高温・多湿な気候の日本では、部屋のカビに悩まされる方が少なくありません。カビが気づかないうちにあっという間に広がって、部屋がカビだらけになってしまうこともあります。カビだらけの部屋には主に健康面や金銭面でさまざまなリスクがあるため、できる限り早く対処することが大切です。
この記事ではカビだらけの部屋のリスクや対処法について紹介します。また、部屋にカビが発生する原因や予防法などについても解説しますので、参考にしてください。
目次
カビだらけの部屋のリスク
カビだらけの部屋で過ごすことで知らないうちにカビ胞子を吸い込んでしまい、健康面でのトラブルを引き起こします。根深いカビは金銭的なリスクもあります。
カビとは直径2〜10マイクロメートルという目に見えないほど小さなカビ胞子の集合体です。ごく小さなカビ胞子は少しの風でも舞い上がり、空気中を漂います。
ここではカビだらけの部屋に潜むリスクを紹介します。
健康リスク
カビだらけの部屋で過ごすことにはさまざまな健康上のリスクがあります。ここでは6つの健康リスクを解説します。
カビによる健康リスクは、部屋の窓や扉を閉めることが多く空気の循環が悪くなりやすい夜間に高くなるといわれています。カビだらけの部屋で寝ると多くのカビ胞子にさらされるため、健康を害するリスクが高いといえます。
アレルギーの発症・症状の悪化
カビはアレルギー性鼻炎などの原因の1つであるため、カビだらけの部屋で過ごすとアレルギーを発症するおそれがあるだけでなく、症状を悪化させることがあります。また、鼻や喉の症状だけでなく、湿疹やかゆみ、結膜炎などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。
呼吸器系の病気にかかりやすくなる
カビの胞子を鼻や口から吸い込むことで、呼吸器系の病気にかかりやすくなるリスクもあります。カビによって引き起こされる病気の1つが過敏性肺炎です。医療機関で治療を受けても、原因であるカビだらけの部屋が変わらなければ治りにくくなってしまうことも考えられます。
シックハウス症候群を引き起こしやすくなる
カビだらけの部屋で過ごすとシックハウス症候群を引き起こすリスクもあります。シックハウス症候群とは、特定の建物の中にいることで起きる体調不良を指します。
建材などに使われている化学物質やダニ、ハウスダストなどのほか、カビもシックハウス症候群の原因といわれています。シックハウス症候群で見られる症状は頭痛や咳、鼻水、倦怠感などの風邪のような症状から、目の痛みや皮膚のかゆみなどさまざまです。
睡眠の質が低下する
カビが原因のひどい咳などによって眠りが浅くなることも、カビだらけの部屋のリスクです。
カビだらけの部屋では、眠っている間に多くのカビ胞子を吸い込んでしまうおそれがあります。特に体を横にすることで気道が狭くなる睡眠中は、鼻や喉にカビ胞子がつくことで咳をしやすくなります。
カビ中毒を引き起こしやすくなる
カビだらけの部屋で過ごすことで、カビ毒による中毒症状が現れるリスクもあります。
カビ中毒とはカビ毒による中毒症状のことで、具体的には倦怠感や腹痛、吐き気、下痢などがあります。カビの中には、人の健康に悪影響を与えるカビ毒を産生するものがいます。
臭いに悩まされる
カビが蔓延している部屋には特有の土が腐ったような臭いが充満しています。人間の危険予知能力の一つである嗅覚によってカビのにおいには敏感に反応するようになっているため、微量でも不快感です。
対処しない限りカビが自然に消えることはないため、放置すると臭いが強くなり、衣類や寝具にもしみこんでいきます。住み続ければ本人は慣れてしまうこともリスクと捉えられます。
金銭的なリスク
カビだらけの部屋には、健康面だけでなく金銭的なリスクもあります。カビだらけの部屋が賃貸物件の場合、持ち家の場合でそれぞれのリスクを見てみましょう。
賃貸物件の場合
賃貸物件の場合、部屋がカビだらけになった原因が借り主にある場合は退去時に原状回復費用を求められることがあります。掃除を怠ったり、カビを放置したりすると借り主に責任があると考えられやすいため注意しましょう。
