「湧く」という言葉の通り、気がつくといつの間にか室内に入り込んでいる小さな虫は、日常生活の中に仕掛けられている恐怖の罠のような存在です。特に、散らかったゴミや不用品をふと動かした瞬間、弾かれたように大量の小さな虫が蠢きだす様子は、後から思い返すのも嫌になるほど鳥肌が立ちます。
現時点で小さな虫に悩んでいる人は勿論のこと、今の所は見かけてないが一生見たくないという人も、室内に虫がいないか確認をしつつ的確な対処で小さな虫をシャットしましょう。現在住んでいる部屋の中に、小さな虫がいるかを確認する方法や、虫の正体・駆除対策を詳しく解説します。
部屋に虫がいるか確かめる3つの方法

部屋に出没する小さな虫は、「気がついたらいた」「いつからいたのかわからない」というケースがほとんどです。あまりにも小さいが故に、意識しなければその存在に気づくことは難しく、見つけ次第駆除するという対処方法しか取れない人も少なくありません。
しかし、例え小さな虫であっても生息している痕跡があるため、よく注意して確認すればいるかいないかの判断は可能です。部屋に小さな虫がいるかどうか、確かめるために有効な3つの方法を詳しくご紹介します。
1. フンや抜け殻、食害跡を確認する
小さな虫が室内に生息しているかどうかは、フンや抜け殻・食害跡を探すことで確認できます。例えば、米粒よりも一回り小さい楕円形の薄皮は、小さな虫が卵から孵化したり蛹が羽化したりした痕跡です。
室内の不自然な場所に落ちている黒い粒や、食品・紙類に残された小さなえぐれ・崩れは、小さな虫のフンや食害跡だと考えられます。吹けば飛ぶほど微かな痕跡ですが、これを見逃すとまさに湧くように小さな虫がはびこるのを防げません。
2.光で誘い出す
小さな虫が室内にいるかどうか確認するのには、光で誘い出す方法も有効です。室内の虫に限らず、昆虫全般には光に向かって集まる「走光性」と呼ばれる本能があり、特に暗闇の中の光にはその反応が顕著に現れます。
つまり、電気を消した夜間の室内やタンスの裏・ベットの下など、薄暗い場所で懐中電灯などを点灯した場合、室内に小さな虫がいれば自ら誘い出されるのです。光で誘い出す方法は、明暗がはっきりしているほど効果も高いため、より正確に確認したいのであれば夜間に行ってください。
3. 害虫トラップを仕掛ける
害虫トラップとは、その名の通り害虫をおびき寄せて捕まえたり、集まりそうな場所に仕掛けて退治するための罠のことです。害虫トラップを仕掛けていれば、すでに室内にいる虫を捕まえるのも簡単ですし、今後入ってくる可能性がある虫の対策にもなります。
例えば、ハエトリリボンを蛍光灯の近くに下げておくと、光に集まった虫は自動的に捕まるので、探し出す手間も省けて便利です。空き瓶やペットボトルに、めんつゆと洗剤を混ぜた液体をいれた「めんつゆトラップ」は、自宅にあるものですぐに作れる手軽さながら、確実に害虫を集めて退治してくれます。
汚部屋に虫が湧く原因

掃除もせずゴミが散乱している汚い部屋は、まさに「湧く」という言葉がふさわしいほど虫が集まり、どれだけ駆除してもその効果を実感できません。たとえ駆除して一時的にいなくなったとしても、汚部屋には小さな虫が好む条件が揃っているため、虫が湧いては退治するという悪循環になってしまいます。
では、汚部屋に共通して揃っている「虫が湧く原因」とは、一体どのようなものなのでしょうか。汚部屋に潜んでいる、虫が湧く原因の具体例を以下で詳細にご説明しましょう。
生ゴミやお菓子の袋が放置されている
汚部屋の多くは、食べ残しなどの生ゴミや、スナック菓子などが入っていたお菓子の袋が放置されており、害虫にとっては食べ物に困らない生息地です。特に生ゴミは、食料としても産卵場所としてもうってつけで、成虫を駆除して死滅したとしても、まさに湧くように生ゴミから幼虫が生まれてしまいます。
