「どの遺品を処分していいかがわからない」「遺品整理で罪悪感を抱くのはなぜ?」と悩んでいる人もいるでしょう。遺品は故人の残した品物であるため、適切に処分したいですよね。遺品整理の際に湧き上がる罪悪感も、どうにかして解消したいと思うものです。
今回は、遺品の処分方法や処分してはいけない遺品、罪悪感を抱く原因などを紹介します。適切な遺品整理のしかたを把握した上で、罪悪感も抑えながら作業できるようになります。まずは遺品を処分するタイミングから解説します。
目次
遺品を処分するタイミングはいつがいい?
遺品を整理するタイミングは、遺族の心の整理ができたときです。遺品整理にはさまざまな手続きがあるので、親戚が集まるタイミングも重なったときが進めやすいと言えます。
遺品整理のタイミングは、「四十九日後・諸手続き後・葬儀後・相続前」が一般的です。これらのタイミングは親戚が集まる機会なので、遺品整理を効率的に進められます。
しかし、親戚が集まったからといって精神的に落ち着いていない時期に無理して遺品整理を進めるのは推奨できません。心が余計に乱され、思うように進められない可能性があるからです。
実際の遺品整理では、故人の写真やアルバムなどの思い出を目にすることも多く、どうしても感情的になってしまいます。その理由から、実家を数年そのままの状態にしている人も珍しくありません。
遺品整理を効率的に進めるのはもちろん、精神的に無理をしないためにも心の整理が付いたときに進めるのが好ましいです。
ただし、故人が賃貸に住んでいた場合は、退去するまで家賃を払い続けることになります。無駄な出費を支払わないためにも、早めの遺品整理が推奨されます。
高齢になってから賃貸に入居した場合は、亡くなったあとの原状回復について大家と取り決めを交わしていることもあります。取り決めを確認するためにも、大家や管理会社に連絡を取って遺品整理の日取りを確認することも大切です。
ほかのケースとして、「亡くなった人以外は誰も住んでおらず空き家になっている」ものが挙げられます。その空き家が特定空家に指定されていると固定資産性が高くなるだけでなく、状況によっては50万円以下の過料が科される可能性があるので注意が必要です。
【注意】遺品を無闇に処分してはいけない
遺品を無闇に処分してはいけない理由として、以下が挙げられます。
- 必要書類を捨てると取り戻すための労力や時間が掛かる
- 返却が必要なレンタル品を捨てると弁償しなければいけない
- 思い出の品や大切なものを捨てて精神的に落ち込んでしまう
- 価値のあるものを捨てて損をしてしまう
無闇に遺品を処分すると、上記のトラブルにつながることがあります。中でも思い出の品や大切なものは、一度捨ててしまうと取り戻せません。トラブルや後悔を避けるために、明らかに不要なものであっても丁寧に仕分けすることが大切です。
特に作業を早く終わらせようとすると無闇に捨てることにつながるので、冷静に対処する必要があります。遺品整理の時間を確保できない場合は、業者へ依頼するのも手です。
遺品で処分してはいけない10個のもの
遺品で処分してはいけない10個のものは、以下の通りです。
- 遺言書
- 財産関連のもの
- 仕事関係の書類
- ヘソクリなどの現金
- デジタル遺品
- 返却の必要があるもの
- 鍵
- 身分証明書
- 買い取ってもらえる可能性があるもの
- 思い出の品物
それぞれ詳しく解説します。
遺言書
遺言書は、法的な効力を持っていたり故人の希望が書かれていたりするので捨ててはいけません。遺品整理をする際は、最初に遺言書の有無を確認します。書面だけでなく、録音やメールなどの記録で残っている遺言も保管するべきです。
遺言書を捨てると、親族同士が揉める原因になるので注意が必要です。遺品整理を円滑に進めるものでもあるので、大切に扱うことが大切です。
財産関連のもの
財産関連のものは、相続などで必要になるので捨ててはいけません。中でも通帳は、捨ててしまうと相続人や遺族でも引き出すのが難しくなります。相続でトラブルが起きないよう、以下の財産関連のものは慎重に扱ってください。
- 印鑑
- 銀行の通帳
