お役立ちコラム

ゴミ屋敷片付け

ゴミ屋敷の原状回復にかかる費用は?判例もあわせて解説

ゴミ屋敷の原状回復にかかる費用は?判例もあわせて解説

入居者が部屋をゴミ屋敷化してしまってお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ゴミ問題は、他の入居者や周辺家屋にも影響を及ぼすケースが多いため、早めの対応が求められます。また、室内自体の片付けだけでは手に負えないケースも…。

そこでこの記事では、賃貸経営者向けにゴミ屋敷の原状回復の対策や費用について紹介します。また、実際に起きた判例も含めて解説しているので、今後の動き方を決める参考にしていただけると幸いです。

目次

賃貸物件がゴミ屋敷化したらどのように対処すべき?

賃貸物件がゴミ屋敷化したらどのように対処すべき?

所有している賃貸物件がゴミ屋敷化していたら、いったいどのような対処が必要なのでしょうか。まずは、管理者として動き出せる4つの対処法をご紹介します。ゴミ屋敷原状回復の判例の中にも出てくる対処法ですので、ぜひ参考にしてみてください。

ゴミ屋敷化した物件への対応①:入居者本人と相談する

ゴミ屋敷原状回復の判例では、入居者本人と相談することによって解決できたケースがあります。やはり入居者は部屋を借りている立場ですので、管理者から声をかけられることによって「このままではいけない」と考えを改めることがあるようです。中には「誰にも言われなかったからいつの間にかゴミ屋敷化した」という人もいるので、問題が発覚したらすぐに入居者本人と原状回復について相談しましょう。

ゴミ屋敷化した物件への対応➁:内容証明郵便を送付する

ゴミ屋敷原状回復の判例の中には、内容証明郵便で問題を解決できたケースがあります。内容証明郵便とは、賃金未払いや契約問題があった際に送信できる書類のことです。

ゴミ屋敷の原状回復についても、不動産の品質や価値を損なう行為となるため、内容証明郵便を送信できます。法的な効力はありませんが、入居者に対して決然とした態度を示すことができるでしょう。

ゴミ屋敷化した物件への対応③:行政機関に相談する

ゴミ屋敷原状回復の判例で多いのが、行政機関に相談するという動き方です。管理者本人が動いたとしても、必ず入居者が問題を改めてくれるとは限りません。

一方、役所の担当者や警察など、公的な行政機関を通じて問題認識してもらえば、考えを改めてもらいやすくなります。判例の中でも安全に、ゴミ屋敷の原状回復問題を解決できているため、困ったときにはぜひ行政機関に相談してみてください。

ゴミ屋敷化した物件への対応④:弁護士に相談する

そもそも判例は、裁判が起きたことによって掲載される情報です。このとき、裁判を行うにあたって重要なのが弁護士という存在でしょう。弁護士はあらゆる法律の知識をもつプロですので、ゴミ屋敷の原状回復についても豊富な知識と、過去の判例情報をもっています。

弁護士と一緒に入居者の対応にあたれば、弁護士自らが判例を武器に問題を解決してくれるでしょう。また、原状回復の裁判を起こす場合にも全力でサポートしてもらえるため、最終手段として弁護士相談を検討してみてください。

賃貸物件がゴミ屋敷化したときの注意点

賃貸物件がゴミ屋敷化したときの注意点

ゴミ屋敷の原状回復を行うにあたり、注意すべきポイントが2つあります。結論として、無断かつ強制的に入居者を動かそうとすることは判例の中でもNG行動だと示されています。判例にも載っている情報として、具体的に何をやってはいけないのか、ぜひ参考にしてみてください。

ゴミ屋敷化した物件の注意点①:原状回復を勝手に進めるのはNG

所有する賃貸物件の原状回復を急ぎたい方もいるでしょう。しかし、入居者を無視して無断で原状回復するのはNGです。この理由は、過去の判例で「管理者が貸室に無断で立ち入ったことに対し損害賠償が請求される」というものがあるからです。

部屋を貸している立場ですが、そこで生活する人のプライバシーなどを無視することはできません。原状回復を行うためには法的な手続きや契約者との相談が必要ですので、注意してください。

ゴミ屋敷化した物件の注意点②:追い出し・強制退去はできない

管理者という立場なら、いつでも入居者の追い出しや強制退去を行えると思われがちです。ですが実際には、過去の判例から追い出しや強制退去がNGにされているとご存じでしょうか。

法律のひとつに「追い出し条項」というものがあります。特定の条件下なら入居者を追い出せるとまとめられていますが、過去の判例として最高裁によって追い出し条項にNGが出たのです。ゴミ屋敷になったからといって、簡単に追い出しなどを行えるわけではないのでご注意ください。

