「エコ」や「リサイクル」が叫ばれて久しいこのごろ。
わたしたちは、ゴミの分別などを中心としてリサイクルに協力しています。
また、フリーマーケットや、インターネットオークションやフリマアプリの普及により、中古品を売買したり、使ったりすることは当たり前になっています。
そんな中、自治体も不用品のリサイクルに取り組んでいます。
東京都江戸川区では「リサイクルバンク」を設置し、まだ使えるものを無駄にしないよう努めています。
江戸川区の取り組みとは、どのようなものなのでしょうか。
目次
エコな社会を実現する「3R」とは?
エコな社会を実現するために環境に配慮した行為のことを「3R」といいます。
3Rは、エコを実現するための行動の頭文字を取った言葉で、以下の3つのRの総称です。
- リデュース(Reduce)
- リユース(Reuse)
- リサイクル(Recycle)
リデュース
「リデュース」とは、ものを大切に使い、ごみを減らすことです。
たとえば、必要ないものは買わない、もらわないこと。
買い物をする際にはマイバッグを持参して、無駄な包装を避けるなどの行動です。
近年ブームになっている「断捨離」も、生活をリデュースする行動です。
一つ一つは小さな行動ですが、いつかごみ問題を解決してくれるかもしれません。
リユース
「リユース」とは、まだ使えるものは、捨てずに繰り返し使うことです。
詰め替え用の製品を選び、無駄に容器を使わないこと、不要になったものを譲り合って長く使っていくことなどです。
古くなった衣服やタオルを雑巾として使うなどもリユースの一つと言えます。
リサイクル
いらなくなったものやゴミを捨ててしまわないで、資源として再利用することを「リサイクル」といいます。
たとえば、次のものがあります。
- ペットボトルを繊維に加工して服を作る
- 飲み終わった牛乳の紙パックからトイレットパーパーやティッシュペーパーを作る
- ガラスびんから住宅の断熱材やタイルなどを作る
それには、ごみを正しく分別することが必要です。
このようにして分別されたごみを再生し、そこから作られた製品を利用します。
リサイクルは、ゴミ問題の解決のために進められています。
しかし、ゴミを資源に加工するための費用が高くついたり、エネルギーを消費したりすることが問題になっています。
そのため、環境に優しいリサイクル技術の研究が進められています。
リサイクルに関する国の取り組みとは?
廃棄物・リサイクル対策として、国では品目によって個別にリサイクル法を制定しています。
容器包装リサイクル法
容器包装ゴミは、家庭から排出されるごみの重量の約2~3割、容積で約6割を占めるそうです。
これらのリサイクルを促進することにより、廃棄物の減量化と資源の有効利用を図るため定められました。
家電リサイクル法
廃棄物を減量し、再生資源を十分に利用するため制定されました。
廃家電製品には、鉄、アルミ、ガラスなどの有用な資源が多く含まれています。
この法律では、以下の物について適用されます。
- エアコン
- テレビ
- 電気冷蔵庫
- 電気冷凍庫
- 電気洗濯機
- 衣類乾燥機
小型家電リサイクル法
デジタルカメラやゲーム機などの使用済み小型電子機器等の再資源化を促進するための法律です。
食品リサイクル法
売れ残った食品や食べ残し、食品の製造過程では、食品廃棄物が大量に出ています。
これを少なくし、減最終的に処分される量を減らすこと、食品廃棄物を飼料や肥料等の原材料として再生利用するための法律です。
建設リサイクル法
近年、廃棄物の発生量が増え、廃棄物の最終処分場のひっ迫や、廃棄物の不適正処理など、建築系廃棄物処理をめぐる問題が深刻化しています。
そこで、建設リサイクル法では、特定建設資材や、アスファルト・コンクリート、木材を用いた建築物などの解体工事や、施工に特定建設資材を使用、一定規模以上の新築工事について、その受注者などに対して分別解体や再資源化等を行うことを義務付ける法律です。
自動車リサイクル法
自動車は、有用金属を含んでいるため、価値の高い資源です。
このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務付けました。
これによって、自動車のリサイクル・適正処理を図ります。
プラスチック資源循環法
プラスチックごみの削減とリサイクルの促進を目的とする法律です。
メーカーなどが務めるべき環境配慮設計に関する指針を決め、この指針に適合した製品であることを認定します。
また、小売業者や飲食店などには、使い捨てのスプーンやストローなどのプラスチック製品の提供の削減を求めます。
さらに、家庭から出されるおもちゃやハンガーなどのプラスチック製品を、市町村が分別収集・再商品化する仕組みなども設けます。
東京都江戸川区の「リサイクルバンク」とは?
