ゴミ屋敷に悩まされていると、引越しも選択肢の一つに入るのではないでしょうか。手間・労力をかけてゴミ屋敷を掃除をするよりも、引越ししてしまった方が楽だと考えている人も多いようですが、ゴミ屋敷の場合、一般的な引越し作業のようにはいきません。
大量に溢れたゴミをそのままにして引越しすることはできませんので、引越しの際にはゴミ屋敷を何とかしなければなりません。そこで、ゴミ屋敷から引越しするためには何をすべきなのかについて、いろいろと解説していきましょう。
目次
ゴミ屋敷からの引越しは通常の引越しとは事情が変わる
結論から言えば、ゴミ屋敷からの引越しは、通常の引越しのようにはいきません。引越しとは物を新居に移すと共に、これまで住んでいた家を「入居時の状態に戻す」必要もあります。つまり、ゴミ屋敷のまま引越しは現実的には不可能です。
また、ゴミ屋敷の場合業者としても荷物の運搬よりも清掃・片付け業務がメインとなることから、ゴミ屋敷の引越しを受け入れる業者は少ないです。また、下記のような事情もあります。
引越し業者はゴミ屋敷や汚部屋の片付けはサービス外
多少汚い程度であればまだしも、ゴミ屋敷ともなれば引越し業者にとっては「提供していないサービス」となります。荷物の運搬が仕事ではあっても、あくまでも「新居への運搬」であって、廃品・不用品の運搬ではありません。
引越し時に廃品・不用品の回収や買取を行っている引越し業者もいますが、あくまでも引越しの付随サービスであって、それらだけでのサービスは行っていません。
似ているようで全く別の作業
ゴミ屋敷の片付けと引越しは、「物を運搬する」という点が似ていることから、どちらもさほど変わらない作業なのではないかと思うかもしれませんが、厳密には全くの別物です。ゴミ屋敷の片付けではゴミ出しルールの把握、さらにはゴミの適切な処分が求められます。
一方、引越しでは物や家を傷つけることなく運搬することが求められます。求められることに特化するのが業者です。つまり、それぞれ求められることが異なるゴミ屋敷片付けと引越しを同時にこなすのは現実的に難しいのです。
ゴミ屋敷をどうしたらいいかノウハウがない
引越し業者は引越し作業を提供しているのであって、ゴミ屋敷の掃除はサービスとして提供していません。そのため、ゴミ屋敷の掃除・片付けに関してはノウハウがありません。引越しに関しては豊富なノウハウがありますので、どのような引越しも相談に乗ってくれることでしょう。
しかしゴミ屋敷の片付けは専門外です。「どうすればよいのか」と相談したところで、引越し業者側とてどうすればよいのか明確な答えを出しにくいのです。無理に作業を行えばトラブルを起こしてしまうとも限らないだけに、ゴミ屋敷からの引越しを断っている引越し業者も多いです。
ゴミ屋敷から引越しはどうしたらいいのか?具体的な3つの方法
ゴミ屋敷からの引越しを行っている業者は少ないことが分かっていただけたのではないでしょうか。ではゴミ屋敷からの引越しは諦めるしかないのかというと、そうではありません。そこでゴミ屋敷から引越しするための方法をご紹介しましょう。
ゴミ屋敷を自分で片付けてから引越し業者に依頼
ゴミ屋敷から引越しするためには、ゴミ屋敷を綺麗にしなければなりません。そこで自力で片付けを行い、ゴミ屋敷の状態を改善してから引越し業者に依頼する方法です。
ただし、自力でゴミ屋敷を片付けることができなければ、引越しそのものができません。汚部屋でさえ自力での片付けはハードルが高いですが、ゴミ屋敷ともなればなおさらです。
ゴミ屋敷を業者に片付けてもらってから引越し業者に依頼
まずはゴミ屋敷業者に片付けてもらい、綺麗な部屋にしてから引越し業者に依頼するパターンです。ただし、異なる2つの業者に依頼することになりますので、スケジュール調整を行う必要がある点や、それぞれの業者に費用を支払うので割高に感じてしまう点がデメリットです。
引越し作業も請け負ってくれるゴミ屋敷清掃業者は?