ゴミ屋敷化によるトラブルとは

ゴミ屋敷化によるトラブルとは

ゴミ屋敷の原状回復を行わずに放置したままでいると、いずれさまざまなトラブルへと発展していきます。どういった問題が起きるのか、参考にしてみてください。

トラブル①:マンション・アパートで多発!近隣住民からの苦情

マンションやアパートなど、大勢の人たちが入居している物件にゴミ屋敷ができると、次の問題によっては苦情トラブルが発生します。

  • ニオイ問題
  • 害虫問題

判例のもととなる原因は、こういった住民による苦情がベースになっている場合があります。同じ環境での生活であるため、近隣住民から管理者宛てに苦情の連絡が入ってくるかもしれません。

トラブル②:ゴミ屋敷を放置したままの夜逃げ

過去の判例として、ゴミ屋敷の生活に耐えられなくなった居住者本人が、そのまま夜逃げしてしまうケースもあります。家賃を未払いになることはもちろん、受け取っていた敷金だけでは原状回復の費用が足りない場合も…。

また夜逃げされてしまうと、所有権だけが入居者に残ってしまうため、勝手に荷物を捨てることができなくなります。夜逃げによるゴミ屋敷原状回復の判例がいくつも出ていますので、早めに対処することが重要です。

>>アパートでゴミ屋敷になってしまったらどうする?対策方法やリスクを徹底解説

ゴミ屋敷の原状回復にかかる費用の基礎知識

ゴミ屋敷の原状回復にかかる費用の基礎知識

前述したゴミ屋敷の原状回復における判例や注意点をもとに、こちらでは原状回復にかかる費用の基礎知識をまとめています。いったいいくらかかるのか、またお金の出どころなど、覚えておくべきポイントを見ていきましょう。

ゴミ屋敷を原状回復する基礎知識①:入居時に受け取った敷金から対応する

まずゴミ屋敷を生み出してしまう人の多くは、原状回復に利用できる資金を充分に持っていないケースがあります。そこで役立つのが、入居時に受け取った敷金です。

敷金は、生活の中で発生した損傷や劣化を改善するために利用できる費用であり、ゴミ屋敷の原状回復として清掃や壁紙の張り替えが行えます。まずは原状回復の見積もりを取得し、敷金内で対応できるのかチェックしてみてください。

ゴミ屋敷を原状回復する基礎知識➁:ゴミ屋敷化は借主の追加負担となる

入居者が資金をもっていなかったとしても、ゴミ屋敷の原状回復は入居者本人の責任です。敷金内で対処できない場合には、必ず入居者である借主に請求してください。

この請求についても、過去の判例でよく登場する項目です。敷金とは別に追加負担の請求が行われているケースも多いので、必ず「判例があること」「追加負担を無視すると裁判が必要になること」を伝えましょう。

ゴミ屋敷を原状回復する基礎知識③:原状回復費用は一般的に家賃3ヶ月分程度といわれている

前述した2つの項目から分かるように、ゴミ屋敷の原状回復には「敷金」「借主の追加負担」で対処します。これ位に対し、原状回復にかかる費用は家賃3ヶ月分が一般的です。例えば、家賃7万円の物件であれば、3ヶ月分となる21万円かかるイメージです。

もちろん、ゴミ屋敷の状況、原状回復の難易度によって金額にはブレがあります。過去の判例によっては悪質なゴミ屋敷化に伴い、高額な費用請求が発生したケースもあるので、ぜひ後述する判例情報をチェックしてみてください。

ゴミ屋敷化した賃貸物件で実際に起こった問題とその判例

ゴミ屋敷化した賃貸物件で実際に起こった問題とその判例

現在、ゴミ屋敷の問題に悩んでいる人もいれば、将来起こるかもしれないゴミ屋敷原状回復に不安を感じている人もいるはずです。それならぜひ、過去に起こった賃貸物件のゴミ屋敷問題と原状回復の判例をチェックしてみてください。判例結果も詳しく解説しているので、参考にしていただけると幸いです。

判例情報をチェックする

ゴミ屋敷の原状回復における判例①:物件の損耗に対する負担【平成6年8月22日】

ゴミ屋敷化に伴い、物件の損耗の修繕負担について争われた判例です。借主が途中から賃料と共益費を払わなかったこと、そして補修を行わなかったことから、原状回復工事費用約66万円が請求されました。結果として、借主に対して一部やむを得ない損耗箇所を除き、約36万円の追加支払いが命じられました。

ゴミ屋敷の原状回復における判例➁:不十分清掃に対する負担【平成9年6月5日】

ゴミ屋敷化に伴う和室のクロス張り替えについて、借主の原状回復が不十分な対処だったと、清掃費用の支払いを請求した判例です。判例の中では、すでに敷金が支払われていたことを考慮し、清掃にかかった費用、修繕にかかった費用の約23万円を請求されました。また判例の中では借主による反訴が行われましたが、最終的には両者が和解し、追加支払い約6万円に落ち着き、問題が解決しています。

