世間を賑わせた有名なゴミ屋敷は、最終的にどのような経緯で撤収されているのでしょうか。
多くの場合、行政が肩代わりして撤去しているケースも多いようです。
記事内では、かつて有名になったゴミ屋敷の事例と、撤去までの顛末をまとめています。
興味がある人は、ぜひ記事内容をご確認ください。
目次
世間で騒がれた有名なゴミ屋敷の事例
世間で騒がれた有名なゴミ屋敷の事例は、以下の通りです。
● 京都市右京区
● 福島県郡山市
● 愛知県蒲郡市
それでは、世間で騒がれた有名なゴミ屋敷の事例についてご説明しましょう。
京都市右京区のゴミ屋敷
京都市右京区で起きた有名なゴミ屋敷問題は、2015年11月13日に50代男性宅に溜まったゴミが行政代執行によって強制撤去されました。
行政代執行とは、行政代執行法1条と2条に定められた強制執行の一種で、管理等の義務を負う者が地方自治体などの行政からの再三の指導を無視してその義務を履行しない場合、自治体などが強制的に義務を執行する、というものです。
今回の事例は2014年11月に施行された京都市ゴミ屋敷条例に基づき、私有地に溜まったゴミの強制撤去として全国初のケースとなります。
強制撤去される前に市は2009年から度重なる指導をした末に撤去命令を出したものの、男性は頑として「ゴミではなく資料だ」と言い張りました。
今回のゴミ屋敷は自宅前の私道に高さ2mほどゴミが積み上げられていたため、強制撤去に踏み切った次第です。
福島県郡山市のゴミ屋敷
次に全国2例目の有名な事例となったのが、福島県郡山市に住む70代男性に対し、2016年3月26日、行政代執行によるゴミの強制撤去が行われました。
今回の有名なゴミ屋敷は男性が管理する民家4軒全てであり、作業費用として男性に200万円~300万円を要求するほどの有名なゴミ屋敷でした。
行政代執行を行ったのは市職員70人ほどで、民家4軒の敷地内や通路に溜め込まれた様々なゴミを約4時間もかける大作業になったそうです。
そのゴミの総量はパッカー車とダンプカー計15台も出動するほどで、約24.3tもありました。
周辺に住む男性は「火事が心配だったので、片付けられてほっとしている」と胸を撫で下ろしています。
市生活環境部の部長は「再度このような状態にならないために、市が継続的に指導して住民の不安解消につなげたい」と話しています。
愛知県蒲郡市のゴミ屋敷
最後は2020年5月18日に愛知県蒲郡市にて、男性宅の有名なゴミ屋敷の行政代執行が行われました。
市は民家の有名なゴミ屋敷化を約20年前から把握していたそうで、はみ出したゴミが通行の邪魔になる、雨が降ると異臭がするといった周辺住民からの苦情を受けていました。
2019年11月に条例に従って指導をしたものの、改善が見られなかったので2020年3月9日に同月22日を期限とした撤去命令を出しました。
しかし、それでも改善が見られなかったため、行政代執行が行われたそうです。
住民も納得していたようで、市は撤去費用の予算として400万円と見ており、実費を男性に請求しました。
市は約20年前から把握していたものの、周辺に住む住民は約30年前からゴミが表に出てきて有名なゴミ屋敷化していったそうです。
有名なゴミ屋敷の家主がかたる理由や事情
誰でもゴミ屋敷にしたくてゴミを放置しているわけではないと思われますが、結果的にゴミ屋敷になってしまったのには何か事情があるのかもしれません。
それでは、有名なゴミ屋敷の家主が語る理由や事情についてご説明しましょう。
名古屋の有名なゴミ屋敷の住人がすごいことに
2015年に名古屋で話題となったのが、全国向けのワイドショーでも連日取り上げられたゴミ屋敷です。
テレビで取り上げられているせいか、有名なゴミ屋敷の周りは野次馬が絶えない状態になったそうです。
このゴミ屋敷の家主はサービス精神旺盛らしく、訪れた人との記念撮影や雑談をしたりしているんだとか。
肝心の家主はゴミ屋敷を片付ける気がないらしく、
「ゴミではない。金属を売ればお金になる」
「片付けるつもりではいる。捨てられない物もあるので片付けは自分でやりたい」
「自分は捨てられない性格」
以上のように語っていますが、一考に片付ける気がない様子に名古屋市の担当者も頭を悩まされていました。
マスコミがいる関係上、「マスコミが騒いでいるうちは、次の一手も打ちづらい」とこぼしています。
