実家を出て一人暮らしを始めたときは、解放感があって自由を感じた人は多いでしょう。
一人暮らしは自由で快適ですが、その分油断をするとだらしない生活になってしまう場合があります。
たとえ部屋が少しぐらい汚れていても、一人暮らしなら誰かから何かを言われる心配はありませんし、そもそも他人に迷惑をかける心配がありません。
しかしそれは、実家にいた頃のように親が勝手に部屋を片付けたり、掃除をしてくれるということもありません。
当然物は出したら出しっぱなし、汚れたら汚れっぱなしになっていきます。
そして気が付くと、部屋中に物やゴミが散乱して汚部屋になってしまい、それがもっと進むとゴミ屋敷ということがあるのです。
この記事では、一人暮らしの方向けに汚部屋レベルと汚部屋の片付け方について解説しますので、ご自分の部屋の汚部屋レベルをチェックして、もし汚部屋になっていると思ったら、ゴミ屋敷になる前に片付けていきましょう。
汚部屋を5段階でレベル診断します
汚部屋と一言で表しても、実は様々な段階があります。
ここでは自身の汚部屋レベルをチェックして、今のお部屋がどのくらいの汚部屋レベルなのかを知ってもらうと同時に、今後放置しておくとどうなっていくのかを解説しましょう。
レベル1:床に物が置いてある
汚部屋の最初はちょっとした物を片付けないまま床に放置することから始まります。
例えば、一回着た洋服や洗濯した洋服を、すぐにまた着るからと片付けないまま床や椅子に放置する。
ちょっと使った文房具や爪切りといった小物を、すぐに片付けずに適当な場所に置いておく。
そういった本当は片付けておくべきものが床に散らばり始めたら、汚部屋への第一歩と言えるでしょう。
ただし、この段階であればこまめに物を片付ければ良く、ちょっとの時間とちょっとの意識変化があれば汚部屋の克服は可能です。
部屋を早めに片付け始めることが重要です。
レベル2:床にゴミが置いてある
本当は捨てようと思っていたゴミなどが床に放置されてくると、汚部屋レベルは一つ上がります。
最初は空になったペットボトルが置いてあるだけかもしれません。
それがだんだんと飲みかけのペットボトルになり、ついには数週間前のペットボトルなどが当たり前に並ぶようになるでしょう。
次第に食べ終わった食事やお菓子といったものの容器や袋まで放置されてくると、これはかなり立派な汚部屋となります。
またゴミをゴミ箱に捨てていても、捨てられていないゴミ袋が溜まっている状態は汚部屋の始まりです。
うっかりゴミの日を忘れてしまったり、決まった時間までにゴミ袋を出しそびれることはあるかもしれません。
しかし、ゴミ出しの習慣がないことは汚部屋になる要因の一つです。
ゴミ袋に入れるだけで満足せず、きちんと最後のゴミ出しまでするようにしましょう。
レベル3:足の踏み場がない
片付けを先送りした物や、後で捨てようと思って置いておいたゴミなどが増えてくると、だんだんと床が見えないくらい物が散らばってきて、足の踏み場がなくなっていきます。
次第に床が物やゴミで埋め尽くされてきて、部屋の中を移動する場合には意識的に物をよけて歩かねばなりません。
部屋で何かをしようと思った場合には、床の上などに散らばった物を移動させねばならず、面倒だからとりあえず邪魔な物を適当に部屋の隅に追いやって作業をする。
当然ソファの上やテーブルの上、椅子の上などにも物が溢れてくるでしょう。
そして、常に物があるので掃除ができなくなり、掃除機をかける回数も減ってくるのです。
そうなると、髪の毛やホコリなどが床に散乱してきて、もうそのままでは他人を部屋に呼ぶことはできません。
ここまでくれば、もう立派な汚部屋と言えるでしょう。
レベル4:素足で歩くには気を使う
部屋の中を移動する際に、目に見えるものの下に何があるか分からず、ケガをしないように気をつけて歩かなければならない。