たとえ生ゴミがなかったとしても、密閉されていないお米や小麦粉・スナック菓子のお菓子があれば、虫が生息場所や隠れ家として認識される可能性を否定できません。つまり、汚部屋の存在自体が虫が湧く原因の塊であり、虫の死滅と再生を繰り返すサイクルの根幹になってしまっています。
虫が侵入しやすい排水溝になっている
排水溝に問題があるのも、虫が侵入しやすくなり湧くように増えてしまう原因の一つです。排水溝は、排水口の臭いや害虫の侵入を防ぐため、ほとんどの場合排水トラップと呼ばれる排水管が設置されています。
排水トラップとは、排水管をわざと曲げて水を貯める仕組みのことで、水が溜まっている限り排水口から臭いは上がらず、害虫も侵入できません。しかし、建物が古かったり長いこと使用していなかったりした場合、排水トラップに溜まるはずの水が抜けて虫の侵入を許してしまうのです。
虫が侵入できるすき間が空いている
家屋に虫が侵入できる隙間が空いていると、どれだけ室内を綺麗にしても虫が簡単に入り込み、いつまでたっても虫が湧くのを阻止できません。例えば、劣化した網戸のわずかな穴や窓枠の隙間は、小さな羽虫にとってはなんの障害にもならず出入りも簡単です。
新築物件で建物自体に劣化がなくても、換気口や換気扇の排気口に侵入防止対策をしていなければ、虫は容易に外部から室内へ侵入します。部屋に湧く虫のほとんどは、衣食住が安定した生息場所を嗅ぎ分けて入り込む習性が見られるため、室内にある隙間が1mmにも満たなくても、侵入経路と考えて対策した方が賢明です。
光に引き寄せられる
「走光性」という習性がある虫は、室内から漏れる光に引き寄せられやすく、一度室内に入り込んでしまえば簡単に追い出すことはできません。なぜなら、室内の光に引き寄せられた虫は、その場にエサや水・隠れる場所があることに気づいてしまうため、生息場所と認知して住み着いてしまうからです。
その結果が顕著に現れるのが「夜型の生活をしている汚部屋」で、光に引き寄せられた虫が室内に入り込んだ場合、あっという間に虫が湧いて手がつけられなくなります。こうなってしまえば、今さら光が漏れないよう工夫しても後の祭りで、根本的な改善をしない限り害虫被害を止められません。
食べ物の匂いに吸い寄せられる
虫が湧くほど集まるケースでは、食べ物の匂いに吸い寄せられるのも原因の一つに挙げられます。ここで言う食べ物の匂いとは、虫が好み感知できるレベルで発するものを意味し、具体的に言うと油分を感じたり、腐ったりした食品のことです。
例えば、生ゴミを放置すれば傷んで発酵するため、その匂いを感じ取った虫が「食べ物がある」と嗅ぎつけて吸い寄せられます。キッチンの油汚れやスナック菓子の袋も同様で、わずかな油分を求めた虫がどこからともなく集まってしまい、片付けない限り虫寄せ状態のままです。
部屋にホコリや髪の毛が落ちている
部屋にホコリが積もり髪の毛が落ちているのも、虫を寄せ付ける原因と言えます。人間にとって食べ物ではなくても、ホコリや髪の毛などは虫にとって立派な食料であり、一時的に身を隠すのにもうってつけです。
特に、家具の下のわずかな隙間に溜まったホコリは、虫にとって食料としても繁殖場所としても優れており、放置すればまさに湧くように虫が大繁殖してしまいます。汚部屋は勿論のこと、一見綺麗に見える部屋でも、隙間にホコリや髪の毛が溜まっていれば虫が湧くのを防げないため、隅々まで掃除する癖をつけなければなりません。
汚部屋に出る小さな虫の正体

汚部屋に出る小さな虫は、その気持ち悪さからひとくくりに考えられがちですが、一つ一つに特徴がありその風貌も様々です。虫の種類によって出る被害も異なるため、間違った対処法をすると、せっかく駆除しても思ったような結果を得られません。
小さな虫の種類と被害をワンセットで覚えれば、より効果的な駆除と対処が可能です。汚い部屋にでる小さな虫の正体と、その虫が及ぼす被害を以下で詳しく解説します。
茶色く細長いシバンムシ
