「20代でも孤独死する人はいる?」
「一人暮らしの息子となかなか連絡が取れず、生活の様子が分からず心配……」
などと気になっていませんか。
「孤独死は高齢者の問題」というイメージを持つ人は多いですが、実際には現役世代の孤独死も少なくありません。20代以下の若者でも、孤独死するケースは実在します。
今回は20代以下の若者で見られる孤独死の実態や原因、対処法などを解説します。若者の孤独死は周囲のちょっとした心がけで防げるケースも多いので、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 20代以下の若者の孤独死の実態
- 若くして孤独死する人の特徴
- 20代の若者の孤独死を防ぐには……。
目次
意外と多い!20代若者の孤独死
孤独死は高齢者だけの問題ではなく、孤独死全体の約3%が29歳以下の若者だったという報告もあります。
一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が2024年12月に公開した「第9回孤独死現状レポート」によると、2015年4月~2024年3月に集計された少額短期保険会社のいわゆる孤独死保険に加入している被保険者のうち、年齢不明を除いた10065人のうち326人が29歳以下の若者だったことが判明しています。
20代以下の割合は、孤独死全体の3.2%です。数が多いとまでは言えませんが、29歳以下の若者にとって孤独死は決して他人事ではありません。深刻な社会問題として、若者の孤独死にも注目する必要があります。
若者が孤独死する原因
前述の第9回孤独死現状レポートでは孤独死全例での死因は、1位が病死(62.0%)、2位が自殺(9.2%)、3位が事故死(0.9%)となっています。しかし、若者は自殺者の割合が顕著に多い点に注意が必要です。
次の表に示すように、自殺による孤独死の割合は年齢層が低いほど高くなっています。
【孤独死現状レポート】
孤独死者の年齢階級別自殺者の割合(n=919)
~20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代~ | |
全体 | 25.1% | 23.7% | 20.8% | 15.2% | 9.2% | 4.2% | 1.8% |
男性 | 21.7% | 23.9% | 21.3% | 16.5% | 9.8% | 5.1% | 1.7% |
女性 | 36.1% | 22.7% | 19.0% | 11.1% | 7.4% | 1.4% | 2.3% |
(参考:第9回孤独死現状レポート|日本少額短期保険協会孤独死対策委員会)
もちろん、20代の孤独死の死因は自殺だけではなく、他の年齢層と同じように病死する例も少なくありません。若者が孤独死に陥る原因を、3つの側面から解説します。
経済的困窮
20代の孤独死には、経済的な困窮が影響している可能性が高いです。就職難や非正規雇用などで安定した収入を得られず、苦しい生活に追い込まれる若者が少なくありません。食費を削って栄養不足に陥ったり、住居費や光熱費を省こうとして生活の質を落としたりすると健康状態が悪化してしまいます。
また、友人などとの交際費を捻出する余裕もなく、孤立を深めるケースも考えられます。経済的な不安は精神的なストレスとなり、うつ病や不安障害などのメンタル疾患を発病する可能性も否定できません。これらの要因が重なって、最悪の場合には20代でも孤独死に至る場合があります。
社会的孤立
経済的な困窮と並んで大きな問題となりうるのが、20代の社会的孤立です。孤立状態だと病気やケガのときに誰にも相談できず、適切な医療を受けられずに状態が悪化する可能性があります。
就職活動の難しさや職場の人間関係などの困難に直面して、孤立感を深める若者は少なくありません。社会的孤立は精神的なストレスに直結し、うつ病などの精神疾患を引き起こすリスクを高めます。社会的孤立が経済的な困窮や精神的な問題と絡み合うと、孤独死のリスクがさらに高まるおそれがあります。
人間関係の希薄化
若者世代で人間関係が希薄化しているのも、孤独死につながる背景と言えます。現代の日本は核家族化が進んでおり、地域コミュニティも希薄になっています。昔に比べると、現代は人間関係を深めるのが難しい時代です。
昨今はインターネットが普及しているため、ネット通販などを活用すればお店で店員と顔を合わせなくても必要な物を買いそろえることが可能です。新型コロナウイルス感染症の影響で職場の飲み会が減ったり、各種イベントが中止されたりしたのも人間関係の希薄化を加速させた可能性があります。
人間関係が希薄だと誰にも相談できないまま状況が悪化したり、精神的に思い詰められたりするため注意が必要です。
20代で孤独死しやすい人の特徴
20代で孤独死しやすい人には、次の特徴が見られます。
- 一人暮らしをしており、家族は遠方にいる
- 自炊をしない
- 対面での人との関わりが少ない
