家族や友人の家が、ゴミ屋敷になってしまったと悩んでいる人もいるでしょう。しかし、詳しい原因が分からず、対策できずに困っている人もいるはずです。そこで、もし身だしなみや掃除などを行わず、無気力のような症状が出ているなら「ディオゲネス症候群」の可能性があるかもしれません。
この記事では、ゴミ屋敷の原因となるディオゲネス症候群の特徴や、発症するリスク、予防策について解説します。誰にでも起こりうる病気ですので、ぜひ参考にしてください。
目次
高齢者が発症しやすいディオゲネス症候群とは?
ディオゲネス症候群とは、高齢者が発症しやすい精神的な病気です。例えば、次のような行動を取る人が多く、別名「ゴミ屋敷症候群」とも呼ばれています。
- 身だしなみに気を使わない
- 掃除や片付けをしない
- 自宅に物を溜め込んでしまう
「老人精神医学の国際ジャーナル」に掲載されたディオゲネス症候群の調査結果によると、一人暮らしをしている高齢者である場合、ディオゲネス症候群を発症する可能性が高まることが判明しています。それとは別に、ディオゲネス症候群を発症すると、1年以内の死亡率がディオゲネス症候群を発症していない人に比べて2倍程度増加することが分かりました。
ディオゲネス症候群は、高齢者が発症しやすい「認知症」と似た症状であることから、認知症よりも進行度合いが進んだ病気であると位置づけられています。
また、ゴミ屋敷を作り出す人の特徴として、一人暮らしの高齢者がよく挙がるのをご存じでしょうか。これはディオゲネス症候群の症状と似ている部分が多いため、まずは症例や発症する原因を理解し、対策を検討してみることが大切です。
ディオゲネス症候群になりやすい人の例
ディオゲネス症候群を発症すると、知らぬ間にゴミ屋敷を作り出してしまうかもしれません。では、どのような人物がディオゲネス症候群を発症してしまうのでしょうか。
まずは、ディオゲネス症候群を発症しやすい人の例を5つ紹介します。家族や友人に当てはまる項目がないか確認してみてください。
詳しいメカニズムは不明
前提として、ディオゲネス症候群はまだ調査中の病気であるため、詳しいメカニズムは不明の状態です。
また、研究が行われているのは海外だけであり、国内での研究は進んでいません。
ただし、現在までの調査により、ディオゲネス症候群を発症しやすい人物のパターンが少しずつ明らかになってきました。次項より、ディオゲネス症候群を発症した人たちの特徴を解説します。誰もが発症リスクを抱えるポイントなので、ひとつずつ見ていきましょう。
一人暮らしに寂しさを感じる人
ゴミ屋敷を作り出してしまう人は、一人暮らしをする高齢者が多いのをご存じでしょうか。近くに誰もいないため、止められることなくゴミを溜め込んでしまうのです。
また、その裏には、一人暮らしに対する寂しさを紛らわしたい気持ちが関係しています。今まで住んでいた家から子供たちがいなくなり、一人で生活することを余儀なくされると、広い家に孤独感を感じる人も大勢いるでしょう。
その結果、寂しさを埋めるために自宅の生活スペースを狭め、心の隙間を埋めたい気持ちが膨らんでしまうのです。孤独という環境がディオゲネス症候群を生み出す場合があるので注意してください。
整理整頓が苦手な人
普段から整理整頓が苦手な人もディオゲネス症候群を発症する可能性があるのをご存じでしょうか。例えば、整理整頓に必要な計画性・空間把握能力が薄いと、思考力が低下しやすく、物事に無頓着になってしまいます。
また、高齢になると体力の低下等もあわさり、荷物やゴミを片付けるのがイヤになってしまうのです。手に取ったものを元あった場所に戻せない人や「後で片づければいいか」とゴミを放置してしまう人などは、ディオゲネス症候群を発症しやすいので注意してください。
引きこもりがちの人
普段から家に引きこもりがちだという人もいるでしょう。また、高齢になり、体力が衰えて家から出る気力を失ってしまう人もいるはずです。そういった人は、精神を病みやすくディオゲネス症候群を発症しやすくなることをご存じでしょうか。
人間は、狭い空間に居続けるとストレスを感じてしまいます。しかし、引きこもりがちになると外出したい気持ちが薄れ、外出自体にもストレスを感じるようになるのです。その結果、あまり自宅を出なくても生活できるように物を増やしたり、ゴミを持ち帰ったりしてしまいます。
