離れて暮らす家族の孤独死や自殺、火災など、突然の死や事故をきっかけに必要になる特殊清掃。実際にその費用を負担するのは誰なのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
特殊清掃は一般的なハウスクリーニングとは異なり、専門的なノウハウや特殊な技術が必要です。そのぶん費用も高額になりやすく、いざ清掃業者へ依頼する段階になって「この費用はいったい誰が負担するべきなのか?」と頭を抱える方は少なくありません。
本記事では、特殊清掃が必要になった際の「費用の支払い義務は誰にあるのか」という疑問について詳しく解説します。ご遺族や連帯保証人の責任範囲、大家さんが負担するケースのほか、作業ごとの目安となる料金相場についてもわかりやすくお伝えします。
目次
特殊清掃の費用は誰が払う?

賃貸物件で特殊清掃が必要になった場合、主な費用負担者として挙げられるのは次の3者です。
- 連帯保証人
- 法定相続人
- 物件の所有者(大家)
誰が費用を負担するかは、賃貸借契約の内容や相続の状況などによって異なります。特殊清掃費用を請求された場合は、まず自分がどの立場にあり、どこまで支払い義務を負うのか確認することが重要です。それぞれの責任範囲について、以下で詳しく解説します。
①連帯保証人
連帯保証人は、借主が家賃の滞納や物件の損傷などによって負った債務を、保証契約の範囲内で負担する立場です。例えば、孤独死によって特殊清掃が必要になり、その費用が借主側の原状回復義務に含まれる場合は、連帯保証人にも支払いを求められる可能性があります。ただし、借主が亡くなったからといって、特殊清掃費用の全額を必ず負担するわけではありません。 2020年4月の民法改正以降に締結された個人の連帯保証契約では、責任の上限となる「極度額」が定められています。そのため、実際の負担範囲は保証契約書の内容を確認することが重要です
②法定相続人
法定相続人には、借主の配偶者や血族相続人が該当します。血族相続人には子・親・兄弟姉妹などがおり、相続順位が定められている点に注意が必要です。
相続対象となるのは、金品・不動産などの財産だけではなく、借金や賠償金といった負債も含まれます。そのため、特殊清掃費用が借主側の債務として残っている場合は、法定相続人が支払い義務を引き継ぐのが原則です。
ただし、相続放棄をすれば、相続人として支払い義務を引き継ぐことはありません。一方、もともと連帯保証人でもある場合は、保証契約は相続とは別なので、相続放棄をしても連帯保証人としての責任は残ります。
③物件の所有者(大家)
連帯保証人や法定相続人から費用を回収できない場合、大家が費用を立て替えるケースがあります。例えば、支払い義務がある連帯保証人や法定相続人と連絡がつかなかった場合です。物件を原状回復するためには、大家が特殊清掃の費用を負担する必要があります。
ただし、孤独死の原因や周囲の状況によっては、最初から物件の持ち主が費用を請求されるケースもあります。大家が最終的な負担者になるケースもあるため、費用を負担する可能性は常にあると理解しておきましょう。
いずれにも請求できない・義務を負わないケース
連帯保証人がいない場合や、法定相続人が相続放棄をした場合などは、借主側に特殊清掃費用を請求できないことがあります。また、連帯保証人がいても、保証契約で定められた極度額を超える費用まで負担する義務はありません。
このように、連帯保証人や法定相続人から特殊清掃費用を回収できない場合は、物件を原状回復するために大家が費用を負担するケースがあります。誰にどこまで請求できるかは状況によって異なるため、賃貸借契約や保証契約、相続の状況を確認することが大切です。
大家が特殊清掃費用を負担するケース

連帯保証人や法定相続人から特殊清掃費用を回収できない場合、大家さんが費用を負担することがあります。ただし、故人に原状回復義務がある場合は、連帯保証人や法定相続人に費用を請求することになります。
次のようなケースに当てはまる場合、特殊清掃費用は大家さんが負担しなければなりません。
- 連帯保証人・法定相続人が死亡していたり、連絡がつかなかったりした場合
- 借主が孤独死した原因が、老衰や持病などによる自然死だった場合
- 費用が契約で定められた限度額を超えていた場合
自然死の場合、入居者本人に過失があるとは言えないため、特殊清掃の費用を遺族に請求するのは難しいのが実情です。ただし、遺族との話し合いによって、任意で特殊清掃費用を負担してもらえるケースもあります。
特に注意が必要なのは、限度額を超えたケースです。2020年の民法改正にともない保証に関するルールが新しくなり、個人の連帯保証人について、保証契約書などで責任の上限となる極度額を定めることが必要になりました。極度額を超える部分については、連帯保証人に請求できません。
例えば、原状回復費用の上限が20万円で、特殊清掃に30万円かかった場合、超過した10万円は大家の負担になります。2020年以前の賃貸契約は該当しませんが、賃貸物件の所有者で、特殊清掃費用に不安がある人は、契約書の確認や内容の更新を検討してください。
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特殊清掃にかかる費用の目安

