近年、高齢者だけの世帯が増えていて、その影響で高齢者のゴミ屋敷化が進んでいます。
ある日、実家に帰ったらゴミ屋敷になっていたというケースも増えていて、今後の課題となっていくでしょう。
自分が住んでいた実家がゴミ屋敷になっているという悲しさもありますが、そのゴミをどう処分するかが問題になります。
そこで今回は、両親の家がなぜゴミ屋敷になってしまうのか、その原因と解決方法について解説していきます。
目次
両親の家がゴミ屋敷になるケースが増加
両親の家がゴミ屋敷になってしまったら、片付けるのはその子どもになることが多いです。
その理由は、ゴミ屋敷になるのは「高齢による身体能力の低下」が大きな要因になるからです。
身体能力が下がっていると、例えば、外出したりトイレに行くのも大変になります。
そんな身体で、ゴミを集めて毎週捨てに行くというのは両親にとって大きな負担です。
ゴミを捨てに行けない、家にゴミがある状態が普通になっていくと、ゴミ屋敷化は進んでいきます。
高齢者のゴミ屋敷化の原因とは
両親の家がゴミ屋敷になる原因(1)身体の衰えでゴミが出せなくなる
歳を取るとどうしても身体能力が低下してしまうので、毎週決まった日にゴミを捨てられなくなるかもしれません。
日々の生活で出るゴミだけでなく、例えば、電子レンジが壊れたり、新聞や雑誌を購入していたりすると、それらのゴミをまとめて捨てることが出来ないため、結果的に家の中にゴミが溜まってしまうことがあります。
衣類も同様で、捨てるとなると重くなるものなので、両親の家がゴミ屋敷になった原因の一つとして、生活していくうえでのゴミや衣類、家電などがゴミとなって出てくることが多いです。
両親の家がゴミ屋敷になる原因(2)予備を買いすぎてしまう
身体能力が低下しているから、頻繁に買い物に行けず、買いだめをしてしまう傾向にあります。
特にゴミ屋敷になる可能性が高いことは、両親がすでにハサミをひとつ持っているにも関わらず、また欲しくなるかもしれないからとハサミを5~6本購入するような人は、ゴミ屋敷になりやすい傾向にあります。
トイレットペーパーなど消費するものならわかりますが、布団や毛布まで予備を購入する人がいます。
買い物に行くのがつらいと感じている人ほど、予備を買いすぎてしまうようです。
両親の家がゴミ屋敷になる原因(3)ゴミを「捨てたくない」と感じる
ゴミ屋敷に住んでいる人の多くが、精神的な悩みを抱えていることが多いです。
孤独を感じている人は、ゴミが周りにあると安心するそうです。子どもが巣立って、夫婦二人での生活に寂しさを感じていると、ゴミを集めてしまう、ゴミを捨てるのを嫌だと考えてしまい、ゴミを溜めてしまうことがあります。
それ以外にも、歳を取ってプライドが高くなってしまって、「ゴミを捨てているところを見られたくない」「ゴミの中身を見られたくない」という理由でゴミを捨てなくなってしまう人も多いです。
このように、精神的な不安や孤独が、ゴミを捨てたくないと思わせてしまうこともあります。
高齢者はそれが起きやすい状況なので、ゴミ屋敷化しやすいのです。
実家がゴミ屋敷だったときの対処法
実家がゴミ屋敷だった場合、気付いたらすぐに対処が必要です。
ゴミ屋敷の対処を業者に頼む場合、高額になるケースが多いので、ゴミが貯まり始めている・すでに溜まっているときにはすぐにゴミを処分するようにしましょう。
ゴミ屋敷になっていると、ゴキブリなどの害虫・ネズミなどの害獣はもちろん、異臭や住宅の劣化などにもつながります。
近隣住民にも影響を与えてしまうので、実家がゴミ屋敷だと気付いたときにはすぐに掃除を開始してください。
いきなり家中を掃除しない
両親が住んでいる家なので、闇雲にすべて捨ててしまうのは親子喧嘩の原因になってしまいます。
まずは玄関や、玄関から一番近い部屋だけを掃除するようにしましょう。
玄関の近くならゴミを出すのもスムーズですし、玄関だけならゴミ屋敷に住む両親も許してくれることが多いです。
両親の説得が大きな壁になることも
ゴミ屋敷になってしまった家を掃除しても、両親がそれを止めるというケースは少なくありません。
土日でゴミ屋敷の掃除に来ているのに、両親が平日の間にゴミを集めてしまってほとんど進まない、ということもあるようです。
ゴミ屋敷を対処するにあたって、両親への説得が必要になります。
ゴミ屋敷の両親を説得する方法
両親の家がゴミ屋敷だった場合、掃除することを両親が止めることがあります。
一般的に見てゴミにしか見えなくても、大切なものだと言い張るのです。
歳を取ると考え方が凝り固まってしまいますし、「まだ必要なんだ」とケンカになるケースが少なくありません。
両親を説得する上で、「否定するようなことは言わない」ことがポイントです。
- こんなもの全部いらないから捨てる
- みっともない
- 怒鳴ってしまう
というように、両親の否定に値する言葉は言わない方が良いでしょう。
前述しましたが、ゴミ屋敷になる人は精神的に不安や孤独を感じている方が多いので、否定せずに話し合いを進めましょう。
ゴミ屋敷の両親を説得するポイント
- ゴミ屋敷に住んでいることをどう思っているか聞く
- 1部屋だけ掃除してみて、清潔な部屋で過ごす心地よさを理解してもらう
- 話し合いが難航した場合は、第三者を介入させる
まずは両親がどう思っているか確認しましょう。
ゴミ屋敷のままでもいい、と言っても否定せず、どうしてそう思うか、清潔な部屋のほうが住みやすいなど、説得しましょう。
そして、一部屋だけ掃除をさせてもらい、そこで生活してもらうと、ゴミ屋敷であることが嫌だと認識してもらえる可能性が高いです。
まとめ
ゴミ屋敷の掃除は1日ではなかなか終わりませんし、掃除をしても両親の気持ちを改善しなければ、またゴミ屋敷になってしまうかもしれません。
話し合いをするときには、「両親にもゴミ屋敷をやめたいと思わせる」ように話を持っていきましょう。
親子だとどうしても口調がきつくなってしまう、冷静な判断が出来ないと、話し合いが難航した場合は、第三者に介入してもらうと両親も冷静に話が進められるかもしれません。
頭ごなしに否定してしまうと、両親は意地になってしまう可能性があるので、否定せずにゴミ屋敷を改善したいと思わせるように話を進めてみてください。