自宅の掃除は自分でやる以外にも、掃除業者や清掃業者に依頼する方法もあります。
業者に依頼すれば、時間や手間が省けるだけでなく、自分でやるより自宅がずっときれいになります。
自分で掃除するのが難しいと思ったら、積極的に業者を頼るといいでしょう。
とはいえ、掃除業者や清掃業者には種類があり、それぞれの業者が得意とする掃除範囲も異なります。
そのため、自宅の掃除をどの種類の業者に依頼すればいいのか分からないという方も多いでしょう。
そこで今回は掃除業者や清掃業者の種類と、それぞれがどんな人向けのサービスなのかを解説します。
あわせて、一般的な家庭の掃除である「ハウスクリーニング」の業者の選び方や注意点、依頼する際の賢いやり方についても説明していきます。
目次
掃除業者や清掃業者の種類
掃除業者や清掃業者は、大きく以下2種類に分かれます。
- 家庭向けの掃除業者や清掃業者
- 事業者向けの掃除業者や清掃業者
事業者向けの掃除業者や清掃業者は、オフィスやビル、店舗などの清掃を主としており、一般家庭の掃除とは関係ありません。
一般家庭の掃除は、家庭向けの掃除業者や清掃業者に依頼しましょう。
家庭向けの掃除業者や清掃業者は、主に以下5種類あります。
- ハウスクリーニング業者
- 遺品整理業者
- 不用品回収業者
- ゴミ屋敷清掃業者
- 特殊清掃業者
では次から、各業者の作業内容と、それぞれがどんな人向けのサービスなのかについて説明していきましょう。
掃除業者や清掃業者①ハウスクリーニング業者
ハウスクリーニング業者は、その名のとおり家の中をきれいに掃除してくれる業者です。
フローリングなどはもちろん、お風呂やトイレなどの水回り、エアコンのフィルター、キッチンのレンジフードなど、普段なかなか掃除が行き届かないところまできれいに掃除してくれます。
ハウスクリーニング業者は、汚れを落とすスペシャリストと言ってもいいでしょう。
一人ひとりのスタッフは、掃除の場所別に汚れを落とすための研修を受け、日々の仕事でその腕を磨いていることが多いです。
どの汚れに、どの洗剤と機材を使うのが最適か、熟知しているのです。
そのため、自分では落とせない頑固な汚れも、ハウスクリーニング業者に依頼すれば、落としてもらえる期待ができます。
ただしハウスクリーニングは基本的に、家1軒をまるまる掃除するタイプのサービスではありません。
掃除する場所ごとに作業料金が決まっており、場所を指定して、そこを掃除してもらう形になります。
ハウスクリーニング業者への依頼はこんな人向け
ハウスクリーニングの掃除で人気があるのは、エアコンやレンジフード、水回りなど、普段あまり掃除しないところです。
こうした場所は汚れを落とすのが難しいうえ、普段掃除をしない分、汚れがさらに頑固になりがちです。
普段掃除をしない場所や、自分で汚れを落とせない場所を掃除してもらいたいという人は、ハウスクリーニング業者に依頼を検討してみましょう。
掃除業者や清掃業者②遺品整理業者
遺品整理業者はその名のとおり、「遺品整理」をしてくれる業者です。
遺品整理とは、亡くなった人の物を片付け、回収、処分することを意味します。
故人宅に残った物を必要な物と不要な物とに仕分けし、不要な物は全てスタッフがトラックに運搬し、回収していってくれます。
掃除というよりは、片付けに近いと言えるでしょう。
遺品整理業者への依頼はこんな人向け
遺品整理は、親などが亡くなり、住む人がいなくなった家を片付けてもらいたい人向けのサービスです。
遺品整理は残された親族たちだけでもできますが、家1軒をまるごと空にするのは大変な作業です。
そのため、故人宅が広い場合や残された物が多い場合や、重たい家具や家電などがある場合などは遺品整理業者に依頼するといいでしょう。
掃除業者や清掃業者③不用品回収業者
不用品回収業者はその名のとおり、宅内の不用品を回収してくれる業者です。
1品だけ回収してもらうことも、宅内の不用品全てを回収してもらうことも可能です。
こちらも遺品整理同様、作業内容は掃除というより片付けに近いと言えます。
不用品の運搬や回収は全てスタッフがしてくれるので、依頼者には手間がかかりません。
不用品回収で気をつけたいのが、悪徳業者が多いという点です。
特に、不用品を無料で回収するという業者には注意しましょう。