ゴミ屋敷の原状回復における判例③:通常使用とは思えない損耗に対する負担【平成22年2月2日】

次に示す箇所などに通常の損耗とは思えない損傷があると、保証金として約31万円を請求した判例です。

  • フローリングの剥がれ
  • 襖の破損
  • 排水溝部品の紛失
  • 任意で取り付けられたフックの復旧
  • 固定金具の紛失
  • 鍵の紛失

判例の中では、通常の損耗であるため原状回復の対応をしないという主張がありましたが、借主が賃料・共益費の未払いもあったことから、保証金31万円を支払うこととなりました。

ゴミ屋敷の原状回復における判例④:ペット飼育に伴う負担【平成14年9月27日】

室内清掃およびペット飼育に伴うクリーニング費用を請求した判例です。こちらの判例では、クリーニング費用約50万円を借主に請求されましたが、ペット化の物件であり、一般的な原状回復で対処できることから、支払われていた敷金約42万のうち、逆に約36万円の返還が行われました。

上記判例からも分かるように、原状回復の度合いによっては必ず請求できるわけではありません。場合によっては、敷金の返還が求められる判例もあるため、事前にゴミ屋敷の状況や原状回復の度合いを検討することが大切です。

ゴミ屋敷の原状回復における判例⑤:公序良俗違反に伴う負担【平成16年2月24日】

借主から貸主に向けて、設備使用料の合意および、公序良俗に反すると訴訟が起きた判例です。契約への合意が不成立であり、公序良俗に反するとして敷金の返還が求められました。結果として、支払っていた敷金約21万円を返還することとなり、原状回復等の対応が必要なくなりました。

判例と一緒に知っておきたい原状回復のよくある質問

判例と一緒に知っておきたい原状回復のよくある質問

前述した判例を把握するうえで理解しておきたいポイントは、まだまだたくさんあります。そこで最後に、判例やゴミ屋敷の原状回復に関するよくある質問を2つまとめました。判例にも登場する項目ですので、ぜひ参考にしてみてください。

質問①:10年経過したカビだらけのマンション・アパートの退去費用は貸主・借主どっちの負担なの?

構造上の問題でカビが発生する場合には、貸主側の負担です。一方、入居者の行動によってカビを助長させるような原因がある場合には、借主側の負担となります。

判例の中でもカビに対する原状回復について争われているものがいくつもあります。壁紙やフローリングの張り替えなど、いろんな費用負担が関わるため、何が原因なのかしっかりと把握してください。

質問②:マンション・アパートの退去費用が200万円を超えそうだが借主に請求してもいいの?

借主が部屋をゴミ屋敷化した結果、原状回復に莫大な費用が掛かったという判例もあります。その中でも、退去費用が200万円を超えるような場合には、敷金だけで対応できなくなることも…。

このときの費用は、原因が完全に借主にある場合には、借主側に請求して問題ありません。特にゴミ屋敷化した部屋の場合、完全に借主の行動が原因です。高額な費用負担の判例も数多くあるため、ぜひ前述した判例情報を詳しくチェックしてみてください。

ゴミ屋敷の原状回復に関する判例まとめ

ゴミ屋敷化した賃貸物件の原状回復への訴訟は、近隣住民とのトラブルを避けること、そして借主本人の夜逃げを避けるために重要な行動です。過去の判例を見ても分かるように、貸主の多くが部屋の原状回復に悩んでいます。場合によっては清掃業者に依頼しなければならないことも…。

もしすでに原状回復のための清掃が必要であり、なるべく費用を抑えたいのなら、清掃のプロに相談することをおすすめします。片付け・清掃のご相談は、七福神にお気軽にご相談ください。

ゴミ屋敷の原状回復に関する判例まとめ

ゴミ屋敷の片付け,
不用品の処分
をご検討なら

ゴミ屋敷バスター七福神へご相談を

散らかった部屋からの脱出
要らない物の整理整頓
など片付けのお悩みに
お応えします!

この記事を読んで少しでもゴミ屋敷や汚部屋を掃除したい、
要らない不用品を整理したいなど片付け・清掃を検討された場合は
是非、まずはお気軽にゴミ屋敷バスター七福神へご相談ください!

この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。

ゴミ屋敷片付け,汚部屋掃除,不用品回収の専門業者のロゴマーク
MENU
ゴミ屋敷片付け,汚部屋掃除,不用品回収の専門業者のフルロゴ
ゴミ屋敷の原状回復にかかる費用は?判例もあわせて解説