賃貸やアパートで一人暮らしをされている方に多いのが、自分の部屋にゴミを溜め込んでしまいゴミ屋敷にしてしまうことです。
本記事を読んでいる皆さんの中にも、心当たりのある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
ゴミを溜め込んでしまうのには、仕事の忙しさやストレス、精神的病気などさまざまな理由があります。
そのため、自分ではゴミ屋敷になるとは思っていなかったのに、気付いたときにはゴミ屋敷化が進んでいたケースもあるでしょう。
そこで気になるのが、「ゴミ屋敷が大家さんにバレてしまったら、強制退去をさせられるのではないか」という点ですよね。
本記事では、ゴミ屋敷に苦しむ皆さんのために、ゴミ屋敷が理由で強制退去させられる可能性や周囲にバレる原因、リスクや防ぐための方法について解説していきます。
本記事で紹介する点は、主に下記の3つです。
- ゴミ屋敷が理由で強制退去させられるかどうかが分かる
- ゴミ屋敷になる原因やリスクが分かる
- ゴミ屋敷化を予防できる
本記事を参考に、ゴミ屋敷による強制退去の可能性や予防方法を学びましょう。
目次
ゴミ屋敷が理由で強制退去させられる可能性はある
ゴミ屋敷が理由で、強制退去させられる可能性はあります。
ただし、その可能性はかなり少ないものとも言えるでしょう。
その理由を挙げるなら、主に下記の2点です。
- 居住権の観点からすぐに契約を解除しづらい
- 勝手にゴミを処分しようにも所有権の侵害に該当する
それでは1つずつ解説していきます。
居住権の観点からすぐに契約を解除しづらい
ゴミ屋敷となっているのが賃貸やアパートの場合、民法644条「善良なる管理者の注意義務」に違反しています。
しかし現実的には、住宅は生活に必要な権利であることを定めた「居住の権利」の観点から、すぐに契約を解除しづらく、入居者に清掃を催促するなどの対応になってしまいがちです。
もちろんゴミ屋敷が理由で強制退去させられた事例はありますが、「迷惑だから出て行かしたい」といった簡単な気持ちでは正直難しいでしょう。
勝手にゴミを処分しようにも所有権の侵害に該当する
結論から述べると、ゴミ屋敷のゴミを勝手に処分するのは難しく、ゴミの処分を催促するしか方法はありません。
理由としては、誰が見てもゴミと思える物でも、ゴミ屋敷の住人に所有権が発生しているからです。
そのため、住宅の外にはみ出ているようなゴミを勝手に処分してしまうと、所有権の侵害に該当してしまいます。
ゴミ屋敷条例に基づく清掃の行政代執行
自治体にもよりますが、ゴミ屋敷によって発生するリスクを防止するため、「ゴミ屋敷条例」を定めていることがあります。
こちらの条例があれば、何度も清掃の催促を行っているのにゴミ屋敷の住人が無視し続けている場合、行政による清掃の代理執行を行えます。
強制退去になる具体的な流れ
先述した通り、ゴミ屋敷が理由で強制退去させられる可能性は少なからずあります。
強制退去になる流れとしては、基本的に下記の順で進みます。
- ゴミ屋敷であることが大家さんにバレる
- ゴミの清掃を電話や口頭で注意される
- 「〇日までにゴミを清掃しないと強制退去になります」と催促状が届く
- 部屋の明け渡しについて訴訟される
- 裁判所から部屋の退去命令が出される
- 強制退去になる
もし強制退去となってしまうと、自宅が無くなってしまうだけでなく、ゴミ回収にかかる費用などを請求される可能性もあります。
ゴミ屋敷に住んでいる人は、大家さんにバレる前になるべく早くゴミを清掃しておきましょう。
ゴミ屋敷であることが周囲に気付かれる4つの原因
マンションやアパート住まいだと、一軒家とは違い道路に面していないので、ゴミ屋敷であることを周りに気付かれる可能性が低いです。
しかし、だからと言ってゴミ屋敷であることがまったく気付かれないわけではありません。
そこでここからは、ゴミ屋敷であることが周囲に気付かれる4つの原因について解説していきます。
具体的な原因としては下記の通りです。
- 悪臭が漂っている
- 害虫が大量に発生している
- ゴミが共有部分まではみ出ている
- 消防設備点検で部屋を確認される
それでは1つずつ解説していきます。
悪臭が漂っている
ゴミ屋敷に住んでいる人は慣れからか気付きにくいですが、部屋中に悪臭が漂っていることが多いです。
そういった悪臭が外部に漏れ出してしまい、付近の住人にゴミ屋敷であることがバレてしまいます。
害虫が大量に発生している
ゴミ屋敷には、ハエやゴキブリが好む餌がたくさんあります。
そこで集まった害虫たちが、ゴミ屋敷ではない隣人宅にも侵入し、そこからゴミ屋敷であることがバレる可能性もあるでしょう。
実際に、部屋が綺麗なはずなのに、害虫がよく侵入してきて不振に思っていたら、隣人宅がゴミ屋敷だと判明したという話もあります。
ゴミが共有部分まではみ出ている
ゴミ屋敷からゴミが溢れ出てしまい、マンションやアパートの共有部分まではみ出してしまうケースがあります。
この場合、同じマンションやアパートの住民に、ゴミ屋敷であることがバレるのはある意味当然と言えるでしょう。
また、こういったケースはマンションやアパートだけでなく、一軒家に住む人でもあり得ることです。
消防設備点検で部屋を確認される
マンション住まいの人なら、一度は消防設備点検で部屋の中をチェックされた経験がありますよね。
消防設備点検とは、火災報知器や自動ドアなどに異常がないか、年2回専門の業者がチェックをすることです。
