汚部屋にしてしまったら片付けなければいけない…
頭ではそうわかっていても、思うように部屋が片付けられない方は少なくないのではないでしょうか。
「今日は部屋を片付けて、掃除をしよう!」と心を決めても、何をすればよいのかわからないと悩んでいる方はいませんか?
- 汚すぎる部屋を前にして、どこから手を付ければ良いのかわからない。
- 散らかっているのは良くないとわかっていても、部屋を片付けられない。
このような、“汚部屋を改善できない悩み”を抱えている人は一定数います。
このままでは良くないとわかっていても、なかなか片付けられないのはなぜなのでしょうか。
この記事では、汚部屋を片付けられない人の特徴や共通点に加えて、改善へ導く方法について詳しく解説します。
汚部屋を片付けられない人の特徴
なぜ汚部屋化してしまうのか、その原因は人それぞれの性格も関係しています。
まずは、部屋を片付けられない人の特徴から見ていきましょう。
戦意喪失タイプ
物がそこら中に散乱した汚部屋の場合、頑張って少し片付けを進めても大量のゴミや不用品が多すぎて、思うようにキレイになりません。
次第に、「片付けているのに、全然キレイにならない…」と戦意を喪失してしまいます。
いくら片付けても先が見えない状態を目の当たりにし、そのまま汚部屋を放置してしまうケースは多いです。
この「戦意喪失タイプ」は、片付け方法に問題があるわけではなく、片付けの成果を得られないことが原因なので、軽度の汚部屋であればやる気を出して片付けられます。
定期的に片付けて、汚部屋化するのを防げば部屋の整理整頓は保たれるはずです。
「どうせまた汚くなる」という悟りタイプ
汚部屋とは、生活の結果です。
一晩でいきなり汚部屋になってしまうことは、まずありません。
生活習慣の中で徐々に部屋が汚くなり、やがて汚部屋へとなってしまうのです。
普段から少しずつ掃除や片付けをしていれば汚部屋化は防げますが、ここで行動に移さないのが「悟りタイプ」の人です。
「部屋を片付けよう」という思いよりも先に、「キレイにしたところで、どうせまた汚くなる」という気持ちが先行します。
片付けたところで無駄な労力になるという一種の悟りが働き、散らかったままの状態を放置することになってしまうのです。
この「悟りタイプ」の人が汚部屋を改善するためには、ゴミの撤去・清掃だけではなく、生活習慣や普段の行動をすべて見直す必要があります。
部屋が汚れていること自体気にしていないので、片付ける必要に迫られていません。
ただし、「悟りタイプ」場合は自分の生活スペースだけは多少片付いているという特徴があり、床にゴミが散乱していても普段座る机の前だけはすっきりと物がない、なんてこともあります。
このように、「悟りタイプ」の人は、汚部屋ではあっても日常生活に困っていないところがまた厄介です。
完璧主義タイプ
一度決めたことは納得がいくまでやり遂げる「完璧主義タイプ」の人は、そもそも汚部屋化することはなさそうな気がします。
しかし、片付けや掃除に関しては、完璧を求める性格があだとなる場合があります。
掃除をするのであれば中途半端ではなく、とことん綺麗にしようと考えるため、コンディションも重要です。
少しでも疲れが溜まっていると、「今日は身体の調子が悪いから…」と先伸ばしにしたり、「1日時間がとれない」という理由で後回しにするケースは少なくありません。
つまり「完全主義タイプ」は、片付けの一歩がなかなか出ないという欠点があるのです。
また、掃除に踏み出せたとしても、思い描いていたように片付けが進まず、途中で挫折する人も多いのです。
このように「完璧主義タイプ」は、汚部屋に対しての危機感、掃除をしなければという強い意識がネックとなり、状況がさらに悪化しがちです。
やる気が出ないタイプ