こうした業者に頼んだ場合、後から高額な請求をされるリスクがあります。
利用する場合は、ホームページなどで業者の実績を見て、信頼できそうなところに依頼しましょう。
不用品回収業者への依頼はこんな人向け
不用品回収業者は、回収してもらいたい家具や家電などがある人は検討してみましょう。
大きな家具や家電を粗大ゴミに出す場合、一軒家なら玄関の前、集合住宅なら敷地の前まで運び出さなければなりません。
不用品回収業者に依頼すれば、大きな家具や家電も運んでもらえるため、手間がかかりません。
掃除業者や清掃業者④ゴミ屋敷清掃業者
ゴミ屋敷清掃業者は、ゴミ屋敷や汚部屋(マンションやアパートのゴミ屋敷)を掃除してくれる業者です。
宅内にあるゴミや不用品はスタッフが全て運搬し、トラックで回収してくれます。
ゴミ屋敷内にある大量のゴミや不用品を一気に片付けることになるため、作業料金は比較的高額です。
部屋の間取りと回収物の量にもよりますが、料金の相場は数万円から数十万円にもなります。
ゴミ屋敷清掃業者では、宅内のゴミや不用品を1日のうちに片付けてくれます。
1日でゴミ屋敷が解消することを考えれば、料金が高いのも頷けると言えるでしょう。
ゴミ屋敷清掃業者への依頼はこんな人向け
ゴミ屋敷清掃業者は、ゴミ屋敷や汚部屋に住んでいて、自分で片付けができないという人は検討してみましょう。
ゴミ屋敷を自分で片付けるには、膨大な時間がかかります。
悪臭が漂い、大量の害虫が発生しているゴミ屋敷では、誰かに片付けを手伝ってもらうのも難しいと言えるでしょう。
その点、ゴミ屋敷清掃業者に依頼すれば、おおよその片付け作業を1日で完了してもらえるでしょう。
自分で片付けられないと思ったら、業者に依頼するのが確実です。
掃除業者や清掃業者⑤特殊清掃業者
特殊清掃業者は、「特殊清掃」を生業としている業者です。
特殊清掃とは、事件や事故、孤独死などで、誰かが亡くなった部屋の清掃作業を指します。
遺体が長時間放置された部屋には、故人の腐敗体液や死臭が染み付いています。
こうした腐敗体液や死臭を完全に除去し、原状回復するのが特殊清掃業者の仕事です。
特殊清掃業者への依頼はこんな人向け
特殊清掃は、親族が孤独死するなどして、故人が住んでいた部屋を原状回復したい人向けの清掃です。
腐敗体液や死臭の除去には、専門的な技術や薬剤が必要となるため、特殊清掃業者以外の業者には手に負えません。
あまり考えたくはないことですが、もし事故物件の清掃が必要になったら、特殊清掃業者に依頼するということは覚えておいてもいいでしょう。
一般的な家庭のお掃除はハウスクリーニング業者へ
ここまで、掃除業者や清掃業者の種類について説明してきました。
遺品整理業者やゴミ屋敷清掃業者、特殊清掃業者などは、掃除箇所や目的別の専門的な清掃であり、一般的な掃除とは異なります。
一般的な自宅の掃除を頼みたいのなら、ハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
ここからは、一般的な掃除を業者に依頼したいという人向けに、ハウスクリーニングについて説明していきます。
ハウスクリーニング業者に依頼する場合の3つの注意点
ハウスクリーニングを業者に依頼するにあたっては、以下3つの注意点があります。
- 同じ業者でも店舗によって当たり外れがある
- 店舗によってはいい加減な仕事をされる可能性もある
- 落ちきらない汚れも存在する
ここではそれぞれの注意点について、説明していきましょう。
注意点①同じ業者でも店舗によって当たり外れがある
ハウスクリーニング業者のスタッフは、運営企業の社員やアルバイトだと思っている方も多いでしょう。
しかしハウスクリーニングの店舗の多くは「フランチャイズ店」で、清掃スタッフはその店のオーナーです。
フランチャイズとは、個人や法人が本部に加盟金やロイヤリティを支払うかわりに、本部の看板を借りて店舗を経営するビジネスモデルです。
フランチャイズ店のオーナーは全員、同じハウスクリーニングの研修を受けていますが、やる気があるかどうかで、習得できる技術には雲泥の差があります。
そのため、同じ名前のハウスクリーニング業者でも、店舗やオーナーによって当たり外れがあります。
注意点②店舗によってはいい加減な仕事をされることもある
フランチャイズ店のオーナーは社員ではなく、個人事業主です。
