年末に行う大掃除。
元々は一年の間に溜まった煤(スス)を払って、年内の穢れや厄をお祓いした上で、元旦に各家に幸せをもたらすために山から降りてくる神様(年神様、歳徳神)をお迎えするための準備を始めるためのものでした。
今でも神社では神事としてすす払いを行うところが多くあります。
年末の大掃除というと、月末に近い時期をイメージしますが、もともとは江戸城が12月13日にすす払いをしていたという事から庶民にも拡がり、一般的になりました。
12月13日が新年を迎えるための準備を始める日という事で正月事始めとされており、大掃除もその日から始められていました。
今回はそういった年末の大掃除の中でも特に大変なお風呂やキッチンなどの水周りの掃除の方法やコツについてお伝えしていきます。
目次
お掃除のコツ~キッチン~
まずはキッチンでのお掃除のコツお教えいたします。
油汚れのお掃除準備
お掃除をする前に、まずはガス台の五徳やつまみ、グリルの網など、日常的に油で汚れている場所を、重曹を溶いたぬるま湯でつけ置きしておきましょう。
つけ込む時にゴミ袋を使う事で後片付けが楽に行える他、頑固な汚れもしっかりと緩んで掃除をしやすくしてくれるのでおすすめです。
つけこんだ後はスポンジで軽くこすったり、水道水で流したりするだけである程度は綺麗になります。
利用したゴミ袋は中のぬるま湯を流した後にそのままゴミ袋として利用しましょう。
つけ置き手順
- 広げたゴミ袋に40~50度程度のぬるま湯で、つけ込み用のプールを作ります。
- ガムテープなどでゴミ袋をシンクに固定して、重曹を混ぜ合わせます。汚れ具合によって重曹の量は調整するようにしましょう。
- 五徳や魚の焼き網などをつけ込み用のプールに沈めます。
- ゴミ袋の口を密閉して1時間くらいを目安につけ込みます。汚れがひどい時は、つけ込み時間を長くしましょう。
※素材によっては表面が剥げてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
ぬめりや臭いがキツイ場所のお掃除準備
触る事も躊躇してしまうような三角コーナーやストレーナーなどの、ぬめりや臭いがひどい場所は塩素系の漂白剤につけ置きして、水で洗い流すようにしましょう。
スポンジも使わずにすむので、抵抗感が少なく掃除ができます。
お掃除手順
- 使い古しの歯ブラシなどでゴミを残らずとりましょう。
- 泡や噴射タイプの漂白剤を全体にまんべんなくスプレーします。
- 食品用の透明なポリ袋などに②で処理した三角コーナーなどを入れます。
- ポリ袋に水を入れ、袋の口をきつくしばって水が漏れないようにしましょう。
- 袋ごと15回ほど上下に振りましょう。
- 10分~15分ほどそのまま放置します。
※漂白剤を扱うため、ゴム手袋の着用が必須です。
キッチンのガス台
つけ置きしておいた五徳や魚の焼き網を取り出し、汚れが緩んでいるか確認しましょう。
しっかりと汚れがゆるんでいれば、スポンジに食器用の潜在を付けて磨いていきます。
しつこい焦げ付きなどは固めのボディータオルでこすり落とし、仕上げは使い古しの歯ブラシで磨いて完了です。
キッチンのシンク
つけ置きしておいた三角コーナーやストレーナーをポリ袋から取り出して、流水で洗い流します。
つけ置きしているので洗剤は不要で、スポンジなども使わずに流水で流すだけでぬめりや臭いが取れます。
その後ステンレス部分をヘアライン(髪の毛のような模様の研磨処理)に沿って、一定方向に磨いていきましょう。
ヘアラインを無視してしまうと、傷がついたり、汚れの除去もいまいちとなってしまったりします。
お掃除のコツ~お風呂~
普段は浴槽だけしか掃除をしないという方も多いのではないでしょうか。
年末大掃除の際は、浴槽だけではなく浴室全体を綺麗に掃除して、新年から気持ち良い空間でお風呂に入れるようにしましょう。
今回はお風呂場で掃除が必要な箇所と、どこから掃除をするのが最適かをお伝えしていきます。
場所によって適した掃除の方法が変わってきますので、それぞれのポイントを押さえていきましょう。
お風呂の天井や壁
天井は普段なかなか掃除が難しい場所ですが、換気扇や水蒸気に巻き上げられ、お風呂場の中で最もカビが付着しやすい部分となっています。
カビの大量発生は病気の原因にもなる可能性があるので、壁とあわせて最初にしっかりと掃除するようにします。
天井を掃除する際は手が届かないため、クイックルワイパーなどのペーパーモップに除菌スプレーなどをしっかりと吹き付け、床と同じように拭いていきましょう。
大きな面積の壁部分は中性洗剤をかけてスポンジで上から下に向けてこすっていきましょう、ゴムパッキンの部分は使い古しの歯ブラシや、硬さがしっかりあるブラシで磨くようにします。
お風呂の鏡や蛇口
鏡や蛇口、シャワーヘッドなどはどうしても水垢が付きがちです。
普段の掃除は予防を兼ねて中性洗剤で軽く洗えば良いですが、大掃除の場合はクエン酸を活用しましょう。
クエン酸水(水200mlに対しクエン酸小さじ1程度)をキッチンペーパーにしみ込ませ、それぞれにかぶせて1時間ほど置いた後、スポンジなどでこすれば水垢がしっかりと取れます。
シャワーヘッドなどは洗面器などにクエン酸水を作り、中につけ込むと手軽に綺麗にすることができます。
お風呂の浴槽
浴槽は日常的に掃除をしている人がほとんどですが、ゴム栓やパッキン、浴槽内の排水溝、お湯が出てくる風呂釜部分までしっかりと掃除されている方は少ないのではないでしょうか。
細かな部分には使い古しの歯ブラシなどで汚れを落とすようにして風呂釜部分は洗浄剤を利用して掃除するようにしましょう。
お風呂の床
床はシャンプーなどの残り汚れなどからパッキン部分の黒カビ、ピンク汚れが発生しやすい箇所になっています。
黒カビ部分は重曹をふりかけてブラシでこすったり、カビキラーなどでカビの根から落としていきます。
ピンク汚れは洗剤に強いため、デッキブラシなどでしっかりこすって落とすようにしましょう。
お風呂の排水溝
排水溝は日常的に掃除をしていないと汚れから菌が大量発生し、ぬめりや臭いが発生します。
お風呂場の中で最も汚れが強い箇所ですので、スポンジなどで掃除をするのを避けたい方も多いのではないでしょうか。
掃除をするためには排水溝の蓋、カバーを取り外して付着している髪の毛などを取り除いた後、カビキラーなどの塩素系漂白剤を利用するか、重曹をふりかけて汚れを浮き出させて使い古しの歯ブラシなどで汚れを落とすようにすると良いでしょう。
お風呂場を掃除した後は、しっかりと換気を行うようにしましょう。
日常的にお風呂場内の換気をしっかりと行う事で、カビや菌の発生を予防することができます。
消費電力が少ないため電気代もほとんどかかりませんので、可能であれば24時間つけたままにするのが良いでしょう。