- 年金手帳
- 年金証券
- 有価証券
- 保険証券など
上記以外の財産関連のものがあっても、捨てずに取っておきます。
仕事関係の書類
故人の仕事関係の書類は、一時的に捨てずに取っておく必要があります。処分してしまうと、仕事関係で損害が発生するなどのトラブルが起きる可能性もあるためです。会社に問い合わせをおこない、書類が不要であることを確認できたら捨てます。
ヘソクリなどの現金
ヘソクリなどの現金を隠すように保管している人も珍しくなく、気づかず捨ててしまう可能性があるため注意が必要です。現金は法律上捨ててはならず、相続の対象にもなるので残しておかなければいけません。
遺品整理をするときは、紙や封筒、タンスの中身などを入念に確認することが大切です。確認作業が面倒だったり時間が掛かったりする場合は、遺品整理業者に依頼する手もあります。
デジタル遺品
パソコンやスマートフォンのデータもデジタル形式の遺品であるため、慎重に扱う必要があります。特に暗号資産やネット証券などはIDやパスワードが必要になることもあるので、基本的にはデータを残し、記録しておきます。
デジタル遺品が相続に関わることもあるので、消去してしまうとトラブルにつながる可能性もゼロではありません。「データだから」と軽く見ず、大切に保管することが大切です。
返却の必要があるもの
レンタル品やリース品など、返却の必要があるものは必ず返却します。返却せずに処分してしまうと、損害金が発生する恐れがあります。
返却が必要なものとして、ほかに「運転免許証・パスポート・クレジットカード・保険証」などが挙げられます。有効期限を迎えると失効するものの、念のため返却しておくと安心できます。処分すると損害賠償請求や遅延金が発生する危険性があるので注意が必要です。
鍵
家や自動車などの鍵は、不要なことがわかるまでは捨てずに保管しておきます。捨ててしまうと、賃貸を退去したり家や車を売却したりするときに鍵の交換費用が掛かってしまいます。
引き出しや金庫内のものを取り出せなくなり、相続時のトラブルになる恐れもあるので注意が必要です。
身分証明書
故人の身分証明書は、一時的に残しておくのが基本です。利用しているサービスの解約など、本人の身分証明書がないとできないこともあるので取っておきます。
故人宛の手紙や年賀状も故人に関する情報源になるので、必ず管理します。それらを捨ててしまうと、サービスが解約できずに請求が続く恐れもあるので注意が必要です。
買い取ってもらえる可能性があるもの
買い取ってもらえる可能性があるものは、捨てずに取っておきます。価値がある遺品の例は以下の通りです。
- 美術品
- 骨董品
- フィギュア
- ブランド品
- 和服 など
一見価値がないように見えても、鑑定後に価値があるものだとわかるケースも多いので、可能性があるものは念のため取っておきます。価値のある遺品は相続の対象になることもあり、勝手に処分するとトラブルを引き起こしかねないので注意が必要です。
思い出の品物
思い出の品物は、なるべく取っておきます。特に思い出のアルバムや写真などは捨てると復元が難しくなるため、慎重に判断する必要があります。そのまま保管しようとすると場所を取ってしまうので、データ化していつでも見れるようにするのがポイントです。
自分で遺品を処分する4つの手順
自分で遺品を処分する4つの手順は、次の通りです。
- 遺言書に従って形見分けを行う
- 貴重品や重要な書類などがないかを確認する
- 処分するもの・使えるものを分ける
- 処分する遺品で思い入れがあるものは供養してもらう
それぞれ詳しく解説します。
1.遺言書に従って形見分けを行う
故人が残した遺言書に従い、本人の思い出の品や貴重品などの形見を仕分けます。仕分けるものは、主に通帳・クレジットカード・パスポート・貴金属などの貴重品です。
2.貴重品や重要な書類などがないかを確認する
遺品の中に、貴重品や重要な書類などがないかを確認しましょう。貴重品は買い取ってくれる可能性があるため、価値がわかるまでは捨てずにとっておきます。
