ゴミ屋敷は、サボり癖の特徴がある人がなるものだと思っていませんか。しかし、実際は生活環境や疾患などが理由で物やゴミが捨てられない人も多くいます。そこで、どのような特徴の人がゴミ屋敷を作ってしまうのか、どのような心理や疾患が原因となるのか、多くのゴミ屋敷に関わってきた片付け専門業者が紹介します。
また、ゴミ屋敷を避けるための対策方法も紹介しているので、ごみ捨てや分別が苦手な方にも役立つ特徴や情報をまとめています。
ゴミ屋敷にしてしまう人の特徴
それでは最初に、ゴミ屋敷にしてしまう人の特徴を大きく5つに分けて紹介します。自分は大丈夫だと思っていても、気付いたらゴミがいっぱいになってしまう可能性もあるため、自分に当てはまる特徴がないかチェックしておきましょう。
仕事が忙しくゴミ出しを忘れる
ゴミ屋敷にゴミがたまってしまう理由としてよくあるパターンは、仕事が忙しすぎてゴミ出しを忘れてしまうケースです。特に、共働きや一人暮らしの方が陥りやすい特徴で、皆さんも一度は他に用事があってゴミ出しを忘れてしまった経験があるでしょう。
それが何度も続いてしまうと、ゴミが増え続けて処理するのにも時間がかかるようになってしまい、さらに手がつけられなくなる特徴があります。そのため、できるだけゴミ出しの日をカレンダーや手帳に書くなどして、忘れないようにするのがおすすめです。
家の中にゴミがあふれてしまう特徴は健康にも影響を及ぼしかねません。
ごみの分別がものすごく面倒に感じる特徴
環境問題のあおりを受け、昨今ではゴミの分別に厳しい地域も多く、ゴミを分別するのが面倒に感じてしまうときはありませんか。燃やすごみと燃やさないごみだけの分別ならまだしも、資源ゴミが細かく指定されるケースもあり、それを嫌がってゴミを捨てない特徴がある人も少なからずいます。
特に家事をすべて行わなければならない、一人暮らしの方にゴミ屋敷が起こりやすい特徴があります。また、ゴミがたまってから分別していては余計に面倒くさくなってしまうため、ゴミ箱を分けて捨てるといった工夫もしましょう。
片付けがとにかく苦手でゴミ屋敷に
ゴミの分別以前に、片付けがとにかく苦手でゴミも捨てず、そのままゴミ屋敷に一直線になってしまう特徴もあります。苦手意識を持ってしまうと、ゴミ出しに行く気持ちも生まれません。
家族や一緒に暮らしている人がいれば役割分担できますが、一人暮らしでは代わりにやってくれる人もいません。ゴミ捨てに苦手意識の特徴を持っている方は、なぜゴミ捨てをしなければいけないのか考えてみましょう。ゴミ屋敷になるからです。
ゴミ捨ての重要性がわかれば、何かしらの対策を取ろうとする特徴も芽生えます。また、「ゴミ屋敷になると困ること」について後述しているので、ゴミ捨てを理由付けする参考にお使いください。
常に強いストレスにさらされゴミ屋敷へ
ゴミ屋敷になってしまうのは、常に強いストレスを受けるような特徴が原因のひとつだと言われています。特に人と深く関わる介護士や看護師などの仕事に就いている人が、気力も起きず、ゴミ出しもままならなくなる特徴があるからです。
また、介護士や看護師には女性も多く、若い人でもストレスが原因でゴミ屋敷になってしまった特徴も珍しくありません。そのため、できるだけストレスがたまらないように発散する趣味やゆっくり休める時間を作るのも大切です。
休む時間を作るのも大変かもしれませんが、精神的な疲れで働けなくなってしまっては意味がありません。
物を収集する特徴によってゴミ屋敷へ
物を収集する癖がある方は、ゴミ屋敷になってしまわないようにご注意ください。特に何でも拾ってきては集めてしまう特徴は、家の中が物であふれてしまいます。本当はいらない物があっても物を大切にするあまり、物が捨てられずゴミ屋敷になってしまうパターンです。
また、好きなものを集めすぎてしまって、家族から処分するように注意された経験がある方もいるでしょう。個人が集めるのには数に限界があるので、ゴミ屋敷にしないためにも、本当に必要なものといらないものを見極められるようになる必要があります。
ゴミ屋敷と関連性が高い疾患の特徴
続いて、ゴミ屋敷と関連性が高い疾患の特徴を紹介します。該当する疾患を持つすべての人がゴミを捨てられなくなるわけではありませんが、周りが理解を示してサポートできる特徴を整えるのが重要です。
認知症の特徴
認知症の方は、曜日感覚が狂ってしまう特徴が多く、何月何日なのか認識しづらくなってしまいます。その結果、ゴミ捨ての日を忘れてしまって、ゴミがどんどんたまっていってしまいゴミ屋敷になる特徴が原因です。