掃除をしていないので、素足で歩くと足にゴミが付き、靴下を履いていると靴下が黒く汚れてしまうでしょう。
そうなってくると、部屋の中を歩いただけなのに怪我をしたり、足を汚してしまう恐れがあるため、歩くだけでも気を使わねばならなくなり、日常生活を送るのにも支障が出てきます。
当然、害虫なども発生しやすくなり、これ以上になってくると汚部屋としてはゴミ屋敷といった方が良いレベルです。
誰かに手伝ってもらうか、誰もいなければ片付け業者に手伝ってもらって、一度綺麗にした方が良いでしょう。
レベル5:ゴミも必要な物も区別がつかず何がどこにあるかわからない
床に物が積み重なり、ソファやテーブルなどにも物が散乱して、それが長期間に渡って放置されている状態です。
積み重なった物やゴミの山の下の方に何があるのか分からず、食べ残しや生ゴミなどが腐敗して異臭を発しています。
また、転がっているペットボトルの中の飲み残しが明らかに変質している、といったレベルに達してくると汚部屋としては高レベルで、むしろゴミ屋敷と言えるでしょう。
ゴミの中でも特に生ゴミなどは、コバエや害虫などが増える原因になります。
ここまでくると、衛生環境の問題から心身ともに健康を害する可能性が高くなりますので、自力では対応するのが困難でしょうから、片付けの専門家である片付け業者に依頼して綺麗にしてもらった方が良いでしょう。
一人暮らしの汚部屋を片付ける方法
汚部屋レベルを知ると、まだレベルが低い人は安心するかもしれませんが、その先には高いレベルの汚部屋やゴミ屋敷が待っていると考えると、早く片付けたくなるのではないでしょうか。
全部自分で片付けようとする場合、人手が足りないのでタイパの良い片付け方をする必要があります。
そこで次は汚部屋になってしまった場合の片付け方について解説しましょう。
分かりやすいゴミから捨てていこう
部屋を片付けたいが何から始めたら良いか分からない場合、まずは分かりやすいゴミを捨てることから始めましょう。
洋服などが散らばっているのと違い、ゴミが散乱していると汚部屋レベルは一気に上がります。
そして、ゴミが散らばり始めると汚すことへの心理的抵抗が減り、汚部屋化は一気に加速していくのです。
そこで汚部屋レベルにかかわらず、最初はゴミをしっかり捨てることから始めると良いでしょう。
特に片付け初心者で何から始めて良いかわからない人などは、ペットボトルやお菓子の袋、コンビニやスーパーで買った惣菜の容器などは見つけやすく、ゴミの分別もしやすいので、最初はそういった物から捨てていくのがオススメです。
ペットボトルやプラスチック容器などは大きいのでゴミ袋も早くいっぱいになりますし、床などから物が消えていくのも目に見えるので、片付けをしているという達成感が得られます。
片付け初心者は片付けを継続することが難しい場合が多いので、こういう達成感の大きいところから始めるのが良いです。
また雑誌や燃えるゴミも迷わずに処分できるものの一つですので、とにかくまずはゴミをゴミ袋に入れて部屋に散らかっているゴミを減らすことから始めましょう。
必要なものとゴミを仕分けよう
次に明らかにゴミとまで言えないものを仕分けて捨てていきましょう。
一つ一つ手にとって確認し、本当に必要なものだけを残し、使っていないものや使う予定のないものはとりあえずゴミ袋に入れていきます。
ゴミの分別をしながら種類別にゴミ袋を分けて集めていっても良いのですが、ゴミの分別で頭を悩ませていると、やる気が失われて途中で片付けるのが嫌になってしまいます。
考えたり調べたりしているだけで時間がなくなり、せっかく始めた片付けが中途半端になってしまう可能性があります。
そこで、まずは要らないもの、捨てて良いものをゴミ袋に入れて、あとで仕分けをするようにしましょう。
