納戸や部屋の隅、台所のシンク下・ベランダの脇などに放置されたダンボールは、ゴキブリにとって快適な住処であり、格好の繁殖場所です。いざ片付けようと思った時、突然飛び出してくるゴキブリに驚いたり、恐怖を覚えて片付けられなくなる人もいます。
ゴキブリを寄せ付けないためには、いらなくなったダンボールを速やかに片付け、ゴキブリが隠れにくい環境を整えることが大切です。ゴキブリがダンボールを好む理由や、ダンボールの正しい処分方法・自分で片付けられない時の対処法を詳しく解説します。
目次
ダンボールはゴキブリの侵入経路!産卵場所!
庭やベランダの片隅・納戸・ガレージで、無造作にまとめて保管してあるダンボールは、ゴキブリを寄せ付けやすく家屋の侵入経路になりがちです。特に、ガレージの隅や庇のある庭・ベランダは、雨に濡れにくく湿気がたまりやすいため、知らないうちにゴキブリが産卵・繁殖し、家屋内にまで入り込むこともあります。
ゴキブリがダンボールに集まりやすいのは、ゴキブリが好む環境を造りやすいからです。ダンボールがゴキブリを寄せ付ける理由を、以下で詳しく解説します。
ゴキブリはダンボールについて室内に侵入
新築物件や、事前に害虫駆除した中古物件へ引っ越したにも関わらずゴキブリを見かけた場合は、外部からダンボールにくっついて侵入した可能性が高いです。引っ越しや通販などで使われるダンボールのほとんどは、一定数をひとまとめにして倉庫で保管されています。
使用前のチェックをしていても、ダンボールの隙間に産み付けられた卵までは、なかなか見つけられません。ゴキブリの卵がついたダンボールが、室内に入り込み一定期間保管された結果、防虫対策されたはずの室内でゴキブリが発生してしまいます。
ゴキブリはダンボールを食べる
ゴキブリは雑食性でダンボールも餌にしてしまうため、放置するとゴキブリを寄せ付ける原因になりかねません。ダンボール作成で使用される接着剤には、コーンスターチと呼ばれる、トウモロコシ由来のでんぷん質が含まれています。
ゴキブリはでんぷん質を好むため、放置されたダンボールを餌と認識し、ゴキブリを引き寄せてしまうのです。ダンボールの接着剤以外にも、保管されたダンボールのホコリやカビが餌となるので注意が必要です。
保温効果で暖かい住処
ダンボールは保温効果が高いため、暖かい場所を求めてゴキブリが集まることもあります。ダンボールは、2枚の紙の間に空気を持たせる柱を挟んだ構造で、冷気も暖気も遮断しやすいのが特徴です。
ゴキブリは高温多湿な場所が好きなので、保温効果が高く程よい湿気があるダンボールを、最適な住処と認識してしまいます。本来、ゴキブリは冬になると活動が鈍くなりますが、ダンボールを住処にしていた場合、1年中活発に動くと考えておきましょう。
ほど良い隙間で隠れやすい
ダンボールは、ゴキブリや他の害虫も入り込みやすい隙間があるため、隠れるのに最適な場所です。例えば、ダンボール箱を平らな状態から組み立てた時、スムーズに折り曲げられるよう裁断されていて、箱の四隅や合わせに隙間ができます。
人間には些細な隙間でも、平たいゴキブリは簡単に入り込んでしまうため、気がつかないうちにゴキブリが隠れるケースも珍しくありません。ダンボールは平たく解体して紐で縛ることが多いですが、きつく結んでも隙間からゴキブリが入り込み、処分しようと持ち上げた瞬間にゴキブリが飛び出すこともあります。
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古いダンボールには注意!
