日常的に出るゴミの中でも、特に扱いに困りやすいのが、水分を含み臭いが出やすい生ゴミです。調理をする時に出る野菜クズはもちろんのこと、傷んだ食材や食べ残しなどを処分する場合、どのように扱えばいいか困る人も少なくありません。
生ゴミは、正しい捨て方と気をつけるべきポイントを知っておけば、迷うことなくスムーズに捨てられます。今回は、生ゴミの捨て方や臭いを抑える方法、害虫・カビ・細菌に効果的な対処法などを詳しくご紹介しましょう。
目次
生ゴミの捨て方7選
多くの場合、生ゴミは燃えるゴミで処分されますが、捨て方は必ずしも1つではありません。生ゴミの水分や臭い対策をしてから捨てたり、再利用のために捨てる以外の処分方法を行なったりなど、状況に応じてさまざまな捨て方をされています。
まずはより多くの生ゴミの捨て方を知り、現在の自分の状況や考え方に合った方法を見つけてみましょう。生ゴミを捨てる時、実際に行われている処分方法を以下で詳しく解説します。
1.生ゴミを新聞紙で包んで捨てる
ゴミを捨てるとき、水分と臭いの療法を効果的に押さえたい場合は、新聞紙に包んでから処分しましょう。新聞紙は植物由来の成分でできており、吸水性が高いので生ゴミの水分もしっかり吸い取ってくれます。
また、インクにはカーボン(炭成分)が含まれていて、消臭・防臭の面における期待値も高いです。新聞紙の吸水性と消臭性は、災害時の代用トイレでも推奨されることもあるほどなので、紙媒体で新聞購読している人はある程度保管しておけば、生ゴミ処理にも万が一の時にも役立ちます。
2.生ごみをレジ袋・ポリ袋・ビニール袋に入れて捨てる
生ゴミの臭い漏れや水分漏れが気になる場合は、レジ袋やポリ袋・ビニール袋がおすすめです。どの袋も水や空気を通しにくい性質を持っており、生ゴミを入れてしっかり口を縛れば水漏れしにくく、臭いもほとんど気になりません。
袋の大きさで生ゴミが入る量は変わりますが、調理一回ごとに袋を取り替えるならさほど問題はなく、手軽に生ゴミ対策ができます。ただし生ゴミに尖った部分があると、袋が破れて水漏れ・臭い漏れしてしまうため、袋に生ゴミを入れる時には注意が必要です。
3.シンクのゴミ受けに生ゴミを溜めて捨てる
シンクの排水溝のゴミ受けに生ゴミを溜めておき、ある程度溜まってから捨てる人もいます。例えば、排水溝のゴミ受けにネットをセットして生ゴミを入れておき、食器や調理器具を洗ってからネットごと引き上げれば、水気も切りやすく便利です。
さらに、ネットに入った状態の生ゴミを新聞紙で包んだり袋に入れたりすると、生ゴミをばらけさせずにまとめられます。筆者も一人暮らし経験者で、独身時代からこの方法で生ゴミ処理してきました。ネットを毎日取り替えるだけで生ゴミの捨て忘れが防げるのが便利で、結婚後20年以上たった現在も同じやり方を継続中です。
ゴミ受けに溜めすぎると水が流れにくくなるので、少しでも詰まりそうなら早めに引き上げて処理してください。
4.三角コーナーに生ゴミを溜めて捨てる
三角コーナーをシンクの角にセットしておき、お茶がらや野菜の皮などの生ゴミを溜めて捨てる方法です。三角コーナー自体に水切り穴が空いており、簡単に生ゴミを入れられるため、調理中もストレスなく生ゴミをまとめて水切りできます。
ただし、三角コーナー自体はむき出しなので、ハエなどの害虫が集まりやすく臭いを遮断できないのが難点です。また、シンクの角に置くと水をかぶる可能性も高く、事前に十分な水切りをしてこまめに捨てなければなりません。
5.生ゴミ処理機やコンポストで処理
手軽さやエコロジーな生活を意識している人には、生ゴミ処理機やコンポストによる処理が注目されています。生ゴミ処理機とは、生ゴミを乾燥させる機械のことで、水分や臭いを気にせず処分できるのはもちろんのこと、乾燥した生ゴミを肥料にできるのがメリットです。
お値段は機能によって異なり、約2万円〜7万円以上と幅が広くお高めだが、住んでいる地域によっては助成金を申請できるため、思い切って購入する人も少なくありません。
コンポストとは、生ゴミを分解して堆肥を作る仕組みで、密閉できる大きめの容器に腐葉土を敷き詰め生ゴミを入れれば、微生物が生ゴミを分解し堆肥にしてくれます。しかし、コンポストは蓋を開け閉めする時に臭い漏れすることもあるため、近隣住人への配慮は必須です。
6.ディスポーザーで生ゴミを捨てる
