ゴミ屋敷と聞くと一軒家を思い浮かべる人も多いでしょうが、近年ではマンションやアパートのゴミ屋敷も急増しています。
マンションやアパートの一室がゴミ屋敷になった場合、オーナーは多大な損害を受けてしまうリスクがあります。
マンションやアパートの一室がゴミ屋敷になると、オーナーにはどんなリスクがあるのでしょうか?
また貸している部屋がゴミ屋敷になった場合、どうすればいいのでしょうか?
今回はそんな疑問を持っている、マンションやアパートのオーナーのために、ゴミ屋敷のリスクや対策について説明していきます。
目次
マンションやアパートで、ゴミ屋敷になりやすい理由
住宅がゴミ屋敷になる理由は様々ですが、マンションやアパートの場合、一軒家とまた違った理由があります。
ここではマンションやアパートならではの、部屋がゴミ屋敷になる理由について説明していきます。
一人暮らしの人が多い
一軒家や分譲マンションと比べて、賃貸マンションやアパートには、一人暮らしの人の割合が高くなっています。
家族で暮らしていれば、そのなかの誰かが片付けをしなくても、他の家族が片付けをしてくれたりします。
しかし一人暮らしの場合、他に片付けをしてくれる人はいません。
そのため、住人が片付けをせずにゴミがどんどん増えていけば、部屋はゴミ屋敷になってしまいます。
仕事の忙しさやストレス
一軒家のゴミ屋敷の場合、住人は仕事をしておらず、ほとんどの時間を自宅にこもって過ごしているケースがあります。
その点、マンションやアパートのゴミ屋敷の住人は、会社などに勤めている人が大半です。
それも社会的な地位が高かったり、忙しい仕事をしている人ほど、部屋をゴミ屋敷にしてしまう割合が高くなっています。
ゴミ屋敷の住人に特に多いと言われる職業が、看護師や教師などです。
彼らのように、職場で完璧な姿を求められる人ほど、自宅では理性が働かなくなり、部屋をゴミ屋敷にしてしまう傾向があるのです。
ゴミ屋敷によるマンションオーナーにとってのリスク
冒頭でも説明したとおり、貸している部屋がゴミ屋敷化することは、マンションやアパートのオーナーに大きな損害をもたらすリスクがあります。
ここでは、貸している部屋がゴミ屋敷になることで起こり得るリスクについて説明していきます。
ゴミ屋敷の近隣住民が退去してしまうリスク
マンションやアパートの一室がゴミ屋敷になると、その部屋から異臭がもれてきたり、ゴキブリなどの害虫が大量発生する場合があります。
なかにはゴミ屋敷の下の部屋に、汚水が染み出すケースもあります。
こうなると、ゴミ屋敷の近隣に住む人たちは、そのマンションやアパートから退去してしまう確率が高いと言えるでしょう。
マンションやアパートの住人が減れば、そのぶん家賃収入が減ってしまいます。
ゴミ屋敷の近隣住民に損害賠償を請求されるリスク
マンションやアパートのオーナーには、借主に対して、ゴミ屋敷ではない一般的な部屋の使い方をさせる義務があります。
貸している部屋のなかにゴミ屋敷があって、それが別の住人に迷惑をかけているとなれば、オーナーは債務不履行と見なされます。
そのためゴミ屋敷が原因で別の部屋の住人が引っ越しする場合、損害賠償として引っ越し代を請求されれば、高確率で支払いに応じなければなりません。
新しい住人が寄り付かないリスク
ゴミ屋敷が引き起こすリスクは、他の住人の退去だけではありません。
ゴミ屋敷があることで、新しい住人も寄り付かなくなる可能性が高いのです。
先ほども説明したとおり、ゴミ屋敷からは異臭や大量の害虫が発生する場合があります。
部屋を探している人が下見に来ても、部屋やマンション、アパートの共用部から悪臭がしたり、害虫がいれば、契約してくれる人はいないと言えるでしょう。
マンションの一室にゴミ屋敷がある場合の対策
ここまで、貸している部屋がゴミ屋敷になることで起こり得るリスクについて説明してきました。
マンションやアパートのオーナーにとってはどれも大きな問題なので、貸している部屋がゴミ屋敷になっている場合、早急に対策しなければなりません。
そこでここでは、貸している部屋のなかにゴミ屋敷がある場合の対策について説明していきます。
ゴミ屋敷の住人に片付けをするよう注意する
所有するマンションやアパートの一室にゴミ屋敷を見つけたら、住人に部屋を片付けるよう注意しましょう。
住人が、単に片付けを面倒だと思っているタイプの場合は、これだけで解決することも多いようです。
とはいえ、ゴミ屋敷を住民だけで片付けるのは簡単なことではありませんから、ゴミ屋敷の清掃業者に依頼するようアドバイスすることで、早くゴミ屋敷を解消することができるでしょう。
ゴミ屋敷の住人に退去を命じる
部屋を片付けるよう注意してもゴミ屋敷が解消されない場合は、最終手段として住人に退去を命じましょう。
とはいえ、いきなり退去させることは難しいので、何度も注意したうえで、「いつまでに片付けをしなかったら退去してもらいます」と伝えておくといいでしょう。
マンションの一室のゴミ屋敷化を防ぐ方法
先ほども説明したとおり、貸している部屋が一旦ゴミ屋敷になってしまうと、オーナーは様々な損害を被るリスクがあります。
そのため、貸している部屋がゴミ屋敷になることを未然に防ぐのがベストです。
貸している部屋のゴミ屋敷化を防ぐためには、管理会社と契約して、マンションやアパートの管理を委託するのもひとつの手段です。
管理会社では定期的に、マンションやアパートの共用部の清掃をしてくれるため、ゴミ屋敷になりそうな部屋があれば、オーナーよりも早く気づく確率は高いと言えるでしょう。
また、管理会社はゴミ屋敷になりそうな部屋を見つけた場合、オーナーにかわって住人に注意をしてくれるので、住人とのトラブルも避けられます。
まとめ
近年では、賃貸マンションやアパートの一室がゴミ屋敷になるケースも増えています。
マンションやアパートのオーナーにとって、貸している部屋がゴミ屋敷になることは大きな問題です。
なぜなら、マンションやアパートにゴミ屋敷があることで、他の住人が引っ越したり、新しい住人が寄り付かなくなってしまい、家賃収入が大きく減ってしまうからです。
貸している部屋のなかにゴミ屋敷を見つけた場合は、住人に片付けるよう注意したり、ゴミ屋敷の清掃業者を勧めるなどして、問題の解消に努めましょう。