古いダンボールとは、長期間保管していたり、スーパーなどの小売店でもらったりしたダンボールのことです。長期間保管されていたダンボールは、保管中にゴキブリが入り込んで卵を産み付けている可能性があります。
スーパーなどの小売店は、食品を扱うためゴキブリを寄せ付けやすく、無造作に積み重ねられたダンボールの隙間に、ゴキブリが隠れているケースも多いです。必ずというわけではありませんが、古いダンボール箱にゴキブリは付き物と考え、引っ越しではできるだけ新しいダンボールを使ってください。
ダンボールにゴキブリの卵を見つけた時の対処法
ゴキブリの卵は、一見すると小さくて硬い粒です。昆虫の卵には見えないため、ダンボールにゴキブリの卵が産み付けられていても、見たことがない人には判断できません。たとえ判断できても、正しい方法で対処しないと駆除を失敗し、大量発生させてしまうこともあります。
ゴキブリの卵は、見つけ次第正しい方法で速やかに駆除し、大量発生を未然に防ぐことが大切です。ゴキブリの卵の見分け方や、正しい駆除方法を以下で詳しく解説します。
ゴキブリの卵の特徴
ゴキブリの卵は約1cm×0.5cmの楕円形で、細長いあずきのような見た目をしており、卵鞘(ランショウ)と呼ばれています。ゴキブリの種類によって色は異なりますが、黒や濃い茶色の硬い殻で覆われた中に約20個以上の卵が入っていて、1ヵ月弱で羽化することが多いです。
卵には匂いもなく殻も硬いことから、あずきと間違えて素手で拾ってしまう人もいます。ゴキブリのフンと間違えるケースもありますが、卵には固さがあり形状が整っているのに対し、フンは卵より一回り小さく形も整っていません。
ゴキブリの卵駆除方法
ゴキブリの卵を見つけて駆除する時は、事前に次の物を準備します。
- 使い捨ての手袋やゴム手袋
- ゴミ袋
- 殻をつまんで割るためのトングやティッシュ
- ビニール袋
必要な物を準備したら、以下の手順で駆除してください。
- 使い捨ての手袋やゴム手袋を装着する。
- トングやティッシュで卵をつまみビニール袋に入れる。
- ビニール袋に入った状態で卵の殻を割る。
- 殻を割ったらビニール袋の口を縛って捨てる。
卵の殻さえ割ってしまえば、中身が乾いてしまうため卵は羽化できません。卵を目にするのもいやという人は、布ガムテープで卵を挟んでから潰すように割ると、視界に入ることなく処理できます。
ゴキブリの卵を駆除する際に気をつけること
ゴキブリの卵を駆除する時は、次の点に注意して処理しましょう。
- 菌が付着しないように気をつける。
- 掃除機で吸ったりトイレに流したりしない。
- 1つでも卵を見つけたら、他の卵やゴキブリがいないか確認する。
ゴキブリは雑菌の温床で、卵にも付着している可能性があるため、素手での接触や中身が飛び散るような卵の割り方は危険です。掃除機で吸ったりトイレに流したりすると、殻が割れず掃除機内で羽化したり、流れた先でゴキブリの大量発生を招く可能性があります。
また、ゴキブリの卵が1つでも見つかった場合、他の場所にも卵が付着していたり、ゴキブリが潜んでいるケースが多いです。菌の汚染や大量発生を防ぐため、注意しながら駆除してください。
ダンボールのゴキブリ対策
ダンボールはその構造や特性上、どうしてもゴキブリにとって快適な住処となってしまいます。
とはいえ、日頃のちょっとした心がけで、ゴキブリに遭遇する可能性を大きく減らすことも可能です。以下にすぐに実践できる具体的な対策をまとめました。
とにかくすぐに捨てる
ダンボールは「後でまとめて捨てよう」と考えず、その都度すぐに処分する習慣をつけることが大事です。
放置されたダンボールは、ゴキブリが卵を産み付ける温床となります。つまり、ダンボールを放置するほど、ゴキブリが繁殖してそのまま家に住み着いてしまう可能性も高まります。
特に引っ越し後やたくさんのネットショッピングをした際は、大量のダンボールを家に置いてしまいがちです。
このようなときでも、放置することなく、その日のうちに資源ごみとして処理することで、侵入や定着のリスクを大幅に減らせます。
「ダンボールが来たらとにかくすぐに捨てる」ということを念頭に置きましょう。
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スーパーからダンボールをもらわない
スーパーや小売店で無料提供されているダンボールは、安易にもらわないようにしましょう。
スーパーや小売店にあるダンボールは、店舗のバックヤードや倉庫で保管される過程で、ゴキブリが入り込んでいたり、卵が付着していたりする可能性が高いためです。
食品を扱う店舗では特にリスクが高く、持ち帰ることで家の中にゴキブリを持ち込む可能性が一層高まります。
まとめ買い時のカゴ替わり、引っ越しの荷造りなどでは確かにスーパーのダンボールは役立ちます。しかし、ゴキブリの侵入リスクを避けるなら、多少の利便性は捨てて衛生面を重視しましょう。
置き配は避ける
置き配によってダンボールが外に長時間置かれていると、それだけゴキブリが潜り込む機会が増えます。
そのため、できるだけ置き配は避けましょう。どうしても置き配をしなければいけない場合でも、できるだけ帰宅時間に近い時間帯に届けてもらうようにしてください。
帰宅後すぐに家の中に入れれば、ゴキブリの侵入を避けられる可能性が高くなります。
なお、ゴキブリは夜行性で、特に夜中から明け方にかけて活発になります。そのため、少なくとも置き配された商品を夜間に放置することは避けましょう。