エコな生活や社会は、ものを大切に使うことから始まります。
自分はいらないものも、欲しい人がいるかもしれません。
人がいらないものでも、自分にとっては必要なものであることもあります。
お互いのいらないもの、欲しいものが一致したら、まだ使える物はごみにしないで、リユースの輪を広げ、ごみを少しでも減らしていきましょう!
江戸川区のリサイクルバンクの仕組みとは?
江戸川区は、「リサイクルバンク」という仕組みを主催し、区民からでた不用品の情報を登録できるようにしています。
たとえば、まだ使えるけれど、子どもが大きくなったため不要になったベビーベッドやチャイルドシートがあるとします。
家に置いていても誰も使いませんし、スペースも塞ぎます。
こんな時は、リサイクルバンクの「譲ります」に登録しましょう。
また、自転車が壊れてしまったので、中古でもいいから欲しい、という場合はリサイクルバンクの「譲ってください」に登録できます。
区民が登録した情報は、区の施設やホームページで広く周知されます。
この「譲ります」「譲ってください」の条件が一致したとき、お互いに直接交渉して譲渡するというシステムです。
どんなものが登録されているの?
どんなものが登録されているかは、江戸川区のホームページを見てみましょう。
「譲ります」「譲ってください」それぞれに、以下の項目が設けられています。
- 「家具」
- 「電化製品」
- 「ベビー用品」
- 「楽器」
- 「自転車」
- 「その他」
アイコンをクリックすると、譲りたい・譲ってもらいたい品物名が記載されています。
登録について
不用品(修理しないでも使えるものに限ります)を譲りたい人は、「譲ります」に登録します。
無料で譲る場合に限ります。
欲しいものがある人は「譲ってください」に登録しましょう。
登録の条件は?
- 登録有効期間:3ヶ月です。登録期間の更新も可能です。
- 登録できる人:江戸川区内に在住、または在勤の人です。
- 登録方法:電話またはファクスで行います。
- 登録できるもの:電化製品・家具・ベビー用品・楽器・自転車・介護用品など、粗大ごみに準じたもので修理の必要がないもの
- 登録できないもの:食品・動物・植物・自動車・バイク・衣類・ソフトウェア類など
- その他の条件:無料で提供できること。営利目的の利用はできません。
受け渡しの際のルールは?
「譲ります」と「譲ってください」がマッチングしたら、紹介してもらえます。
区から連絡が来たら、当人同士で連絡を取り、交渉の結果は必ず清掃課ごみ減量係に連絡します。
物品の運搬は、譲り受けた人の負担となり、区では、物品の預かりや受け渡しは行いません。
申し込み・問い合わせ先は?
申し込み・問い合わせ先は、「環境部 清掃課 ごみ減量係」(電話 03-5662-1689)へ。
自転車を譲りたい方へ
自転車を登録する際は、事前に防犯登録の解除や、自転車譲渡証明書の作成をしておきましょう。
防犯登録の解除は、以下の物を用意し、自転車販売店で手続きを行います。
- 自転車本体
- 公的機関発行の身分証明書
- 防犯登録カード(お客様控)
自転車譲渡証明書を作成した場合は、自転車と一緒に譲る相手へ渡します。
自転車を譲り受けた方へ
自転車を譲り受けた人は、自転車販売店で防犯登録を行いましょう。
防犯登録の際は、以下の物を持参しましょう。
- 自転車本体
- 公的機関発行の身分証明書
- 前所有者の防犯登録カード(お客様控)または自転車譲渡証明書
登録料は500円です。
まとめ
リサイクルの主な目的は、ごみを減らし、資源の節約につなげていくことです。
また、紙やペットボトルなど、家庭から出るごみを適切にリサイクルすれば、廃棄物として燃やすよりも、温室効果ガスの排出を減らすことができます。
日本に昔からある「もったいない」精神を発揮し、リサイクルしながらものを大切に使っていけたらいいですね。