新たにゴミが増えつつある中で家主は「整理するための仮置きとして市が黙認している」と言っていますが、市は「黙認していない。一日経ってなくなっているようなら話は別だが、何日も放置されている」と否定しました。
そして家主に市から弁明通知書が渡されましたが、家主は「もちろん片付ける。ただ、今は探し物が見つからない」と言っています。
千葉 有名なゴミ屋敷と大型犬の放し飼い
千葉県で有名なゴミ屋敷に加えて18頭の大型犬を放し飼いにしていた事例があります。
今回の事例では、住居不定、食品配達業の54歳男性が大型犬18頭を劣悪な環境で飼育して虐待したとして松戸署が動物愛護法違反の疑いで逮捕しました。
大型犬は松戸市内の実家で飼育されていましたが、男性は射場生活をしていて実家に住めない状態でした。
実家は近所で有名なゴミ屋敷であり、再三の指導をしても一考に改善されない状態でした。
周辺住民にとっての悩みの種は、敷地内で放し飼いされている大型犬18頭でした。
フェンスをくぐって路上に出たり、塀に前脚をかけて通行人に吠えたりと、周辺住民は常にビクビク怯えながら生活していたそうです。
愛知県豊田市 有名なゴミ屋敷で火事
2015年8月25日の夜、愛知県豊田市で1件の火事が発生しました。
ゴミ屋敷から出火した火は両隣に燃え移り、全半焼する被害を起こしました。
その有名なゴミ屋敷は過去に5回もボヤ騒ぎを起こし、2010年と2013年に行政代執行が行われてもなおゴミ屋敷となっていたのです。
10年前からはみ出したゴミによる異臭やボヤ騒ぎが起きていたため、2010年と2013年に行政代執行が行われただけでなく、近隣住民自ら10回もゴミの撤去作業を行っていたほどです。
当の家主は「俺は貧乏だから」「いろんなことでゴミを拾ってきたんだよ」などと反省の色が全く見えませんでした。
周辺住民もとにかく火事が怖いと言っていた矢先の火事が起きたため、行政代執行をしてもいたちごっこが続くようであれば本質的な部分から改善する必要性があるかもしれません。
ゴミ屋敷が近隣へ及ぼす影響
有名なゴミ屋敷が近隣に及ぼす影響として挙げられるのは、以下の通りです。
● 悪臭
● 害虫
● 家屋倒壊や火災
● ゴミの下敷きになる
それでは、有名なゴミ屋敷が近隣に及ぼす影響についてご説明しましょう。
悪臭
有名なゴミ屋敷によって被害に遭うのは本人だけでなく、近隣住民も例外ではありません。
ゴミ屋敷になりたての頃は悪臭や害虫などが発生しても家の中だけで済みますが、長く放置していると近隣住民に悪臭や害虫による被害が広がっていきます。
生ごみの溜め込みや汚水の腐敗、カビの大量発生などが原因で発生する悪臭によって近隣住民の生活に支障をきたすため、迷惑極まりないトラブルになる可能性があるでしょう。
悪臭は非常に耐えがたい臭いであり、こびりつくような悪臭はちょっとやそっとでは消えるものではありません。
近隣住民の迷惑になるばかりか、人災と言っても差し支えないレベルでしょう。
害虫
有名なゴミ屋敷は何と言っても衛生環境が最悪を極めています。
特に生ごみなどをその辺に放置しているような有名なゴミ屋敷の場合、害虫が大量発生して細菌を媒介するのはもちろん、数多の細菌の絶好の住処として繁殖を続けます。
もちろんすぐに身体に悪影響を及ぼすわけではありませんが、その影響は確実に住人の身体を蝕んでいるでしょう。
そんな中で暮らしていて何も影響がないはずがないので、早急に掃除するべきです。
こうなると衛生環境が最悪なゴミ屋敷は人間ではなく、最近や害虫の住処だと言えるでしょう。
そんな有名なゴミ屋敷を放置しているせいで、重篤な病気にかかってしまうことも珍しくありません。
特にネズミやハエ、ゴキブリなどの害獣や害虫は菌やウイルスを媒介するため、放置すればするほど身体が徐々に菌やウイルスに犯されていきます。
早急に現状をどうにかしないと、何らかの病気になってしまうことは避けられないでしょう。
また、忘れてはいけないのが、害虫は自宅のみならず近隣住民にも迷惑をかける存在だということです。
近隣住民の家まで害虫がやってくると、その家にも様々な被害を発生させてしまいますし、多大な迷惑をかけてしまいます。
家屋倒壊や火災
有名なゴミ屋敷はたびたび火災を引き起こすものとして危険視されています。
