孤独死が起きてしまったら、できるだけ早く片付けることが大切です。しかし、費用が気になって業者に依頼するのを迷っている方もいるでしょう。
孤独死の片付け費用について、以下のような疑問はありませんか?
- 孤独死の片付けにかかる費用の相場は?
- 孤独死の片付け費用は誰が払うべき?
- 遺品整理は自分でできるの?
この記事では持ち家や賃貸一人暮らしなどケース別の孤独死の片付け費用、業者を利用するメリットなどについて紹介します。
目次
孤独死が発生した際の片付け費用
孤独死が発生した際の片付けにかかる費用は、主に遺品整理と特殊清掃の2つです。ここでは専門業者に依頼するのにかかる費用の相場を間取りや作業内容に応じて紹介します。
【間取り別】孤独死の片付け費用
間取りならびに部屋の広さ、荷物の量によって片付け費用は異なります。間取り別の遺品整理費用相場は以下の通りです。
1R・1K:30,000円〜100,000円
1DK~3LDK:50,000円~400,000円
4DK以上:200,000円〜600,000円
間取りが同じでも部屋が広いほど多くの作業員が必要になるため、費用が高くなるのが一般的です。賃貸で一人暮らしの場合のように、1Rや1Kの間取りで荷物が少なければ1〜2人の作業員による3時間程度の作業で終わるため、100,000円以下で収まるケースが多くなります。一方、持ち家の戸建てなどでは広いうえに長く住んでいて大量の荷物が残っているケースも多いことから、数十万円もの費用がかかることもあります。
孤独死での特殊清掃費用
孤独死が起きた部屋では一般的に特殊清掃が必要です。清掃費用は間取りや作業内容などによって異なります。
【間取り別の相場】
1R・1K | 80,000~300,000円 |
1DK~3LDK | 150,000円~500,000円 |
4DK以上 | 300,000円~700,000円 |
【場所別・作業内容別の相場】
リビング | 床の切断作業 | 35,000円 |
オゾン燻蒸 | 30,000円~ | |
特殊コーティング | 1箇所:5,000円 | |
リビング・キッチンのクリーニング | 15,000円 | |
窓のクリーニング | 1箇所:5,000円 | |
トイレ | 便座脱着作業 | 10,000円 |
床下洗浄コーティング | 35,000円 | |
床の切断作業 | 35,000円 | |
洗面所の撤去 | 15,000円 | |
トイレのハウスクリーニング | 10,000円 | |
お風呂 | 浴槽の清掃(水が張ってある状態) | 100,000円 |
浴槽の清掃(水がない状態) | 80,000円 | |
浴槽の消臭作業 | 30,000円 | |
浴槽の消毒作業 | 15,000円 | |
お風呂のハウスクリーニング | 10,000円 |
汚れが床下に染み込んだり、壁紙に臭いがついたりしていると床板切断・壁紙交換などの大掛かりな作業が求められます。そのため、発見や作業の開始が遅れるほど費用が高くなる傾向にあります。
孤独時の片付けにかかった費用実例
孤独死の片付けには数十万円もの費用がかかることが少なくありません。しかし、なぜそれほど多くの費用が必要なのかと疑問に思う方もいるでしょう。片付け費用が高くなるのは、基本的に発見されるまでの時間や亡くなったときの状況、部屋の広さなどにより、多くの作業員が必要だったり作業内容が増えたりするときです。ここでは3つのケースを紹介しますので、参考にしてください。
1R:リビングでの孤独死
一人暮らししていた方が持病で1Rのリビングで亡くなり、ご遺族から片付けを依頼された事例を紹介します。片付け費用の合計は20万円、内訳は以下の通りです。
【内訳】
- 基本料金:85,000円
- 床板切断:35,000円
- 床下洗浄:35,000円
- 脱臭:30,000円
- コーティング:15,000円
