「身寄りがない人は、孤独死した後どうなる?」
「葬儀は誰が行うの? 自分の財産はどうなってしまうんだろう?」
など、身寄りのない状態で孤独死した際の手続きや対応を不安に思っていませんか?
身寄りがない人が亡くなると、遺体の引き取りや住居の明け渡し、財産整理など多くの手続きが発生します。事前に備えていなければ、自分の意思が反映されずに処理が進んでしまう場合もあります。
そこで今回は、身寄りなしで孤独死した場合の流れや、葬儀・財産などの行方を分かりやすく解説します。死後に発生しがちなトラブルを防ぐため、今からできる生前対策についてもお伝えするのでぜひ参考にしてください。
<この記事で分かること>
- 身寄りなしで孤独死した後の流れ
- 死後にはこんな問題が……
- 身寄りのない方の死亡届やお金の手続き
- 死後のトラブルを避ける生前対策のポイント
目次
身寄りのない人が死亡するとどうなる?

身寄りのない人が亡くなると、遺体の火葬や財産管理などが必要になります。状況によって流れは異なりますが、最終的には自治体や家庭裁判所などの公的機関が関与しながら処理が進んでいきます。具体的な対応について、葬儀、財産、各種手続きの3つの視点から見ていきましょう。
自治体が火葬をする
身寄りのない人が死亡して、遺体を引き取る親族や関係者が見つからない場合には、自治体が対応することになります。自宅で孤独死した場合だけでなく、病院や介護施設で亡くなったときも、親族と連絡が取れなければ自治体による対応が検討されます。
自治体は戸籍や住民票などから親族の有無や連絡先を調査しますが、それでも引き取り手が現れなければ、法令に基づいて火葬手続きを進めることになります。また、火葬後の遺骨の保管期間や取り扱いは自治体により異なり、一定期間保管後に合葬墓へ納骨されたり、無縁仏として供養されたりするのが一般的です。
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財産は国庫の扱いになる
相続人が存在せず、遺言書による受取人の指定がない財産は、諸手続きを経て最終的に国庫へ帰属することになります。ただし、死亡後にすぐ国のものになるわけではありません。
亡くなった人に預貯金や不動産などの財産がある場合、まずは相続人の有無が調査されます。相続人がいなければ必要に応じて家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、債務の支払いや財産整理が進められます。そして、清算後に残った財産があれば、国庫へ引き継がれる流れです。
一連の手続きや財産整理には長い期間を要するため、国庫帰属まで数年かかるケースも少なくありません。自分の財産を特定の人や団体へ残したい場合は、遺言書を作成して意思を明確にしておく必要があります。
相続や契約関連の手続き
身寄りのない人が死亡すると、財産の相続だけでなく遺品整理や住居の明け渡し、各種契約の解約なども必要になります。自治体が身寄りのない人に対して対応できる範囲は限られており、契約の解除や財産整理まで行うわけではありません。
自治体で対応できない手続きとして、賃貸住宅の解約や公共料金の精算、携帯電話やインターネット契約の停止などが挙げられます。しかし相続人がいないと、本人に代わって解約できる人がいません。そのため、必要に応じて家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、契約の解約や財産整理が進められます。故人に未払い料金や借入金があれば、相続財産清算人が清算の手続きも担当します。
また、遺品整理や住居の明け渡しも、身寄りがないとスムーズに進まないおそれがあります。相続人や相続財産清算人が決まるまで対応できず、賃貸物件の貸主や不動産会社にとっては、住居の管理や契約関係の処理が長期化する場合もあります。
身寄りなしで孤独死した本人が直面する問題

身寄りのない人が死後の準備をせずに孤独死してしまうと、死後の対応が本人にとって不本意なものになることがあります。遺体発見までに時間がかかったり、財産や遺品について自分の意思を反映できなかったりするのがおもな問題です。それぞれについて、具体的に見ていきましょう。
遺体の発見が遅れ腐敗する
身寄りのない人が孤独死すると、死後の発見が遅れる可能性が高いです。同居人や安否確認をしてくれる知人がおらず、遺体の腐敗が進んでから見つかるケースは少なくありません。
日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が発表した「第10回孤独死現状レポート」によれば、孤独死発生から発見までの日数は平均19日であり、3日以内の早期発見例は全体の37%に過ぎないことが明らかになっています。遺体はすみやかに腐敗し、夏場であれば死後2日、冬場でも2週間程度で腐敗とともに強烈な死臭を発するようになります。
腐敗が進むと、遺体から発散する体液や死臭によって住居への影響も大きくなります。発見が遅れるほど原状回復や特殊清掃の負担も増えるため、孤独死のリスクが気になる方は見守りサービスや定期的な連絡体制を検討することが大切です。
財産や遺品が思わぬ形で処理される
身寄りがなく、遺言書などの用意がないと、本人が望む形で財産や遺品が扱われない可能性があります。たとえば、大切に保管していた骨董品やコレクションなどは、価値や思い入れを理解されずに処分されることもあります。
土地や建物についても、自分の希望どおりに扱われるとは限りません。相続人がいない場合には、法令に基づく手続きの中で管理や処分が進みます。
財産や遺品は、亡くなった後に自分で説明したり意思を伝えたりすることができません。希望する相手へ財産を残したい場合や、特定の遺品の扱いについて考えがある場合には、遺言書の作成や死後事務委任契約の活用を検討しましょう。
身寄りのない方が孤独死した後に周囲が直面する問題