シバンムシは、茶色で細長く少し丸みがある米粒大の小さな虫で、主に乾物系の食べ物に被害を及ぼしやすいです。例えば、開封してそのままにしている米袋やスナック菓子、乾麺・ペットフードなども食害の対象で、無造作に保管していたらシバンムシがいた、というケースも少なくありません。
未開封の食品でも、かじられて空いた梱包材の穴から入り込むこともあり、放置すれば食品ストックが全滅する可能性も考えられます。シバンムシの幼虫は、人を刺すアリガタバチの寄生先にもなっているので、成虫にしても幼虫にしても、見つけ次第退治するのがおすすめです。
素早く飛び回るクロバネキノコバエ
体長2ミリにも満たないクロバネキノコバエは、直接的な被害というよりも不快感を与える害虫として忌避されています。細くて小さい体は網戸すらすり抜けてしまい、室内に入り込まれれば素早く飛び回り探すことすら不可能で、見かけたら退治するしか駆除方法はありません。
しかも、クロバネキノコバエの生態は未だに明らかにされておらず、効果的な対策を未だに模索中なのが現状です。殺虫剤などは有効だが、汚部屋の中では無差別に殺虫剤を撒き散らすことも難しいので、まずは退治しやすい環境作りから始めなければなりません。
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紙類を狙う紙魚(シミ)
紙魚(シミ)は、海岸の岩肌にいるフナムシによく似ている害虫で、1cmにも満たない大きさの、銀色に光るうろこ状の体をしています。体をうねらせながら素早く移動する紙魚は、見た目の嫌悪感もさることながら、古く湿気た紙類に潜むことが多く、本棚を漁っていたら紙魚と遭遇した、という人も少なくありません。
たとえ紙類を溜め込んでいなかったとしても、ホコリと湿気がある場所を好む傾向が見られ、家具をどかしたらその下に大量の紙魚がいた、という人もいます。一匹いるだけでも気持ちが悪い紙魚ですが、大量発生した光景は想像するのもおぞましく、一刻も早い対処が望ましいです。
ダニと間違えやすいチャタテムシ
チャタテムシは、体長1mmにも満たない細いアリのような姿をした害虫で、カビをエサに生息しています。チャタテムシの発生原因は主にカビだが、似たような大きさで同じくカビを好むダニと間違われやすく、あまりの小ささになかなか気づけない人も多いです。
チャタテムシには、ヒラタチャタテ・カツブシチャタテ・ヒメチャタテの三種類があり、このうちヒラチャタテが室内に生息していた場合、喘息を引き起こすアレルゲンになることもあります。ダニもアレルゲンになりやすいですが、症状を抑えるためには正確なアレルゲンを特定しなければならないので、チャタテムシかダニかを正確に見分ける目を持ちましょう。
汚部屋に湧く虫を駆除する方法

汚部屋に虫が湧いてしまった場合、考えられる発生源が多すぎるため、やみくもに対策しても思ったように駆除することはできません。かといって、そのまま放置すればさらに被害が拡大してしまうため、何かしらの方法で的確に駆除することは大切です。
最終的には虫が出没しなくなるよう、複数の方法を組み合わせて室内の虫を根絶させましょう。汚部屋に湧く虫を、的確に駆除するための方法を以下でご紹介します。
虫が吸い寄せられるにおいの元を捨てる
最初に行うのは、虫が吸い寄せられるにおいの原因を、徹底的に捨てる作業です。例えば、食べ残しや飲み残し・生ゴミなどの食品類は、発酵臭がするので虫を寄せ付けてしまい、そのままにしておくと虫を駆除しきれません。
においの元になるものがなくなれば、新たな虫を寄せ付ける心配がなくなり、駆除作業をした分室内の虫もいなくなります。食べ残しや飲み残しの食品類はもちろんのこと、室内のゴミを全て捨ててスッキリさせ、虫が吸い寄せられるにおいの元を取り除いてください。
水まわりを徹底的に片付ける