- 生真面目・プライドが高い人
- 外出をしない
- 趣味がない
- 非正規雇用・過重労働の環境にいる
これらがなぜ孤独死につながりやすいのか、詳しく解説します。
一人暮らしをしており、家族は遠方にいる
20代の一人暮らしで、なおかつ家族との物理的な距離が大きい人は孤独死のリスクが高いと言えます。気軽に相談できる家族が近くにいないため、孤独感からストレスを溜め込んでしまうためです。
体調不良や抑うつ状態などの際にも、近くに家族がいないと不調に気づいてもらえず深刻化するおそれがあります。また、家族の目が届かないと生活習慣が乱れ、不健康な生活を送ってしまう若者もいます。不規則な生活や偏った食事を続けていると心身への悪影響となり、孤独死のリスクを高めることにもなりかねません。
仲の良い友人や恋人などが身近にいれば相談相手になってくれますが、親しい人がいない場合はとくに注意が必要です。
自炊をしない
孤独死する若者の特徴として、自炊しないことが挙げられます。外食やコンビニ食に頼っていると栄養バランスが偏って、病気になりやすくなります。また、自炊の習慣がないと食事の時間や場所が不規則になるため、生活リズムの乱れや睡眠障害にも注意が必要です。
自炊が面倒になる人は掃除やゴミ出しなども怠ることが多く、生活空間が汚れるとストレスが溜まったり、アレルギー疾患などにかかったりする場合があります。汚い部屋では友人や恋人を呼ぶこともできず、周囲から孤立する可能性も否定できません。
自炊の習慣は単に栄養を摂るという目的だけではなく、健康管理や周囲とのコミュニケーションにもつながる要素と言えます。
対面での人との関わりが少ない
人間関係の希薄化は孤独死のリスクファクターであるため、対面でのコミュニケーションが少ない若者は孤独死に注意が必要です。
インターネットを介したコミュニケーションは気軽で便利ですが、リアルで対面するのと比べて共感や安らぎを得られにくいという欠点があります。また、ネットショッピングだと店員と接する機会がないため、「誰かと会って話す」という機会を失っている側面があります。
買い物で実店舗に言って店員と短いやりとりをするのも、社会とつながる一場面です。無意識でも気晴らしになっている可能性があるため、1日をふり返って対面コミュニケーションがまったくなかった人は意識的に外で誰かと接してみましょう。
生真面目・プライドが高い人
真面目でプライドが高い若者も、孤独死のリスクを抱えています。「この程度のことは自分一人で解決しなければならない」「他人の力を借りたくない」という気持ちから、悩みや健康上の問題などを自分だけで抱え込んでしまうためです。
就職活動や人間関係で悩んでいても、真面目な人は家族や友人に相談することができずに一人で悶々と悩み込んでしまいます。収入が安定しなくて生活が苦しい場合にも、誰にも弱音を吐けずに周囲から孤立してしまう危険があります。結果として精神状態が悪化し、うつ病などを発症する場合もあるため注意が必要です。
外出をしない
孤独死しやすい若者の特徴のひとつに、外出しないことが挙げられます。外に出ないで家に引きこもっていると、人と交流する機会が減って社会的に孤立してしまうからです。また、ずっと家にこもっていると生活リズムが乱れ、睡眠障害などに陥る危険性が高まります。
外出して日光を浴びると体内時計が整い、幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。このため、睡眠の質を高めたり、心を安定させたりするには日光を浴びることが重要です。部屋にこもりっぱなしの生活は、コミュニケーション不足と健康状態の悪化という両面から若者への悪影響となりえます。
趣味がない
趣味や楽しみがない若者も、孤独死に注意が必要です。趣味は心の潤いとなり、ストレス解消や気分転換の効果をもたらします。無趣味の人はこれらを得られず、楽しみのない生活に陥りがちです。
また、趣味は仲間を増やすきっかけにもなります。サークル活動やカルチャースクール、オフ会などで交流すると、孤独感が和らぎます。同じ趣味の人同士は意気投合しやすいため、普段はコミュニケーションが苦手な人でも気軽に仲間を増やせる場合があります。
「たかが趣味」と軽く見るのではなく、ストレス対策やコミュニケーションツールとして趣味を持つことをおすすめします。
非正規雇用・過重労働の環境にいる
20代で孤独死する若者の多くが、非正規雇用や過重労働という厳しい労働環境に置かれています。非正規雇用は雇用形態が不安定で、収入への不安感が強い傾向が見られます。経済面での不安は強いストレスとなり、心の健康を損ねる一因となるため注意が必要です。また、正社員と比べて社会的な地位が低いと感じることがあり、職場での孤立が深まる場合があります。
過重労働は心身への負担が大きく、うつ病や健康障害につながる場合があります。過労死のリスクも高まり、最悪の場合には命を落とす可能性も否定できません。非正規雇用や過重労働に加えて、経済的な困窮状態に陥っている場合には複合的に孤独死のリスクが高まるため十分に注意しましょう。