何故なら、ゴミ屋敷はコンセントの周辺にゴミが溜まることでホコリが溜まりやすくなったり、コンセントタップの上にゴミが乗って加熱されたりと火災を引き起こす要因は数多くあります。
よくある火災の原因ですが、問題なのは燃え広がり方や被害が甚大になりやすいことです。
有名なゴミ屋敷で火災が起きた場合、火元から周辺のゴミに素早く引火するため、即座に大火災に繋がることも珍しくありません。
あっという間に火の手が回るため、住人も即刻非難しないと火災に巻き込まれて大火傷を負うだけでなく、最悪の場合死亡する可能性があるでしょう。
それ以外にも大量のゴミが積み重ねられることで床が重量に耐えられなくなって抜けてしまったり、家屋が倒壊したりする可能性もあります。
家屋が倒壊すれば近隣住民に迷惑がかかるばかりか、その影響で本人がゴミに埋もれてしまって脱出できない事態に陥るかもしれません。
また、下の階に誰かが住んでいた場合、床が抜けると下の階に住んでいた人に多大な迷惑をかけることになります。
もはや迷惑というレベルでは片づけられませんが、怒りの矛先はゴミ屋敷を生み出した住人に向けられるでしょう。
有名なゴミ屋敷を放置し続けることで近隣住民との関係が悪化するのは避けられないので、早急に何とかするべきでしょう。
ゴミの下敷きになる
有名なゴミ屋敷を放置していると、積み上げられたゴミが崩れる危険性があります。
積み上げられたゴミにもよりますが、硬いものが上に重なっていた場合、それが崩れるとケガを負う原因になってしまうでしょう。
ケガだけならまだ良いのですが、重量のあるゴミが落ちてきて亡くなるケースも起こり得ます。
さらに、まとめてゴミが落ちてきてしまうと本人の身動きが取れなくなり、誰かに助けてもらわないと脱出できない状態になりかねません。
最悪の場合、誰にも見つけてもらえずにそのまま亡くなることも少なからずあります。
このようにゴミ屋敷は常日頃から死亡する危険性があるものなので、早急に掃除した方が良いでしょう。
常に死の危険性が付きまとうゴミ屋敷など、もはや家とは呼べません。
家の中は安息が得られる場所であるべきですが、ゴミ屋敷になってしまったら安全ではなくなります。
早急に有名なゴミ屋敷を何とかするのが得策です。
有名なゴミ屋敷の苦情はどこに言えばいいのか
もしも周辺に有名なゴミ屋敷がある場合、いずれ近隣に異臭や害虫、火事などの被害に見舞われる可能性があるでしょう。
それを防ぐためにも苦情を入れて対応してもらいたいところですが、苦情はどこに言えばいいのでしょうか。
それでは、ゴミ屋敷の苦情をどこに言えばいいのかご説明しましょう。
家主の身内や知り合いへ
最も簡単なのは、家主の身内や知り合いに苦情を言う方法です。
家主に直接言えれば苦労はしませんが、直接苦情を言うと衝突して余計に話がこじれる可能性があるでしょう。
家主の身内や知り合いであれば聞き入れてくれる可能性があるため、説得して掃除してくれるかもしれません。
住んでいる自治体へ
家主が住んでいる自治体であれば、ゴミ屋敷に関する条例が制定されている可能性があります。
窓口に相談して被害状況や要望、近隣住民の署名などをまとめた報告書等を用意することで対応してもらえるかもしれません。
ただ、必ずしも対応してくれるとは限らないので注意しましょう。
警察や消防
警察は民事不介入の原則がありますが、相談すれば注意してくれます。
消防署も消防法に抵触していない限り直接取り締まることはありませんが、火災に関する危険性について注意してくれます。
弁護士
定期的に開かれる無料相談会で弁護士に相談することができます。
手ぶらよりも、被害状況などをまとめた報告書を持参した方が訴訟を起こせる可能性があります。
ただ、弁護士に依頼する際に費用が発生するので注意しましょう。
まとめ
有名なゴミ屋敷は自治体にとっても頭の痛い話であり、近隣住民に迷惑がかかる厄介極まりないものです。
家主に苦情を言っておとなしく片付けてくれるのであればまだマシですが、基本的に「ゴミじゃない」の一点張りで掃除しないケースが多いです。
有名なゴミ屋敷は悪臭や害虫、家屋倒壊などの迷惑行為に発展する他、火災が起きればもらい火によってこちらも甚大な被害に遭う恐れがあります。
早急に自治体等に相談して対処してもらうのがおすすめです。