このケースでは発見が遅れたことで床まで汚れが染みていたため、コンパクトな部屋で基本料金は抑えられたものの、床下の清掃や特殊な機材による脱臭などの費用が上乗せされています。
2DK浴室:孤独死での片付け
入浴中に体調を崩し、亡くなるケースは少なくありません。水を張った浴槽の清掃は特に時間と労力を必要とするため、浴室で亡くなった場合は浴槽の汚れの程度によって費用が変わります。2DKの浴室で、入浴中に浴槽で亡くなったケースでは法定相続人であるご遺族が320,000円の費用を負担しました。
【内訳】
- 基本料金:140,000円
- 水が張られた浴槽の清掃:100,000円
- 浴槽の消臭・消毒:50,000円
- 水質検査:30,000円
浴槽内で孤独死した場合、原状回復のために清掃に加えて消臭・消毒、水質検査も行われるため、料金が高くなる傾向にあります。
戸建て:遺品整理と特殊清掃
部屋数が多く面積が広い戸建ては、アパートやマンションと比べて片付け費用が高くなる傾向にあります。4LDKの戸建てで長年一人暮らしされていた方が亡くなったケースでは、遺品整理と特殊清掃に約3日間、合計800,000円の費用がかかりました。
【内訳】
- 遺品整理費用(4LDKの基本料金):300,000円
- 特殊清掃費用:500,000円(リビングの床板切断・床下清掃、各部屋の消臭など)
荷物の量が多かったり、汚れが広範囲に広がっていたりすると遺品整理や特殊清掃の費用が増えます。戸建ての場合、遺品整理と特殊清掃で100万円以上かかることも珍しくありません。
孤独死の片付けを業者に頼むメリット
孤独死の片付けには多くの費用がかかるため、自分でできないかと考える方もいるでしょう。特に遺品整理については、孤独死以外のケースでは遺族が行うことも少なくありません。しかし、基本的に孤独死の場合は片付けを業者に頼む方がメリットは多いといえます。ここでは孤独死の片付けを業者に頼むメリットを4つ紹介します。
専門知識・技術をもって対応してくれる
孤独死の片付けを業者に依頼するメリットの1つが、専門知識や技術を用いてしっかりときれいにしてもらえることです。費用を抑えるために自分で片付けしたものの、汚れや臭いを取り切れずに結局業者に依頼することになるケースは少なくありません。
次の「安全性・衛生面に配慮した対応が期待できる」でも解説しますが、孤独死の片付けや掃除には専門的な知識が必要になるため、個人の方では十分な対応はできないと考えた方がよいでしょう。
たとえば、汚れの程度によっては壁紙や床板の交換が必要になるようであれば、ご自身では対応できない可能性が高いです。確実に部屋をきれいにするためにも、はじめから業者に依頼するほうがよいでしょう。
また、遺品整理も自分ですることで時間をかけすぎてしまったり、重要な書類を誤って捨ててしまったりといった失敗を招くおそれがあります。
安全性・衛生面に配慮した対応が期待できる
特殊清掃や遺品整理業者はマスクや防護服を着用し、安全性・衛生面に十分配慮しながら作業を行います。孤独死が起きた部屋にはウイルスや病原菌が多いため、中に入って自分で片付けることには感染症のリスクがあります。また、周囲にウイルスや菌を撒き散らすのを防ぐため、特殊清掃が終わるまで窓を開けられないことにも注意が必要です。
部屋の汚れの程度や所持品の量によるものの、一般的に孤独死した部屋の片付けには最低でも数時間かかります。その間、閉め切った部屋の中で作業する危険性や身体的な負担を踏まえれば、専門家である業者に任せるのがよいといえます。
ノウハウを活かし迅速に処理してくれる
業者に依頼すると短期間で部屋の片付けを終わらせてくれることがメリットです。特殊清掃はそもそも個人で行うのが難しいうえ、遺品整理までも含めると片付けに1日から1週間以上、長いと1年以上の期間がかかる方もいます。遠方に住んでいる方や仕事をしている方は、まとまった時間を確保するのが難しいためより長い時間がかかる傾向にあります。