20代の若者の孤独死を防ぐ方法
20代の若者の孤独死を防ぐために、普段から次の5つの対策を取りましょう。
- 健康診断を受ける
- 積極的にコミュニケーションをとる
- 不調を感じたら心療内科を受診する
- 家族や周囲の人とこまめに連絡する
- 部屋を綺麗にする
「その程度のことで孤独死を防げるの?」と意外に思うかもしれませんが、若者の孤独死予防には心身の健康維持と生活習慣への配慮が欠かせません。具体的なポイントを解説します。
健康診断を受ける
孤独死対策には、健康診断が有効です。若いからと言って健康状態を過信せず、年に一度の定期的な健康診断を受けましょう。
学校保健法や労働安全衛生法によって、学生や企業の従業員は健康診断を受けることが定められています。非正規雇用の従業員でも、既定の労働時間数などを満たした場合には健康診断を受けさせることが企業側の義務となっています。面倒だと感じても、健康診断を必ず受けて病気の早期発見に努めましょう。
なお、フリーランスは企業に雇用されていないため、健康診断の義務はありません。自分の健康管理のため、自主的に健康診断を受けましょう。
積極的にコミュニケーションをとる
20代の孤独死予防には、積極的なコミュニケーションが重要です。現代ではスマホやパソコンが普及してオンライン上のコミュニケーションが主流になりつつありますが、たとえ手間でも対面でのコミュニケーションをできるだけ取るようにしましょう。より人とのつながりを実感でき、孤独を解消することができます。
家族や友人と連絡を取って、食事や遊びの機会を作りましょう。サークル活動やボランティア活動に参加して、新しい出会いを求めるのもおすすめです。また、ご近所さんと軽くあいさつするだけでも、人とのつながりが生まれます。自分にできる範囲で、誰かとつながる意識を持ちましょう。
不調を感じたら心療内科を受診する
「気分が落ち込む」、「寝付けない」、「すぐ不安になる」などの症状を自覚したら、悪化する前に心療内科を受診することが大切です。20代の若者は自殺による孤独死がとくに多いことからも、日頃からメンタルヘルスへの配慮が欠かせません。
目安として、メンタル不調が2週間以上続いているなら心療内科を受診しましょう。不眠や抑うつ症状で日常生活に支障が出ている場合には、2週間未満でも早めに受診してください。また、「すべて終わりにしたい」「死にたい」など深刻な苦しみを抱えている人は、一刻も早い受診が必要です。
家族や周囲の人とこまめに連絡する
家族や友人、周囲の人とこまめに連絡をすることは、若者の孤独死予防に非常に有効です。安否確認になるだけでなく、親しい相手とつながると孤独を和らげることができます。
本人がコミュニケーションに積極的でない場合には、家族側から意識して電話やLINEをするようにしましょう。定期的な連絡が習慣化できていると、本人のメンタル状態などが悪化したときにSOSの些細なサインに気付ける場合があります。
他愛無い会話でもかまいません。相手とのつながりを、途絶えないようにする意識が重要です。
部屋を綺麗にする
部屋を綺麗に保つことも、若者の孤独死予防になります。雑然とした部屋にいると、無意識のうちにストレスが溜まってしまうからです。ゴミだらけの住環境はぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因にもなるため、心身ともに悪影響を及ぼします。また、部屋が荒れていると友人や恋人を呼ぶことができず、孤立感を深めることにもなりかねません。
自分で部屋を片付けるのが困難であれば、プロの清掃業者を呼んで部屋をリセットするのもおすすめです。不用な物を捨て去って、綺麗さっぱり片付いた部屋で心機一転してみてはいかがでしょうか。無駄な物がなければ整理整頓が簡単になるため、一度リセットすると自分の力で部屋を維持管理できるようになります。
まとめ
孤独死する人の中には、20代の若者も3%程度含まれているという報告があります。また、若者は他の年齢層に比べて自殺による孤独死が多いのが特徴です。経済的困窮や社会的な孤立、人間関係の希薄化などが複合的に影響して、若者を孤独死に至らしめているおそれがあります。
20代で孤独死する若者には、家族が遠方にいる、対面でのコミュニケーションが少ない、自炊をせず家事が滞りがちなどの傾向が見られます。非正規雇用や過重労働などの就労環境も、若者が孤独死するリスクファクターです。
若者の孤独死を防ぐためには、健康診断や家族との連絡習慣などで心身の健康を維持することが不可欠です。また、心身の健康維持には部屋を清潔に保つことも欠かせません。部屋がゴミだらけで健康的な生活が送れない場合には、プロの清掃業者を呼んで状態をリセットすることをおすすめします。
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