他にも食べ物が賞味期限切れを起こしてしまったり、掃除や洗濯などが適切に行えなくなってしまったりするので、ゴミ屋敷と生活を見守る人が必要になるでしょう。いつなんどき認知症の症状が出てくるかわからないので、家族や病院の先生などと事前に相談しておくのがおすすめです。
買い物依存症の特徴
買い物依存症は、ストレスの発散に行っていた買い物が、過剰になってしまうことで起こる症状です。日頃から少しずついらないものを捨てていても、次々に新しいものを購入してしまうので、片付けが追いつかなくなってしまいゴミ屋敷になります。
気分転換に買い物をするのは悪いことではありませんが、過剰になりすぎないようにほどほどを心がけましょう。もし買い物依存症になるのが怖い方は、スポーツやレクリエーションでもいいので、他にできるストレスの発散方法を探してみてください。
セルフネグレクトの特徴
セルフネグレクトとは、自身の回りや状況が悪くなっていても、改善ができない特徴の精神状態のことを言います。このような症状を引き起こしてしまうと、ゴミ屋敷になり汚れてしまっても掃除やゴミ捨てができなくなってしまうかもしれません。
セルフネグレクトの原因は、統合失調症や認知症、脳梗塞の後遺症などに特徴があると言われていますが、前触れや自覚がなくとも発症してしまう特徴もあります。もし知り合いや家族などで、セルフネグレクトの疑いがある場合は、早めにサポートしてあげるのが肝心です。
ADD(注意欠陥障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴
ADDやADHDなどを持っている方は、物事に集中できなくなってしまう特徴があり、片付けやゴミの分別ができなくなる特徴によってゴミ屋敷になります。また、なんにでも興味を示すようになり、目にしたものは価値があると思い込んでしまうのも特徴のひとつです。
本人には片付ける意思があっても、必要なものとそうでないものが判断できない特徴があり、ゴミ屋敷化してしまうかもしれません。物を整理する気持ちがあっても解決できる問題ではないので、医師と相談しながらの対策が必要になります。
OCD(強迫性障害)の特徴
OCDは、置いてある物の位置が変化してしまうと、居ごこちの良い空間を失う恐怖心に襲われてしまう障害が特徴です。さらに、整理したことで大切なものがなくなってしまう不安を抱いてしまう特徴もあり、不要なもので捨てられなくなる特徴もあります。
どんなに散らかっているように見えても、本人には安心できる空間となるので、無理やり他の人がゴミを捨てるわけにもいきません。
このように、心の病に悩んでいる方もいるので、ゴミ屋敷になってしまう理由は人それぞれだと認識しておくようにしましょう。
ゴミ屋敷を作ってしまう人の心理と特徴
ゴミ屋敷になる人が、どのような心理状況と特徴があるのか紹介します。少しでも当てはまるという方は、気持ちを落ち着けて、不要なものがないか確認するようにしましょう。対策を取る意識を持てれば、ゴミ屋敷になる特徴は避けられます。
孤立感を感じてしまう
孤立感に寂しさを覚える人は、自身が所持しているものを捨てるのにちゅうちょしてしまいがちです。特に長年使用したものであればあるほど、たとえ不用品だとしても手元に置いておきたい気持ちが強いため捨てられません。
そのため、思い出の品が増え続け徐々にゴミ屋敷へと変貌していきます。特に昨今は、コロナ禍の中でひとりでいる時間も長くなっているので、物を溜め込みすぎないようにしましょう。
また、現代ではコミュニケーションツールもあるため、家族や友人とチャットしたり、ビデオ通話したりするなどして寂しさを和らげるのも可能です。
物に執着する特徴が強い
物に執着してしまう気がある人は、家の中が物でいっぱいになりやすい特徴があります。さらに、「もったいない」と思う気持ちや、「いずれ使うかもしれない」と考えてしまう方は用心してください。
たとえば、人が捨てている粗大ゴミを見て、「まだ使える」と強い抵抗感を覚える特徴がある人、ゴミ屋敷へ向かいやすくなる特徴があります。物を大切にする気持ちも大切ですが、ゴミ屋敷にならないようにするには、不用品を捨てる決断力が重要です。
ゴミ屋敷にならないための対策
ゴミ屋敷にならないために取れる、基本的な3つの対策を紹介します。対策を実行しながら気持ちや視点を切り替えて、ゴミがたまらない特徴がある家を目指しましょう。
