亡くなった人の物は、遺品として大切にしたいと思う一方、できるだけ処分してスッキリさせた方がいいという一面もあります。かといって、なんでもかんでも処分してしまうのはためらわれ、「すべて処分するべきか」「いつごろ処分すればいいか」など、遺族の悩みが尽きることはありません。
亡くなった人の物は、適切な時期に整理・処分した上で、少しずつ気持ちを落ち着かせていきましょう。今回は、亡くなった人の物は処分した方がいいと言われる、6つの理由と捨てる時期について解説します。
目次
亡くなった人の物は処分した方がいい理由

亡くなった人の持ち物は、どれだけ古かったり価値がなかったりしても、すべて遺品として扱われるべき対象です。特に、愛用していた物は生前の面影が残っており、簡単に捨てようとはとても思えません。
とはいえ、ある程度処分したり片付けたりしなければ思わぬトラブルの引き金にもなりかねず、そのまま放置するのは危険です。では、亡くなった人の物はなぜ処分しなければならないのが、具体的な理由を詳しく解説します。
1.心の整理をするため
亡くなった人の物は処分した方がいいとされる一番の理由は、残された遺族の心の整理をつけるためです。亡くなった直後は気づきにくいですが、個人の愛用品や持ち物が身近にありすぎると、目に入るたびに亡くなったことが思い出され心苦しい思いをします。特に、故人の死因が不慮の事故や災害だった場合、残された遺族は故人の死に現実感を持てず、遺品を目にするたびに心を乱すケースが多いです。
筆者の配偶者も突然亡くなりましたが、当時中学生だった息子は親の死を受け入れられず、配偶者の書斎に入り浸り情緒不安定な状態が続きました。一緒に遺品整理をすることで、気持ちの乱れが少しずつ落ち着き日常生活を送れるようになりましたが、残した遺品は今でも息子がお守りのように保管しています。
このような経験を踏まえると、亡くなった人の物は適度に処分して心を整理し、新たな生活を受け入れる準備をすることが望ましいです。
2.遺族とのトラブルを防ぐため
亡くなった人の物の処分は、遺族とのトラブルを防ぐためにもできるだけ早急に行いましょう。故人が残した遺品を整理しないまま放置していると、遺族が勝手に持ち出しても気づきにくく、正当な遺産相続が不可能になります。
特に、価値の高い貴重品や重要書類などはトラブルの元になりやすく、いつ相続問題で裁判に発展してもおかしくありません。亡くなった人の物を適度に処分しつつ、相続対象となる遺産をはっきりさせておけば、管理がしやすくなり話し合いもスムーズです。
3.故人の財産や生前の契約を把握するため
亡くなった人の物の処分は、個人の財産や生前の契約状況を把握するためにも役立ちます。例えば、故人名義の生命保険や不動産の権利証・株券・賃借証明書などは、財産であれ負の遺産(借金等)であれすべて相続対象です。
また、携帯・インターネット上のサブスクリプション・その他の個人的な生前契約も、放置すると引き落としが掛かるため速やかに解除しなければなりません。亡くなった人の物を整理しながら処分すれば、故人の財産や生前の契約に関する書類等が見つけやすく、手続きも楽になります。
4.災害や犯罪に巻き込まれないため
故人が一人暮らしをしていて亡くなった場合、災害や犯罪に巻き込まれないためにも、遺産整理と処分は早急に始めてください。例えば、故人が亡くなり放置された空き家は泥棒や放火犯の目につきやすく、いつ目をつけられて犯罪に巻き込まれるかわかりません。
火事や地震などの災害が起こった場合、遺品はもとより重要書類も紛失する可能性が高く、最悪の場合相続すら不可能になってしまいます。災害も犯罪も、いつ巻き込まれるかわからないからこそ危機感を持ち、亡くなった人の持ち物を処分してスッキリさせた方が安心です。
5.スペースを有効活用できるため
亡くなった人の物を処分すると、居住スペースを有効活用できるようになります。故人と同居していた場合、故人の持ち物を処分しない限りその部屋は物置状態になり、下手をするとカーテンや窓すら開けない可能性が高いです。亡くなった人の物を処分すれば、予備の客間や家族の団欒部屋など、さまざまな目的でスペースを有効活用できます。
筆者の場合、亡くなった配偶者の部屋が玄関近くだったので新たな客間にしようと考え、残した遺品や仏壇などを置いて人が集まれる空間へ変更しました。プライベート空間と離れたことで接客しやすくなり、配偶者所縁の人にもゆっくり過ごせてもらえるのが良かった点だと感じています。
6.遺品の管理をする必要がなくなるため
亡くなった人の物を処分すると、その分遺品の管理をする必要がなくなるため、遺族の責任を軽減しやすいです。遺品の数が多いと、たとえ目録を作っていても管理をするのが大変で、保管するスペースも必要な上定期的なチェックや手入れも欠かせません。
思い切って処分すれば、遺品の数は減る分把握しやすくなり、紛失や盗難・劣化といったトラブルの対処も楽です。故人が亡くなった直後だと思い切ることは難しいですが、ご供養の時期や気持ちが落ち着いた頃を見計らい、亡くなった人の物を適度に処分して管理しやすい状態へ整えましょう。
亡くなった人の物を処分する時期