そもそも、片付けや掃除に対して苦手意識を持っている、「やる気が出ないタイプ」の人は、汚部屋から脱出するのに困難を極めます。
散らかった部屋を何とかしようという気持ちはあっても、片付けそのものが得意ではないため、片付け・掃除が続きません。
掃除に取り組んでも、次第に飽きて面倒になったりするタイプで、モチベーションが続かず中途半端に終わってしまいます。
このタイプは、掃除を罰ゲームのような物だと思っているケースが多く、ガラクタだらけの汚部屋で過ごすことよりも、部屋を片付けることの方がストレスに感じる人もいます。
「やる気が出ないタイプ」の人は、まず片付けや掃除に対する意識を変えて、キレイな部屋で過ごすことのメリットを知ることが大切です。
汚部屋化する人に多い5つの心理
片付けられずに汚部屋化してしまうのは、性格だけが問題ではありません。
暮らしの中で無意識に働く「心理」が影響する場合もあります。
自宅が汚部屋化してしまう人や片付けられない人に考えられるのは、以下5つの心理です。
もったいない心理
部屋を片付けられない人に多いのが、強い“もったいない精神”です。
物を大切にするのは良いことですが、ガラクタのような不用品をとっておくのは少し違います。
何年も着ていない服でも、「いつか役に立つかも」と理由を付けて捨てられません。
そのため、いざ片付け始めても、もったいない心理が働いて一向に物が減らないのです。
また、生活をしていれば物量は増えていく一方で、次第に収納スペースが足りなくなり、物が溢れてお部屋化するケースは多いです。
もったいない心理があまりに強いと、取捨選択ができず、収納場所のキャパを超えてしまうのです。
ためこみたい心理
もったいない心理と同じく、「ためこみたい心理」が働く人も、なかなか物が捨てられません。
ためこみグセのある人は、手放して損したくないという思いから、処分に踏み切れないことが多いです。
また、物に囲まれていることに安心感があり、あえてためこむケースもあります。
エスカレートすると、ゴミ捨て場から不用品を持ってくる場合もあります。
一気に終わらせたい心理
1日で汚部屋は生まれないことと同じように、散らかった汚部屋はたった1日で元に戻すことも困難を極めます。
しかし、「一気に終わらせたい心理」が働くせっかちな方は、片付けも無理なスケジュールで進めがちです。
「今日中に終わらせよう!」という気持ちが先走り、いざ作業を初めても、どこから手を付ければ良いかわからず、片付けそのものを断念するケースは少なくありません。
部屋を上手く片付けるには、頑張りすぎず完璧を求めないことが重要なポイントです。
一度で終わらせたい気持ちをぐっとこらえて、無理のないペースで進めていくことが大切です。
物をセレクトする心理
部屋の片付けは、いらない物と残す物を取捨選択することが基本です。
片付けが得意な人は、物を仕分けるスピードが速く、必要な物だけを選んで残すことができます。
しかし、片付けが苦手な人は、この“取捨選択”という作業が苦手です。
もったいない心理と同じように、何かと理由を付けて捨てられず、物が減りません。
片付けようと焦る心理
汚い部屋を目の当たりにして、「このままではいけない…」と焦る気持ちが、かえってストレスになる場合もあります。
ゴミや不用品で溢れた汚部屋での暮らしは良くないと分かっていても、「思うように片付けられない焦り」や仕事や育児家事に時間をとられ「片付ける余裕がない焦り」など、こういったさまざまな“焦り”の気持ちが、「片付けなければ」という強迫概念に変わり、精神的に苦しくなってしまいます。
病気や障害が原因となるケースも
ここまで、部屋が片付けられない人の「タイプ」「心理」をお話ししてきましたが、あくまでも一例で、これがすべてではありません。
汚部屋化してしまう人の中には、病気や障害が関係している場合もあります。