ディスポーザーとは、生ゴミを粉々に砕いてから下水道へ流す機械のことで、排水溝からシンク下の機械へ生ゴミを落とせば、自動的に生ゴミが処理できます。ディスポーザーを設置した場合、生ゴミをまとめる手間も捨てる時の工夫もいらず、水漏れ・臭い漏れなしでスマートに処理できる点が人気です。
ただし、粉々とは言っても生ゴミを下水道へ流すため、下水処理施設が対応できない自治体では禁止されることもあります。また、集合住宅によっては設置できない可能性も高いので、事前によく確認してから購入を検討してください。
7.畑の肥料にする
畑や家庭菜園をしている人の中には、生ゴミを直接土に埋めて肥料として処分するケースも見られます。原理はコンポストと同じですが、生ゴミを畑に直接埋める分手間がかからず、ゴミの収集日に関係なく捨てられるので臭いに悩まされません。
その代わり、生ゴミを畑に直接埋めると野生動物や野良猫が掘り起こす可能性が高く、畑の作物も荒らされることがあります。土に埋めたい場合は、動物が近寄れないよう埋めたい場所を柵などで囲い、20cm以上の深さで穴を掘るといった対策を立ててから実行してください。
また、地域の空き土地を借りて畑を作っている場合は、生ゴミを埋めるとカラスが寄ってくる可能性があるため注意が必要です。
生ゴミを放置するとどうなる?
生ゴミは、こまめに処分すれば何の問題も起こりませんが、うっかり放置すると悪臭・害虫・カビの発生といった、酷い悪影響を受けてしまいます。しかし、実際に経験してみないとなかなかピンとこないため、「これくらいなら大丈夫かな」と軽く考える人も少なくありません。
では生ゴミを放置した場合、どのような状態になってしまうのでしょうか。生ゴミの放置で起こり得る事態を、以下で詳細にご紹介しましょう。
菌が生ゴミを分解する
生ゴミを放置すると菌が付着し、分解活動に寄って腐敗が進みます。湿気があり温度が保たれた環境下にある生ゴミは、菌にとって最高の繁殖場所なので、長く放置しているとあっという間に菌が繁殖し、食中毒などの健康被害を起こしかねません。
冷蔵庫などに保管された生ゴミなら多少は繁殖しにくいですが、それでも放置期間が長引けば生ゴミも徐々に分解され、最終的には腐ります。感染範囲が広がれば、生ゴミ以外の食べ物もダメになる可能性が高いです。
生ゴミからカビが発生する
生ゴミを放置するとカビが発生し、深刻な健康被害を招く可能性があります。カビは、菌と同様に湿度と温度が高い場所を好み、広範囲へ侵食するのもあっという間です。大量発生したカビは、さらなる繁殖場所を求めて胞子を飛ばすため、もし吸い込んだ場合は呼吸器官に多大な悪影響を受けてしまいます。
実は、筆者も友人に頼まれて片付けを手伝ったとき、友人が外に放置していた蓋つきゴミ箱をうっかり開けてしまい、大量にカビの胞子が舞ってかなり咳き込みました。すでに同じような状況になっている人は、あらかじめマスクやゴーグルを装着し、慎重に作業することが大切です。
生ゴミに害虫が湧く
放置された生ゴミは害虫を寄せやすく、腐敗が進んだ生ゴミを苗床にして多くの害虫が湧きます。特に、三角コーナーや排水溝に残された生ゴミは、害虫にとって格好の餌なので、放置しているとゴキブリやハエを寄せ付けやすいです。
袋に入れていたりゴミ箱に入れていた生ゴミは、たとえしっかり閉じていてもわずかな隙間からコバエが入り込み、卵を産み付けられてウジ虫の温床になることもあります。放置期間が長引いた場合、大量発生したハエが近隣にまで広がる可能性も考えられ、思わぬ近隣トラブルが起こるケースも珍しくありません。
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生ゴミから腐敗臭が充満
放置された生ゴミが腐ると、腐敗臭が室内に充満してしまい、最悪の場合専門業者による消臭が必要になります。生ゴミの腐敗臭は、破棄した直後はさほど気になりませんが、1日経つと不快感を感じるようになり、4日も放置すれば不快度はかなり高めです。
生ゴミの悪臭の原因は、付着した細菌の分解活動で発生した硫化水素やアンモニアと考えられますが、温度と湿度が高いと分解活動の速度も早まり、あっという間に腐敗臭が充満します。夏場の生ゴミ放置はさらに最悪で、ほんの1日〜2日で悪臭が酷くなり、かなりの掃除と消臭作業をしなければなりません。
生ゴミの臭い・害虫対策はこれ!