引越しに関わる許可、資格を持っている会社であれば、引越しとゴミ屋敷の片付け共に請け負っている可能性もあります。その場合、1社に両方を任せることができるかもしれません。
しかし、実際にはゴミ屋敷の片付け、引越し作業双方を行っている業者は少ないため、探すのは簡単ではないでしょう。
ゴミ屋敷の家から引越しする流れを解説
実際に、ゴミ屋敷から引越しする場合の流れをご紹介しましょう。
1.ゴミ屋敷の片付け業者と引越し業者を探す
まずはゴミ屋敷の片付けと引越しの業者を探すことになります。公式ホームページや口コミをチェックして探すことになります。料金や追加費用、これまでの実績などを調べましょう。
ゴミ屋敷片付け業者の選び方のポイントとしては、実績が豊富で現地見積もりを行う業者がおすすめです。自社車両の保有、女性スタッフの存在も重要です。ゴミ屋敷片付け業者は多々ありますので、選び方のポイントをしっかりと抑え、トラブルやアクシデントに見舞われることのないようにしましょう。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
「ゴミ屋敷片付け業者の選び方|ポイントや注意点を徹底解説します」
2.ゴミ屋敷を片付けてもらう
引越しの前にゴミ屋敷の片付けからです。ゴミ屋敷の片付け作業の時間はゴミ屋敷次第ですが、前もって見積もりを行っている業者であれば、適正人員を把握し、スムーズにゴミ屋敷の片付け作業を進めることでしょう。
引越しまでに汚い部屋を改善する
多少ではあっても、引越し当日までに汚い部屋を手入れしておくだけでも効果的です。持っていくものではなく、捨てるものは自らでも処分できるはずです。少し処分するだけでも業者側の負担が軽減されますので、スピーディーに作業が進みます。
3.引越し作業に移行する
ゴミ屋敷の片付けが終われば次は引越しとなります。部屋を掃除しつつ、新居に移動する大きな家具は早い段階で移動することもあります。
片付けは片付け、引越しは引越しとそれぞれ別に作業するのではなく並行作業で進めるケースもあります。
4.ハウスクリーニング
引越し前の元々の部屋は、ゴミの片付けだけではなく、ハウスクリーニングも必要になってきます。特に賃貸物件など、他の誰かがその後に住む場合、必須になります。
そのためゴミ屋敷の片付けだけではなく、ハウスクリーニングにもしっかり対応してくれる業者を選ぶと良いでしょう。
例えば、こちらのページにあるようなクリーニング作業が必要になります。
参考サイト:「ハウスクリーニングについて」
引越し前にゴミ屋敷を片付ける時のポイント
ゴミ屋敷を片付けるだけではなく、引越しを前提にしたゴミ屋敷の片付けにはいくつかのポイントがあります。引越しのないゴミ屋敷片付けと、引越しを控えたゴミ屋敷片付けは異なる点があることを覚えておきましょう。
依頼時に引越しだと伝える
ゴミ屋敷の片付けを依頼する際、引越しが控えていること、さらには引越しの日程が決まっているのであれば日程も伝えておきましょう。なぜなら、引越しを控えたゴミ屋敷片付けの場合、引越しまでに片付ける必要がありますのでスケジューリングが大切になります。
引越し後にゴミ屋敷の片付けを行うことなどできません。そのため、スケジュールを必ず伝えましょう。裏を返せば、引越し前までにゴミ屋敷の片付け作業を行える業者を確保する必要があります。
持っていく物を伝えておく
引越しを控えていないゴミ屋敷の片付けでは、片付け当日に捨てる物・残す物を指示すればよいでしょう。しかし引越しを控えている場合、「捨てる」「残す」だけではなく、「新居に持っていく物」もあります。
この点を忘れずに伝える必要がありますので、引越しを控えていないゴミ屋敷片付けと比べて、ゴミ屋敷片付け業者とのコミュニケーションが大切になります。
お金がない場合のゴミ屋敷からの引越しは?
