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ゴミ屋敷片付け

秋田市のゴミ屋敷に対する条例(通称:秋田市住宅等の適切な管理による生活環境の保全に関する条例)の内容とは

秋田市のゴミ屋敷に対する条例(通称:秋田市住宅等の適切な管理による生活環境の保全に関する条例)の内容とは

ゴミ屋敷は全国的な問題として広く認知されるようになりました。
結果、ゴミ屋敷対策として条例を施行する自治体が増えていますが、秋田市もその一つです。

独自にゴミ屋敷対策の条例を制定し、問題解決に取り組んでいます。
そんな秋田市の、いわゆるゴミ屋敷対策の条例についてご紹介しましょう。

秋田市のいわゆるゴミ屋敷対策条例のポイント

秋田市のいわゆるゴミ屋敷対策条例のポイント

秋田市では平成30年(2018年)に、いわゆるゴミ屋敷対策を施行しました。
どのような条例なのか、様々な角度からご紹介します。

秋田市のゴミ屋敷の定義

そもそも、「ゴミ屋敷」は何を指すのか、全国的な統一見解がある訳ではありません。
「汚すぎる家屋」「周囲に迷惑を及ぼしている家屋」等ですが、明確な線引きがありません。

そのため、条例化にあたっては、まずはゴミ屋敷の定義が一歩目になります。
秋田市では家屋や敷地のゴミが堆積し、散乱している状態で、かつ以下の事項に当てはまる場合を「ゴミ屋敷」と認定しています。

  • ゴミ等から悪臭が生じている
  • ゴミ等によってじゃえやゴキブリ等、害虫が発生している
  • ゴミ等にねずみが生息している
  • ゴミ等が崩落する恐れがある
  • 火災発生の懸念がある

これらに該当し、周辺の生活環境を損ねている場合、「管理不能状態」、つまりゴミ屋敷と認定し、条例の施行対象となります。

あくまでも私有地に適用する条例

秋田市が制定した、いわゆるゴミ屋敷条例は対象が私有地になります。
そのため、空き家や空き地、道路にて同じ状況が確認されたとしても、条例の対象ではありません。
あくまでも人が住んでいる状態を「ゴミ屋敷」と定義し、条例の対象としています。

秋田市としての取り組み

秋田市としての取り組み

ゴミ屋敷条例にて、秋田市の取り組みも規定されています。
条例を元に、何をするのかについて見てみましょう。

ゴミ屋敷の実態調査

周辺住民等から相談があった場合、秋田市として調査を行います。
その後は家庭訪問を行うなどしてゴミ屋敷の改善を働きかけ、必要であれば支援を行います。
ちなみに支援とは、ゴミ等を整理整頓する際に必要物品の支給を指します。

この時点でゴミ屋敷を改善できるのであれば、ゴミ屋敷問題は解消となります。
しかし、支援や働きかけでは改善されない場合には、次のステップへと移行します。

安全措置も可能

調査以降、敷地内のゴミが隣接する家屋や道路に崩落するなどの恐れがある場合には、緊急安全措置として、すぐにゴミの整理整頓を行うことが可能です。

ゴミ屋敷の住居者に対しての指導・勧告

支援や働きかけでゴミ屋敷が改善されない場合、秋田市は次の手として指導・勧告が可能になります。
働きかけは、あくまでもゴミ屋敷住居者の自主性を重視したもので、強制性はありません。

まずは住居者に改善を促します。
問題が解決しない場合、働きかけよりも強い指導、さらには勧告となります。

指導とは、ゴミ屋敷を改善するための具体的な提案・行動指示です。
これでも改善しない場合には、行政による強制的な清掃である行政代執行を勧告することになります。

秋田市による代執行

指導・勧告を受けても改善しない場合、まずは住所や氏名の公表が可能になります。
その後、行政代執行となります。

行政代執行は、もはや住居者の意思は関係ありません。
秋田市が業者を手配し、ゴミ屋敷の清掃を行い、ゴミ屋敷を改善します。

行政代執行の費用は?

