家族や友人、もしくは周辺住宅がゴミ屋敷になっていると気づいた方もいるでしょう。しかし、どのような対策を取ればいいか分からずに困っている人もいるはずです。それなら、最初の対策として自治体へ相談してみてはいかがでしょうか。
この記事では、ゴミ屋敷に対応してくれる自治体の概要と、ゴミ屋敷に関わりのある人たちが行うべき対策についてご紹介します。また、対応が難しいときの対策として片付け業者の情報も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ゴミ屋敷への対策はゴミ屋敷条例で異なる
ゴミ屋敷対策でお悩みなら、まずは自治体に相談してみるといいでしょう。このとき覚えてほしいのが、自治体ごとに制定されている「ゴミ屋敷条例」です。
ゴミ屋敷条例とは、その地域ごとに対応する内容を定めている条例のことであり、現在82市区町村が制定し、ゴミ屋敷の対策に取り組んでいます。ただし、条例を定めている自治体だけでなく、それ以外の自治体も現行制度の中でゴミ屋敷対策を実施しているような状況です。詳しくは「一般社団法人 地方自治研究機構(RILG)」のHPに自治体一覧が説明されているので、参考にしてみてください。
また、条例のありなしは過去の事例数によって変化します。ゴミ屋敷の多い自治体であるほど条例が制定されやすいのが特徴です。
次項より、条例の有無で変化するゴミ屋敷への対応を紹介します。ゴミ屋敷がある自治体がどこなのかチェックしたうえで、どのような対策を行ってくれるのか確認していきましょう。
>>ゴミ屋敷に対する条例を持たない自治体がとっている対策・対応
ゴミ屋敷条例のある自治体の対策事例
まずはゴミ屋敷条例のある自治体の対策事例を紹介します。主に行ってくれるのは、以下に示す6項目です。
- 調査
- 指導・支援
- 勧告
- 命令
- 氏名公表・罰金
- 強制撤去
上から順に、対策の規模が大きくなっていきます。詳しく解説するので参考にしてみてください。
ゴミ屋敷の「調査」
調査では、ゴミ屋敷の状況をチェックするために、職員が次の作業を行います。
- 立ち入り調査
- ゴミ屋敷の住人とかかわりのある親族の調査
- 福祉サービスの受給状況の調査
この調査は、住人と最初の接点を持つ対策です。挨拶はもちろん住民とコミュニケーションを取って、片付けの意識づけをするために実施されています。
ゴミ屋敷の住人に対し「指導・支援」
調査段階で改善が見られなければ、指導・支援の実施へ進みます。
指導は、住人がゴミ屋敷の片付けを行うまで何度も訪問し、助言や指導を行いつつコミュニケーションを取る対策です。一方、支援においては住人の身体的・精神的トラブルもしくは経済的事情により動けない住人の代わりに、自治体職員が直接的・間接的に片付けを手伝う対策となります。
また、支援の中では、医療福祉、経済的な支援を行うなど、ゴミ屋敷の住人が効率よく社会復帰できる環境を整える対策がとられるのが特徴です。
ゴミ屋敷の住人に対しゴミ撤去の「勧告」
中には、指導や支援を行っても動いてくれない住人がいます。そのときには、ゴミ屋敷の片付けを拒否しない人や、指導しても改善しない住人に対してペナルティがあると伝える「勧告」を実施するのが特徴です。
勧告は、言葉通り行政措置があることを伝えるまでが対策の内容となります。また、勧告の段階では罰則などを与えることができません。もしこの対応でも住人が動いてくれない場合には、次の「命令」へ移ることとなります。
ゴミ屋敷の住人に対しゴミ撤去の「命令」
勧告に対して動いてくれない住人がいる場合には、行政措置を含む命令を下すことが可能です。このとき命令するのは、期限付きの片付け猶予であり、もしこの期限を越えてしまうと次のようなペナルティを与えることとなります。
- 氏名公表
- 罰金