亡くなった人の物を処分するとき、遺族が悩みやすいのが適切な時期です。あまりに早すぎるのはためらわれ、かといっていつまでも処分しないのも後ろめたく感じるため、いつ頃にどのような処分をするべきか、平均的な例を知りたい人も少なくありません。
亡くなった人の物は、死後事務として遺族がやるべきことと照らし合わせると、いつ頃に何をやるべきかの輪郭が見えてきます。具体的な内容を表にまとめたので、ある程度の目安として参考にしてみてください。
| 処分する時期 | 処分する物 |
| 初七日〜四十九日頃 | 処分する物は無し 故人名義の支払い後遺産を整理し直す |
| 故人名義の支払い(サブスク・ローン・公共料金等)が完了した頃 四十九日過ぎ | 故人の衣類や寝具 |
| 遺産相続・財産分与・形見分け完了後 | 手元に残った遺品のうち、明らかに不用と感じたものを処分 |
| 随時 | 明らかな不用品(古い雑誌や溜め込んだゴミ類) |
亡くなった人の物を処分する流れ

亡くなった人の物は、一般的な価値に関係なく遺族にとって大切な遺品です。そのため、計画性もなく片付けようと思うと作業が止まりやすく、結果的に何も捨てられなかったり、大切なものまで誤って処分する可能性があります。
ある程度の計画性を持ち、一つの作業として流れを作っておくと、本当に大切なものを見失わず後悔がありません。亡くなった人の物を処分するとき、意識的に行うべき一連の流れを以下でご紹介します。
1.必要な物と不用品の仕分け
亡くなった人の持ち物(遺品)は、一つずつ手に取りながら必要な物と不用品に仕分けするところから始めましょう。勢いだけで仕分けをすると、後になって捨てなければ良かったと後悔しやすく、手放した物にいつまでも心を残してしまいます。
遺品を一つ一つ手に取り、「これはいらない」「これは思い入れがあるから残す」と丁寧に仕分けすれば、心残りも少なく手放しても後悔はありません。できれば保留箱も用意しておき、どうしても判断ができないものは一旦保留箱へ入れて保管、ご供養の節目ごとに取り出して仕分けし直してみてください。
2.不用品の処分、清掃
遺品の仕分けが済んだら、不用品を処分し故人の部屋を清掃します。この時、故人の家具類も処分するのであれば、不用品回収業者の引き取りや出張買取をしているリサイクルショップへ依頼するのがおすすめです。
不用品処分も行なっている清掃業者へ依頼すると、処分から清掃までお願いできるため、遺族の心身の負担も軽減されます。不用品の処分と清掃が済んだら、物理的な意味でも精神的にも、亡くなった人の遺品整理が完了です。
亡くなった人の物を処分する方法

亡くなった人の物を処分する場合、おおまかに分けると次の2種類の方法が挙げられます。
- 自力で行う
- 遺品整理業者に依頼する
もちろん、処分できるのであればどちらの方法でも問題はありませんが、遺族への負担や片付ける部屋の状況によっては、適切な方法を選び使い分けることも重要です。では、それぞれの方法にどのようなメリットがあるのか、各処分方法について詳しく解説しましょう。
自力で行う
亡くなった人のものを自力で処分する方法は、その名の通り遺品の仕分けから不用品の処分・室内の清掃まで、すべて自力で行います。故人と同居しており片付ける場所が限られているなら、自力で行ってもほとんど問題ありません。
特に、生前の故人がきちんと片付けるタイプだった場合、重要書類等も探しやすく手間がかからないため、家族だけで落ち着いて清掃できます。大型家具などの処分は大変ですが、家族で協力したり親族に手伝ってもらったりなど、身内だけで丁寧に対応してください。
遺品整理を自分でやる際の進め方や捨ててはいけないもの、いつから始めるべきかを解説
遺品整理業者に依頼する
故人の部屋が汚部屋で、片付けどころか重要書類すら見つからないようなら、遺品整理業者への依頼が得策です。遺品整理業者は、遺品整理の専門家で重要書類や大切な遺品を見逃しません。印鑑や通帳・貴金属といった貴重品はもちろんのこと、思い出になりそうなアルバムや覚書・走り書きのメモなど、遺族の意思を汲んだ仕分けを行なってくれます。
故人との別れがあまりに辛すぎると、遺品を目にするだけで気持ちが沈み、処分どころか仕分けすら困難です。自力で処分するのが無理だと思ったら、無理をせず遺品整理業者へ依頼しましょう。
遺品整理で捨ててはいけない遺品がある