一方で、建物の構造上の問題が原因でカビが発生した場合には、適切な修繕をしなかった大家に責任があるとして借り主から損害賠償を求められることもあります。大家として物件を貸している方もカビには注意が必要です。
持ち家の場合
持ち家の場合、家に関するさまざまな費用を負担するのは持ち主です。カビだらけの部屋では、カビが建物の構造にまで及んでいることが少なくありません。その場合はカビ取りだけでは不十分なため、業者に依頼して修繕やリフォームの費用がかかることがあります。
また、物件の資産価値が損なわれてしまうため、引っ越ししたくても買い手が見つかりにくい、希望よりも大きく価格を下げなければ売れないなどのリスクがあると考えられます。
部屋がカビだらけになってしまう原因
気づいたら部屋がカビだらけになっていたという場合、カビが繁殖しやすくなる条件がそろっていることが多いでしょう。ここでは部屋がカビだらけになってしまう原因、つまりカビが増えてしまう原因を3つ紹介します。
高温・多湿
カビは高温・多湿の環境を好み、特に温度20度以上・湿度60%以上で活発になります。そのため、浴室やキッチンなどの水回りのように高温・多湿になりやすい場所はカビが発生しやすい場所です。
季節要素が加わるとカビの繁殖は加速します。梅雨や夏はカビが増える条件がそろいやすいため、水回り以外も注意が必要です。ただし、最近の住宅は気密性が高く、冬でも暖かくて湿度が高い傾向にあるため冬場でも窓の結露によってカビは増えてしまいます。
風通しが悪い
風通しの悪い部屋は湿気がこもりやすいため、カビが生えやすくなります。また、すでにカビが発生している場合、風通しの悪い部屋ではカビから放出されるカビ胞子が室内にとどまることもカビだらけになる理由です。
湿度の高い状態が続いているところに、カビ胞子が室内のさまざまな場所に付着することでカビがどんどん広がっていきます。
カビの栄養源が豊富
カビの繁殖には適度な温度・湿度に加えて、栄養源であるタンパク質、油脂、炭水化物などの有機物が必要です。ホコリや髪の毛、食べ物のかすなどさまざまなものがカビのエサとなるため、こまめに掃除していない部屋、ものが多い部屋などではカビが増えやすくなってしまいます。
部屋をカビだらけにしないための対策
カビを除去しても、繁殖しやすい条件がそろっていれば再発することが考えられます。部屋をカビだらけにしないために、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
室温・湿度管理を行う
カビは室温20度以上、湿度60%以上で繁殖します。湿度計・温度計を用意し、こまめにチェックして家の中にカビが生えやすい環境を作らないことを意識しましょう。快適に過ごすため室温を20度以下に保つのは難しいものの、湿度については60%を超えないよう注意します。除湿機を使うのもよいでしょう。
なお、湿度が80%を超えるとカビの繁殖スピードが速まります。お風呂場やキッチンのような水回りはこまめに水分を拭き取る・換気で湿度を下げるなどの工夫が必要です。
換気などで空気を循環させる
カビだらけになるのを防ぐには、換気などで空気を循環させることも大切です。1日1回10分程度、窓を開けて外の空気を取り入れることを習慣にするとよいでしょう。リビングの窓と玄関など、2か所以上を同時に開けると家の中を空気が循環しやすくなります。
普段生活する部屋はもちろん、クローゼットや浴室など閉鎖的な空間には湿気がこもりやすいため特に注意が必要です。部屋の位置や物件の構造によって空気が循環しにくい場合は、サーキュレーターなどを利用することも検討しましょう。
こまめに掃除をする
ほこりや髪の毛などの汚れはカビのエサとなるため、こまめに掃除することもカビの発生予防につながります。特にほこりが溜まりやすい布団やカーペット、家具の裏なども定期的に掃除しましょう。掃除のために家具を移動させることには、風通しをよくしてカビを防ぐ効果もあります。
