コラムblog
ゴミ屋敷は、住居者のライフスタイルによってもたらされます。
しかし、「ゴミではない、必要なもの」「誰にも迷惑をかけていない」と主張するゴミ屋敷住居者もいます。
確かにゴミか否かは当事者以外には分かりません。
しかし、目に見えないだけで周囲に迷惑をもたらし、トラブルの温床となっていることもあります。
そこで、ゴミ屋敷によってどのようなトラブルが起きているのかや、トラブルを未然に防ぐためには何が必要なのかなどを解説します。
目次
ゴミ屋敷は居住者だけの問題ではありません。
地域社会全体の問題です。
だからこそ、いわゆる「ゴミ屋敷条例」を制定する自治体も増えています。
地域社会としてゴミ屋敷を解決するためのルールを作っているのも、それだけゴミ屋敷が周辺に迷惑をかけ、トラブルの温床となっているからです。
では、実際にどのようなトラブルが起きているのか、いくつかご紹介します。
ゴミ屋敷の周辺地域でトラブルとなるのが、見た目よりもむしろ異臭です。
種類を問わず、様々なゴミが山積されているのです。
雨風に晒されたり、長年放置されていることで劣化したり、さらにはそこに虫が巣食っているケースも多いです。
異臭が発生する条件がこれでもかと揃っているのがゴミ屋敷です。
周辺の住民は、常に異臭に悩まされることになります。
臭いは目に見えないものなので、被害の実情を訴えにくい点もトラブルに拍車をかけてしまいます。
それこそ異臭のせいで窓を開けることができないと憤慨している周辺住民も珍しくありません。
ゴミ屋敷は、周りの人にとっては見るに堪えないものです。
しかし、虫や野生の生物にとっては「宝の山」です。
食べられるものがあり、暖かいのです。
ゴミ屋敷に虫が巣を作り住み着き、大量に飛散してくることもあります。
常に大量の虫や生物がいるので、周辺住人は良い気にならないだけではなく、自宅に被害を及ぼすこともあります。
例えば、以下のようなケースもあります。
- ゴミ屋敷に集まった虫が新たな食べ物を求めて他の家に移動
- ゴミ屋敷を「本拠地」にしている野良犬・野良猫等が毎晩騒ぐ
自宅の窓から常にゴミ屋敷が目に入るとなれば、ゴミ屋敷住居者に対して腹立たしい気持ちになるのではないでしょうか。
以下のように窮屈な生活を強いられている周辺住人は、ゴミ屋敷住居者に対して怒りを覚えることでしょう。
- ゴミ屋敷のせいで窓を開けられない
- 視界に入らないよう昼間からカーテンを閉めている
実際に、住人同士でトラブルとなって暴行事件に発展したケースもあります。
2017年11月、名古屋市中区のゴミ屋敷で、近隣住人がゴミ屋敷の敷地外のゴミを勝手に撤去しました。
そのことに腹を立てたゴミ屋敷住人が激怒しました。
そして、撤去した住人に対して衣服を掴む・引っ張るといった暴行を働きました。
偶然現場にいた警察官によって現行犯で逮捕されました。
もしかすると、さらなる大きな暴行事件に発展していた可能性もあります。
ゴミ屋敷が以下のように、火災に巻き込まれることは多々あります。
- 2016年10月、福島県郡山市のゴミ屋敷で火災が発生
- 2020年12月に神奈川県平塚市のゴミ屋敷で火災が発生
ゴミ屋敷で生活を送り、火を使用した際、不注意からゴミに引火すると、瞬く間に大量のゴミに燃え広がります。
平塚市では一軒家でありながら、鎮火まで11時間かかりました。
また、郡山では住人の死亡が確認されました。
2017年に福島県いわき市で起きたゴミ屋敷の火災は、放火の可能性もあるとのことです。
消火活動のため、近隣の国道に車線規制が敷かれました。
結果、周辺で大渋滞を巻き起こすことになってしまいました。
幸いなことに火災による被害者はいませんでした。
ですが、渋滞に巻き込まれた方は多数いたようです。
ゴミ屋敷には様々なトラブルが待っています。
住居者よりも周囲の方が迷惑を被るものです。
ともすれば大きなトラブルになりかねません。
そのため、ゴミ屋敷にならないよう生活を送ることが大切です。
ゴミ屋敷にしないために何をすべきなのでしょうか。
ゴミを捨てることは、シンプルですがとても大切なことです。
理屈として、入ってくる物よりも捨てる物の方が多ければゴミ屋敷にはなりません。
つまり、こまめにゴミを捨てることで、ゴミ屋敷を未然に防ぐことができます。
一方、年々ゴミ捨てのルールが厳しく・細かくなっています。
そのため、ごみ出しが億劫になり、やがてはゴミ屋敷になってしまう人もいます。
しかし、行政の決めたルールには従わなければなりません。
ゴミ出しのルールをしっかりと把握し、捨てられるものは捨てましょう。
地域社会にゴミ屋敷を生み出さないためには、地域での連携が必須です。
行政はゴミ屋敷に対して動くことができます。
しかし、ゴミ屋敷になる前の段階では動けません。
そこで、地域で高齢者を見回るチームを結成するなど、定期的に町を巡回しましょう。
ゴミ屋敷は一朝一夕に出来上がるものではありません。
長い月日をかけてできあがるものです。
なので、定期的に見回ることで、ゴミ屋敷の兆候を掴み、トラブルになる前に防ぐことができます。
ゴミ屋敷は、気付いた時には既に自力ではどうすることもできない状況になっているケースが多いです。
しかし、ゴミ屋敷は一朝一夕にできるものではありません。
そこで、頼れる存在を覚えておきましょう。
掃除が苦手であれば、便利屋やクリーニング業者を定期的に依頼するのも良いでしょう。
多少物が溜まっている状態であれば、不用品回収業者に依頼し撤去してもらうのも手です。
全て自力でしようと思うと困難です。
掃除のモチベーションも低下してしまいがちです。
しかし世の中には頼れるサービスがあります。
いざという時に頼れるサービスを知っておけば、いつでも依頼でき、ゴミ屋敷化を未然に防ぐことができます。
ゴミ屋敷のトラブル事例等を把握し、危機感を持つことが大切です。
ゴミ屋敷を他人事だと思っている人は多いです。
その結果、ゴミ屋敷となってしまいます。
トラブルを起こしている人も、初めからゴミ屋敷にしようと思っていた訳ではありません。
つまり、「自分は大丈夫」という考えは、ゴミ屋敷のトラブルを防ぐ根拠にはなりません。
むしろ事例等を把握し、危機感を持つことがゴミ屋敷防止に役立ちます。
ゴミ屋敷は、異臭や大量の虫の発生、景観を損ねるなど様々なトラブルがあります。
また、ゴミ屋敷住居者と近隣住人との間で暴行事件も発生しています。
火災に巻き込まれると引火が早く、大きな被害をもたらします。
これらのトラブルを防ぐためにも、ゴミ屋敷を生まない・生み出さないことが大切です。
こまめにゴミを捨てたり、過去のゴミ屋敷トラブルを知ることでゴミ屋敷を防ぐ事ができます。
また、地域で見回りを行い、ゴミ屋敷を未然に防ぐことも大切です。
この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家
氏名:新家 喜夫
年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。
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