「いらないと思ったら処分する」のが基本ではあるものの、遺品整理の場合は遺族の心情に関わらず、絶対に捨ててはいけない遺品も存在します。それらを捨ててしまうと、いざ手続きしようと思った時に書類不備で受け付けてもらえなかったり、対応が遅れて処理に時間がかかったりして、事務処理がスムーズに進みません。捨ててはいけない遺品の具体例は、以下の通りです。
- 故人の思い出にまつわるもの(アルバムや日記・趣味グッズなど)
- 年金手帳
- 保険証
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- パスポート
- 故人が加入していた保健関係の書類(生命保険・自動車保険等)
- 故人の仕事関係の書類
- 故人名義の通帳類
- 故人名義の有償証券
- 故人名義の貸借書類
- 遺言書
- 鍵類
- エンディングノート
- パスワードなどの覚書
- 財布や現金等
- 銀行の通帳やカード
- クレジットカード
亡くなった人の物を捨てられないときの対処法

亡くなった人の物は、重要じゃないと感じたら処分するのが一番良いですが、重要度と個人的な感情は必ずしも一致しません。まして、どれも故人にまつわる品物だと思うとどうしても気持ちが移ろい、結局捨てられずに仕舞い込む人も多いです。
しかし、あまりの多くの遺品を残すと管理も大変で、いつまでたっても遺品と整理が終わりません。では、亡くなった人の物を捨てられないときにはどうすれば良いのか、詳しい対処法をご紹介します。
捨てられない理由を明確にする
亡くなった人の物がどうしても捨てられない、または重要かそうでないかが判断できない時は、何故残したいと思うのか明確な理由を探ってみましょう。捨てられない・捨てたくないと思う場合は、遺品に個人的な思い入れを持っている可能性が高いです。
特に、故人が亡くなった直後はこの傾向が強く、無理に捨てようと思うとストレスになってしまいます。遺品と向き合うということは、故人への気持ちや思い出と向き合うことなので、捨てられない理由を明確にした上で、どうしても無理そうなら保管する方向へ切り替えてください。
形見分け、供養をする
捨てられない遺品は、形見分けしたり供養したりする方法で手放すことも可能です。形見分けの形で手放せば、故人に縁のある誰かの手元で長らえるので、精神的にも楽になり後悔しません。
お寺や神社での供養は、遺品の魂も故人の元へ旅立ったと感じられ、罪悪感が払拭できます。遺品を故人の分身のように感じている人ほど、捨てられないという反応が顕著です。形見分けや供養を通じ、遺品に宿った思い出と自分の心を整理してみましょう。
遺品整理士在籍の七福神へご相談ください

「家族の遺品を整理したいけど物が多すぎて大変」「どこに重要書類があるかわからず見落としそう」とお困りの方は、七福神へご相談ください。七福神は、遺品整理士も在籍している片付け専門業者です。貴重品の捜索や不用品の供養など、遺品整理にかかわる作業を一括対応しており、短時間で片付けが完了します。
遺品整理士がお客様の心に寄り添い、残す・残さないといった仕分けのアドバイスもいたしますので、判断に悩む心配もありません。最初のご相談は24時間対応の無料相談窓口から、フリーダイヤル・メール・LINEのいずれかの方法でご連絡ください。
まとめ
亡くなった人が残した物は、心を整理するためにも相続トラブルを防ぐためにも、できるだけ早い段階で整理・処分するのが望ましいです。適切な時期に処分できれば、遺産整理や相続問題も解決しやすく、その後も管理も楽になります。
亡くなった人の遺品整理は、諸手続きや相続手続きなどの関係から、できれば初七日頃から、遅くても四十九日を迎えるまでに行なってください。故人の室内が散らかりすぎて重要処理が見つからない場合は、遺品整理士が在籍している片付け専門業者へ依頼して、片付けと遺品整理を同時進行で進めていきましょう。