個人事業主は給料が保証されておらず、仕事をした分しか売上になりません。
ハウスクリーニングの単価は1~2万円程度と安いうえ、フランチャイズの運営本部に支払うお金もけっして安くありません。
そのためフランチャイズのオーナーは、稼ぐためには数をこなさなければならないのです。
ハウスクリーニング店のオーナーのなかには、数をこなすために1件1件の仕事をしっかりやらずに、早めに切り上げてしまう人も中にはいるかもしれません。
この点は、フランチャイズの弊害と言えるでしょう。
注意点③落とせない汚れも存在する
先ほども説明したとおり、ハウスクリーニング業者は汚れを落とすスペシャリストです。
しかしハウスクリーニング業者でも、落とせない汚れは存在します。
例えば床や壁などについた頑固な汚れは、無理に落とそうとすると素材を傷つけてしまう危険があるため、業者もうかつに手が出せません。
このように、ハウスクリーニング業者には、落とせない汚れもあるということを理解したうえで依頼するようにしましょう。
ハウスクリーニング業者選びの2つのポイント
ハウスクリーニング業者は、大手のフランチャイズ店から個人で運営しているところまで、たくさんあります。
では、依頼するハウスクリーニング業者は、何を基準に選べばいいのでしょうか?
ここでは、ハウスクリーニング業者を選ぶ際の2つのポイントについて説明していきます。
ハウスクリーニング業者選びのポイント①知名度の高さ
ハウスクリーニング業者を選ぶ際のポイントの1つは、知名度の高さです。
フランチャイズを展開している本部では、フランチャイズ店のオーナーに対し、清掃の研修をしています。
大手の業者は資金が豊富な分、研修に力を入れているところが多くなっています。
そのため、大手の業者に依頼しておけば、しっかりした技術を持ったオーナーに清掃してもらえる確率が高いと言えるでしょう。
また、知名度の高い業者であれば、あまりインターネットなどで調べても出てこないような無名な業者よりかは悪徳業者である心配もないと言えるでしょう。
ハウスクリーニング業者選びのポイント②料金の安さ
ハウスクリーニングの作業料金は、業者によって異なります。
料金を安く抑えるためには、複数の業者で同時に見積もりをとる「相見積もり」が有効です。
ただし、他の業者に比べて明らかに安すぎる業者は、後から追加料金を請求される可能性もあります。
そのため、こうした業者に依頼するのは避けておいた方が懸命です。
優良なハウスクリーニング業者に依頼するための賢いやり方
先ほども説明したとおり、ハウスクリーニング業界はフランチャイズ店が多く、同じ業者の看板を背負っていても、店舗によって当たり外れがあります。
技術力が高く、最後まで責任を持って作業してくれるオーナーもいれば、その逆もいるのです。
では、優良な業者に依頼するためには、どうすればいいのでしょうか?
近隣にハウスクリーニングを利用した経験がある人がいるのなら、良い業者を紹介してもらうのが有効です。
近くにハウスクリーニングを利用している人がいないのなら、優良な業者を探す確実な方法はありません。
しかし、何度か依頼したうえで、最終的に優良な業者をつかむ方法は存在します。
その方法とは、毎回別のハウスクリーニング業者に依頼することです。
この方法なら、いずれ優良なハウスクリーニング業者と巡り会える確率が高くなります。
優良と思える業者を引き当てたら、以後は毎回同じところに依頼すれば、失敗が少なくなるでしょう。
まとめ
家庭向けの掃除業者や清掃業者には、主に以下の5種類があります。
- ハウスクリーニング業者…一般家庭の清掃
- 遺品整理業者…遺品の整理と不用品の回収
- 不用品回収業者…不用品の回収
- ゴミ屋敷清掃業者…ゴミ屋敷や汚部屋の清掃
- 特殊清掃業者…事故物件の清掃
自宅の一般的な清掃は、ハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
ただしハウスクリーニングでは、同じ看板を背負っていても、依頼する店舗によって当たり外れがあります。
優良な業者に掃除してもらうためには、毎回違うところに依頼して、良い業者を自分の目で見つける方法が有効です。
自宅の掃除をハウスクリーニング業者に依頼したいという方は、ぜひ参考にしましょう。