一方で、掃除のために家具を動かしたことで、カビだらけになっていることに気づくケースもあります。すでにカビが発生してしまっている場合は、次の「部屋がカビだらけになってしまったときの対処法」で紹介する対処法を参考にしてください。
不用品を溜めない
古い衣類や本、使っていない家具・家電などの不用品はこまめに処分し、すっきりとした部屋を維持することもカビ対策になります。
ものが多い部屋は風通しが悪くなるだけではなく、掃除もしにくいため湿気やほこりが溜まってカビが発生しやすくなります。また、手入れが行き届いていない衣類や本にカビが生えてしまうこともあります。
不要なものは捨てたり売ったりして部屋の中に溜め込まないことが大切です。なお、不用品の量が多くて処分が大変なときは、専門の業者に依頼する方法もあります。
部屋がカビだらけになってしまったときの対処法
部屋がカビだらけになってしまったときには、放置せずにできる限り早く対処することが大切です。ここではカビだらけの部屋の主な対処法として3つの方法を紹介します。
専門業者に依頼してカビを除去する
カビだらけの部屋は自力で対処するのが難しいため、基本的に専門業者に依頼してカビを除去する必要があります。広範囲にカビが発生している場合は多くの薬剤を使う必要があり、時間もかかるほか、長時間カビや薬剤にさらされることで体調を崩すおそれがあります。
また、長期間放置されたカビの場合、市販のカビ取り剤では十分な効果が得られないこともあります。カビの種類や発生している場所に合わせて有効な対策を取れる専門業者に任せるほうがよいでしょう。専門業者では市販の薬剤より強力なカビ取り剤を使用するうえ、部屋の広さにもよるものの早ければ数時間で作業が完了するため、スピーディーに解決できることもメリットです。
自力でカビ取りすることでカビ胞子を広げてしまい、かえってカビの発生場所が広がってしまうことも考えられます。
目安として1平方メートルより広い範囲にカビが発生していたら、専門業者に依頼しましょう。
部屋や建物の構造に問題がある場合はリフォームする
部屋や建物の構造によっては、カビが発生しやすくなっているため除去しても再発するおそれがあります。根本的に解決するには、リフォームを検討しましょう。
たとえば以下のケースに当てはまるときは、部屋や建物の構造に問題が起きている可能性があります。
- 漏水が発生している
- カビが壁紙の下に広がっている
- 天井や壁などの塗装の下にもカビが生えている
- 絨毯などの繊維にカビの色素が沈着しており、取れない
カビ対策として行われるリフォームには以下のようなものがあります。
- 壁紙の貼り替え
- 傷んだ壁の交換
- 結露防止のため窓を二重にする
- 天井や壁を取り払い、一度スケルトン状態にしたうえでのリフォーム
カビを放置するほど、大規模なリフォームが必要になる可能性が高くなります。部屋の中でカビが発生しているのを見つけたら、速やかに対処することが大切です。
部屋・家から引っ越す
カビの程度によっては、部屋や家から引っ越すことも検討しましょう。カビが建物の構造にも広がっている場合、大規模なカビ除去やリフォームが必要になるため、引っ越し代のほうがコストを抑えられる可能性があります。
ただし、賃貸物件ではカビの程度によっては修繕費などを請求されることもあるため注意が必要です。また、持ち家の場合はカビだらけになると建物の価値が下がってしまうことが多くなります。一般的な不動産屋では買い手が見つからないときには、カビ取り業者と提携できる専門知識を持った不動産会社を利用する方法もあります。
まとめ
部屋がカビだらけになるとさまざまな健康上のリスクのほか、金銭的リスクも生じます。カビを放置すると範囲が広がったり、建物の構造にも影響を与えたりすることがあるため、速やかな対策が大切です。カビの繁殖を活発にする高温・多湿な環境を作らないように注意し、換気したり不用品を処分したりすることがカビ対策として有効です。また、すでに部屋がカビだらけになっている場合は、専門業者にカビ取りを依頼しましょう。
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