を知り、自分の状況と照らし合わせて原因探しをしてみましょう。だらしないわけではないのにゴミ屋敷になる理由を、以下で詳しく解説します。
介護に仕事…忙しすぎて片付ける時間がない
家族の介護や仕事が忙しすぎると、物理的に片付ける時間がなくなり、その結果として自宅がゴミ屋敷化しやすいです。介護は24時間体制で行うことがほとんどで、介護者の生活リズムに合わせてお世話をしなければならないため、どうしても身の回りの整理整頓は後回しになってしまいます。
仕事が忙しい場合、食事すら作れず心身も疲れ果てているため、シャワーと睡眠を取るのが精一杯でゴミ出しすらできないことも多いです。忙殺という言葉の通り、忙しすぎる日常は徐々に生活環境を蝕み、最終的に自宅がゴミ屋敷化しても動けないほど心身にダメージを与えます。
孤独感をゴミで埋めようとする
孤独感を抱えている人が住んでいる部屋は、心の隙間をゴミで埋めようとするためゴミ屋敷化しやすいです。ここでいう孤独感とは、直接会うことができる人との触れ合いや繋がりの有無を意味し、SNSなどで繋がる仲間意識のことではありません。
たとえインターネット上に話せる仲間がいても、通信が切れてしまえば繋がりも切れてしまい、そこで感じた孤独感を埋めるように不用品やゴミを溜め込んでいきます。孤独感が原因になったゴミ屋敷は、手放すこと自体を苦痛と感じやすく、片付けようと思ってもなかなか捨てる決断ができません。
病気がきっかけでゴミ屋敷が加速
病気がきっかけで片付けができなくなり、室内がゴミ屋敷へと一気に加速するケースも見られます。心であっても体であっても、病気になってしまうと体を動かすことが億劫になり、元気な時と同じような片付けをやろうと思っても不可能です。
特に、うつ病などの精神病を抱えていると、できないことがさらに心を沈ませ、負のループに陥ることもあります。最悪な場合、飲食すら放棄してひたすら家にこもってしまうため、家族や友人・専門医といった、第三者の手助けも必要です。
ゴミ屋敷は精神疾患や心の病気が原因?片付けられない心の病気について解説します
お金がなくてゴミ屋敷が進んでしまう
「お金がないなら持ち物もないからスッキリするのでは?」と思われがちですが、実はお金がないからこそゴミ屋敷が進むケースも珍しくありません。お金がない状態は生活上の不安を抱え込みやすく、それが悪化すると鬱病となって片付ける気力を無くさせます。
また、お金がないことで持ち物への執着が強まった結果、明らかな不用品でももったいないと感じてしまい、あきらかな不用品すらなかなか手放すことができません。つまり、お金がないという現実が不安感を根付かせ、ゴミすらも溜め込んでいきゴミ屋敷が進んでしまいます。
ゴミ屋敷になりやすい人の特徴

ゴミ屋敷になりやすい人には、内面だけではなく状況的にも共通した特徴があるため、本人はもちろんのこと周囲もよく観察しておく配慮が重要です。見える特徴を知っておくと、ふと気になった時にさりげなく確認しやすく、ゴミ屋敷化させないよう手助けできます。
ゴミ屋敷になりやすい人の特徴を頭に入れておき、ゴミ屋敷化を防ぐための指針にしてみましょう。ゴミ屋敷になりやすい人の特徴を、以下で詳しく解説します。
看護師や医療従事者もゴミ屋敷になりやすい
看護師や医師・レントゲン技師といった医療従事者は、仕事の関係上自宅がゴミ屋敷化しやすいです。例えば、夜間勤務もある看護師は生活リズムを崩しやすく、命を預かる緊張感が高ストレスになり、日常生活のルーティン作業もなかなかできません。
医師の場合、勤務時間帯の診察だけではなく、救急搬送や呼び出しなどで気が休まらず、最低限の衣食住以外に気を配れないこともあります。このほか、警察官や弁護士といった専門性の高い職業の人も、時間のなさと心身の負担から片付けが滞りがちになり、「自分だけの問題だから」と後回しにする人も少なくありません。
このような状態が続いた先にゴミ屋敷があるので、自他共に自覚がある人は注意が必要です。