重要な書類は捨てると取り返しが付かない事態になることもあるので、不要とわかるまではとっておきます。それぞれ間違って捨てないよう、段ボール箱などに入れておくと安心です。
3.処分するもの・使えるものを分ける
形見分けが済んだら、処分するものと使えるものを分けます。それぞれ段ボール箱などを用意し、分別するとわかりやすいです。
処分するものは、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。そのまま捨てるのに抵抗がある人は、その手のお店で買い取ってもらうのも手です。
4.処分する遺品で思い入れがあるものは供養してもらう
処分する遺品の中に思い入れがあるものは、供養してもらいます。供養してもらう方法は次の通りです。
- 神社仏閣へ持ち込む
- 僧侶に来てもらう
- お焚き上げ業者に供養してもらう
- 遺品整理業者に供養してもらう
お焚き上げ業者に供養してもらう方法は、対象の遺品を箱に詰めて郵送するだけなので簡単です。忙しくて供養の時間が取れない人でも、手軽に供養してもらえます。
遺品整理業者の中には、遺品の整理や片付けと一緒に供養もおこなってくれるところもあります。遺品整理と供養が別々のサービスではないため、2度手間にならないのがメリットです。
処分してほしくない遺品を守る4つの方法
処分してほしくない遺品を守る方法は、以下の4つです。
- 生前に話し合う
- エンディングノートを確認する
- 遺書を読む
- 遺品整理士に依頼する
それぞれ詳しく解説します。
生前に話し合う
家族が元気なうちに、重要なものの扱いについて話し合っておくのが好ましいです。内容もあり場を設けにくいのも確かですが、遺品整理のトラブルを避けるために必要なことでもあります。
エンディングノートを確認する
エンディングノートを確認することで、捨てていい物や捨ててはいけない物を把握できます。エンディングノートとは、故人の希望や捨ててはいけない物など、さまざまなことを書き残せるノートです。
話し合いの機会を設けにくい場合は、故人にエンディングノートを渡す手もあります。しかし、エンディングノートだけを渡すと人生の最後を連想させてしまうので、誕生日に他のプレゼントと一緒に渡すのがおすすめです。
遺書を読む
遺書がある場合は、遺品整理前に読むことが大切です。遺書には捨ててはいけない物や相続に関することなどが書かれているケースもあり、今後の作業をスムーズに進められます。遺書に従うことがトラブル防止にもつながるため、必ず読むべきです。
遺品整理士に依頼する
遺書やエンディングノートなどが見つからない場合は、遺品整理士に依頼する手もあります。遺品を適切に整理してくれるのはもちろん、保管についてのアドバイスももらえます。
整理中に遺書やエンディングノートが見つかることもあるので、困ったときは遺品整理士に頼ってみるのもおすすめです。
遺品を処分するときに抱く罪悪感の正体
遺品の処分するときに抱く罪悪感の正体を、以下の状況別に紹介します。
- 思い出のある遺品を処分するとき
- 仏壇や神棚、遺影などを処分するとき
- 形見分けをせずに処分したとき
- 遺品の処分を不用品処分と同じようにとらえてしまったとき
それぞれ詳しく解説します。
思い出のある遺品を処分するとき
思い出のある遺品を処分するときは、罪悪感を抱きやすいです。自分の知っている故人の思い出の品を処分する際は、どうしても抵抗感が生まれてしまいます。
劣化していない遺品であればとっておくこともできますが、カビや黄ばみが目立っているものは保管が難しいです。「いつかは捨てなければいけない」と割り切って、捨てる勇気も時には必要です。
思い出の品を捨てる際の罪悪感を減らしたい場合は、遺品供養をおこなう手もあります。
仏壇や神棚、遺影などを処分するとき
仏壇や神棚、遺影などは故人が信仰していた遺品なので、捨てる際に罪悪感を覚えることがあります。仏壇や神棚などはサイズが大きく、家に置いておくのが難しいのも確かです。捨てなければいけないとわかっていても、捨てる際には抵抗を覚えてしまいます。
