大学への入学や就職で、一人暮らしを始めたという方は多いでしょう。
一人暮らしをするうえで悩みのタネとなるのが、生ごみの処分。
とくにワンルームに住む場合は、要注意です。
ごみ箱に捨てた生ごみの臭いが、部屋中に充満する可能性もあります。
生ごみの腐敗臭は、まさに悪臭そのものです。
この記事では、生ごみの臭いに悩む一人暮らしの方のために、効果的でおすすめな処分方法9選を紹介します。
適切な生ごみの捨て方を知って、快適な暮らしを手に入れましょう!
生ごみの嫌な臭いの原因は?ほおっておくとどうなる?
生ごみはそのまま放置しておくと、嫌な臭いを放つようになります。なぜ、このような嫌な臭いがするようになるのでしょう。
また、生ごみは放置しておくと虫・カビなどの発生源・温床にもなるので注意してください。
ここでは、生ごみの嫌な臭いの原因・虫やカビの発生と危険性についても解説します。
生ごみの嫌な臭いの原因
まず、生ごみの臭いの原因について説明していきます。
臭いの原因について知っておけば、この後で紹介する処分方法がなぜ効果的か、理解が深くなるはずです。
生ごみの嫌な臭いは、「嫌気性微生物」が、生ごみを分解することで起こります。
嫌気性微生物とは、酸素がなくても増殖する菌のことです。
この菌が生ごみを分解する時に、生ごみ独特の悪臭が発生してしまうのです。
嫌気性微生物が繁殖すると、臭いだけではなく、さまざまな有害物質も生み出します。
その結果、害虫の発生や健康に害が及ぶ可能性もあるのです。
私たちの暮らしを害する恐れのある「嫌気性微生物」が活発に動くことを防ぐには、繁殖しにくい環境づくりを行うことが大切です。
「嫌気性微生物」は、以下のような環境を好みます。
- ・水分が多い
- ・温度が高い
- ・酸素濃度が低い
もし、一人暮らしをしているあなたの自宅が、上記3つの項目に当てはまる場合は要注意です。
こうした環境に生ごみを放置していると、嫌気性微生物が繁殖し、生ごみの臭いが強くなってしまいます。
悪臭問題を解決するには、嫌気性微生物が繁殖しにくい環境に整えることが、重要な生ごみ対策です。
生ごみをベランダに放置すると虫が湧く
生ごみの置き場所に困るからといって、ベランダに放置する方法はおすすめしません。生ごみの腐敗臭をかぎつけて虫が寄ってくるからです。特にハエはにおいに敏感で、かなり遠い場所からでも集まってきます。
生ごみに集まってくる虫の代表として、ショウジョウバエがいます。サイズは小さく「コバエ」という名称で呼ばれることも多いハエです。また、汚い水を好むチョウバエも集まってくるでしょう。
このようなハエが集まってくると、やがてそこに卵を産み付けてハエが増殖する原因になるので危険です。
ショウジョウバエ・チョウバエといったハエは、外のいたるところにいるので、ベランダに放置するとすぐに集まってきて住み着いてしまうでしょう。あっという間に虫が湧いてしまうので、ベランダに放置しないでください。
生ごみからカビが発生する
生ごみにはさまざまなカビが発生します。その理由は、水分とカビに必要な栄養素が豊富だからです。カビの原因となる胞子は空気中に漂っており、生ごみにも簡単にくっついてしまいます。
一度カビが発生してしまうと成長して巨大なコロニーを形成し、近隣にカビの子供でもある胞子を放出するので危険です。放出された胞子は近隣にくっつき、新たなカビを発生させます。
またカビのなかには、人間にアレルギー症状を引き起こすものもあるので注意してください。
このように健康に悪影響を及ぼす原因にもなるので、生ごみの放置はやめましょう。
一人暮らしに役立つ!生ごみの処分方法9選
生ごみの臭いの発生原因が分かったところで、一人暮らしの方におすすめの生ごみ対策をひとつずつ解説していきます。
悪臭に効果的な生ごみ対策、処分方法は以下の9つです。
- ごみの日を忘れない
- 生ごみの水分をよく切ってから捨てる
- 三角コーナーは使わない
- 生ごみを新聞紙にくるんで捨てる
- 防臭のごみ袋に入れる
- 蓋付きのごみ箱を使う
- 重曹スプレーをかける
- 冷凍保存しておく
- 生ごみ処理機(家庭用コンポスト)を使用する
ちょっとした工夫で防げるものから、徹底的に防ぐものまでさまざまです。