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周囲から孤立した大学生や高齢者
周囲から孤立した大学生や高齢者も、自宅をゴミ屋敷にしてしまうケースがよく見られます。大学進学のために一人暮らしをしている大学生は、地元から離れているため家族も昔馴染みの同級生も遠く、積極的に交流しない限り孤立しがちです。
高齢者も同様で、たとえ地元であっても体が衰えれば出歩くことも叶わず、一日中誰とも話をしないうちに心が沈んでしまい、片付けどころか衣食住すらいい加減になることもあります。大学生と高齢者ではかなり年齢差がありますが、「誰にも頼れない」という共通点があることから、孤立した状態というのが注目すべき特徴であり、見過ごしてはいけません。
真面目で責任感のある人
ゴミ屋敷になりやすい人の特徴の中で、一番驚かれやすいのが真面目で責任感のある人です。真面目で責任感がある性格をしていると、片付けも毎日完璧に行うイメージがありますが、実はその完璧を目指す真面目さがゴミ屋敷化を引き起こします。
真面目で責任感があるということは、言い換えるなら完璧主義で融通が効きにくく、適度に手を抜くことができません。「掃除をしなくちゃ」「綺麗にしなくちゃ」と自分で自分を厳しくしすぎた結果、頑張り過ぎた心が突然ぱつんと弾けてしまい、何もできなくなるほど気持ちが落ち込むので大変危険です。
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汚部屋・ゴミ屋敷が与える影響

汚部屋やゴミ屋敷に住む人の中には、「自分のテリトリーなんだから汚くても問題ない」と開き直る人もいますが、汚部屋やゴミ屋敷が影響を及ぼす範囲は、決してそんなに狭くありません。集合住宅はもちろんのこと、一軒家であっても近隣住人まで被害を受けたり、重大なトラブルを招いたりします。
悪影響は、ますます周囲から孤立する原因にもなるため、一刻も早く片付けて円満暮らせる環境を整えなければなりません。汚部屋やゴミ屋敷が周囲に与える影響について、以下で具体的にご紹介しましょう。
近隣住民とトラブルになる
汚部屋やゴミ屋敷を片付けずに放置していると、近隣住人とのトラブルの引き金になりかねません。住んでいる人は気付きにくいですが、溜め込まれたゴミや室内の汚れが発する臭いは、近隣住人にとって嫌悪するべき悪臭です。
さらに、ゴミが密集し埃が積もった室内は発火しやすく、万が一火事になれば延焼して近隣まで巻き込んでしまいます。ゴミ屋敷というだけでも遠巻きに見られがちなのに、近隣住人とトラブルになってしまえばさらに距離が遠くなり、いつまでたっても孤立した状態から抜け出せません。
ゴミ屋敷から害虫が発生する
汚部屋やゴミ屋敷が与える悪影響の中で、もっとも気持ちが悪く大問題になりやすいのが、溜め込まれたゴミから発生した害虫被害です。汚部屋やゴミ屋敷の多くは、窓を締め切って薄暗く、湿気がこもって風通しが悪いので、ゴキブリやハエ・ノミなどの害虫は快適な住処と認識して集まります。
餌になるゴミ類も豊富なことから、住み着いた害虫が卵を産み大繁殖するケースも多く、溢れるように害虫が発生すれば、近隣住人の家にまで侵入するのを防ぎきれません。近隣住人がどれだけ駆除を頑張っても、発生源になっているゴミ屋敷がそのままなら根絶できないため、ゴミ屋敷を綺麗にしない限り害虫被害もそのままです。
感染症・アレルギーを引き起こす危険がある
感染症やアレルギーを引き起こす危険があるのも、汚部屋やゴミ屋敷が与える悪影響の一つと言えます。例えば、ゴキブリは排水溝やジメジメした場所を好むため、繁殖した場合O-157や赤痢菌などの病原菌に接触し、重大な感染症を引き起こす可能性が高いです。
