近年よく耳にする「汚部屋」という言葉、あなたはその意味をご存知でしょうか?
汚部屋とはその名のとおり、ゴミの溜まった、汚い部屋のことを指します。
汚部屋というと、自分の身の回りのことがしづらくなった高齢の一人暮らしの方が陥りやすいイメージがありますが、最近では若年層の一人暮らしの方が汚部屋に陥ってしまうケースも増えてきています。
汚部屋になってしまう背景を見ていくと、実は共通項があることも分かっています。
なぜ汚部屋に住む一人暮らしの人たちは、汚部屋を片付けられないのでしょうか?
今回は、
- 汚部屋になってしまう原因
- 汚部屋を片付けられない理由
- 汚部屋で生活するデメリット
- 汚部屋脱出するためのコツ
などをまとめていきたいと思います。
断捨離をしたい、汚部屋から脱出したいと考えている方は参考にしてみてくださいね。
目次
あなたは大丈夫?汚部屋になりかけてるチェックポイント
汚部屋は1日では出来上がりません。
少しずつ汚れや不要なものが蓄積していき、本人の自覚がないままに汚部屋が出来上がってしまうのが一般的です。
ですが、汚部屋になりかけている兆候はあります。
これから汚部屋になりかけてしまっている状態のチェックポイントをリスト化していきます。
- 飲み終えたペットボトルを捨てていない
- 床に髪の毛が複数落ちている
- 部屋を歩くと靴下の裏が黒くなる
- 捨てられていないゴミ袋が常時室内に複数ある
- 生ゴミが数日間室内に放置されている
- 床に物が多く、足の踏み場がない
- 洗濯せず、数日同じ服を着ている
- しばらくゴミ出しをしていない
- しばらく洗濯をしていない
- 畳まれていない洗濯物が床などに転がっている
- 郵便物はほとんど開封していない
- 探し物がすぐに見つからない
- 室内に空の段ボールが溜まっている
いかがでしたか?
この中に思い当たるところはなかったでしょうか?
該当するものが多ければ多いほど、汚部屋予備軍と言えるかもしれません。
気付いた時が汚部屋脱出のタイミングです。
ゴミを捨てるなど、できることから取り組んでいきましょう。
一人暮らしをしている人が汚部屋になりやすい理由
汚部屋に住んでいる人を見ると、大多数が一人暮らしの人です。
なぜ一人暮らしの人が多いのかというと、自分以外に部屋を管理してくれる人がいないからでしょう。
家族と同居していれば、部屋を片付けられずゴミが散乱していたら、注意してもらえます。
あまりの汚さに見かねて、本人の代わりに部屋を掃除してくれることもあるでしょう。
しかし、一人暮らしの場合、汚部屋を注意してくれる人も、代わりに片付けてくれる人もいません。
そこに住んでいる本人が片付けをしなければ、汚部屋を作り出していってしまうのです。
一人暮らしをしている人の部屋が汚部屋になりやすい理由は、部屋の管理を自分一人で行わなければならないという点が大きいでしょう。
汚部屋を作り出してしまう人に共通する特徴は?