もちろん住民の部屋もチェック対象となるため、消防設備点検で部屋を確認されてゴミ屋敷であることがバレる可能性もあるでしょう。
ゴミ屋敷の場合、引火しやすいゴミが多いぶん火事のリスクが高まります。
そのため、消防設備点検業者から、「あの部屋はゴミが多くて火事になりやすい」と大家さんに報告されるのです。
ゴミ屋敷になる3つの原因
ここからは、ゴミ屋敷になる原因について解説していきます。
具体的な原因としては下記の3点が挙げられます。
- 一人暮らしの人が増えている
- コンビニなどの利用が増えている
- ゴミの分別が複雑になっている
それでは1つずつ解説していきます。
一人暮らしの人が増えている
仕事をして寝るだけの生活を繰り返すと、必然とゴミが溜まりやすい生活環境になりやすいです。
ただし複数人で生活している人の場合、上記のような暮らしをしていても、誰かが必ず清掃をするためゴミ屋敷になりにくいです。
しかし一人暮らしの場合、ゴミが溜まっていても無視できてしまうため、ゴミ屋敷化が進行しやすくなっているのです。
コンビニなどの利用が増えている
仕事が忙しい場合、コンビニやスーパーなどの弁当類で食事を済ませることが多くなります。
こういった食事によるゴミが溜まり、仕事の忙しさも相まって捨てずに放置してしまうのです。
ゴミの分別が複雑になっている
地域によって大きく異なりますが、ゴミの分別ルールがかなり複雑に設定されている場合があります。
捨てる曜日の指定はもちろん、月に数回しかゴミ出しできないなど、一度タイミングを逃すとしばらくゴミを捨てられない場合もあります。
これを繰り返すことで、段々ゴミ捨てが面倒くさく感じてしまい、次第にゴミ屋敷となってしまうのです。
ゴミ屋敷3つのリスク
ゴミ屋敷によって他人に被害が及ぶのは分かりますが、自分に発生するリスクには何があるのでしょうか。
具体的なゴミ屋敷のリスクとしては、下記の3つが挙げられます。
- 悪臭や害虫の発生
- 火災のリスクが高まる
- ゴミの重量によって住宅が倒壊する可能性がある
悪臭や害虫によって身体・精神的被害が生じたり、火の不始末によって火災が発生しやすくなったりなど。
さらには、大量のゴミが溜まることで、住宅が重量に耐えられなくなり倒壊する可能性も高まります。
ゴミ屋敷化を防ぐ3つの方法
ここからは、ゴミ屋敷化を防ぐ方法をご紹介していきます。
具体的な方法としては下記の3つです。
- ゴミを溜めずにすぐ捨てる
- 休日はゴミを片付ける日にする
- ゴミ屋敷清掃業者に清掃を依頼する
それでは1つずつチェックしていきましょう。
ゴミを溜めずにすぐ捨てる
当たり前の話ですが、ゴミを溜め込まずにすぐ捨てていれば、そもそもゴミ屋敷になることはありません。
コンビニ弁当の殻や空き缶など、部屋中に放置せずにすぐ捨てる習慣を身に付けることで、ゴミ屋敷化を十分予防できます。
休日はゴミを片付ける日にする
平日にゴミを清掃しようにも、仕事が忙しいと疲れでなかなかやる気が湧いてきませんよね。
そこで、あらかじめ1時間だけと清掃時間を決めておけば、やる気が削がれることもなく、休日の残り時間も有意義に過ごせます。
すでにゴミ屋敷化している場合、1時間ですべてのゴミを片付けるのは難しいですが、確実にゴミの総量を減らすことはできるでしょう。
ゴミ屋敷清掃業者に清掃を依頼する
1人で清掃できないほどのゴミが溜まっているなら、ゴミ屋敷の清掃依頼を受付している専門業者を利用するのも良いでしょう。
24時間365日対応している専門業者も多く、1日がかりでゴミ屋敷を綺麗に蘇らせてくれます。
ゴミ清掃の費用はかかりますが、自分で清掃する大変さを考えると、ゴミ屋敷清掃業者に依頼する価値は大いにあるでしょう。
ゴミ屋敷清掃業者の費用相場
ゴミ屋敷清掃業者の依頼にかかる費用は、ゴミの量によって大きく異なります。
例えば、ゴミの量が多ければ多いほど、運搬や処分にかかる費用も増額するのです。
10~50cm(ゴミの総量) |
100cm |
150cm | |
1R~1K |
3~11万円 |
12~16万円 |
20万円~ |
1DK~1LDK |
5~22万円 |
22~40万円 |
50万円~ |
2DK~2LDK |
9~35万円 |
35~65万円 |
90万円~ |
費用相場を見ればわかる通り、費用にかなりの幅があります。
実際にゴミ屋敷清掃業者に依頼するときは、一度見積もり作成を依頼してみると良いでしょう。
いくつかのゴミ屋敷清掃業者に見積もりを提示してもらい、自分が納得できる費用の業者に依頼してみましょう。
まとめ
マンションやアパート住まいの人が部屋をゴミ屋敷にしている場合、一軒家とは違って部屋の強制退去を命じられる可能性があります。
「バレなければ大丈夫?」と思う人もいるかもしれませんが、悪臭や害虫の発生、消防点検といった原因から、ゴミ屋敷であることはすぐにバレてしまいます。
もし強制退去になってしまったら、家を失うどころか余計な費用まで請求されるかもしれません。
強制退去を防ぐためにも、ゴミを溜め込まずに捨てることを必ず意識しておきましょう。
また、1人で清掃するのが難しいレベルなのであれば、ゴミ屋敷清掃業者に依頼するのも良いアイデアと言えるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、ゴミ屋敷からの脱却を目指してみてください。