ちなみに秋田市が行政代執行を行った際の費用はゴミ屋敷の住居者に請求します。
税金同様、行政による徴税義務が生じます。
費用の支払いに応じない場合には、財産の差し押さえが可能です。

ゴミ屋敷を再発させないための支援

ゴミ屋敷はゴミを撤去するなど清掃して終わりではありません。
再発させないための支援こそ、いわゆるゴミ屋敷条例の目的です。

ゴミ屋敷問題の根深さは、清掃・撤去だけでは問題が解決しない点が挙げられます。
実際、他の地域で行政代執行を行った後、結局は元のゴミ屋敷に戻ってしまったケースもあります。

そのため、秋田市のいわゆるゴミ屋敷条例では、再発防止として継続的な家庭訪問や福祉サービス支援等を行います。

ゴミ屋敷条例が全国に増えている理由

ゴミ屋敷条例が全国に増えている理由

秋田市だけではなく、いわゆるゴミ屋敷条例は全国に見られます。
その理由は全国各地にゴミ屋敷が増えているからです。
なぜゴミ屋敷が増えているのか、その理由は主に以下のことが考えられます。

少子高齢化による高齢者の一人暮らしの増加がゴミ屋敷化

秋田市だけではなく、全国的に少子高齢化が進んでいます。
社会問題と言っても過言ではないほどですが、少子高齢化の影響により、高齢者の一人暮らしも増えています。
身寄りのない高齢者は、以下のように掃除がままならず、ゴミ屋敷化してしまうケースが見られます。

  • ゴミ問題に対して次第に無頓着となってしまう
  • まだ使えるものがあると他の家屋のゴミを自宅に持ち帰ってしまう

身寄りがあれば、身内の誰かが高齢者の家を訪れた時にゴミ屋敷の兆候に気付けます。
しかし、誰も訪れなければ、周囲が気付く頃には既にゴミ屋敷になってしまっているのです。

ゴミ問題の複雑化がゴミ屋敷を招いている

ゴミ屋敷が増えている背景の一つとして、ゴミ問題の複雑化が挙げられます。
例えば秋田市では、ゴミを以下に分類できます。

  • 家庭ゴミ
  • 水銀含有ゴミ
  • 資源化物
  • 粗大ゴミ

さらに、それぞれゴミの出し方は異なります。
かつては、すべて「ゴミ」として出せたものが、分別しなければならないことから億劫に感じます。
そして、ゴミ出しを疎かにすることでゴミが蓄積され、ゴミ屋敷化する傾向が見受けられます。
もちろんこれは秋田市だけではなく、他の地域にも該当する話です。

地域の関わりが希薄になることでゴミ屋敷に

かつては秋田市はもちろん、どのエリアでもいわゆる「近所付き合い」がありました。
しかし昨今は共働き世帯、単身者が増えていることから、同じマンションの隣人の顔でさえ知らないケースも珍しくありません。

来客が来なければ、自宅が多少汚くとも気にしない人は少なくありません。
さらに清掃を怠ることでゴミ屋敷化してしまうケースも珍しくありません。

ゴミ屋敷でも気にしない住居者も

周囲からみればゴミ屋敷ではあっても、当の居住者とすれば、何ら気にしていないケースもあります。
綺麗だとは思っていないにせよ、騒ぐほどではないとの認識なので、ゴミ屋敷ではありながら、平然と暮らしているケースが見受けられます。

自覚していないゴミ屋敷住居人もいる

周囲から見ればゴミ屋敷でしかないものの、住居者はゴミ屋敷だと認識していないケースもあります。
行政による立入調査にて、堆積されているのはゴミではなく、私有物だと言い張る住居人もいます。
住居者本人としては「いつか使う」「もしかしたら使う」「大切なもの」、つまりはゴミではないのです。

しかしあまりにも物が多ければ、周辺住民にとっては景観はもちろんですが、悪臭や崩壊リスクなど、心配するものです。

秋田市のいわゆるゴミ屋敷条例は支援も用意されている

秋田市のいわゆるゴミ屋敷条例は支援も用意されている

秋田市の、いわゆるゴミ屋敷条例について見てみました。
ゴミの撤去・清掃だけではなく、支援策も用意されており、再発防止まで視野にいれたものとなっています。

人口が減少傾向にあるものの、高齢者の割合が増えている秋田市では、今後、ゴミ屋敷が大きな問題になることも十分に考えられます。

しかしゴミを撤去するだけで終わりとするのではなく、福祉サービスと連携した支援が盛り込まれています。
ですから、表面的な解決ではなく、問題の根本的な解決が期待できる条例となっています。

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この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。

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