お伝えしたように、理想を言えば、ゴミ屋敷からの引越しはそれぞれに対応している同一業者に依頼することですが、お金がない場合の方法をいくつかご紹介しましょう。
買取に対応している業者+自分での引越し
ゴミ屋敷の片付けは買取に対応している業者を選びましょう。買取してもらえる不用品が多ければ多いほど安くなります。その上で、自力で引越しにチャレンジすれば、費用は安くなります。
引越しの手間はかかりますが、節約にはなります。
引越し・ゴミ屋敷それぞれと買取すべてに対応している業者
引越しとゴミ屋敷の片付けだけではなく、買取にまで対応している業者であれば、総額から買取額が差し引かれるので安くなります。ただし、引越しとゴミ屋敷の片付けそれぞれに対応している業者でさえ少ないですが、買取にまで対応している業者となればさらにその数は少なくなることでしょう。
ちなみにゴミ屋敷バスター七福神は買取にも対応しています。
自力での片付け+自力で引越し
ゴミ屋敷の片付けも引越しもすべて自力で行えば業者に依頼するよりは安価に抑えることができます。ただし、作業の手間がかかります。
ゴミ屋敷の片付けも引越しもどちらか一方だけでも自力では大きな負担となりますが、それらを両方自力で行うとなれば大きな労力となります。費用面では魅力かもしれませんが、現実的にはすべて自力でこなすのは無理があるでしょう。
引越した新居をゴミ屋敷にしないために
ゴミ屋敷から引越しが終われば問題解決ではありません。引越した新居をゴミ屋敷にしないことも大切です。
ゴミ屋敷にしてしまう原因は多々ありますが、引越し先の新居をゴミ屋敷にしないためのポイントをいくつかご紹介しましょう。
ゴミ屋敷の片付けから引越しまでの一連の手続きを忘れない
ゴミ屋敷の片付け、そして引越し作業の流れを覚えておきましょう。どれだけのゴミが出たのか。ゴミ屋敷はお金をかけることなくできるものです。
しかし、片付けるためにはお金が必要です。この現実を覚えておくだけでも、ゴミ屋敷の抑止力となるはずです。
ゴミ出しルールを把握する
引越した新居のゴミ出しルールを覚えることでゴミ屋敷化の防止に繋がります。住まいの自治体が変わればゴミ出しルールも変わるものです。
そしてゴミ出しルールが変わったことで、「どうすればよいのか分からない」とゴミをそのままにしておくことで、ゴミ屋敷化が加速してしまいます。このような事態を招かないためにもゴミ出しルールを把握し、ゴミを適切に処分していきましょう。
引越しを機にライフスタイルを見直す
ゴミ屋敷から引越しすることで「リセット」ができます。ゴミ屋敷状態が続いているとリセットができませんが、引越しでリセットすることで改めて自分自身のライフスタイルを見直してみましょう。
リセットを機にゴミ屋敷の要因となった部分を改善することで、ゴミ屋敷化を防ぎましょう。
ゴミ屋敷片付け業者を覚えておく
引越した先の綺麗な状態を保つために、ゴミ屋敷片付けでお世話になった業者を覚えておきましょう。なぜなら、実はゴミ屋敷片付け業者の多くがゴミ屋敷ではなく、汚部屋、あるいはちょっとしたクリーニングに対応しています。
決してゴミ屋敷ほど汚い状態でなければ掃除しないことはなく、ちょっと汚い程度ではあってもクリーニングに対応しています。自らの掃除が苦手な人は、部屋が汚くなってきたらこまめに業者に依頼し、綺麗にしてもらうのも一つの方法です。実際に、定期的にゴミ屋敷片付け業者に依頼しているお客様もいます。
ゴミ屋敷からの引越しについてのまとめ
ゴミ屋敷から引越しするためには、片付けだけではなく、クリーニングして部屋を綺麗にする必要があります。ゴミ屋敷の片付け業者に綺麗にしてもらうか、あるいは自らで綺麗にしてから引越しへと進むのですが、ゴミ屋敷の片付け、さらにゴミ屋敷の片付けからの引越しであれば対応している業者もあります。
同一業者への依頼であれば別々に依頼するよりも手間も費用も掛かりませんので、ゴミ屋敷からの引越しを考えている方は、双方に対応している業者に依頼してみるのもよいでしょう。