「日本の睡眠」といえば、「畳にお布団」というイメージが浮かぶかもしれません。
温泉宿や和風旅館では、ふかふかのお布団を敷いてもらって寝るところもたくさんあります。
しかし自宅では、住宅の洋風化にともない、畳に掛け布団・敷布団を敷くスタイルではなく、ベッドを使用する人が増えているようです。
手間をかけずに寝ることのできるベッドですが、処分するときには最も困る家具の一つでもあります。
ベッドを上手に処分するには、どのような方法があるのでしょうか。
目次
日本におけるベッドの歴史とは?
実は、奈良時代には、日本人はベッドに寝ていたようです。
ベッドに寝るスタイルは中国から伝わったとされ、聖武天皇と光明皇后が使用したといわれるベッドが正倉院に保管されています。
当時は、ベッドは上流階級の人だけが持てるもので、一般庶民は土間にワラを敷いて寝ていたそうです。
その後、江戸時代から明治時代にかけて、農村部でも畳を敷く文化が普及していき、掛け布団や敷き布団を使う文化が広まりました。
日本にベッドが再び登場するのは大正末期です。
明治天皇の近衛兵の息子・宇佐美竹治がイギリス留学でベッドを知り、日本にこのスタイルを持ち帰ったのです。
そして、宇佐美は、大正15年、「日本羽根工業」を立ち上げ、ベッドの製造を始めました。
最初は一部の富裕層や高級官僚にしか手に入らない高級品でした。
昭和31年に双葉製作所がソファーベッドの製造・販売を始めたのをきっかけに、一般庶民にもベッドが普及していきました。
時代が下るにつれ、畳敷のきの和室は減ってフローリングの部屋が増えていき、安価な製品も製造されるようになって、ベッドを使う人が増えていったのです。
粗大ごみとして出す
では、ベッドの処分方法について見ていきましょう。
出し方
最も簡単なのが、「粗大ごみとして出す」方法です。
粗大ごみの出し方は自治体によって違いますが、おおよその流れは同じです。
インターネットか電話で、居住自治体の粗大ごみ受付センターにベッド回収を依頼しましょう。
すると、回収日や回収場所、回収料金を教えてくれるので、スーパーやコンビニなどで料金分の粗大ごみ回収券を購入します。
回収券に必要事項を記入して出したいベッドに添付し、収集日に指定の収集場所に出せばOKです。
費用
相場はおよそ以下のようになります。
- シングルで1000円前後
- セミダブル2000円前後
- ダブル以上で2000円前後
また、ベッドマットは1000円程度が相場です。
ただし、自治体によって回収料金は異なるため、必ず事前に確認しましょう。
この方法のメリット・デメリット
最も大きなメリットは、比較的安い費用で確実に処分できることでしょう。
デメリットとしては、基本的には運び出しはしてもらえないため、指定場所まで自分で運ばなくてはならないことが挙げられます。
また、回収日を指定できない自治体もあるので、すぐには処分できず、タイミングによってはしばらく自宅で保管しなくてはならないこともあります。
可燃ごみとして出す
お金をかけたくない人におすすめの方法です。
出し方
一般的にベッドは粗大ごみとして出さなくてはならないですが、解体して小さくすれば可燃ごみとして捨てられる自治体もあります。
解体する場合、まずベッドの脚など取り外し可能なパーツを外します。
残った大きな木製の部分は、電動のこぎりで可燃ごみの袋に入るサイズにカットします。
マットレスは、ハサミで布を切り、クリッパーでコイルを切断します。
費用
自分で切断すれば、処分費用はかかりません。
パーツの素材ごとに、回収ルールを守って出しましょう。
ただし、自治体によっては、たとえ小さく解体してあっても、元が粗大ごみサイズのものには、粗大ごみ処分費用がかかることがあります。
このような場合、出しても回収してもらえなかったり、あとから費用を請求されたりすることもあるので、事前の確認が必要です。
メリット・デメリット
解体しての処分を認めている自治体居住であれば、費用がかからないのがメリットです。
しかし、解体はかなりの手間がかかる重労働であり、時間がかかるのは大きなデメリットと言えるでしょう。
特にマットレスは、適正に廃棄物処理をすることが難しい「適正処理困難物」に指定されています。
さらに、マットレスにスチール素材のスプリングが使われている場合は、切断するための工具も必要となります。