一人暮らしをしている人の全てが汚部屋となるわけではないですよね。
では、汚部屋を作り出してしまう人にはどのような特徴があるのかも見ていきたいと思います。
ストレスを溜め込んでいる
一見関係がないように思える汚部屋とストレスですが、実は密接な関係にある場合も。
イライラしたりする気持ちや不安な気持ちを衝動買いすることで癒しているという人は少なくありません。
でも、衝動買いするものって不要なものであることも多いですよね。
こうして、部屋の中の荷物を増やしてしまい、自分で片付けにくい環境を作ってしまっているのです。
部屋を片付ける余裕や気力がない
仕事が忙しく、片付けをする時間的な余裕や気力がないという人も多いです。
片付けをするぐらいなら、その時間を睡眠や休息に充てたいということです。
ただ疲れているからといって、夕食に食べたコンビニ弁当やカップラーメンなどのゴミをそのまま放置しているようでは、ゴミが溜まっていってしまいます。
疲れが癒えたら「そのうち捨てる」という気の甘えが、どんどんと汚部屋に導いていっている場合も多いのです。
汚部屋の環境に慣れてしまっている
キレイな部屋に住んでいる人は、汚部屋に住んでいる人に対して、「なぜあんなに汚い部屋に住めるのか」と疑問に思うかもしれません。
なぜ汚部屋に住んでいる人は大して気にならずにそこで住めているのかというと、その環境に慣れてしまっているからです。
汚部屋は1日では作れないと先述しましたが、少しずつ汚れていくので自覚なく出来上がっていく場合が多いです。
汚部屋はゴミが散乱しているため、場合によってはひどい悪臭がすることもありますが、そこに住んでいる本人は慣れているため、臭いが気にならないということもあります。
汚部屋に住むことに慣れてしまった本人からすれば、汚部屋に住むことに不便さを感じないため、片付けをしようとせずどんどんゴミが増えていく悪循環へと陥っていくことが多いようです。
挫折しやすい性格をしている
中には、汚部屋を作り出していることに気付き、片付けようと決心する人もいます。
しかし、早めに片付けに取り掛かればいいのですが、部屋中に積もるほどゴミを溜めてしまっていたら、一人で片付けるのは並大抵のことではありません。
こうして、せっかく片付けをしようとしても、途中で挫折してしまう人はたくさんいます。
一人暮らしの場合、汚部屋を一日や二日で片付けるのは、なかなか難しいのが実情です。
そのため、一人暮らしの場合、汚部屋を片付けようと手をつけ始めても、あまりの大変さに途中でやめてしまう人も多いのです。
汚部屋で生活するデメリットは?
好んで作り出したわけではない汚部屋。
とはいえ、本当に汚部屋脱出しないといけないのだろうかと思う方もいるかもしれません。
住んでいる本人にとっては、生活は出来ているので、今すぐ片付けなくてもいいのでは?と感じる人もいるかもしれませんね。
そこで、汚部屋で生活を続けた場合、考えられるデメリットをまとめていきたいと思います。
- 探し物が見つからない
- 精神的に落ち着かない
- 悪臭や害虫が湧くなど不衛生
- 賃貸だと退去時に修繕費用が高くなる場合がある
- 急な来客に対応できない
汚部屋で生活するデメリットは、以上のような点が挙げられます。
決して快適な暮らしが送れないことが見えてきます。
汚部屋に住むことのリスクを考える
デメリットと似てはいますが、ただ汚部屋が不快なだけでなく、命に関わる大きな問題を招く場合もあるのです。
どのようなリスクかも同じようにまとめていきます。
健康被害が出る
汚部屋は、不衛生なため悪臭がするだけでなく、害虫が湧くなどのリスクがあります。
カビやダニが増殖して健康被害を受ける可能性もあるので、看過できません。
カビは呼吸器症状に影響を及ぼすことが分かっています。
喘息などの原因と成り兼ねないので、注意が必要です。
ダニもアレルギーの原因となります。
ダニは身体を刺し、痒さなどの苦痛を私たちに与えますが、ダニが怖いのは死骸やフンの方です。
ダニの死骸やフンを吸い込むことで、
- アレルギー性鼻炎
- 喘息
- 気管支炎
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー結膜炎
といった症状に見舞われる可能性があります。
酷い場合だとダニでアナフィラキシー症状が出て命に関わる場合もあるので、決して楽観視はできません。
火災のリスクがある
室内に荷物が多ければ火災が起きてしまった場合に燃え移る可能性が高くなります。
燃え広がるスピードも物が多いほど高くなるので、気を付けなければいけません。
また、汚部屋で気を付けたいのが「トラッキング現象」です。
「トラッキング現象」とは、 コンセントとプラグの間にほこりが溜まって発生する火事のことです。
コンセントから通電されていたら起こり得ることなので、不在時でも「トラッキング現象」は起こります。
1度火が点いたらあっという間に燃え広がってしまうので、帰宅したら家が全焼していたというケースも珍しくないのです。
汚部屋を片付けることのメリットとは?