いらないものはこまめに捨てる
部屋を見回して、長い間使用していないものがあれば思い切って捨てましょう。普通に生活をしていて使わないものは、家に置いておいても仕方がありません。また、捨てる前に色々と考えてしまうともったいない気持ちが出てきてしまうので、素早く捨てるのが肝です。
思い出が詰まっていて大切なものは残しておいても構いませんが、その他で使わないものはこまめに捨ててください。加えて、未開封のものやあまり使っていないものは、買い取ってもらえる場合もあるので、バザーやリースショップなどを活用しましょう。
やるべきことは後回しにしない
ついつい「仕事が忙しい」や、「ためてからゴミを捨てよう」と考えがちですが、ゴミ捨てを後回しにしないようにしましょう。一度でも面倒くさがってしまうと、次回へ、次回へと思考するようになります。
そのような悪循環になってしまうと、ゴミを捨てる機会を失ってしまうので、ゴミの日に必ず捨てる特徴づけしてください。どんなに立派な人でも、怠け癖がついてしまうとなかなか治りません。
不用品回収業者に依頼する
どうしても自身で物が整理できない方は、不用品回収業者に依頼するのも手です。片付けのプロにお願いすれば悩んでいるものもあっという間に引き取ってくれるので、効率的に物の整理ができます。
また、業者の中には高価買い取りを行っている会社もあるため、思わぬ収入になることも少なくありません。一人でゴミを捨てるのが面倒な方や、自分では捨てる勇気が持てない方は、不用品回収業者がおすすめです。
しかし、さまざまな不用品回収業者があるので、見積もりの確認や話を聞くなどして、信頼が持てる業者に依頼しましょう。
ゴミ屋敷になると困ることと特徴は?
最後に、ゴミ屋敷になってしまって困る4つの事柄をそれぞれ解説します。やはり危機感を持っていないと軽く考えてしまいがちなので、気を引き締める意味でもゴミ屋敷が与える悪影響を知っておきましょう。
物がどこにあるか分からなくなる
ゴミや不用品でいっぱいになってしまうゴミ屋敷は、物がどこにあるのかわからなくなってしまいます。多少散らかっている程度であれば場所を覚えている方もいると思いますが、ゴミ屋敷でものに紛れてしまえばかき分けて探すしかありません。
ひどい時には一日中探しても見つからない場合もあるので、こんなことを続けていては日々の生活にも影響を及ぼします。
余計に日々の出費が増えてしまう
ゴミ屋敷は前述したとおり、物が紛失しやすい状況になるため備蓄品がどこにあるのか分からなくなってしまうケースも多いです。そのため、同じものを再度購入する事態になってしまい、余計な出費をしてしまいます。
また、安売りのときにまとめ買いするのは節約術としても一般的ですが、ゴミ屋敷で紛失していては節約も意味をなしません。
ホコリやカビでアレルギーを発症する
足の置き場もないようなごみ屋敷は、風通りが悪く掃除もできなくなってしまうため、部屋中がホコリやカビでいっぱいになってしまいます。また、空気中を漂うカビやホコリを吸い込み続けてしまうと、ハウスダストアレルギーになってしまうかもしれません。
アレルギーが発症してしまうと、ひどい場合には仕事が出来なくなってしまう重症になる可能性もあるので、生活に大きな支障をきたしてしまいます。健康な体や生活を守るためにも、家をゴミ屋敷にしない努力が不可欠です。
自分の部屋が落ち着かない
ゴミ屋敷は物だけでなく、不衛生なものまで視界に入ってしまいます。いくら部屋が散らかっている方が落ち着く方でも、ゴミが日常的に見えてしまうと、完璧に無視することはできません。
そのような状態にいると、知らず、知らずにストレスがたまってしまい精神的なダメージも蓄積してしまいます。その結果、家でどんなに寝ても疲れが取れず、家に帰る行為自体が面倒に感じてしまうケースも多いのが実態です。
まとめ
ゴミ屋敷になる人の特徴や心理、危険性などについて解説しました。ゴミ屋敷はただ物が散らかって、探すのが面倒になるだけではありません。体の健康や心に悪影響を及ぼす可能性もあるため、ゴミ捨てや整理はこまめに行う必要があります。
仕事や、片付けるのが苦手なのを理由にしてサボりがちなゴミ捨てですが、ゴミ屋敷のデメリットを考えると、対策は必須です。どうしても自分だけでは物が減らせない方は、不用品回収業者もあるため、サポートを受けながらゴミ屋敷になる未来を避けましょう。