身寄りのない人が孤独死すると、本人だけでなく周りの人にもさまざまな負担が生じます。遠縁の親戚や賃貸物件の大家さん、管理会社などが対応に追われることもあり、手続きや費用の問題に直面するケースも少なくありません。おもな困りごとは次の3つです。
葬儀費用が出せない
遠縁の親族が警察や関係機関から孤独死の連絡を受けると、葬儀費用の負担に困ることがあります。火葬費用や遺体の搬送費は故人の遺産から支払われるのが原則ですが、すぐに資金を用意できるとは限らないためです。預金が凍結されていたり、資産状況が把握できなかったりすると、一時的にでも代わりに負担しなければならなくなるおそれがあります。
生前ほとんど交流がなかった場合、葬儀や各種手続きへの対応に戸惑う人も少なくありません。なお、故人が生活保護を受給していた場合には、条件を満たせば葬祭扶助の対象になります。利用条件や必要な手続きは自治体によって異なるため、担当窓口への確認が必要です。
財産の処理方法が分からない
故人の預貯金や不動産、各種契約などは他人が自由に処分できないので、身寄りがないと周囲の人が財産の処理方法で悩む可能性が高いです。
たとえば、大家さんが故人の部屋で通帳や現金を見つけても、それを使って物件の解約手続きを進めたり、遺品整理費を捻出したりすることはできません。相続人が見つからない場合には、家庭裁判所への申し立てにより相続財産清算人を選任してもらったうえで、財産管理を進める場合もあります。
相続財産清算人の選任や相続手続きが行われないまま、大家さんや管理会社が遺品を勝手に処分すると、後に相続人が現れた場合などにトラブルへ発展するおそれがあります。
遺品整理は誰がやるのか、残された遺品を前に途方に暮れないために
遺品の整理が進まない
身寄りのない人が孤独死すると、遺品整理もなかなか進みません。遺品は故人の財産にあたり、周囲の人が自由に処分できるものではないためです。
たとえば、賃貸住宅の大家さんが早く部屋を原状回復したいと考えても、遺品を捨てたり売却したりすることはできません。相続人や相続財産清算人が決まるまで手続きが進まず、部屋の解約までの期間が長期化することがあります。
また、遺品の中に重要書類や貴重品が残されているケースも少なくありません。遺品整理は単なる片付けではなく、相続や財産管理にも関わる問題なので、状況に応じて弁護士などの専門家に相談する必要があります。
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身寄りのない方向け・孤独死への生前対策

孤独死そのものを完全に防ぐことは難しくても、死後に生じうるトラブルを減らすことは可能です。生前に準備を進めておけば自分の意思を反映しやすくなり、周囲の負担軽減にもつながります。ここからは、身寄りのない人に向けた5つの生前対策を解説します。
葬儀の方針や埋葬方法を決める
身寄りがない場合、自分の葬儀や埋葬に関する希望を生前に決めておくことが大切です。希望を残しておかないと自分の意思が反映されず、自治体による最低限の葬送や埋葬となることがあります。
たとえば、通夜や告別式を行わず火葬のみで見送る直葬を希望するのか、納骨先をどうするのかなどを整理しておけば、自分の意思を伝えやすくなります。また、必要な費用を準備しておけば、手続きも進みやすくなります。
ただし、希望を書き残しただけでは、その内容が実現されるとは限りません。身寄りがない場合は、希望を実行する人や後述する死後事務委任契約の準備も重要です。近年は生前に葬儀会社と契約を結び、葬儀や納骨の内容、支払い方法まで決めるサービスもあります。終活向けの生前契約を活用すれば、自分の希望を形にしやすくなります。
遺産の扱いを決める
財産を誰に引き継ぎたいのか明確にしておくのも、重要な生前対策です。意思表示がなく身寄りや相続人がいなければ、残った財産は相続財産清算人の手続きを経て、最終的に国庫へ帰属することになります。
もしお世話になった人や支援団体に財産を残したいと考えていても、その意思を法的に有効な形で残さなければ希望を通すのは困難です。希望の相手へ財産を引き継ぎたい場合には、事前の準備が欠かせません。遺言書の作成などを通じて、意思を明確にしておきましょう。
不要なものを減らす「物の生前整理」
自分が元気なうちに、身の周りの生前整理を進めましょう。死後に周囲の人が負うことになる、遺品整理の負担を減らすことができます。物が多いほど残された人の作業量が増えてしまうので、不要な物はできるだけ処分しておくことが重要です。
たとえば、使わなくなった家電や家具、長年開けていない押し入れの中身などを少しずつ整理しておけば、将来的な処分の負担を減らせます。また、重要書類や契約関係の資料をまとめておくと、死後の手続きをする人が状況を把握しやすくなります。
使わないクレジットカードやサブスクサービスの解約や、不要なSNSアカウントやネット上の契約についても確認しましょう。さらに、パソコンやスマホから不要なデータや写真を削除しておけば、死後に他人へ見られたくない情報が残るリスクを減らせます。
生前整理は一度に終わらせる必要はありません。少しずつ不要な物や不要な契約を見直しておくことで、将来的な遺品整理の負担軽減につながります。
死後事務委任契約を検討する
身寄りのない人の死後に必要な手続きや葬儀の手配を円滑に進めるには、「死後事務委任契約」を結んでおくと安心です。死後事務委任契約では葬儀や納骨の手配、住居の解約、公共料金の停止手続きなどをあらかじめ第三者へ依頼できます。
受任者には弁護士や司法書士などの専門家のほか、知人や友人、終活支援サービスを提供する民間事業者などを選ぶことも可能です。
身寄りがない場合、死後の手続きを行う人がいないことが大きな問題になります。自分の希望に沿った対応を依頼でき、周囲の負担を軽減するためにも死後事務委任契約を活用しましょう。
遺言書を書く
自分の財産の行き先を決めたい場合には、遺言書を作成しましょう。前述のように、身寄りや相続人がおらず遺言書が存在しなければ、財産は法律に基づいて処理されることになります。
たとえば、特定の知人へ財産を残したい場合や支援団体に寄付したい場合には、遺言書に明記すれば法的な効力を持ちます。生前に希望を残しておくことで、自分の考えを反映しやすくなるのです。
なお、遺言書には法律で定められた作成方法があります。内容だけでなく形式も重要になるため、不安がある場合は専門家へ相談しながら準備しましょう。
身寄りのない方の孤独死でよくある質問