仏壇や神棚を処分するときは、開眼供養をおすすめします。開眼供養は故人の魂を天に還す儀式であり、仏壇や神棚を単なる物体へ戻す目的でおこなわれます。開眼供養をせずに処分すると魂も一緒に処分してしまい、罪悪感が増してしまいます。
罪悪感を少しでも和らげるためにも、開眼供養をおこなってから処分するのがおすすめです。
形見分けをせずに処分したとき
形見分けをせずに遺品を処分するときも、罪悪感を抱きやすいです。「本当にこれは捨ててもいいのか」という疑問も生まれ、捨てるのを躊躇してしまいます。
しかし、遺品整理である以上、不要な物を捨ててしまうのは仕方がありません。故人とのできごとを思い出しつつ、心の中で供養しながら処分することで、罪悪感を和らげられます。
本当に捨ててはいけないものを捨てないよう、遺品整理は家族と一緒に進めることが推奨されます。自分だけの判断で物を捨てると、遺品を巡った相続トラブルも起きかねないので注意が必要です。
遺品の処分を不用品処分と同じようにとらえてしまったとき
遺品の処分と不用品処分と同じようにとらえてしまったときも、罪悪感を抱きやすいです。捨てること自体に抵抗がある場合は、故人と知り合いの人に譲ったり業者に買い取ってもらったりする手もあります。
捨てる方向であっても、お焚き上げのような供養をしてから処分することで気持ちが和らぎます。お焚き上げ供養をしてくれる業者もいるので、処分が心苦しい場合は依頼してみるのもおすすめです。
遺品処分に対する罪悪感を解消する方法
遺品処分に対する罪悪感を解消する方法は、次の通りです。
- 故人をきちんと供養しようと思う
- 四十九日までに遺品を処分する
それぞれ詳しく解説します。
故人をきちんと供養しようと思う
罪悪感を解消するためには、故人をきちんと供養しようと思う気持ちが大切です。そのためには、「故人が望むこと」を考える必要があります。
例えば両親が亡くなった場合、一番に望むのは「遺品を捨てて欲しくない」という気持ちではなく、「子どもに幸せな人生を歩んで欲しい」という気持ちのはずです。自分の遺品を捨てることに悩むぐらいなら、思い切って捨てて前向きになってほしいと思います。
遺品を捨てる際に罪悪感を感じるのは、故人が亡くなってもなお大切に思っていることの証拠です。それだけ大切に思ってくれている人に遺品を整理してもらうのは、故人からしても嬉しいことです。
「しっかり供養しよう」という気持ちがあれば、遺品を捨てても故人はむしろ感謝を覚えるでしょう。
四十九日までに遺品を処分する
罪悪感を抑えるために、遺品を四十九日までに処分します。人は亡くなったあとに現世を四十九日間さまようと言われており、四十九日目は故人が極楽へ旅立つための法要がおこなわれます。
四十九日までに遺品を処分するのは、故人が心残りのないようにあの世へ旅立てるようにするためです。親族間で同意があり心の整理もできていれば、四十九日前に遺品整理をしても問題はありません。
ショックを抱えたまま遺品整理をしようとしても、必要か不必要かを判断するのは難しいです。遺品整理は早い段階でおこなうのが好ましいですが、どうしても立ち直れない場合は心の整理が付くまで休んでもいいでしょう。
「遺品整理のことはそのときになってから考えればいい」と割り切り、気持ちの整理が付いてから遺品整理を始めることが大切です。
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- 遺品の仕分け作業
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まとめ
遺品を処分するタイミングは、遺族の心の整理が付いたときです。四十九日までに遺品整理をするのが好ましいですが、ショックを受けている状態では適切に遺品を整理するのが難しいです。
あくまでも遺族の気持ちを優先し、気分が落ち着いてきたら遺品整理に取りかかることが大切です。故人が遺書などを残している場合は、必ず読んでから遺品整理をおこないます。遺書に遺品整理の希望が書かれていれば、それに従って作業ができるからです。
自分たちで遺品整理をするのが難しい場合は、遺品整理だけでなくハウスクリーニングや供養も可能なゴミ屋敷バスター七福神の利用を検討してみてください。