生ゴミは、捨てた瞬間からすでに腐敗が始まっており、害虫を寄せ付ける原因にもなります。何の対策も行なっていない場合、生ゴミの匂いも害虫のシャットも難しく、ひどくなってからでは対処法しか打つ手がありません。
生活している以上、生ゴミはどうしても出てしまうものなので、最初からしっかり予防策を立てておき、悪臭も害虫被害も最小限に抑えましょう。自宅でも簡単にできる、生ゴミの臭いや害虫対策を以下でご紹介します。
生ゴミはこまめに捨てる
生ゴミが出たときはこまめに捨てて、できるだけ溜めないように心掛けましょう。例えば、ビニール袋に生ゴミを溜める場合、心情としてはつい一杯になるまで放置しがちです。
しかし、生ゴミの腐敗は捨てた瞬間から始まるため、放置しておくとその分腐敗が進んでしまい、わずかな腐敗臭につられて害虫も寄ってきてしまいます。生ゴミが出たらその都度まとめてこまめに捨てれば、捨て忘れも減らせて害虫を寄せ付けません。
三角コーナーに生ゴミを放置しない
生ゴミ処理で三角コーナーを使用する場合は、使用する度に生ゴミを処分して放置を防ぎます。三角コーナーに溜まった生ゴミは、むき出しの状態なので腐敗臭も広がりやすく、ゴキブリやハエが簡単に寄り付ける状態です。
一度餌場になってしまうと、害虫は餌場と認識して集まってしまうため、気がつけば害虫の温床にされかねません。三角コーナーに少しでも生ゴミが溜まったらすぐ処分し、その都度洗って綺麗にすれば、匂いも残りにくく害虫予防にもなります。
蓋つきのゴミ箱で密閉する
生ゴミを燃えるゴミで捨てる場合は、蓋つきのゴミ箱で密封するようにまとめ、収集日まで保管してください。蓋つきのゴミ箱なら、保管中でも生ゴミの臭い漏れも防ぎ、害虫もシャットしやすいです。
事前に生ゴミを新聞紙で包んでおけば、水気も溜まらずより清潔に保管できます。それでも臭いや害虫が気になる場合は、消臭スプレーと害虫退治用スプレーを上手に併用しましょう。定期的にゴミ袋の中へ消臭スプレーをかけ、ゴミ箱の本体周りと蓋の内側に害虫退治用スプレーをしておくとより安心です。
夏場の生ゴミ、放置していいのは半日まで!