また要るか要らないかの判断に迷った場合には、一定期間以上使っていないもの、例えば一年以上使っていないものは捨てる、と自分なりの基準を作ると迷わずに済みます。
とにかく片付けの手を止めずに最後までやりきることが重要です。
ゴミをまとめて分別しよう
要らないものを集めたら、次はゴミの分別です。
地域や自治体によって、ゴミ出しの日や分別の仕方は異なります。
マンションなどの集合住宅においては、独自のゴミ出しのルールが定められている場合もあるでしょう。
集めたゴミを分別する前に、一度そういったルールをまとめて確認することが重要です。
確認ができたら、ゴミ出しの日が近いゴミからまとめていきます。
事前にゴミの収集日を考慮してゴミ袋を整理しておくことで、ゴミ出しをスムーズに行うことができるでしょう。
ゴミの分別に悩んだら、ゴミ分別アプリを利用する方法がお勧めです。
必要なものの収納場所を決めよう
要らないものを捨て、必要なものが確定したら、今度はそれを収納スペースへとしまっていきます。
洋服など判断がしやすいものから始めて、雑貨や小物、思い出の品といった順に進めていくとスムーズに片付けができるでしょう。
収納場所を決めていく際には、よく使うものほど使う場所から近く取り出しやすい場所に収納すると、後で使うときにも片付けるときにも便利です。
最後はお掃除しよう
物が収納されて片付いたら、最後はお掃除です。
ゴミや物に隠れていた床や壁には、ずっと掃除してこなかった分のホコリや汚れが蓄積しています。
そうしたホコリや汚れを放置していてはキレイで住みやすい快適な部屋にはなりません。
まずは積もっているホコリを高いところから順にモップや雑巾などで取り除き、掃除機をかけて、最後に水拭きまでできればベストです。
汚部屋にならないための4つのポイント
せっかく汚部屋を片付けてキレイにしても、以前と同じ生活をしていてはすぐに汚部屋へと戻ってしまいます。
では、汚部屋になりがちな人はどんなことに気をつけると良いのでしょうか。
次は油断していると汚部屋になりがちな人が部屋を汚部屋に戻さないために気をつけて欲しい4つのポイントをお教えします。
1.ゴミはゴミ箱へ
ゴミが出たら面倒くさがらずに、すぐにゴミ箱やゴミ袋に入れるようにしましょう。
多くの場合、ゴミを後で捨てようと思ってそのまま放置することから汚部屋化は始まります。
ゴミが部屋中に散らばってくると、ゴミや物を放置することに抵抗がなくなって、一気に汚部屋化が進むのです。
まずはゴミが放置されていない部屋を目指して、出たゴミはすぐに捨てる習慣をつけていきましょう。
2.ゴミ袋は定期的に捨てよう
ゴミ袋はできれば毎週捨てていくようにしましょう。
ゴミ袋に入っていても、そのまま放置していると生ゴミなら腐っていきますし、そこに害虫が発生することだってあります。
また場所を取る大きなゴミ袋が部屋の中にあると、より部屋が狭くなってしまい、片付けるための収納スペースも減ってしまいます。
常に部屋の中に捨てられないゴミ袋があると、部屋をキレイに使うという意識が低下してしまうので、汚部屋化しても気にならなくなるでしょう。
ゴミ袋に入れることでゴミを捨てているつもりでも、ゴミ袋を回収してもらうところまでやらなくては意味がありません。
特にゴミ袋が溜まってしまうタイプの人は、できるだけ毎週こまめにゴミを出すようにし、まずはゴミ出しの習慣をつけるようにしましょう。
3.収納場所を決めて片付けよう
使う物はすべて収納場所を決めて、使い終わったらすぐにもとの決めた場所に戻すようにしましょう。
あとで片付けようと思って床などに放置しておくと、いつの間にかそれが常態化していきます。
洋服であればそのまま片付けることなく、次の日にまた着ていくということになります。
そうして物が放置されていくと、あっという間に部屋中にいろいろなものが散らばっていき、そこが本来の保管場所であるかのようになるでしょう。