中には、宅配サービスや生協といった外出せずとも生活できる便利なサービスを利用する人も多いでしょう。じつは、そこにディオゲネス症候群を発症する要因があるので、常日頃から外出に対して意識するのがおすすめです。
物に対して深い愛着を持つ人
物を大切にすることは良いことですが、中には深い愛着を持ち、捨てられなくなる人が多いのをご存じでしょうか。ディオゲネス症候群を発症しやすい人は、次のようなものを自宅に溜め込みます。
- 使わなくなった洋服や家具
- 外出中に見つけたゴミ
- 買い物でもらった箱や袋
ゴミ屋敷を生み出す人は、自宅にあるものひとつひとつに愛着を持っています。そのため、物が溜まっていく一方となり、生活スペースが埋め尽くされるのです。ディオゲネス症候群を発症してしまうと、あっという間に家がゴミ屋敷に変貌してしまうので、早期解決が求められます。
ディオゲネス症候群を発症するリスク
様々な問題を抱えるディオゲネス症候群という病気ですが、一度発症すると様々なリスクを生み出してしまうため、常日頃から注意することが大切です。
続いて、ディオゲネス症候群の発症により起こる問題を4つ紹介します。将来、ディオゲネス症候群を発症しない(させない)ためにも、それぞれのリスクを理解しておきましょう。
独居
ディオゲネス症候群を発症すると、いろんなことに対して無気力となり、誰かと会話したい、運動したいといった気持ちを失ってしまいます。
その結果、自宅に引きこもりがちになって、外に出ること自体がイヤになるので注意が必要です。前項で、引きこもりがちな人がディオゲネス症候群を発症しやすいと紹介しましたが、逆にディオゲネス症候群によりこもりがちになる人もいます。
「自宅から出ない」という要素が、ディオゲネス症候群と深くつながっているので、なるべく外出する生活を心がけてみてはいかがでしょうか。
認知症進行
ディオゲネス症候群は、認知症と似た症状を生み出すため、ディオゲネス症候群の発症により、認知症を進行させるリスクがあります。中でも、症状の進行は、家のゴミ屋敷化を進めるほか、免疫力が低下し、病気を悪化させる原因になるので注意してください。
また、認知症が進行すると、自分が誰なのか、なぜこの場所にいるのかといったことが分からなくなります。認知症を発症する前の行動を繰り返したり、大きなトラブルを引き起こしたりする可能性があるので、ゴミ屋敷の解消や認知症のケアを実施することが大切です。
身体機能の衰え
ディオゲネス症候群を発症すると、外出や運動、食生活などに対し無頓着となります。その結果、運動不足・栄養不足が進み、身体機能が衰えてしまうので注意が必要です。
また、身体機能が衰えると筋肉量が減り、骨折といったケガのリスクが高まります。これは内臓器官のはたらきを衰えさせてしまうことにつながるので、別の病気を発症する可能性があることも覚えておきましょう。
ディオゲネス症候群は、発症していない人に比べて死亡リスクが2倍近く高まります。その原因に、身体機能の衰えが影響するので注意してください。
住宅のゴミ屋敷化
ディオゲネス症候群の中でも、周囲に影響を与えるリスクが「住宅のゴミ屋敷化」です。病気の発症により、片付けや整理整頓がイヤになってしまい、ゴミを溜め込んでしまうと、自宅がゴミで埋もれてしまいます。
また、ゴミ屋敷の状態が長期的に続くと、悪臭問題や火災問題に発展する場合もあるので、住人だけの問題ではなくなってしまうため注意してください。中でも火災問題に発展してしまうと、莫大な賠償請求といった問題が発生するので、ゴミ屋敷にならないように片付けの意識づけが重要です。
ディオゲネス症候群を予防するために必要なこと
複数の問題を生み出すディオゲネス症候群を避けるためには、予防策を意識することが大切です。
ここでは、今のうちから始められる予防策を4つ紹介します。自身が意識することはもちろん、家族や友人にも対策を伝えてみてください。
家族との協力
何よりも大切なのは、家族との協力です。高齢者を一人で生活させない体制を作ることはもちろん、一人暮らしを余儀なくする場合には、ヘルスケアの依頼や定期的な訪問を心がけましょう。