リサイクルショップに引き取ってもらう
リサイクルショップでは持ち込みが基本ですが、出張引き取りサービスを行っているところがあります。
出し方
近所にショップがあれば、電話してベッドの引き取りを行っているか確認しましょう。
インターネットで出張引き取りサービスを行っているところを検索し、ベッドを引き取ってもらえるか確認しましょう。
費用
良い状態のものや高級ブランドものの場合は、買い取り価格がつくことがあります。
メリット・デメリット
メリットは、買い取ってもらえれば収益になることです。
ただし、未使用のものや高級ブランド・有名ブランド以外は売れないケースも多いでしょう。
また、ベッドは保管・展示に大きなスペースが必要になるため、ベッドの買い取りを行っていないショップもあります。
ネットオークションやフリマアプリで売る
ネットオークションやフリマアプリに出品してみましょう。
出し方
出品はすべての過程をスマホでできます。
売りたいベッドの写真を撮り、説明文をつけてアップするだけなので簡単です。
費用
オークションサイトは利用登録すると年会費などが必要になる場合があります。
フリマアプリでは、売れた場合に手数料を支払う必要があることもあるので、事前に確認しましょう。
メリット・デメリット
何と言っても、スマホ一つで全てできることが最大のメリットです。
リサイクルショップで引き取ってもらえなかった場合でも、ネットには欲しい人がいるかもしれません。
売れれば、不用なベッドを処分でき、収益も入ります。
デメリットは、大きさや重量から配送料が高額になることです。
また、梱包もかなり大きな手間になります。
不用品回収業者に引き取ってもらう
大きなベッドを運搬するのが難しい人におすすめの方法です。
出し方
インターネットで業者を検索します。
良さそうな業者を見つけたら、電話やメールなどで問い合わせ、ベッドを引き取って欲しい旨を伝えましょう。
費用
回収費用は業者によって異なりますが、シングル・セミダブルベッドの木枠とマットレスで7000円〜1万円くらい、ダブルベッドの木枠とマットレスで1万円〜1万5千円ほどが相場です。
申し込みの際に確認しておきましょう。
メリット・デメリット
不用品回収業者の場合、メリットは以下のように多いでしょう。
- 自分で運搬する必要がない
- 日程を自分の都合に合わせられる
- ほかにも不用品があれば一緒に運搬・処理してもらえる
デメリットとしては、階段がある、吊り下げなどが必要、運搬車を停める場所が遠いなどの場合は、料金が別途必要になることがあります。
また、悪質な業者も存在しています。
不用品を回収するのに必要な免許を持っていない、回収した不用品を不法投棄する、見積りよりも高い料金を請求するなど、トラブルになる例が多いため、注意が必要です。
トラブルに巻き込まれないために、必要な免許があるか、料金体系が明確かなど、ホームページでしっかり確認しておきましょう。
家具販売店に回収してもらう
ベッドを新しく買い換える場合に有効な方法です。
出し方
家具販売店やホームセンターでは、ベッドを購入する際、古いベッドの回収をしているところがあります。
古いベッドを処分してもらいたいときは、新しいベッド購入の際、お店に相談しましょう。
インターネットで新しいベッドを購入する場合は、ホームページに引き取りについての記載があるかをチェックしましょう。
記載がない場合は、事前に問い合わせておくのがおすすめです。
費用
引き取り料金は3000円〜4000円程度の料金が相場のようです。
料金はお店によって異なるので、必ず事前に確認しておきましょう。
メリット・デメリット
メリットは、新しいベッドの配送と古いベッドの運び出しが同時に済むため、古いものを保管しておく必要がなく、場所をとりません。
また、処分の手配をする手間もかからないのもうれしいところです。
デメリットは、お店によっては古いベッドの解体が必要だったり、新旧のベッドのサイズが違う場合、引き取り対象外になってしまうケースがあることです。
まとめ
ベッドは大きいため、処分がとても大変です。
また、速やかに処分できないと、不要になったベッドを保管する広いスペースも必要になってしまいます。
いざ処分する際に慌てないためには、事前にしっかり準備しましょう。
状況に合わせたベストな方法で、少しでも安く、早く処分したいですね。