- 使った食器はすぐに洗って乾かす
- 選択した洋服はすぐに畳んで決まった場所にしまう
- 読み終わった本は本棚に入れるか、もう読まない場合は捨てる
そういったことを習慣づけていけば、再び部屋に物が散らかるということはないでしょう。
4.掃除する日を決めよう
掃除をする習慣をつけるためにも、まずは掃除をする日を決めましょう。
例えば、毎月最後の土曜日は掃除をすると決めることで、最低でも月一回は掃除をしようという意識付けをすることができます。
掃除をする際には、まずは目につきやすい場所、掃除機をかけやすい場所から始めていくと良いでしょう。
部屋がキレイになり、掃除にも慣れてくると、だんだんと細かい場所や目に見えない場所にも気を配れるようになってきます。
目に見えない物の裏側や部屋の隅にホコリや髪の毛は溜まりやすいので、特に注意して掃除すると良いでしょう。
一人で片付けられない汚部屋をどうするか
汚部屋の掃除をしようとしても、一人では大変な場合があります。
片付けに時間がかかってしまうと、最初はあったやる気もだんだんと無くなってきますし、その上体力もなくなってくると途中で片付けるのをやめてしまう可能性は高くなるでしょう。
そういったことを考えると、誰かに手伝ってもらい、かかる時間や作業負担を減らすということも重要です。
そこでこういう時に頼れる存在について、ご紹介します。
家族に頼る
まず頼りになるのは家族です。
親や兄弟姉妹など、相談しやすい存在がいる場合、まずは相談してみると良いでしょう。
多少は怒られたり、嫌なことを言われたりして不快な思いをするかもしれません。
ただ、家族であれば部屋に入れても気を使う必要はありませんし、お金がなくても無料で手伝ってくれるはずです。
友人や知人に頼る
一人暮らしの場合、家族が近くにいない場合もあるでしょう。
その際には、友人や知人を頼るのも一つの手です。
汚部屋を友人や知人に見せるのは恥ずかしいでしょう。
片付ける過程で、あまり見られたくない物まで見られてしまうかもしれませんし、場合によっては、あなたのイメージが変わって、今までとは関係性が変わってしまう場合もあるかもしれません。
でも、友人知人であれば、手伝ってくれる際には、多少の飲食代程度の負担か、人によっては無料で手伝ってくれるはずです。
頼れる友人や知人がいて、あまりお金がない場合などには選択肢の一つになるでしょう。
便利屋に依頼する
「知り合いには部屋を見られたくない」
「汚部屋の片付けを頼めるほど親しい友人や知人がいない」
そういう場合には、便利屋に依頼するというのも一つの方法です。
便利屋にお願いすれば、部屋の片付けも業務として請け負ってもらえます。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者はゴミの回収もしているので、汚部屋の片付けも依頼できます。
そういうゴミを回収するための車両なども持っていたりしますので、全てのゴミを一度に持っていってもらえるでしょう。
しかも小さなゴミばかりでなく、粗大ごみのような大きなゴミも一度に回収してくれるので、片付けた後のゴミの処分を考えなくても良いというメリットがあります。
汚部屋での一人暮らしから卒業しよう
汚部屋レベルと汚部屋になってしまった場合の片付け方について解説しました。
物はすぐに片付けるようにし、こまめにゴミを捨て、定期的なゴミ捨てと掃除の習慣をつけることができれば、汚部屋やゴミ屋敷になることはありません。
ただ、最初の一歩を踏み出す時、一人では片付けや掃除をすることが無理だと思われることもあるでしょう。
そうした場合には、片付け業者に依頼するという選択肢もあります。
特に不用品回収業者であれば、ゴミの回収まで一度にやってもらえてゴミ出しの心配もなくなりますので、選択肢の一つに入れておくと良いでしょう。