高齢者がディオゲネス症候群を発症することや、ゴミ屋敷を生み出してしまう原因には「誰も止めてくれない」ことが大きく関係します。その人の状況を把握することこそ、大切な予防策だということを覚えておきましょう。
周囲や自治体による支援
中には、家族と会うことができず、ゴミ屋敷化に悩んでいる人もいるでしょう。それなら、周囲の人や自治体に助けを求めることも、手段のひとつだと覚えておきましょう。
例えば、周辺家屋の方とコミュニケーションを取り、良い対策がないか聞いてみるほか、利用できる自治体を教えてもらう方法があります。また、直接自治体に相談して支援を受けてみるのもいいでしょう。
何事も、一人では解決できない場合があります。もし悩みを解決できないなら、誰かに頼ってみてはいかがでしょうか。
若いうちからの習慣付け
ディオゲネス症候群は、高齢になって発症する病気ですので、若いうちから予防を行うことが大切です。特に若い頃の習慣づけは高齢になってからも生きてくるため、次のようなことを意識してみてください。
- 出した物を片付ける
- 不用品をすぐに処分する
- 相談できる友人・知人を見つける
上記の予防を行っておけば、高齢になっても健やかな生活を維持しやすくなります。健康な老後を迎えるためにも、ぜひ意識してみてください。
認知症対策の運動や勉強
ディオゲネス症候群は、認知症と似たような原因で発症するため、日常的できる運動や勉強を意識してみましょう。
例えば、毎日ウォーキングをしたり、読書をしたりと、身体や頭を動かす対策を始めてみてはいかがでしょうか。健康体でいることは、認知症予防として大きな効果を発揮します。特に運動は、プラス思考の考えを生み出すセロトニンを分泌するので、積極的に実施してください。
ディオゲネス症候群から生まれたゴミ屋敷は業者に片付けてもらおう
もし、家族や友人がディオゲネス症候群を発症してゴミ屋敷を作ってしまったら、片付けを行う必要があります。しかし、大量の荷物やゴミを個人で片づけるのは大変です。そこで、ゴミ屋敷の片付けは専門業者にお願いしてみてはいかがでしょうか。
最後に専門業者に依頼する魅力を3つ紹介します。ゴミ屋敷問題解決の参考にしてみてください。
短期間でゴミ屋敷を元通りに
個人でゴミ屋敷を片付けようとすると、片付けに時間がかかったり、ケガをしたりするリスクがあります。また、途中で片付けがイヤになることもあるでしょう。
このとき、片付け業者といった専門業者にゴミ屋敷の片付けを依頼すれば、短期間でゴミ屋敷を元通りの状態に改善できます。もし自分では解決できないと感じたのなら、ぜひ利用を検討してみてください。
不用品の買い取りにも対応
片付け業者にゴミ屋敷の掃除を依頼するとき、多くの費用がかかってしまいます。ただし、利用する業者によっては、不用品の買い取りに対応してくれることをご存じでしょうか。
自宅にある価値のある品の買い取りも含めてゴミ屋敷の片付けを依頼すれば、買い取り額を依頼額から差し引いてもらうことが可能です。また、複数のサービスをまとめて利用することによって、お得に依頼できる業者も多いため、事前に利用できる片付け業者のサービス内容をチェックしてみてください。
相見積もりで費用を抑えられる
なるべく費用を抑えて片付け業者を利用したいなら、相見積もりを取ってくれる業者があると覚えておきましょう。1つの業者から見積もりをもらうだけでは、片付けの相場が分からず、余計に費用をかけてしまうこともあります。
一方、相見積もりを取れば、依頼相場が分かるほか、どの業者が安く利用できるか判断できるのが魅力です。自身で複数の業者に見積もりを取るのもいいのですが、1社に相見積もりを依頼することもできるので、使いやすい方法で相談してみましょう。
まとめ
ゴミ屋敷といったトラブルを生み出しやすいディオゲネス症候群という病気は、一人暮らしの高齢者が発症しやすい特徴があります。自宅をゴミ屋敷化することはもちろん、周囲に影響を出してしまうことがあるので、常日頃から注意すべき病気です。
もし、すでに家族や友人の家がゴミ屋敷になっていて困っているなら、まずはゴミ屋敷の片付けに精通した弊社「ゴミ屋敷バスター 七福神」にご相談ください。お見積もりの作成はもちろん、ちょっとしたお悩みを素早く解決いたします。