命令は勧告よりも踏み込んだゴミ屋敷対策です。これでも対応してくれないゴミ屋敷の住人がいる場合には、様々な措置を実施するので、ここまでの対応が住人としてのボーダーラインとなります。
ゴミ屋敷の撤去命令違反に対し「氏名公表・罰金」
度重なる自治体対策を無視する住人がいる場合、命令を下した後に期限を決めて氏名公表と罰金を課すことができます。
氏名公表では、自治体HPに住人の氏名が一般公開されるのが特徴です。一方、罰金については自治体によって金額が異なります。地域によっては高額の罰金が発生する場合もあるため注意が必要です。
※罰金については住人の経済状況などを踏まえ、おおよそ5万円以下で設定されるところが多くみられます。
行政執行によるゴミの「強制撤去」
罰金の無視や命令対応がない場合には、行政により直接「強制撤去」が行われます。
強制撤去では、ゴミ屋敷の住人の代わりに職員および委託業者が片付けを行うというものです。住人を避難させたのちにゴミを強制撤去します。
このとき、強制執行では住人の意見・要望が反映されずに撤去される場合が多い状況です。中には、大切なものも含めて撤去される場合もあるので、自主的にゴミ屋敷を片付けておくことが欠かせません。
ゴミ屋敷条例のない自治体の対策事例
ゴミ屋敷条例のない自治体は、過去にゴミ屋敷問題の発生件数が極めて少ない地域が対象となります。そのため、ゴミ屋敷対策は条例のある自治体と比べて簡易的であるのが特徴です。
主な事例を3つ紹介するので、相談できる内容を確認してみてください。
>>ゴミ屋敷に対する条例を持たない自治体がとっている対策・対応
ゴミ屋敷の「訪問・見守り・パトロール」
ゴミ屋敷条例のない自治体では、地域住民からクレームがあった場合にゴミ屋敷対策に取り掛かります。主に実施されるのは次のとおりです。
- ゴミ屋敷訪問により住人とコミュニケーションを取る
- 利用できるサポートを紹介して見守りを行う
- 定期的にパトロールを実施して状況を確認する
基本的には、住人から自発的にゴミ屋敷を片付けるように促すことが対策です。ただし、医療福祉や経済状況で片付けが行えない場合には、間接的なサポートを実施します。
また、状況が改善されない場合には、上記3項目の頻度を高めて継続的に対応を求める活動が行われるのが特徴です。
ゴミ屋敷住人に対し「包括的支援」
ゴミ屋敷の住人によっては、次の理由から自発的に片付けを行えない場合があります。
- 加齢に伴う体力・筋力の低下
- 病気による身体的な問題
- 経済的な困窮
特に、規模が大きいゴミ屋敷の場合、住人ひとりで対応できないことも多いでしょう。前項の訪問により、その状況が確認された場合、自治体は住人に対して現行制度で対応できる包括的支援(医療福祉、経済)を実施しサポートを行い、ゴミ屋敷の片付けを進めていきます。
周辺家屋や警察・消防への働きかけ
ゴミ屋敷問題は、ただ物があふれているだけではなく、次のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
- 臭いトラブル
- 火災
- ゴミを起因とした交通事故や怪我
もし地域住人に被害を及ぼすような状況のゴミ屋敷がある場合には、自治体により周辺家屋や警察・消防への働きかけができます。自治体単体だけではなく、地域住人や警察・消防と連携を取ることによって、安全性を確保しつつゴミ屋敷の住人に片付けを促すことが可能です。
ゴミ屋敷の住人・親族・周辺住民が行うべき対策
ゴミ屋敷の対策は自治体に任せることも大切ですが、ゴミ屋敷の住人・親族、そして周辺住民が実施すべき対策もあります。
ゴミ屋敷に悩んだときにやるべき対策が5つあるので、各項目をチェックし、動き出せそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。
>>高齢者が汚部屋にしてしまう理由|周りでサポートできることはある?