例えば、うつ病や発達障害(ADHD)です。
「うつ病」は、ストレスが影響して発症する心の病気です。
仕事や育児など精神的な負担が大きい環境にいると、ネガティブ思考になり、普通の暮らしさえも送れなくなってしまいます。
また発達障害のひとつである「ADHD」は、注意欠如・多動性障害とも呼ばれています。
脳の前頭葉の動作機能が不十分であると考えられており、集中力がなく忘れっぽいという特徴があります。
そのためADHDの人は、片付けなど、ひとつのことに集中して取り組むことが苦手です。
物事の優先順位を付けることも苦手としているため、捨てる物と残す物の取捨選択が難しい場合があります。
このように、汚部屋を片付けられない人や部屋が散らかる原因は、さまざまなことが考えられるのです。
まずは、自宅がなぜ汚部屋化してしまったのか、その原因を知ることが大切です。
部屋を片付ける前に
汚部屋の片付けは大変です。
しかし、片付けなければ悪化する一方なので、まずは片付けのやる気を引き出すことが大切です。
そのためにも、汚部屋で暮らすデメリットを知っておきましょう。
汚部屋暮らしはデメリットしかない
汚部屋での暮らしに、なんの不自由も感じていない方もいるでしょう。
汚いとは分かっていても、「誰かに迷惑をかけているわけではない」「自分のテリトリーは無事だ」と、汚部屋を放置している人もいます。
ですが、汚部屋での生活が幸せをもたらすことはありません。
ゴミを放置すれば悪臭が発生しますし、ゴキブリなどの害虫が繁殖する場合もあります。
火災が起きた場合、ゴミに引火してより大きな被害になることもあるでしょう。
日本では度々、ゴミ屋敷で火災が発生しており、ニュースでも大きく報じられています。
近隣住民にも迷惑がかかる
汚部屋の住人である自分自身は、「デメリットはない」と思っていても、周囲の想いは別です。
繁殖した害虫や悪臭が、近隣住民の暮らしを脅かす恐れもあります。
火災が発生すれば、燃え移る可能性もあり、命の危険を感じる人も少なくありません。
このように、汚部屋にはデメリットが多々あります。
汚部屋に住み続けるリスクを知れば、「このままで大丈夫」という気持ちに変化が生じるのではないでしょうか。
汚部屋を片付けるための5ステップ
様々な物で溢れている汚部屋も、片付け方や自分の考え方次第でキレイな部屋へと生まれ変わります。
汚部屋を卒業したい方は、次の5ステップにそって実践してみましょう。
〈ステップ1〉自治体のゴミ出しルールを確認する
自治体のゴミ出しルールを確認し、片付けたゴミを家に溜めないようにしましょう。
例えば、片付け始める次の日がゴミの収集日だと、出てきたゴミをすぐに撤去できます。
もしゴミ収集日が何日か後の場合、ゴミを処分できない状態が続きます。
汚部屋掃除のモチベーションに関わるので、掃除前に収集日を必ず確認しましょう。
〈ステップ2〉小さなエリアから順番に片付ける
どんな状態の汚部屋も、コツコツ片付けを進めることが大切です。
大きな範囲から手を付けるのではなく、ハードルの低い狭い範囲から始めましょう。
リビングよりも、トイレや洗面所など、比較的簡単に片付けられる場所が好ましいです。
エリアと物量が限られている場所から始めることで、キレイになった実感がわきます。
この成功体験を積み上げることが、重要なポイントです。
「片付けられた」が自信につながり、汚部屋を片付けるモチベーションがアップします。
〈ステップ3〉片付けた物は定位置に戻す
残す物が決まったら、定位置を決めながら収納していきます。
この時、取り出す・片付ける動作をワンアクションで完結することを意識しながら、収納場所を決めると良いです。
取り出しやすくしまいやすい場所にすれば、出しっぱなし、使いっぱなしを減らせます。
〈ステップ4〉床に物をおかない