それぞれの対策について、試しやすい順に見ていきましょう。
ごみの日を忘れない
生ごみは毎回、決められたごみの日に出すことが大前提です。
量が少ないからといって、ごみに出さずに溜めておくのは危険です。
どんなに少ない生ごみでも、放置する期間が長くなればなるほど菌が繁殖し、臭いが発生しやすくなります。
ごみの出し忘れには注意して、家の中にごみを溜めない習慣をクセづけしましょう。
基本的なことですが、これも重要な生ごみ対策のひとつです。
生ごみの水分をよく切ってから捨てる
生ごみの臭いの原因となる嫌気性微生物は、水分が多い場所を好みます。
水分をたっぷり含んだまま生ごみを処分すると、ごみ出しするまでの間に嫌気性微生物が繁殖しやすくなってしまいます。
とくに、野菜くずなど生鮮食品の生ごみは、水分が出やすいため注意が必要です。
生ごみが発する臭いをかぎづけて、コバエなどの虫が大量発生する恐れもあります。
よく、キッチンにどこからともなくコバエが現れることがありますが、これも生ごみの悪臭が原因であることがほとんどです。
コバエは嫌気性微生物と同じく、すさまじい繁殖力を持っているため、たった1~2匹でもあっという間に数が増えます。
悪臭とコバエで部屋が充満するのを防ぐためにも、生ごみは水気をよく切ってから処分しましょう。
三角コーナーは使わない
キッチンにあるシンクの隅に、生ごみ用の三角コーナーを置いている方もいるでしょう。
三角コーナーがあると、生ごみの置き場所に困りませんし、処分する時もひとまとめにできて便利ではあります。
しかし、生ごみの臭いを発生させたくないのなら、三角コーナーはおすすめしません。
生ごみが長時間置きっぱなしになりやすい三角コーナーは、雑菌の温床といえます。
また水分の多いシンク内に置くと、嫌気性微生物の繁殖を促してしまいます。
生ごみの臭い対策を行うには、できるだけ放置せず、すぐに捨てることが大切です。
三角コーナーを手放し、ごみをこまめに処分する習慣をつけた方が臭いは軽減されます。
生ごみを新聞紙にくるんで捨てる
生ごみは、新聞紙にくるんで捨てるのが有効です。
新聞紙にくるめば、紙が生ごみの水分を吸い取ってくれます。
さらに、新聞紙のインクには消臭効果があるため、発生した臭いも吸い取ってくれます。
つまり新聞紙にくるめば、嫌気性微生物の繁殖と臭いを同時に抑えられるのです。
生ごみを入れるごみ袋に、あらかじめ新聞紙を敷き詰めておいてもいいでしょう。
防臭のごみ袋に入れる
生ごみの臭いを防ぐうえでは、防臭のごみ袋も有効です。
防臭のごみ袋に生ごみを入れれば、袋を開けない限り、臭いが外に漏れるのを防げます。
生ごみの防臭袋は、インターネットショッピングなどでも購入可能です。
「生ごみ 防臭袋」で検索すれば、該当する商品がヒットします。
なお、防臭のごみ袋のなかには、生ごみ特有の嫌な臭いを中和するための特殊素材を使用したものもあり、これを利用すると防臭効果が高まるでしょう。
特に梅雨・真夏といった生ごみが早く腐敗しやすい時期に使用すると、嫌な臭いが抑えられるのでおすすめです。
蓋付きのごみ箱を使う
蓋付きのごみ箱を使うことでも、生ごみの臭いが外に漏れるのを防ぐことができます。
ただし、蓋付きのごみ箱に入れただけだと、蓋を開けた途端に生ごみの臭いが外に漏れてしまいます。
生ごみの水分を切る、新聞紙にくるむなどの対策と、並行して行うといいでしょう。
蓋つきのごみ箱には、さまざまな大きさのものがあります。こまめに中身を捨てたり袋を替えたりするのが面倒な場合は、大き目サイズのものを購入すると良いでしょう。
ただし長期間放置したままにしておくと生ごみが腐敗し、蓋を閉めていても嫌な臭いが漏れてきてしまうので注意が必要です。
生ごみが大量に出るなどの場合は大き目サイズのものをおすすめしますが、そうではない場合はこまめに捨てることを考慮して小さめのものをおすすめします。
重曹スプレーをかける
洗濯などに使われる重曹も、生ごみの臭い対策に向いています。
重曹は消臭効果があるだけでなく、菌の繁殖を抑える効果もあります。
生ごみは腐敗することで酸性になり、重曹はアルカリ性だからです。酸性のものにアルカリ性のものを噴霧すると中和され、嫌な臭いが軽減されます。