専門の業者であれば、1R・1Kで1〜3時間、4DK以上の部屋や戸建てでも1〜2日程度で作業を終わらせることが可能です。特に賃貸している部屋を早急に明け渡す必要があるときには、スピーディーに片付けられる業者に依頼しましょう。
遺族の精神的負担が軽減される
特殊清掃や遺品整理を業者に任せる場合、直接部屋に入る必要がないため遺族の精神的負担が軽減されます。故人の痕跡の残る部屋に立ち入るのは、遺族にとって大きな精神的負担です。何時間または何日も部屋の中にこもって作業することで、気分が悪くなることも考えられます。また、特殊清掃後に遺品整理を行う場合であっても、故人が暮らしていた部屋や所持品を見るのが辛いという方もいます。
業者に依頼する場合でも、事前に希望を伝えておけば大切なものや貴重なものを残しておくことが可能です。故人とのつながりが深い場合などで、どうしても自分で遺品整理したいという方以外は、業者に依頼することを検討しましょう。
孤独死の片付け費用は誰が払うのか
一般的に孤独死の片付けにかかる費用は、特殊清掃や遺品整理などで数万円から数十万円です。持ち家の場合は所有者の負担になり、所有者が亡くなっているときは原則として法定相続人が費用を負担します。
一方、賃貸物件の場合、片付け費用を負担するのは借り主または連帯保証人の義務です。孤独死のように一人暮らしで借り主が亡くなってしまった場合も連帯保証人が片付け費用を負担するという流れになります。
しかし、孤独死では連帯保証人も亡くなっていたり、連絡がつかないケースも多々あります。連帯保証人に請求できないときには借り主の法定相続人が賃貸契約を引き継ぐため片付け費用も負担する必要があり、故人の遺産や保険金から費用を捻出する場合もあります。
なお、法定相続人が相続放棄し、他に身寄りがないケースでは保険会社や保証会社、大家や不動産会社などが費用を負担して片付けることになるでしょう。
孤独死が発生してしまったときの対処の流れ
孤独死が発生したときは誰でも動揺してしまうものですが、慌てずに以下の流れで対処しましょう。
- 遺体発見の発見、もしくは警察や不動産会社からの連絡
- 死亡届の提出
- 葬儀、火葬の準備
- 部屋の清掃
- 遺品整理
自分で遺体を発見したときは、まず警察に連絡し確認してもらいましょう。遠方に住んでいる場合などは、遺体を発見した警察や不動産会社からの連絡で孤独死に気づくこともあります。
警察が死亡を確認したことを証明する死体検案書を受け取ったら、役所へ死亡届を提出します。警察での手続きに時間がかかることがあるため、余裕があれば待つ間に葬儀社や特殊清掃業者を探すとよいでしょう。葬儀社や地域によっては死亡届の提出を代行してもらえることもあります。
葬儀、火葬が終わったら部屋の清掃を進めましょう。特に賃貸物件の場合は、借り主の死亡後は法定相続人が契約を引き継ぐとされているため、家賃を払う義務が発生します。できるだけ早く特殊清掃で部屋をきれいにし、賃貸契約を終了させることが費用を抑えるコツです。
また、部屋を引き渡すには遺品整理も必要です。部屋の中の状況や遺品の量などによって清掃が終わってから遺品整理を行うケース、両方を同時並行で進めるケースがあります。
まとめ
孤独死が起きた部屋を片付けるには特殊清掃と遺品整理が必要です。間取りや作業内容に応じて異なるものの、どちらも業者に依頼すると数万円から数十万円の費用がかかります。費用を抑えるために自分でしようと考える方もいますが、確実な効果を得られる業者に任せる方がよいでしょう。安全・衛生面でのリスクや精神的負担なども避けられます。
なお、孤独死があった部屋の片付け費用を支払うのは持ち家であれば所有者、賃貸であれば借り主です。亡くなっている場合は連帯保証人や法定相続人に支払い義務が引き継がれます。
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