掃除されずに溜まった埃や発生したカビを吸い込むと、アレルギー反応による重篤な症状に悩まされます。このような健康被害が続けば、片付けるどころか生きる気力すら損なわれてしまうので、一刻も早くゴミ屋敷を片付けなければなりません。
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自信を失い、自己肯定感が下がる
ゴミ屋敷や汚部屋を放置し住み続けると、「どうでもいい」「どうせうまくいかない」といった気持ちが大きくなり、自信を失い自己肯定感が下がってしまいます。自信と自己肯定感は、前向きに楽しく生きるためのトリガーであり、何事かに取り組む上で欠かせない心理的要素です。
前向きな気持ちが持てない場合、片付けようという気持ちすら生まれず、最悪の場合自分の存在自体まで否定してしまいます。ゴミ屋敷には、このような心理的悪影響がぎゅっと詰まっているため、不用品やゴミを処分して室内にも心にも明るい空気と風を通しましょう。
どんなゴミ屋敷でも片付ける方法がある

自分の身長よりも高くゴミが積まれ、汚れ物を踏みながら生活しているようなゴミ屋敷でも、確実に片付ける方法はあります。大切なのは、少しでも片付けようと思う前向きな気持ちと、できることをやってみようとする勇気です。
片付けるための具体的な方法を知り試してみようと思えれば、どんなゴミ屋敷の片付けも不可能ではありません。途方にくれるほどのゴミ屋敷や汚部屋を、確実に片付ける方法を以下でご紹介します。
一つずつ自力でゴミ屋敷を片付けていく
思い立ったらすぐできて達成感が得られるのは、目の前のゴミを一つずつ自力で拾い集めて片付ける方法です。例えば、放置しているお菓子の空袋やお弁当の空箱・チラシ類など、一目でゴミだとわかるものをゴミ袋に詰めていけば、少しずつ空間が生まれて片付けた痕跡がはっきりします。
一気に片付けるのは難しいですが、畳一枚程度の広さを綺麗にするだけでも見た目の印象が変わるため、片付けに対する意欲が生まれモチベーションが損なわれません。毎日10分間だけでもいいので、範囲を小さく区切りながら一つずつゴミや持ち物を片付けてみてください。
ゴミ屋敷は自力で片付けられる?判断基準から手順や必要なものまで解説
ゴミ屋敷片付け専門業者に片付けてもらう
自分で片付ける時間がない人や、どうしても自力で片付けるのが難しい人は、ゴミ屋敷片付け専門業者へ相談し片付けてもらうのが得策です。ゴミ屋敷片付け業者は、片付けのポイントや効率的な片付け方を熟知しているので、どのようなゴミ屋敷も驚くほど短時間で綺麗にしてくれます。
一般廃棄物収集運搬業許可証を持っている業者へ依頼すれば、捨てそびれたゴミも回収してもらえるため、自分でゴミを出す手間もかかりません。自力で片付けられない場合は、無理矢理自分で片付けるよりも専門業者に頼んだ方が、心身のストレスも軽減されるのでおすすめです。
ゴミ屋敷の片付けはバスター七福神へお任せください

「片付けたい気持ちはあるのに体が動かない」「片付ける時間がなく自力では綺麗にできない」とお悩みの方は、ゴミ屋敷バスター七福神へおまかせください。七福神は、戸建てのゴミ屋敷から賃貸の1Rまで、多くのゴミ屋敷問題と向き合い解決してきた片付け専門業者です。
お客様の状況を丁寧にヒアリングした上で、最適なプランをご提案いたしますので、安心して現在の悩みをご相談いただけます。水回りだけ・キッチンだけといったピンポイントの清掃も可能なので、ぜひ無料相談窓口へご連絡ください。
まとめ
ゴミ屋敷や汚部屋の住人は、だらしないから片付けをしないわけではありません。心に抱えた孤独感や孤立した状況、忙しさ・心身の不調など、さまざまな原因が引き金になって片付けられなくなっているのです。
自分の中に隠された原因を探り、根本問題と向き合いつつ片付けを始めれば、前向きな気持ちが生まれ片付けへの意欲も湧きます。時間的にも体力的にも自力清掃が無理な場合は、ゴミ屋敷片付け業者へ依頼してサポートを受けながら、室内も心も本来の姿へ戻していきましょう。