中身の残った、スプレー缶やカセットボンベ、どのように処分すればいいのか分からなくて、お困りではありませんか?
スプレー缶やカセットボンベは、他のゴミに比べて、処分時に特に注意が必要なもの。
正しく分別するのはもちろんのこと、中身もきれいに使い切らなければなりません。
では、スプレー缶やカセットボンベは、どのように処分すればいいのでしょうか?
今回は、スプレー缶やカセットボンベを処分したいという方のために、これらの正しい処分方法や、処分時の注意点について説明していきます。
目次
スプレー缶やカセットボンベによる2つの事故実例
スプレー缶やカセットボンベは、なぜ適正に処分する必要があるのでしょうか?
この理由は、残ったガスに引火して、爆発や火災が発生するおそれがあるからです。
実際に、過去には、スプレー缶やカセットボンベの処分時に、爆発事故や火災などが発生しています。
ここでは、これらの事故の実例について、紹介していきましょう。
スプレー缶が原因の札幌ガス爆発事故
2018年には、札幌市の建物で、スプレー缶が原因の爆発事故が発生しています。
この事故は、建物内のテナント店舗の従業員が、100本超のスプレー缶を廃棄するため、缶に穴を開けた際に発生しており、このガスに引火して爆発した可能性があると見られています。
この事故により、他のテナント店の従業員やお客さんなど、42名のけが人が発生する大惨事となりました。
スプレー缶やカセットボンベが原因の火災事故が多発
スプレー缶やカセットボンベが正しく分別されていなかったり、中にガスが残った状態で捨てられたりしたことにより、ゴミの収集車やゴミ処理施設での火災事故が多発しています。
これは、中に残ったガスに引火したことが原因です。
こうした事故を防ぐため、スプレー缶やカセットボンベは、次のパートで説明する方法で、適正に処分するようにしましょう。
スプレー缶やカセットボンベの処分方法
スプレー缶やカセットボンベの処分は、以下の手順で行います。
- 中身を使い切る
- ガス抜きをする
- 必要に応じて、缶に穴を開ける
- 自治体のルールに則って、ゴミに出す
スプレー缶もカセットボンベも、ともに上記の手順で処分しますが、中身の使い切り方やガスの抜き方は、それぞれ異なります。
ここでは、ガス抜きも含めた、スプレー缶とカセットボンベ、それぞれの処分方法について説明していきましょう。
中身が残っているスプレー缶の処分方法
中身の残っているスプレー缶は、処分の前に、火気のない屋外で、中身が空になるまで使い切りましょう。
缶を振って、「シャカシャカ」「ちゃぷちゃぷ」などの音がするなら、まだ中身が残っている証拠です。
中身を使い切っても、缶の中にはガスが残っています。
そのため、スプレー缶に付属している「ガス抜きキャップ」を使って、火気のない屋外で、ガスを完全に抜きます。
キャップの形状によって、ガスの排出方法が異なるので、スプレー缶に書いてある説明をよく読んで、そのとおりにガスを抜きましょう。
スプレー缶は、処分する際、自治体によって、缶に穴を開けるところと開けないところがあります。
穴を開けるのか開けないのか、事前に自治体のホームページを確認しておきましょう。
穴を開ける際は、「穴あけ器」や「スプレーパンチ」が便利です。
これらの穴あけグッズは、ネットショップやホームセンターなどで購入できます。
あとは、自治体のルールに則って、収集所に出すだけです。
スプレー缶は、中身が見えるように、透明または半透明の袋に入れて出すのが原則ですが、自治体によっては独自のルールが定められているケースもあります。
ここでも、自治体のホームページをよくチェックしておきましょう。
中身が残っているカセットボンベの処分方法
カセットボンベも、スプレー缶同様、中身を完全に使い切ってから処分しますが、その後でガス抜きをする必要はありません。
カセットコンロには、容器の加熱装置である「ヒートパネル」が付いています。
カセットボンベは、ヒートパネルで温められることにより、強い火力を維持して、中のガスを最後まで使い切れます。
そのため、カセットボンベの場合は、中身を使い切るのとは別に、ガス抜きをする必要はないのです。
カセットボンベをセットした、カセットコンロの火が着かなくなれば、ガス抜きは完了です。
あとは、スプレー缶を処分するのと同じ方法で、カセットボンベをゴミに出しましょう。
スプレー缶の処分時の注意点
スプレー缶のガス抜きは、必ず火気のない屋外で行うようにしましょう。
屋内でガス抜きをすると、引火して、火災や爆発事故につながる危険があります。
火気がなくても、換気されていない、密閉した空間でガス抜きをすれば、ガスを吸い込んで体調に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、キッチンのシンクでガス抜きをすることは、絶対に避けましょう。
スプレー缶のガスは空気より重いため、シンクでガス抜きをすると、シンク内にガスが溜まってしまいます。
この状態で、キッチンで火を扱えば、引火して火災につながる危険が高くなります。
ゴミに出す以外のスプレー缶やカセットボンベの処分方法
スプレー缶やカセットボンベは、ガスを抜いた後で、自治体のゴミに出せます。
このほかにも、スプレー缶やカセットボンベの処分には、不用品回収業者を利用するという方法もあります。
処分したいスプレー缶やカセットボンベが大量にあるという場合には、不用品回収業者を利用した方が安全です。
ただし、スプレー缶やカセットボンベは、爆発の可能性もある危険物です。
不用品回収業者のなかには、危険物の取り扱いはNGというところもあるので、利用する場合は、スプレー缶やカセットボンベの回収が可能か、事前に電話などで確認しておきましょう。
まとめ
スプレー缶やカセットボンベは、様々なゴミのなかでも、特に処分に注意が必要です。
中にガスが残っていたり、しっかり分別されていなかったりした状態でゴミに出せば、引火して、爆発や火災の事故が起きる危険があります。
また、ガス抜きの際にも、屋内で行えば、同様に爆発や火災につながる危険があります。
こうした事態を避けるため、スプレー缶やカセットボンベは、この記事で紹介した方法を参考にして、適正に処分するように心がけましょう。