どうしても長時間放置してしまった置き配商品があるなら、外で開封してダンボールはすぐに捨てることで、家に侵入するリスクは減らせます。
ゴキブリを寄せ付けないダンボール保管方法
すぐに処分した方が良いと思っていても、宅配便を送ったり何かをしまったりするために、一定期間は保管しておきたい場合もあります。ダンボールはゴキブリを寄せ付けやすいですが、いくつかのポイントに気をつけておけば、ダンボールを保管していてもゴキブリの住処にはなりません。
どうしてもダンボールを保管したい人は、以下でご紹介する方法でダンボールを保管してみましょう。ゴキブリを寄せ付けないダンボール保管方法を、詳しく解説します。
ゴキブリが嫌うものを一緒に置く
ダンボールを保管する時は、保管場所にゴキブリが嫌うものを一緒に置いて、ゴキブリ避けを行いましょう。ゴキブリは、酸味や刺激が強い匂いが苦手で、嫌な匂いがする場所には近づきません。
例えば、ハッカやミント・レモンの香りは、人間にはスッキリした清涼感のある香りですが、ゴキブリは強い刺激を感じ避ける傾向があります。ダンボールを保管する場合は、保管場所にゴキブリが嫌う匂いのアロマも一緒に置き、ゴキブリが寄り付きにくくなるよう工夫してください。
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地面に直置きしない
地面に直置きするダンボールの保管方法も、ゴキブリを寄せ付けやすくなってしまう保管方法です。たとえ車庫や庇のある庭の片隅であっても、地面から上がってきた水気をダンボールが吸ってしまい、ゴキブリの好きな環境を作ってしまいます。
最悪の場合、直置きしたダンボールが原因でゴキブリが大繁殖し、近隣家屋にまで侵入する可能性もゼロではありません。ベランダの直置き保管も、地面と同じような悪影響が出やすいので避けてください。
風通しのいい場所で保管する
ダンボールの保管は、風通しが良く湿気にくい場所での保管がおすすめです。例えば、日当たりのいい縁側の隅や締め切らない棚の中など、日常的に風通しが良い場所なら、ダンボールを保管しても湿気にくくなります。
立地の関係上建物自体の風通しが良くない場合は、ダンボールの保管場所を締め切らず、除湿剤を置いておくのも良い方法です。風通しのいい場所でも、長期間保管するとダンボールがホコリを被り湿気やすくなるので、ゴキブリ避けのアロマや除湿剤を併用してください。
ゴキブリだけじゃない!ダンボールが好きな虫
ダンボールはゴキブリだけではなく、他の虫にとっても好都合な環境が整っています。
ゴキブリには遭遇しなくても他の虫が入り込み、思わぬ被害が広がるケースもあります。ゴキブリ以外にも注意すべき代表的な虫について、特徴や外などをまとめました。
細長い紙魚
紙魚(シミ)は、細長い銀色の体が特徴の虫です。ゴキブリと同様に、ダンボールの中にも潜みやすい習性があります。
湿気が多い場所を好み、夜行性で動きが素早いため、気付かないうちに増殖してしまうことも少なくありません。増殖すると壁紙やふすまが痛んだり、衣類や布製品をかじられて小さな穴が開いてしまう可能性もあります。
見た目も良いとは言えず、素早い動きによる不快感があります。ゴキブリ嫌いの人なら紙魚も同様に不快に感じる可能性が高いです。
特に湿気の多い夏は活発になるので、普段から除湿を心がけたり防虫剤を使ったりして対策しましょう。
シロアリ
シロアリは白っぽい体を持ち、アリに似ていますが、実際にはアリとは異なる昆虫です。どちらかといえばゴキブリに近い仲間であり、一般的なアリのように簡単には駆除できません。
湿気を含んだダンボールはシロアリにとって過ごしやすい環境で、住処や餌として格好のターゲットになります。木材も餌にするため、家屋の構造部分まで被害が広がるリスクがあります。
さらにシロアリ被害は気付きにくく、一度発生すると駆除に大きな労力と費用がかかるため、ダンボールを長期間放置しないことが最も有効な予防策です。
考え方によってはゴキブリよりも厄介な害虫なので、シロアリを発見した場合は専門家への相談も検討しましょう。
チャタテムシ
チャタテムシは1〜2mm程度の小さな虫で、ダンボールのような湿気の多い場所を好みます。特にカビが発生しているダンボールには集まりやすいです。
人間には直接害を及ぼすケースは少ないですが、大量発生すると見た目の不快感があります。食料品に入り込み、食品衛生上の被害が出ることもあります。
長期保管している書類や本の劣化が進む原因にもなるため、大事な本や書類をまとめて保管している場合は、放置は厳禁です。
ゴキブリと同じように「ダンボールを放置しない」「風通しのいい場所で保管する」といった対策を日ごろからすることが大事です。
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まとめ
ゴキブリにとって、ダンボールは住み心地の良い住処であり、大好物な餌でもあります。長期間保管されたダンボールは湿気を含み、ゴキブリの繁殖を促す可能性があるため放置は危険です。特に、ゴキブリの卵が1つでも見つかった場合は、すでに繁殖している可能性があるため、良く確認し徹底的に駆除しなければなりません。
ダンボールは溜め込まず、資源ごみとしてこまめに処分するのが理想的です。しかし、どうしても保管したい場合はゴキブリの嫌いなアロマも一緒に置いておくと、ゴキブリを寄せ付けにくくなります。ダンボールの処理で困ったり、部屋の片付けで悩んだりした時は、不用品回収業者や清掃業者に相談して、ゴキブリを寄せ付けない部屋作りをしましょう。