自治体への相談
安全かつ効率的にゴミ屋敷問題を解決してほしいなら、まずは自治体に相談してみてはいかがでしょうか。自治体への相談は、本記事前半で紹介した対策を取ってもらえます。
自治体に相談する場合には、次の相談窓口に連絡してみるか直接訪問してみるといいでしょう。
- 保健福祉課
- 生活福祉課
- 生活衛生課
- 生活課
- 市民相談室
- くらし応援室
相談できる場所は、自治体によって名前が異なります。事前に自治体HPを確認して近しい相談窓口に連絡してください。
また、直接訪問する際には、事前に時間を予約しておくといいでしょう。上記の相談窓口は地域住人の悩みを聞くところなので、日常的に混雑しています。待ち時間を増やさないためにも予約しておくのがおすすめです。
大家・管理会社への連絡
ゴミ屋敷が住人の所有する土地ではなく、賃貸や貸家であれば、大家や管理会社に相談するのがおすすめです。基本的に貸物件の場合、管理者である大家や管理会社が対応する必要があります。
また、個人で自治体へ連絡すると時間を取られてしまうため、大家・管理会社に連絡するのがいいでしょう。貸物件の場合、敷地の塀に管理会社の連絡先といった情報が掲載されているのでタイミングを見つけて連絡先を確認してみてはいかがでしょうか。
警察への相談
もしゴミ屋敷と近隣住民とのトラブルが発生しそうになっているなら、警察へ相談してみるといいでしょう。警察は、個人間のトラブルはもちろん、ゴミ屋敷の対応のサポートも実施してくれます。
また、警察から直接自治体へ連絡してもらい、ゴミ屋敷対策を始めてもらうことも可能です。町を守る役割を持つ警察なら、安全に対応してくれるので、大きなトラブルへ発展しそうなら、今すぐ利用してみてください。
消防への相談
ゴミ屋敷問題によって、火災や建物崩壊の危険性があると感じているなら、消防へ相談してみるといいでしょう。中にはゴミ屋敷の状況を把握していない消防もあるため、情報を伝えるのは有効な手段です。
また、火災発生のリスクに対して、気にかけて動いてくれるようになるので、もしもの対応がスピーディーになります。あわせて警察と同様に、自治体と連携してゴミ屋敷対策を実施してくれるので、早めに相談するのがおすすめです。
ゴミ屋敷の住人の親類・知人に相談
もしゴミ屋敷の住人と知り合いなら、住人の親類や知人に相談してみるといいでしょう。あなたの代わりにゴミ屋敷の住人と話をしてくれるのはもちろん、自治体へ相談してくれるなど、安全にゴミ屋敷対策を取ってもらえます。
中には、親族を含めて大事にしたくない人も大勢います。もし知り合いがいるなら、自治体よりも先に相談してみてはいかがでしょうか。
ゴミ屋敷の片付けは業者に相談しよう
ゴミ屋敷の片付けを行う場合には、今まで溜め込んだゴミの片付けを実施する必要があります。ただし、ゴミの量が多かったり、ゴミ屋敷の住人の身体的・精神的な問題があったりすると、ゴミ屋敷対策を行おうにも動き出せない場合もあるはずです。
そこで、すぐにでもゴミ屋敷対策に取り掛かりたいと考えているなら、片付け業者に相談してみてはいかがでしょうか。最後に、片付け業者を利用する特徴を紹介します。
片付けのプロによる効率的なゴミ屋敷掃除
片付け業者に依頼すると、経験豊富なプロが片付けに対応してくれるため、効率的にゴミ屋敷の掃除を行ってくれます。早い場合には1日~数日でゴミ屋敷をキレイにしてくれる業者も多数あるので、自身で片付けできない場合にはぜひ利用してみてください。
また、片付け業者はゴミ屋敷の片付けのほかに、ハウスクリーニングといった様々なサービスを提供しています。組み合わせて利用することによって、お得に依頼できる場合もあるので、事前に業者HPをチェックしてみましょう。
不用品の買い取りに対応してくれる
中には、片付け業者の依頼費用を抑えたいと考えている人もいるでしょう。それなら、不用品買い取りに対応してくれる片付け業者を見つけることが大切です。
不用品買い取りとは、ゴミ屋敷対策と一緒に片付け中に見つかった価値のある品を買取してくれるサービスのことであり、片付け依頼の費用から買い取りした品の金額を差し引いてもらえます。良い品があるほど依頼費用を抑えられるので、事前に自宅の品を整理しておくといいでしょう。
依頼前に必ず相見積もりを取ろう
片付け業者に片付けを依頼するなら、事前に相見積もりを取得してみてはいかがでしょうか。相見積もり取得の理由は、次のとおりです。
- 片付け業者の相場を把握する
- 安く対応してくれる業者が見つかる
特に、なるべく片付け業者の依頼費用を抑えたいなら、相見積もりを取得して比較することが大切です。無料見積もりに対応してくれる業者も多いので、ぜひ気になる業者から見積もりをもらってみてください。
まとめ
家族や知人が住む家、また周辺家屋がゴミ屋敷である場合、早急に対策しなければ臭い問題や家事トラブルの原因となる場合があります。このとき、効率よくゴミ屋敷問題を解決したいなら、自治体や公共機関に相談するのがおすすめです。
段階的な対策を取ってくれるのはもちろん、行政措置を取ってもらえるなど、安全にゴミ屋敷問題を解決できます。
もし、ゴミ屋敷の片付けを説得でき、片付けが必要となったのなら、ゴミ屋敷清掃の実績を多数もつ「ゴミ屋敷バスター七福神」にご相談ください。ご予算にあわせた提案・対策を行い、ご依頼者様のお悩みをすぐに解消いたします。