家族が亡くなると、死亡届を出したり住民票を変更したりなど、さまざまな手続きを行う必要があります。
その中で、意外と忘れがちなのが公共料金の名義変更ではないでしょうか。
変更を忘れていると、凍結された故人の口座から料金が引き落とせないことになりかねません。
特に世帯主が亡くなった場合、水道料金や電気・ガス料金、NHKなどの名義変更や解約について見ていきましょう。
目次
公共料金、寝意義変更? それとも解約?
「公共料金」とは、主に公的な機関や法人が提供している、公的な性質を持つサービスに対する料金のことです。
たとえば、電気やガス、水道、NTT、NHKの料金などが該当します。
亡くなった家族が公共料金の契約者であった場合。そのまま放置していると料金が発生し続けます。
家族が使いつづける場合と、誰も使い続ける人がいない場合で対応が異なります。
同居の家族が使いつづける場合
同居していた家族が、故人が契約していた電気・ガス・水道などを引き続き使いたい場合、家族の誰かの名義に変更します。
誰も使わない
故人が契約していた電気・ガス・水道などを今後使わない場合は、解約します。
故人が一人暮らしだった場合は、こちらになることがほとんどでしょう。
電気料金の名義変更・解約の方法は?
従来の電力会社で契約をしている場合と、新電力会社と言われる会社で契約している場合で名義変更・解約の方法が異なります。
従来の契約を行なっている場合
電気やガスをまとめて契約したり、別の電気会社に変えたりしていない場合は、まず電力会社に連絡しましょう。
あなたのお住まいはどちらですか?
住んでいる場所によって、東京電力、中部電力、関西電力など各電力会社に連絡しましょう。
電力会社の連絡先や故人の契約番号は、その会社から届く領収書や料金明細などに書かれているので確認しましょう。
連絡は電話で行うのがスムーズでしょう。
しかし、最近はインターネットで名義変更や解約を行えるところもあるので、ホームページを見てみると良いでしょう。
たとえば、東京電力の場合、「電気・ガス料金等のお支払い方法の変更・契約内容変更手続き」というページから手続きを行うことができます。
このページに口座の変更、クレジットカードでの支払い変更などがあります。
自分に該当するところをクリックして必要事項を入力しましょう。
また、契約名義を変更したい場合は「契約内容変更手続き」から手続きを行います。
そのほかの会社と契約している場合
電力の全面自由化が行われ、小売電気事業者(新電力)から電気を購入することができるようになりました。
そのため、故人が、東京電力、九州電力といった電気会社ではなく、新電力のサービス会社と契約していることも考えられます。
この場合も、自宅に送られてくる領収書などを探しましょう。
変更や解約の方法は会社によって異なります。
たとえば「auでんき」と契約していた場合、他社へ切り替えるのであればauでんきへの連絡は必要ありません。
解約したい場合は、お客さまセンターに電話をして解約手続きをしなければなりません。
各社ホームページなどを見たり、問い合わせセンターに連絡したりして確認しましょう。
ガス料金の名義変更・解約の方法は?
ガス会社も電気と同じように、従来のガス会社で契約をしている場合と、新事業者で契約している場合で名義変更・解約の方法が異なります。
従来の契約を行なっている場合
ガスの場合、東京ガス、大阪ガスなどの各ガス会社に連絡をしましょう。
ガスの場合も、ガス会社から届く領収書や料金明細に、連絡先や故人の契約番号などが書かれています。
たとえば大阪ガスの場合、インターネット、電話、ファクスで解約や名義変更が行えます。
該当のボタンをクリックし、必要事項を伝えましょう。
解約時にはガス検針を行い、料金の精算が行われます。
口座振替、クレジットカードでの引き落とし、払込書による現金払いが選べます。
そのほかの会社と契約している場合
ガスも、電気と同様に自由化が行われ、これまでは地域によって決められた都市ガス会社としか契約できませんでしたが、自由に会社を選択できるようになっています。
たとえば「レモンガス」と契約していた場合、都市ガスで他社に切り替える際に解約手続きは必要ありません。
新しく利用するガス会社に連絡すれば、その会社からレモンガスに解約手続きを行ってくれます。
名義変更の場合は、支払い方法を変更しましょう。
「おまとめ」に注意!