ごみ袋に生ごみを入れたら、重曹スプレーを吹きかけるだけでOKです。
重曹スプレーは、スーパーやネットショップなどで販売されています。
100ccの水に小さじ1杯の重曹を混ぜることでも、重曹スプレーが作れます。
また粉状の重曹は、生ごみの水分を吸収してくれる効果もあり、臭いと菌の発生・増殖を防ぐ2つの効果が期待できるのでおすすめです。
臭いだけを断つ場合は重曹スプレー、菌の発生・増殖も抑えたい場合は粉状の重曹も併用するなどの工夫をすると良いでしょう。
冷凍保存しておく
ごみ収集に出すまでの生ごみは、冷凍保存しておくのもひとつの方法です。
生ごみは放置する時間が長いほど、雑菌が繁殖するだけでなく水分も出ます。
雑菌の繁殖を防ぐには、水気を出さないことが重要です。
生ごみを放置せず、袋に入れて冷凍しておけば、嫌気性微生物が繁殖しなくなり、嫌な臭いの発生も抑えられます。
ただ、食材を保存する冷凍庫に生ごみを入れることに抵抗のある方は、冷凍庫内に「生ごみ置き場」を作り、食材とはしっかり分けられる工夫をしましょう。
臭いが他の食材に移らないよう、生ごみを二重にしたビニール袋に入れ、しっかり口を縛って捨てるなど、臭いや水気が漏れない工夫も必要です。
家庭用コンポストを使用する
生ごみの臭いを徹底的になくしたい方は、「コンポスト」の購入も検討しましょう。
コンポストとは、微生物の働きによって分解することで、生ごみを堆肥(肥料)にしたりできる機械です。
生ごみそのものを分解するため、臭いを防げるだけでなく、生ごみの量も減らせます。
まさに一石二鳥で、一人暮らしの生ごみ対策としては最強のアイテムです。
生ごみの処理に使えるコンポストは、次の2種類あります。
- ・生ごみコンポスト
- ・生ごみ処理機
この2つの大きな違いは、生ごみの処理方式です。
「生ごみコンポスト」は、ダンボールや密閉式の容器を使う2つの方法があり、嫌気性物質の活動を促して、生ごみを堆肥化します。
用意するものが少なく、低予算で始められますが、生ごみを入れた時の臭いが強烈です。
一方「生ごみ処理機」は、微生物や熱の力で生ごみを堆肥化します。
家電製品のため、購入資金のほか電気代がかかる場合もありますが、生ごみコンポストのような強い臭いはしません。
生ごみ処理機にも、バイオ式・乾燥式・ハイブリッド式の3種類あり、それぞれメリット・デメリット、設置場所が異なります。
微生物の力で分解するバイオ式は、屋外の設置が前提ですので、キッチンなど室内に置く場合は乾燥式がおすすめです。
電気を使わないため、音の心配がありません。
乾燥式の生ごみ処理機は電気代こそかかりますが、生ごみがパリパリになるまで乾燥処理を行うため、臭いはもちろん虫の発生も防げます。
臭いを徹底的にシャットアウトしたい方や、生ごみの量を減らしたい方は乾燥式が良いでしょう。
ハイブリッド式は静音で脱臭機能も備えた、まさに“良いとこ取り”の生ごみ処理機です。価格が高い分、使い心地は快適で、生ごみの悩みを一気に解決してくれます。
最近はコンパクトで設置場所に困らない、一人暮らし用のコンポストの取り扱いも増えてきました。
家電製品の生ごみ処理機は、1台数万円の購入費用がかかりますが、自治体によっては、生ごみ処理機の購入に補助金を出してくれるところもあります。
自分の住んでいる自治体で助成金が出るかどうか、購入前に調べてみましょう。
一人暮らしに向いているゴミ箱
一人暮らしをしていると、ゴミ箱のサイズに悩みますよね。家具店やインターネットで探してみると、さまざまな大きさのものが出ており、どのサイズを選ぶと良いのかわからない方もいるでしょう。
そこで一人暮らしの方がゴミ箱を選ぶ際に重視したほうが良いポイントについて解説します。
キッチンにおける大きさを選ぶ
生ごみなどを捨てるためのキッチン用のごみ箱は、キッチン周りにおけるサイズのものを選んでください。
たとえばごみ箱がキッチン周りから離れた場所にあると、生ごみを捨てる際に滴った水が下にこぼれてしまうかもしれません。床の場合はすぐに拭けば良いですが、毎回の拭き掃除は面倒でしょう。
また、じゅうたんなどのような敷物の上に生ごみから出た水をこぼしてしまうと、綺麗に拭き取っても臭いが残ったり、カビなどが発生したりする可能性があります。