汚部屋のデメリットやリスクは分かったけれど、それでもどうしても片付けをするモチベーションが湧かないという人もいるかもしれません。
そこで、ここの項目ではキレイな部屋で生活することで得られるメリットについても考えていきます。
キレイな部屋に住むことのメリットは、以下のようなものがあります。
- 清潔で快適な暮らしを送れるようになる
- 使いたい物がすぐに見つかる
- 部屋の中を楽に移動できるようになる
- 友人や恋人を部屋に招くことができる
- 家の中がリラックスできる空間になる
キレイな部屋に住んでいれば、悪臭もしませんし、害虫が大量に湧くこともありません。
汚部屋に住んでいると、使いたい物があっても、どこにあるか分からず、探すのに時間がかかることもあります。
一方で物が少なければ、使いたい物をすぐに探し出すことができるでしょう。
汚部屋は部屋中がゴミで埋もれていると移動するのも大変ですが、キレイな部屋ならスムーズに移動ができます。
部屋がキレイなら、それまで呼べなかった友人や恋人を招くことだってできるのです。
汚部屋を片付けるための方法について詳しくは「汚部屋から脱出したい方必見!プロが伝える片付けと収納術」をご覧ください。
汚部屋脱出!キレイに保つためのコツとは
では、ここからは汚部屋脱出を目指し、一人暮らしの部屋をキレイにするためのコツを見ていきたいと思います。
ゴミが出たらその場で捨てる
まずは部屋の中、もしくはベランダなどに適切な容量のゴミ箱を設置しましょう。
また、汚部屋に住んでいる人はゴミの分別が苦手ということも共通事項に挙げられるようです。
そのため、適切な容量、適切な数のゴミ箱を用意すると共に、市町村の分別ルールの種類ごとのゴミ箱を準備するようにしましょう。
燃えるゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミなど、種類ごとのゴミ箱を設置して置けばゴミを都度その中に捨てていけます。
あとは、市町村の回収日を忘れないようにし、その日にゴミを捨てればOKです。
ゴミの捨て忘れにも注意していきましょう。
使ったものはすぐ片付ける
まずは収納場所を確保します。
そして、同時に物の定位置を決めていきましょう。
物をどこに片付ければいいのか決まっていれば、「出したらしまう」ことも可能です。
出しっ放しにする習慣は捨て、使ったものはすぐに片付けるようにすれば、部屋が散らかっていくことはありません。
収納場所がいっぱいになったら、中に入る分だけ物を持つように整頓するといいでしょう。
床に物を置かない
「後で片付けよう」とついつい床にちょい置きをしていないでしょうか。
1つちょい置きを許したらなし崩し的に、床に物が増えていってしまうものです。
床に物を置かずに、先程決めた物の定位置へと都度都度戻すようにしていきましょう。
散らかさない習慣を作っていくことが大切です。
毎日掃除機をかける
毎日生活を送るだけで、髪の毛などが散乱していってしまうものです。
まずは1日1回自分が掃除をしやすいタイミングを決めて、掃除機で部屋の中を掃除するようにしてみましょう。
掃除をする習慣がつけば、これまで目に付かなかった散らかっている箇所が気になるようになるものです。
毎日掃除機をかければ、床がキレイになるだけでなく、掃除をする意欲が高まるという2つのメリットがあるのです。
汚部屋の掃除が難しければ業者に依頼を頼む
一人暮らしで汚部屋を片付けようとしても、途中で挫折してしまうケースも珍しくないとお伝えしました。
一人で片付けるのが無理だと思った場合は、ゴミ屋敷の掃除業者に依頼するのも一つです。
ゴミ屋敷の掃除業者に依頼すれば、一日で汚部屋にあるゴミや不用品を全て回収してもらえます。
業者に依頼をすれば費用はかかりますが、自分で片付ける手間が掛かりません。
また、業者によってはオプションで一緒に害虫駆除や汚れている箇所の消毒などもしてもらえるところもあります。
自身の部屋の汚れ具合に合わせて、依頼する内容を業者に相談してみてもいいですね。
まとめ
一人暮らしの汚部屋から脱出するための方法について見てきました。
いずれにしても一日で汚部屋脱出は、業者に依頼をした場合以外は難しいものです。
無理なく出来そうなことから1つずつ取り組んでいくことが大切です。
掃除や物を片付ける習慣がつけば、汚部屋に対する意識も変わり、散らかっていることに落ち着かなさを感じるようになり、片付けたい意欲も芽生えてくることもあります。
汚部屋だと気付いた時が取り組むべきタイミングなので、今回ここで紹介した方法や、それが難しそうであれば業者の力を借りて、キレイで住みやすい部屋を取り戻していきましょう。