繰り返しになりますが、電気やガスの自由化により、消費者が自由に電気会社やガス会社を選ぶことができるようになりました。
そのため、「東京電力で電気とガスをまとめて契約している」「北海道ガスで電気とガスを契約している」といったように、さまざまなケースが出てきます。
これらも、自宅に届く領収書や料金明細を見て確認しましょう。
水道料金の名義変更・解約の方法は?
水道は、水道の会社ではなく、各自治体が運営しています。
そのため、連絡先も各自治体が運営している「水道局」となります。
水道の場合も、領収書や料金明細にある連絡先や契約番号を確認し、まずはお客さまセンターへ電話で連絡しましょう。
東京都水道局の場合は、電話連絡のほか、インターネットからも手続きができます。
自治体によっては、電話連絡のみのところもあるようです。
水道の場合は、行政機関が管理・運営しているため、民間の会社が手続き先になることはありません。
そのため、電気・ガスなどの「おまとめ」のようなことはありません。
NTT一般固定電話の名義変更・解約の方法は?
近年は、固定電話を使用せず携帯のみという人も増えているようですが、高齢者の場合はまだまだ固定電話を契約している人も多いようです。
NTT東日本
名義変更には以下の3通りがあります。
- 譲渡・・・契約者を第三者に変更する場合
- 承継・・・契約者の逝去により、相続する場合
- 改称・・・故人が改姓する場合
該当するものを選び、必要事項を入力しましょう。
NTT西日本
NTT西日本の場合は、郵送にて手続きを行います。
NTT西日本公式サイトの「各種お手続き」から該当する手続きを選びます。
申請するのに必要は用紙をダウンロードします。
ダウンロードして申請用紙に必要事項を記入し、必要な書類を同封の上、郵送します。
名義変更の場合は「電話名義の変更」へ進みます。
解約したい場合は「ご契約者がお亡くなりになられた場合の解約」というページがあります。
解約に関してはインターネット上では手続きができません。
電話で直接話して手続きをしましょう。
NHKの名義変更・解約の方法は?
自宅にテレビがある人は、基本的に、NHKと契約しているはずです。
近年、テレビ離れが進んでいると言われますが、受信契約をしていれば、全く見なくても料金は発生し続けます。
もし、同居の家族などが今後もテレビを見るのであれば、契約者を別の人に変更しましょう。
契約者が亡くなったあとテレビを見ない(テレビがない)のであれば、解約しましょう。
名義変更をするには?
まず「NHKふれあいセンター」に連絡しましょう。
契約者が亡くなったこと、また名義を変更したい旨を伝え、新名義人の氏名や住所、連絡先などを伝えます。
名義変更はインターネットからも可能です。
NHKホームページのトップページにある「受信料の窓口」から「契約者氏名の変更手続き」というフォームに進みます。
こちらに必要事項を入力して送信すればOKです。
解約する場合
解約の場合も、まず「NHKふれあいセンター」に連絡します。
契約者が亡くなり、受信契約を解約したい旨を伝えます。
すると後日、解約に必要な書類(放送受信契約解約届)が送られてきます
届いた書類に必要事項を記入し、そのほかに必要な書類を同封して郵送します。
なお、電話で解約できるケースもあるようなので、最初に確認してみましょう。
未清算の受信料がある場合は、振込用紙が送られてきます。
コンビニや銀行などで支払いましょう。
また、受信料の払い戻しがある場合は、後日、指定した口座に振り込まれます。
まとめ
「公共料金」は、主に公的な機関や法人が提供しており、公的な性質を持つサービスに対する料金のことです。
電気・ガス・水道をはじめ、NTTやNHKの料金が該当します。
これらをもう使わない場合は解約、引き続き使う場合は名義変更を行います。
最近はインターネットで手続きできるものありますが、電話での受け付けが確実でしょう。
まずは、領収書や明細書などにある連絡先に電話をしましょう。
特に、もう使わない場合は、放置していると毎月、料金が発生し続けてしまいます。
手続きは早めに行いましょう。