これらの理由からキッチンにおける大きさのものを選んでください。
掃除しやすい形のゴミ箱
キッチン周りにおけるごみ箱のなかには、凝った形・デザインのものも多数出ています。おしゃれな見た目のキッチン周りにしたい場合には、このようなデザイン性の高いごみ箱を選びがちです。
しかし、形・デザインが凝ったものは掃除がしにくいデメリットがあります。鋭角になった部分に雑菌がたまり、掃除をしても取り切れずにカビを発生させる原因になるかもしれません。
特に角の部分は水垢・雑菌などがたまりやすい場所になるので、角が丸いものなど掃除しやすい形・大きさのものを選んでください。
分別や開閉ペダルなど機能性も大切
キッチンの近くに置くタイプのごみ箱なら、分別ができるものや開閉ペダルがついているものを選ぶと良いでしょう。
一度捨てたごみを改めて分別する作業は面倒です。また、ごみを出し入れする際に臭い・雑菌などが部屋中に広がる可能性も高くなります。捨てる際に分別できるものなら面倒な作業も必要なく、臭い・雑菌が広がる心配もありません。
開閉ペダル付きのものを選べば、両手がふさがった状態でもごみ箱の蓋が開けられるので便利です。濡れた手で蓋を触る必要もありません。
このように機能性に注目することも、ごみ箱を選ぶ際の重要なポイントといえるでしょう。
生ゴミを減らすコツ
一人暮らしをしていると生活スタイル・リズムなどから、生ごみを含むこまめなごみ処理が難しい場合もあるでしょう。その場合は、生ごみを減らすことも考えてみてはいかがでしょうか。
ここでは生ごみの処理方法ではなく、減らすコツについて解説するので参考にしてください。
計画的に食材を購入する
1週間の予定とざっくりと把握し、計画的に食材を購入すれば生ごみの量は減ります。
たとえば安いからと大量に購入してしまうと、賞味期限・消費期限切れで捨てなければならないものも出てきます。特に生ものは長期保存が難しいものもあり、使いきれない・食べきれないなどの理由から捨てざるを得ないこともあるでしょう。
計画的に食材を購入すれば、このような事態は避けられます。生ごみが減るだけではなく、経済的な負担も軽減されるのでおすすめです。
特に野菜・魚・肉のような生ものや保存期間が短いものについては、食べきれるだけ・使いきれるだけの量を購入するようにしてください。
野菜の皮や葉も食べる
野菜の場合は、皮・葉も食べるようにすると生ごみの量が減ります。
野菜・果物は皮にも豊富な栄養素が含まれているので、捨ててしまうのはもったいないです。
たとえばニンジンの皮の部分には、免疫力の向上が期待できるカロテンが多く含まれています。
また、リンゴの皮には鉄分・食物繊維などが豊富に含まれているので、皮のまま食べたほうが良いといえるでしょう。
このように、捨ててしまっている部分には実よりも豊富な栄養素が含まれていることが多くあります。これらも食べることで生ごみを減らすだけではなく、健康にもメリットがあるので食べることをおすすめします。
一人暮らしでゴミの処分に困ったらご相談ください
生ごみはこまめに処分しないといけないことはわかっていても、仕事や予定が詰まっていれば後回しになってしまうものです。特に生ゴミは増えれば増えるほど見た目も気持ち悪くなり、触るのも嫌になってしまうでしょう。
とはいってもいつまでも放置しておいても状況は悪化するばかりです。今が一番マシな状態ともいえます。今すぐに動くのが費用も被害も最小限になるということです。
当社では腰丈以上に積まれたゴミ屋敷でも1日で片付けしてきた実績もあります。生ごみの処分で行き詰ってしまったら、七福神へお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、生ごみの処分方法を9つ紹介しましたが、これらすべての方法を実践する必要はありません。
毎回ごみの日に出すのは大前提ですが、その他の方法をいくつか組み合わせれば、臭い対策としては十分でしょう。
生ごみの処理はこまめに行う家事ですから、無理せず自分に合う方法で続けていくことが一番です。
これから一人暮らしを始める方や、すでに始めている方は、「やりやすい」と感じた方法で生ごみの嫌な臭いを撃退してください。