床に物を置くと、足の踏み場が狭くなり、部屋自体もゴチャゴチャして見えます。
かばんや上着を床に置くクセが付いている人は、これを機にやめるよう意識しましょう。
「床に物を置かない」を徹底するだけで、床面積が広くなり、部屋がすっきりと片付いた印象になります。
〈ステップ5〉片付け後のご褒美を用意する
もしやる気が落ちた時のために、片付けを終えた後のご褒美を用意しておきましょう。
終わった後のご褒美は、片付け・掃除の原動力になります。
好きなスイーツやゲームなどの楽しみを決めておくと、汚部屋の片付けをやり抜くモチベーションを保つことに繋がります。
汚部屋掃除は長期戦だと知る
汚部屋の掃除は決して誰のためでもなく、自分のためです。
また、汚部屋掃除は、1日で解決しなければならないわけでもありません。
コツコツと取り組めばよいのです。
「汚部屋の片付け」となれば、今日中に終わらせたいと思うのが心情かもしれません。
しかし、これまで時間をかけて作り上げた汚部屋です。
1日程度で簡単に片付けるのは容易ではありません。
そのため、できることからコツコツと取り組みましょう。
理屈として、増える物より減らす物が多ければ、やがて汚部屋は解消します。
もし、自力で片付けるのが難しい場合は、業者に依頼するという選択肢もあります。
どのような業者があるのか、いくつかご紹介します。
便利屋
「便利屋」は、家の雑用からお手伝いまでなんでも頼めるので、汚部屋の片付けや掃除といった依頼も可能です。
ただし便利屋は、あくまでも“お手伝い”が専門です。
片付けや掃除のプロではないため、専門業者に依頼するようなクオリティの高い作業は難しいかもしれません。
基本的には、家事の範囲でできる片付けや掃除、ゴミ出しの手伝いなど、簡単な作業のみとなる場合が多いでしょう。
不用品回収業者
不用品やガラクタをまとめて処分し、一刻も早く汚部屋から抜け出したい方は、「不用品回収業者」への依頼も一つです。
不用品回収業者では、家具・家電から家庭ごみまで、いらない物をまとめて回収してもらえます。
品目ごとの仕分けも不要で、搬出作業からトラックへの積み込み、運搬まで、不用品回収業者がすべて対応するため、労力がかかりません。
最短で当日中に対応できる業者もあるため、引越し等で急ぎの際も力になります。
片付けのプロが対応するため、作業自体もスピーディーです。
物量にもよりますが、早ければ数時間、大量のゴミに溢れた汚部屋でも1~2日で終わるでしょう。
メリットが多く便利な分、お金は必要で、数万円~数十万円かかる場合もありますので、まずは無料の見積もりを取り、検討してみましょう。
また、不用品回収業者の中には、悪徳・詐欺まがいの不用品回収業者もいます。
- 廃棄物許可証を保有、または提携しているか
- 公式ホームページの出来栄えは良いものなのか
- 会社情報などは明らかにしているか
- 実績は豊富にあるか
- 対応は丁寧か
など業者選びの際は上記5点を確認し、信頼できる不用品回収業者を選びましょう。
行政
いわゆるゴミ屋敷対策の条例を制定している自治体もあります。
片付けられない汚部屋で悩んでいるのであれば、一度行政に相談してみるのも一つです。
ただし、行政は民間業者ではないので、色々な手順を踏む必要があります。
まとめ
汚部屋であっても、誰にも迷惑をかけていないと思うかもしれません。
しかし、近隣住民が異臭で悩んでいたり、いざという時に大きな迷惑をかけてしまったりする可能性もあります。
ゴミ屋敷化する前に、汚部屋を片付けるためのステップに沿って、少しずつでも掃除に取り組みましょう。
もし自力では難しいと思ったら、力になってくれる業者に依頼するという選択肢もあります。
いずれにせよ、汚部屋は好ましいものではありません。
汚部屋の解決に向けて一歩踏み出しましょう。