東京都豊島区では、自治体の運営による不用品のリサイクルセンターを開設しています。
ここでは、区民から粗大ゴミとして出された家具などの中から、使えそうなものを修理したりきれいにしたりして展示し、抽選によって無料提供しています。
どのように利用されているのでしょうか。
目次
リサイクルのメリットとは?
まず最初に、リサイクルをするということのメリットについて見ていきましょう。
日本のゴミ事情とは?
「リサイクル」は、もうお馴染みの言葉となっているのではないでしょうか。
日本では、ゴミの処理には主に焼却方法をとっており、その割合は7割を超えています。
この割合は世界でもはかなり高い方で、例外的と言っていいほど焼却方法に頼っていることになります。
これはなぜなのでしょうか。
日本は土地が少なく、ゴミの埋め立て地を確保するのが難しいことが主な原因と言われています。
燃やさないままゴミを埋め立てていたら、あっという間に場所がなくなってしまいます。
そのために、まずゴミを燃やして体積を減らしてから埋め立てるようにしているのです。
そうすることで、少ない面積にできるだけたくさんのゴミを埋め立てられるよう活用しているというわけです。
それにより、日本のゴミ焼却の技術は向上し、焼却施設の充実が進みました。
こうして、日本では廃棄物処理=焼却といった流れができることになったのです。
日本のリサイクル事情とは?
とは言え、日本でも、紙やびんなどの資源ごみは、以前から分別されてリサイクルされていました。
そこへ、1991年に行われた廃棄物処理法改正で、「廃棄物の排出を抑制するとともに、その再生利用を推進することなどにより、廃棄物の減量化を積極的に行うこと」が定められました。
翌2000年には、廃棄物の適正処理よりも、リサイクルを始めとする3R(リデュース、リユース、リサイクル)を優先させる循環型社会形成推進基本法が制定されました。
この法律では「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用やリサイクルを進めます。
そして、資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない「循環型社会」を形成することが急務となっている」と趣旨を説明しています。
このような状況を踏まえ、循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律として、以下の2つを実現し循環型社会の形成に向けた取り組みを推進しています。
- 廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤を確立
- 個別の廃棄物・リサイクル関係法律の整備
「3R」とは?
「3R」とは、以下の3つの言葉の頭文字をとった言葉です。
- Reduce(リデュース)
- Reuse(リユース)
- Recycle(リサイクル)
Reduce(リデュース)とは?
製品を作る時に使う資源の量を少なくすること、また廃棄物の発生を少なくすることです。
たとえば、以下のような取り組みが行われています。
- 耐久性の高い製品を作り、製品寿命を延長するためのメンテナンスを行う体制作り
- できるだけ少ない材料・部品で製品を作る
消費者側から見ると、以下の取り組みを行えます。
- マイバッグを持つ
- 無駄な包装を断る
- 詰め替え容器や簡易包装の製品を選ぶ
Reuse(リユース)とは?
使用済みの製品やその部品などを繰り返し使用することで以下の取り組みがあります。
- 製品を設計する際に本体や部品を繰り返し使えるように工夫する
- 使用済製品を回収して本体や部品を再生し、再び新品同様の製品を作り出す
- 使用済の製品や部品、容器を回収して再使用する
消費者側から見ると、以下の取り組みを行えます。
- リターナブル容器(ビールびんなどのように、洗って何度でも使える容器で、回収されると、そのままの形で再び利用できる)に入った製品を選ぶ
- 使い終わったら回収に出す
- フリーマーケットやガレージセールで不用品の再使用
Recycle(リサイクル)とは?
廃棄物を原材料やエネルギー源として有効利用することで以下の取り組みがあります。
- 使用後にリサイクルがしやすい製品を設計する
- 製品を作る際にできるだけリサイクル原料を使う
- 使用済みの自社製品を回収し、リサイクルに努める
消費者側から見ると、以下の取り組みを行えます。
- 資源ごみの分別回収に協力する
- リサイクル製品を積極的に利用する
東京都豊島区のリサイクルセンターとは?
豊島区の「豊島リサイクルセンター」では、家具など区民から粗大ごみとして出されたものの中から、まだ使えるものを修理・清掃して展示し、抽選により無料提供しています。
ものリサイクルセンターでは、定期的に抽選の対象となる展示品の写真をホームページに掲載し、期日を決めて応募者を募集します。
締め切りの日までに集まった応募者の中から抽選で、希望の展示品を無料で提供します。
抽選結果の発表は、ホームページで見ることができます。
人気のある展示品は、10人を超える人が応募するなど、なかなかの掘り出し物も展示されるようです。
当選した人の展示品引き取りは、毎週土曜日〜火曜日の朝8時半から夕方4時半です。
決まった引き取り期限を過ぎてしまうと、当選は無効となります。
なお、抽選日やセンターの休館日は、ホームページのカレンダーを見て確認しましょう。
豊島リサイクルセンター
住所:豊島区北大塚3-29-11
電話:03-3910-1031
開館日:土曜日・日曜日・月曜日
午前10時から午後5時(受付終了時間は午後4時45分)
公開抽選日:第2・第4月曜日
通常開館午前10時から正午
公開抽選午後1時30分から
各自治体での取り組みとは?
実は、自治体によるリサイクルセンターの運営を行っているのは、東京都豊島区だけではありません。
特に都内には多く、「リサイクルセンター」という形でリユースできるものを展示したり、3Rについての情報を学ぶことができるようになっているところもあります。
また「リサイクルバンク」として、住民が譲りたいもの、譲って欲しいものを登録しておき、マッチングするような仕組みを行っているところもあります。
楽器や自転車など、処分に困るようなものも、こういったところで手に入ればうれしいですね。
また、外部団体と提携し、リサイクルショップを行っている自治体もあります。
こういった自治体では、収集した家具などを手作業で磨き上げ、きれいにしたものを安く販売しています。
今後も、このような活動は広がり、活発化していくのではないでしょうか。
自治体のリサイクルを利用するメリットとは?
家具の購入や買い替えを考えたとき、やはり気になるのは価格ではないでしょうか。
特に、何かと出費が重なるような時期には、ちょっと気分を変えたいな、と思っても、なかなか踏み切れない人もいるでしょう。
そんなとき、自治体が実施している「リサイクル家具」を利用するのがおすすめです。
このような自治体では、粗大ごみや区民から持ち込まれた家具の無料提供や再生販売を行っています。
地域で粗大ゴミとして出されたものの中には、まだまだ使えるものがたくさんあります。
ゴミにしてしまうと、ゴミの量が増えてしまいますが、リサイクル・リユースすれば、ゴミの量を減らすことができます。
これらの家具は、多くの場合、提携の団体や区のシルバー人材センターなどで修理・加工・洗浄されてから展示されます。
タイミングがよければ、欲しかった家具を格安で手に入れるチャンスです。
1000円ほどの価格がつくこともありますが、無料でもらえる区もあります。
車で運べるのであれば、配送料も不要で家具を入手することができます。
また、自治体によっては、不用品情報交換用の掲示板を設置したり、撤去自転車の再生・販売、不用品を委託販売するなどの取り組みを行っています。
ぜひ活用して、お得に生活しましょう。
まとめ
様々な自治体がリサイクル事業をしている中、東京都豊島区でも「豊島リサイクルセンター」を設置し、家具のリユースに取り組んでいます。
また、豊島区では、子ども家庭支援センター内「リサイクルコーナー」を設け、ベビーカーやチャイルドシート、子供用衣類などの無料リサイクルも行っています。
居住地域のリサイクルに対する取り組みを知り、上手に活用しましょう。