特殊清掃は専門的な薬剤や専用機材を使用するため、一般的な掃除に比べて費用の見当がつきにくい分野です。全体の金額は、間取りだけでなく汚染状況や必要な作業内容によっても大きく変わります。ここでは、まず間取りごとの費用相場を見ていきましょう。
- 1K〜1LDK:3万円〜10万円前後
- 2K〜2LDK:10万円〜20万円前後
- 3K〜3LDK:20万円〜30万円前後
- 4LDK以上:30万円〜60万円以上
同じ間取りでも金額に大きな幅があるのは、実際の平米数や汚染度によって必要な工程が変わるためです。最終的な金額は、間取りだけで判断せず、現地調査を受けたうえで見積もりを確認する必要があります。
また、基本料金に含まれない消臭作業や害虫駆除、床材の撤去などが必要になると、別途費用が加算されます。見積もりを取る際は、どの作業にどれくらいの費用がかかっているのか内訳まで確認することが大切です。
孤独死の特殊清掃費用が高くなるケース

体液や臭いが広範囲になっている部屋
孤独死した方の部屋が、遺体の体液や悪臭の影響を受けている場合、特殊清掃費用は高くなりがちです。広範囲で汚染されていると、そのぶん特殊清掃の範囲も広くなるため、思った以上に費用がかかることも少なくありません。
悪臭の元も広範囲なので、オプションのオゾン脱臭機による消臭作業が増える可能性もあります。たとえ間取りが1Kであっても、汚染範囲が広ければやるべき作業は増えるため、汚染や臭いが広範囲になっている部屋は注意が必要です。
遺体の発見までに時間がかかった場合
遺体が発見されるまで時間がかかった場合も、特殊清掃費用が高めになります。人が亡くなった直後、ドライアイスで遺体を冷やしながらお通夜や葬儀を行いますが、遺体を冷やすのは、腐敗の進行を遅らせるためです。亡くなったことに気づかれず長期間放置された場合、腐敗がどんどん進み汚染が広がってしまいます。
特に夏場など気温や湿度が高い時期は、この腐敗スピードが格段に早まり、臭いや汚染の被害が広がりやすくなります。強烈な死臭が壁紙に染みついたり、体液がフローリングの奥深くまで浸透したりすることもあり、最悪の場合は大掛かりなリフォームまで必要です。そのぶん作業範囲が広がり、特殊清掃費用が大きく跳ね上がる要因となります。
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遺品整理も必要だったとき
特殊清掃と同時に遺品整理もお願いしたい場合は、特殊清掃に加えて遺品整理の費用もかかるため、料金は高めです。特殊清掃を行う片付け専門業者の多くは、特殊清掃と遺品整理を個別のサービスとして提供しており、同時に作業することはありません。
遺品整理もお願いしたい場合は、オプションとして追加するのが一般的で、特殊清掃後に遺品整理を行います。遺品整理とはいっても、特殊清掃が必要なレベルの部屋に残された遺品はリサイクルもリユースも難しいため、ほぼ廃棄処分で費用は高いと考えてください。
ただし、特殊清掃を専門とする業者は、基本的に遺品整理サービスを提供していないため、遺品整理も必要な場合は、特殊清掃も行っている片付け専門業者への依頼がおすすめです。
特殊清掃現場がゴミ屋敷状態だったとき
特殊清掃を行う現場がゴミ屋敷状態だと、汚染物を除去しながら作業を進めなければならないため、時間も労力もかかり費用が高くなります。孤独死の現場がゴミ屋敷だと、まず片付けなければ部屋の状態を正しく把握できません。
遺体の周囲のゴミや品物・家具も汚染されている可能性があるため、消毒と清掃を繰り返しながら作業を進めなければならず、作業日数の増加に比例して費用も高くなります。孤独死の現場はゴミ屋敷化しているケースも多いので、費用が気になる場合は状況を正しく伝え、必ず見積もりを出してもらいましょう。
特殊清掃はできるだけ早くゴミ屋敷片付け七福神にお任せください

「賃貸物件の借主が孤独死しているかも」と思ったら、できるだけ早くゴミ屋敷片付け七福神へご相談ください。七福神は創業15年以上、年間実績30,000件以上を誇る片付け専門業者で、多くのゴミ屋敷を片付けてきた実績があります。特殊清掃にも対応している片付けのプロで、遺品整理も行っているため、特殊清掃から片付けまでワンストップでご依頼いただけます。
産業廃棄物処理業者とも業務提携しており、腐敗物に汚染されたマットレスや布団の処分も可能です。ご相談いただければ最適なプランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご連絡ください。
まとめ
孤独死が発生した現場の特殊清掃費用を誰が負担するかは、賃貸借契約や保証契約、相続の状況などによって異なります。連帯保証人や法定相続人が支払い義務を負うケースがある一方、自然死や相続放棄などの事情によっては、物件の所有者である大家さんが負担しなければなりません。
また、特殊清掃費用は、現場の間取りや汚染状況、必要な作業内容によって変わります。片付けや遺品整理まで必要になると、費用が高額になる可能性もあります。特殊清掃とあわせて遺品整理や片付けまで依頼したい場合は、特殊清掃にも対応している片付け専門業者へ相談し、必要な作業や費用を確認しましょう。