ここからは、身寄りのない方の孤独死に関してよくある質問に一問一答形式で回答します。
身寄りなしで死亡した場合の入院費は誰が負担するのでしょうか?
故人に未払いの入院費がある場合は、まずは本人の財産から支払いが行われます。しかし、死後は預貯金を勝手に引き出せなくなるため、病院が自動的に入院費を取り立てることはできません。そのため、入院費を直ちには回収できず、未収金扱いになるケースも見られます。
相続人が見つからない場合には、家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、その後に財産整理が進められます。病院は未払い入院費について債権者としての手続きを踏み、財産の範囲内で支払いを受ける形となります。
なお、入院時の契約内容によっては、連帯保証人に請求が行われる場合もあります。具体的な対応は個別の事情で変わるので、医療機関や専門家への確認が欠かせません。
身寄りのない人が死亡した場合、死亡届は誰が出せばよいですか?
死亡届の届出義務者は、戸籍法第87条で定められています。義務があるのは同居の親族やその他の同居者、家主、地主、家屋または土地の管理人です。また、同居していない親族や後見人、任意後見人なども死亡届を提出できます。
身寄りがない場合には賃貸住宅の家主や、亡くなった病院・介護施設の関係者が死亡届を提出するケースもあります。身寄りがない人が死亡した場合でも死亡届が提出されないままになるわけではなく、法律に基づいて必要な手続きが進められます。
身寄りのない人の預金はどうなるのか?
身寄りがなく相続人がおらず、諸手続きを経ても受け取る人が現れない場合には、余った預金は最終的に国のものになります。ただし、預金はすぐに国のものになるわけではありません。
まずは相続人の有無が調査され、必要に応じて相続財産清算人による財産整理が行われます。未払いの債務があれば財産から支払われるほか、生前に故人の介護や支援をしていた人などが特別縁故者として財産を受け取る場合もあります。それでも受け取る人がいなければ、残った財産が最終的に国庫へ帰属する流れです。
身寄りのない方の生前整理・遺品整理は七福神へ

身寄りのない方にとって、生前整理は亡くなった後の負担を減らすための大切な準備のひとつです。しかし、長年暮らした家の片付けや不用品の整理をひとりで進めるのは簡単ではありません。
ゴミ屋敷片付け七福神では、生前整理や遺品整理のご相談を承っています。入院や施設入所を控えた方の荷物整理にも対応しており、お客様の状況に合わせた整理方法をご提案いたします。
24時間受付・年中無休でご相談を受け付けており、最短即日での対応も可能です。大切な品や思い出の品にも配慮しながら、気持ちに寄り添った整理をお手伝いいたします。ご相談・お見積もりは無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まとめ
身寄りがない状態で亡くなると、葬儀や財産整理、諸契約の解除などさまざまな手続きが必要になります。事前の準備がないと、自分の希望する形で対応してもらえないおそれがあるので注意しましょう。また、周囲の人にも手続きや費用の負担が生じるリスクがあります。
一方で、葬儀や埋葬の方針を決定し、遺言書の作成や死後事務委任契約、生前整理などを進めておけば、死後のトラブルを避けることは可能です。身寄りがないからこそ、元気なうちに自分の意思や財産の行き先を整理しておくことが欠かせません。将来への不安を少しでも減らすために、できることから準備を始めましょう。