夏場の生ゴミは、最長でも半日スパンで処分し、それ以上の長さで放置してはいけません。夏場の気温と湿度は、細菌にも害虫にも好まれる環境で、ほんの半日でもあっという間に繁殖し始めます。
もし朝に生ゴミが出て、「夜でいいだろう」と処分を後回しにした場合、昼間の暑さで生ゴミが腐敗し帰宅したら悪臭が、という可能性も0ではありません。夏場の生ゴミはすぐに腐ると考え、こまめなゴミ捨てと徹底した対策で悪臭・害虫を阻止しましょう。
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一人暮らし必見!生ゴミを減らすコツ
日常生活を送っている以上、生ゴミの捨て方はどうしても無視できない問題ですが、そもそも生ゴミ自体が少なければさほど気に病む必要はありません。日本における生ゴミのほとんどは、野菜の皮や肉や魚の骨なので、買い物を工夫すれば物理的に生ゴミを減らせます。
特に一人暮らしの場合、生ゴミの悪臭・害虫対策も自分で行わなければならないので、これからご紹介するコツを見て、できそうな方法から試してみましょう。生ゴミを減らす具体的なコツを、以下で詳しく解説します。
魚はお店でさばいてもらう
食材として生魚を買うときは、お店でさばいて貰えば生ゴミも減らせて、処分する時も悪臭に悩まされません。魚の内臓は腐りやすく、元々の生臭さもあるため匂いもきつくなりがちです。
最初からお店でさばいて貰えば、生ゴミも悪臭も減らせるので扱いに困らず、わずかに出た生ゴミも楽に処分できます。一人暮らしの場合は、最初から切り身を購入したり魚の惣菜を買ったりなどして、できるだけ生ゴミが出ないよう買い方を工夫してください。
カット野菜などゴミが出にくい野菜を選ぶ
一人暮らしをしていて生ゴミの処分が面倒な人は、カット野菜や冷凍野菜といった、生ゴミが出にくい素材を選んで購入します。野菜の皮や硬くて食べられない部分は、調理をすれば明らかに生ゴミです。
安いと思って未処理の野菜を購入しても、こまめに調理しなければ腐らせやすく、生ゴミを増やしてしまいます。最初からカット野菜を購入すれば、食材を腐らせることなく生ゴミを減らせるので、経済的にも食材的にも無駄がありません。
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生ゴミの捨て方でよくある質問
生ゴミの捨て方には色々ありますが、どの方法も状況に合っていなければ思わぬ被害を出してしまいます。大切なのは、現在の状況に見合った生ゴミの正しい捨て方です。
さまざまな捨て方のうち、目の前にある問題を解決しやすい方法を行えば、悪臭や害虫の被害も最小限にできます。生ゴミの捨て方でよくある質問とその答えをご紹介するので、現在の悩みと照らし合わせて一番合った方法で生ゴミ処理をしてみてください。
マンションやアパートではゴミの日までどこに保管するといい?
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいて、ゴミの日まで生ゴミを保管したい場合、一番適切なのは蓋つきのゴミ箱をキッチンに設置しての保管です。集合住宅にもベランダや庭はありますが、近隣との距離が近いと万が一悪臭や害虫被害が出た時、周囲の人に迷惑をかけてしまいます。
最悪の場合、同じマンションやアパート内でトラブルが起こってしまい、住み心地が悪くなれば引っ越しせざるを得ません。たとえ住んでいる部屋の居住区内であっても、ベランダや庭は共同場所と考えて、生ゴミは室内のゴミ箱で保管しましょう。
戸建ては生ゴミはどうしてる?
戸建てに住んでいる人の生ゴミは、近隣と離れているなら庭にゴミ箱を置いて保管しても良いですが、できればキッチンにゴミ箱を置いての保管が望ましいです。外にゴミ箱を置いた場合、天候が悪いとゴミ箱が倒れる可能性が高く、散らかった生ゴミをカラスや野良猫が漁ることがあります。
ゴミ箱が散らからなかったとしても、季節によっては生ゴミが腐敗しやすくなり、害虫の温床になりかねません。たとえ戸建てに住んでいても、生ゴミの保管は室内で行うのが最適です。
生ゴミを捨て忘れて帰省…どうなる?
生ゴミを捨て忘れて帰省した場合、放置期間が長ければ腐敗も悪臭もひどくなり、害虫被害が起こることもあります。特に、ハエやゴキブリが活発になる春先から秋口までは、生ゴミを餌にして繁殖を繰り返し、帰宅したら室内が害虫だらけだった、という状況も大げさな予想ではありません。
特に、夏場は気温も湿度も高いため、半日帰省するだけでも生ゴミの放置は危険です。定期的に帰省する習慣がある人は、できれば生ゴミをビニール袋に入れて冷凍保管する癖をつけておき、万が一捨て忘れても問題ない状態を保ってください。
まとめ
生ゴミは水分が多く、放置すると悪臭や害虫被害を引き起こしやすいため、しっかり水分を取って密閉し、こまめに捨てることが大切です。捨て忘れが多かったり事前処理が面倒な人は、生ゴミ処理機やディスポーザーを使用すれば、悪臭や害虫被害もなくスマートに生ゴミ処理ができます。
どのような処分方法でもこまめに捨てるのが基本ですが、数日家を留守にする場合は蓋つきのゴミ箱を室内に置いて、密閉状態で保管するしかありません。生ゴミ処理が苦手な人は、お店で魚をさばいてもらったりカット野菜を買ったりなどして、生ゴミ自体を減らす努力もしてみましょう。
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