全国の自治体で、「ゴミ屋敷」が大きな社会問題となっていますよね。
大量のゴミで溢れかえっている住宅は、異臭や火災の危険性など、近隣住民に大きな被害を与えてしまうトラブルに発展することが多いです。
しかし最近では、見た目ではわからない、アパートやマンションでの「隠れゴミ屋敷」が増加しています。
隠れゴミ屋敷は、外観からは分かりにくいため、状況がどんどん悪化し、対策をするまでの時間を要してしまう場合があります。
ここでは、隠れゴミ屋敷の原因や問題についてご紹介いたします。
目次
隠れゴミ屋敷とは
一般的に隠れゴミ屋敷とは、外から見るとゴミ屋敷とは判別のつかない状態の家のことを指します。
通常のゴミ屋敷は、一軒家のように庭先や歩道にゴミが溢れかえっている、窓から大量のゴミが見えるなど、一目でゴミ屋敷と分かるのに対して、隠れゴミ屋敷は外部にゴミが出ていないので、外観からゴミ屋敷と判別しにくいです。
隠れゴミ屋敷は、マンション・アパートに多い
一軒家の場合、窓や玄関からゴミが見えることが多いため、ゴミ屋敷と判別がつきやすいです。
中には庭先や歩道、道路までゴミがはみ出しているところもあります。
メディアでたびたび取り上げられているゴミ屋敷は、一軒家のゴミ屋敷が多いですよね。
しかし、アパートやマンションは、共用部までゴミがはみ出していることが少なく、室内にのみゴミが蓄積する傾向があります。
また、階数が上の場合、ベランダにゴミを溜め込んでいても外からは見えづらいため、近隣住民から気づかれにくいです。
仮に隣人が悪臭に気づいたとしても、同じ建物に住んでいる同士のため、苦情を出しづらいことから、対処まで時間を要してしまう傾向があります。
隠れゴミ屋敷になる原因
では、一体どのような原因が隠れゴミ屋敷をつくりだしてしまうのでしょうか。
その原因は、以下のような点が挙げられます。
|
昼と夜が逆転している生活をしている人や仕事が多忙な人は、ゴミを捨てる暇さえなく、ゴミ捨てを後回しにしてしまうケースも少なくありません。
はじめは少しのゴミでも、毎日繰り返せば大量のゴミになってしまいます。
特に一人暮らしの単身者の場合は、他にゴミ捨てや部屋の掃除、整理整頓をしてくれる人や指摘してくれる人もいないため、ゴミがどんどん蓄積してしまいます。
また、すぐに食べられて便利なコンビニのお弁当やスーパーのお惣菜は、自分で料理するよりゴミがたくさんでます。
飲み物のペットボトルやお菓子の袋なども同様です。
そして、隠れゴミ屋敷になる人の傾向として、掃除が苦手である、ゴミの捨て方がわからないという共通点があります。
ゴミがたくさん出る生活をしていても、キレイ好きでゴミの捨て方をきちんとわかっていれば、隠れゴミ屋敷にはなりません。
ストレスが原因で隠れゴミ屋敷になることも
人間関係の悩みや育児疲れ、身近な人の死など、心にストレスが蓄積すると、何事もやる気が起きなくなり、ゴミさえ捨てなくなってしまう人もいます。
中には、寂しさを埋めるためにゴミを集め、あえて物に囲まれて生活をしているうちに、どんどんゴミが増えてしまうケースもあります。
単身高齢者・貧困世帯の増加が隠れゴミ屋敷に関係
単身高齢者をとりまく問題は、孤独死や認知症などさまざまな問題があります。
もちろん、隠れゴミ屋敷も避けては通れない問題の一つです。
すべての高齢者があてはまるわけではありませんが、年齢とともに体の老化が進むと、体力が落ち、関節や腰などカラダの節々が傷むようになります。
そうすると、ゴミ捨て1つでも困難な場合が多く、ゴミを捨てずにそのまま溜め込んでしまう人が後を絶たないです。
また、貧困世帯は働くことで忙しく、ゴミの管理まで手が回らない人や、もったいなさからゴミを拾い集めてしまい、結果隠れゴミ屋敷となってしまう人も少なくありません。
ADHDも隠れゴミ屋敷になる要因
ADHD(注意欠如・多動症)は、発達障害の1つです。
ADHDは、集中力が続かない、不注意が多い、そして物の片付け(整理整頓)が苦手などの特徴があります。
そのため、ゴミを捨てることに対して苦手なことが多く、知らないうちにゴミを溜め込み、隠れゴミ屋敷になってしまうケースは少なくありません。
隠れゴミ屋敷にならないためのチェックポイント
隠れゴミ屋敷は、自分ではなかなか気づかないことが多く、知らず知らずのうちに悪化してしまうケースが多いです。
外観では気づかないため、人から指摘されることも少なく、悪臭や害虫がわくような状態になるまで放置してしまう人も少なくありません。
そうならないためにも、以下の隠れゴミ屋敷チェックをしてみましょう!
|
いくつチェックがあてはまりましたか?
チェックが複数個あてはまる人は、隠れゴミ屋敷予備軍の可能性があります。
ほぼすべてに当てはまる場合は、隠れゴミ屋敷の住人かもしれません。
まとめ
隠れゴミ屋敷は、働きすぎる日本人、そして国が抱えている社会問題と直結している大きな課題です。
しかし、見た目は普通のアパート・マンションの1室なので、人から気づかれにくく、害虫や異臭など、自分ではどうにもできない状態になるまで放置されてしまうケースも少なくありません。
隠れゴミ屋敷は、突然ではなく、日常の中で徐々に進んでいくことが多く、ゴミの蓄積に気づくことへのハードルが高いです。
そのため、最近咳が出る、体調が悪い、異臭がする、最近掃除していないなど、少しでも気にかかることがあれば、ぜひ一度隠れゴミ屋敷を疑って対処しましょう。
もし自力での対処が難しい場合は、プロの業者へ依頼することも、隠れゴミ屋敷を解決する一つの手段です。