においの元を処分したら、次に行うのが水まわりの徹底的な片付けです。室内に湧く虫は、水回りに残る水垢やカビなどを好み、湿気を含んだホコリまでエサにしてしまいます。水まわりの汚れを放置してしまうと、虫は水分とエサの補給ができてしまうため、どれだけ駆除を頑張っても湧くのを阻止できません。
水まわりを徹底的に片付ければ、湿気も軽減されカビやホコリなどがなくなるので、たとえ見逃した虫がいたとしても居着きにくくなります。
虫の侵入経路をふさぐ
汚部屋から虫が湧くのを防ぐためには、侵入経路をふさぐことも無視してはいけないポイントです。たとえ室内が綺麗に片付き、残った害虫を徹底的に駆除したとしても、外から新たに虫が侵入しては意味がありません。
特に、体長1mmにも満たない小さな害虫は、ほんのわずかな水やエサで生き延びてしまうので、油断すれば巣を作ってしまう可能性も有り得ます。2度と虫が湧かないよう、窓周辺の隙間や換気口など、思いつく限りの虫の侵入経路をふさぎ、再発防止に勤めることが重要です。
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トラップを仕掛けつつ、殺虫剤・くん煙剤を使用
室内を片付けて掃除をし、思いつく限りの虫の侵入経路を塞いだら、虫を捕獲するためのトラップを仕掛けつつ、殺虫剤・くん煙剤を使用して室内に残った虫を駆除します。殺虫剤には様々な種類がありますが、特に虫除け効果のあるスプレータイプの殺虫剤を使用すると、直接的な駆除から忌避の役割まで満たせるので便利です。
くん煙剤は、室内のあらゆる隙間にまで薬剤を回せるので、隠れた虫を徹底的に排除するのに役立ちます。駆除作業の後にトラップを仕掛ければ、万が一新たな虫が入ってきても捕まえやすく、あとで慌てて対処する心配もありません。
断捨離して虫の隠れ家をなくす
汚部屋の虫駆除対策では、断捨離して虫の隠れ家をなくすのも高い効果が期待できます。例えば、無造作に積み上げられた洋服の山やホコリをかぶった不用品は、小さな虫が隠れ住み繁殖するのに最適な場所です。
たとえ虫駆除しても、隠れる場所があれば完全に虫を追い出すことは不可能に近く、いつまでも室内の虫と対峙しなければなりません。思い切って断捨離をし、室内をスッキリさせて虫の隠れ家をなくせば、虫が湧くこともなく駆除もスムーズに進められます。
虫が住み着きにくいように汚部屋を片付ける
汚部屋で虫を発見し、「今以上に虫が湧くかも」と心配になった時、一番確実で安心できるのは、虫が住み着きにくくなるよう、汚部屋を片付けることです。汚部屋は、室内の汚れや空気の淀み・虫の隠れ家になりやすい環境などが揃っていて、どれだけ駆除してもその効果はほとんどありません。
ゴミを片付けて持ち物を減らし、ホコリや汚れ・カビなどを綺麗に除去すれば、虫が住み着くような条件が全て無くなるため、万が一虫が入ってきても湧くように増えることは防げます。汚部屋で虫を見かけたり、虫が湧く可能性に怖さを感じたりしたら、まずは汚部屋を片付けることが先決です。
虫が出る汚部屋の片付けはゴミ屋敷バスター七福神へ

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ぜひ一度お悩みをお聞かせいただき、虫が住みにくく過ごしやすい部屋へ向けた第一歩を、七福神と一緒に踏み出しましょう。
まとめ
室内に小さな虫がいるかどうかは、フンや食害などの痕跡を確認したり、害虫トラップや光で誘い出したりなどすれば、比較的簡単に判別できます。室内が汚部屋だった場合、生ゴミや食べ残しの臭いに虫が引き寄せられたり、積み上がった服や不用品を住処にされたりして虫が湧く可能性が高く、一匹でも見つけたら一刻も早く対処しなければなりません。
汚部屋のままくん煙剤や殺虫剤で駆除をしても、一時的に見かけなくなるだけで根本原因は取り除けず、新たな虫の侵入を防ぐことも不可能です。まずは汚部屋の断捨離と片付けを徹底し、侵入経路を塞いでくん煙剤や殺虫剤で駆除しつつ、虫が入らない・湧かない部屋作りをしましょう。