鉢植えやプランターは生活に緑を与え、癒しをもたらしてくれるものですが、枯れてしまったり引っ越しなどで、処分せざるを得なくなることもあるでしょう。
しかし、いざ処分するとなると捨て方に困るもののひとつではないでしょうか。
また、鉢植えに興味があるものの、捨て方が分からないので鉢植えの購入を躊躇している人もいるようです。
この記事では、鉢植えの処分方法や捨て方のポイント・注意点について詳しく解説いたします。
無料で処分できる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
鉢植えは何ゴミ?
鉢植えを処分する場合は、まず分別しましょう。
基本的には、「植物」「鉢植え本体」「土」に分けて、それぞれ適切な方法で処分を行います。
植物を引き抜いてから土を取り除き、鉢植えを空にする必要があるのです。
捨てるまでの工程を考えると、鉢植えの植物は購入時よりも処分する方が面倒かもしれません。
こういった分別の手間が面倒な方は、鉢植えごとまるごと捨てることも可能ですが、処分方法は限られる上に費用がかかります。
まずは、「植物」「鉢植え本体」「土」それぞれの捨て方を見ていきましょう。
植物を処分する手順
鉢植えを処分するには、中身を空の状態にしなくてはなりません。
そのため、捨てる順序として、はじめに植物を処分する必要があります。
鉢植えの植物を捨てる、おおまかな手順は以下です。
- 植木鉢から中身を出す
- 植物についている土をほぐす
- 植物・土・鉢植えに分ける
まずは土ごとすべて取り出し、根っこについた土をほぐしましょう。
スコップなどを使って根から土をほぐし取ったら、後々土を処分できるよう袋などに分けておきます。
この時、鉢植えの土が乾いていた方が作業しやすいので、雨の日は避け、水やりも控えておきましょう。
まとめて可燃ごみの日に出す
多くの地域では、植物や枝類は「可燃ごみ」の扱いです。
出し方は自治体のよって異なり、一度に出せる量や長さについても規定があります。
自治体 | 枝類 | 詳細 |
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東京都板橋区 | 木くず・木の枝(10cm未満) | 長さ50cm以下に切り、直径30cm以内に束ねて出す(3束程度)※太さ10cm、長さ50cmを超えるものについては清掃事務所に相談(粗大ゴミ400円~) |
東京都足立区 | 少量の木・枝・葉・草花など | 枝は短く(30cm程度)に切って、ひもで束ねる※量が多い時は、清掃事務所に相談 |
神奈川県横浜市 | 少量の木の枝・板など | 50cm未満に切って束ねる |
大きな植物の場合は、自治体が可燃ゴミとして回収を行う規定サイズになるよう、枝や木
切らずに処分する場合は、「粗大ゴミ」の取り扱いとなり、処分費用は有料です。
切る手間を省きたい方や自分で伐採するのが難しい場合は、粗大ゴミ受付センターへ連絡し、取扱店でゴミ処理券を購入の上、指定日時に指定場所に出すと処分できます。
可燃ゴミなら無料で処分できますので、費用を浮かせたい方は、枝を短く切って束ねるか、指定のゴミ袋に入れてまとめておきましょう。
鉢底ネットなどの園芸用品があれば、これらも自治体のゴミ出しルールに沿って適切に処分してください。
鉢・プランターの捨て方
植物と土を取り除いたら、空になった鉢やプランター本体を処分しましょう。
鉢植えの捨て方は、大きさによって異なります。
一般的な処分方法は、次の6つです。
自治体のゴミ回収に出す
メリット | 無料で処分できる |
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デメリット | 指定サイズ以下のものに限る(大きいものは解体が必要) |
手間も費用もかけずに処分したい方は、自治体のゴミ回収に出しましょう。
家庭ゴミと同じように、毎週決められた曜日に出すだけで捨てられます。
ただし、自治体ごとに定めたゴミ出しルールを守る必要があります。
鉢・プランターの場合は、大きさだけでなく素材ごとの分別も必要です。
一般的には、以下のように分類されます。
- 可燃ゴミ:木製・プラスチック製
- 不燃ゴミ:金属・陶器製
陶器の植木鉢・プランターは、新聞紙などに包んで品目を記載するなど、出し方に決まりがある自治体もあるため注意が必要です。
また、種別が異なる複数の素材が使われている場合は、パーツごとに分けて処分しなくてはなりません。
規定サイズは、長辺が30cm以内のものとしている自治体が多いですが、小さく解体すれば、家庭ゴミ扱いになる場合もあります。
また、必ずしも30cm以内とは限りませんので、お住まいの自治体ルールの確認は必須です。
粗大ゴミに出す
メリット | 処分費用が安い解体・分解する必要がない |
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デメリット | 指定場所までは自分で運び出す必要がある事前予約やゴミ処理券を購入する手間がかかる受付から処分までに、2週間ほどかかる |
30cmを超える大きな鉢やプランターについては、自治体が回収を行う「粗大ゴミ」に出す方法もあります。
粗大ゴミで処分する際の、おおまかな流れは以下の通りです。
- 粗大ゴミ受付センターへ連絡する(電話・WEB・line・チャットポットなど)
- 収集日・料金を確認の上、取扱店でゴミ処理券を購入する
- 必要事項を記入したゴミ処理券を、処分する鉢・プランターに貼り付ける
- 指定日時に、指定場所に運び出しておく
処分料金については自治体ごとに異なりますので、予約の際に確認しましょう。
ゴミ処理券は、お住いの地域のコンビニや郵便局などで販売されています。
自治体 | 費用 | 詳細 |
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東京都板橋区 | 400円(植木鉢、プランター) | 長辺がおおよそ30cm以上のものは粗大ゴミ(プラスチック製の鉢・プランターは5個まで)※土を取り除く |
東京都足立区 | 400円(植木鉢、プランター) | 30cm以上のものは粗大ゴミ※土を取り除く |
神奈川県横浜市 | 200円(植木鉢 ) | 50cm以上のものは粗大ゴミ |
粗大ゴミで処分する場合も規定や料金が異なりますが、相場は200~400円と安価です。
ただし、粗大ゴミで処分できるのは、基本的に鉢植え・プランターのみです。
土や植物もそのままの場合、自治体ゴミとしての処分は難しくなります。
板橋区のように、一度に出せる鉢植えの数に上限がある自治体もありますので、大量にある場合は相談してみましょう。
クリーンセンターに持ち込む
メリット | 自治体によっては粗大ゴミより処分費用が安くなる粗大ゴミよりも早く処分できる |
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デメリット | クリーンセンターへ持ち込む時間とガソリン代がかかる車両からの積み下ろしが必要 |
粗大ゴミを回収処分するのではなく、ゴミ処理場へ自己搬入するため、自治体によっては処分料金が安くなったり無料になる場合もあります。
自治体 | 搬入費用 |
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東京都板橋区 | 収集料金の半額(1回10個まで) |
東京都足立区 | 1世帯あたり年度2回まで無料(1回10個まで) |
神奈川県横浜市 | 収集と同じ料金が必要 |
宮城県仙台市 | 1回(100kgまで)1,500円 |
横浜市のように粗大ゴミ回収と費用が変わらない自治体もありますが、処分費用が安くなる自治体が多いです。
自己搬入する場合は、事前申し込みや処分料金の支払方法などを事前に確認しましょう。
リサイクルショップで買い取ってもらう
メリット | その場で売却できる |
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デメリット | 査定額がかなり低く、買取不可の場合もある |
不要になった植木鉢・プランターは、リユース・リサイクルできる場合もあります。
必ずしも売れるとは限りませんが、人気のデザインや価値のある骨董品であれば、ダメ元でリサイクルショップの査定に出してみる価値はあります。
ただし、買取額はかなり低く、高額査定は望めません。
フリマアプリやネットオークションで売却する
メリット | リサイクルショップよりは高値で売れる |
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デメリット | 出品(撮影・メッセージ・発送)の手間がかかる売れるまでに時間がかかる 売れない可能性がある |
フリマアプリやネットオークションで売却するのも、リユース・リサイクルの方法のひとつです。
大きく重量のある植木鉢は発送が大変そうなイメージがありますが、メルカリなら、梱包から発送までをお任せできる便利なサービス「梱包・発送たのメル便」を利用できます。
ただし、後々トラブルが起こらないような配慮も必要です。
状態はよく確認して、傷や汚れがあれば必ずその旨を説明文に記載しましょう。
鉢植えに興味のある人に譲る
メリット | 処分費用が浮く |
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デメリット | すぐに譲り先が見つかるとは限らない |
鉢植えを処分するのではなく、興味のある友人や知人に譲るという方法もあります。
もし譲り先が見つからない場合は、地元密着型のネット掲示板を使いましょう。
地域の譲りたい人と欲しい人をマッチングできる「ジモティ」は、スマホひとつでやり取りできます。
完全無料で利用でき、フリマアプリやオークションのような手数料も発生しません。
土はどうやって処分する?
土は焼却処分ができないことから、自治体として回収を行っていない場合が多く、処分に困りやすいです。
主な捨て方としては、以下3つの方法があります。
- 庭にまく
- 購入店に回収してもらう
- ゴミ回収に、少量ずつ出す(土をゴミに出せる自治体のみ)
自宅に庭があれば、敷地内にまくのが一番簡単でしょう。
また、自治体によっては、一度に出せる量などの制限付きで「可燃ゴミ」や「資源ゴミ」に出せる場合もありますので、地域のゴミ出しルールを確認してみましょう。
公園や街路樹に捨てるのはNG
自分の土地でない場所に土を捨てる行為は、当然ながら不法投棄に該当します。
公園や街路樹、山などの国が所有する土地もNGです。
- 土の不法投棄は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金
自宅以外に捨てると、罰則を科せられる場合がありますので注意しましょう。
鉢植えごと処分できるのは「不用品回収業者」だけ
ここまで、「植物」「鉢」「土」の処分方法をご紹介しました。
鉢植えを捨てる場合、基本的にはすべて分けて処分する事になります。
しかし、すべて自分でやるとなると手間がかかります。
時間や手間を考えると、鉢植えごと処分したいと思うのが本音でしょう。
そこで、できるだけ手間と時間を省きたいという方には、「不用品回収業者」へ依頼する選択肢もあります。
不用品回収業者であれば、植物も土も入ったそのままの状態で回収してもらえるため、分別して処分する手間が一切かかりません。
ただし、不用品回収業者を利用すると、ほかの処分方法と比べると費用は高め。
鉢・プランターひとつの処分だと割高になるため、ほかの不用品をまとめて回収してもらいましょう。
また、不用品回収業者の中には、高額な費用やずさんな作業を行う悪質な業者も存在するため、業者選びも慎重に。
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較してから依頼することをおすすめします。
まとめ
鉢植えの捨て方は、ほかのゴミと比較しても少々面倒です。
特に土は、我々にとって身近なものではありますが、捨てるとなると厄介。
ましてや所有地以外に捨ててしまった場合は不法投棄になります。
犯罪行為になると知らなかったでは済まされません。
紹介した方法を参考にしつつ、処分方法など各自治体に確認・相談して、どのような方法が良いのか検討してみて下さい。
時間と手間が惜しいのであれば不用品回収業者に相談してみるのも良い一手です。