家をきれいにしていても、思いがけずカサコソと動き回るゴキブリの姿を目撃してしまうことがあります。あの長い触覚や黒光りする体を見ると、誰でもぞっとしてしまいますよね。
ゴキブリの侵入経路はおもに6つあります。「ゴキブリなんて絶対に見たくない!」という人は、この6つの侵入経路を効果的に塞ぎましょう。さらに、ゴキブリの習性を理解してゴキブリ対策をすれば、遭遇する確率を大きく下げることができます。
今回はゴキブリの侵入経路や侵入しやすい家の特徴、効果的な対処法などを解説します。この記事を参考に、ゴキブリの心配がない快適な家を手に入れましょう。
この記事で分かること
- ゴキブリの6つの侵入経路と侵入防止策
- ゴキブリが寄り付かない家にするポイント
- ゴキブリが侵入しやすい家の特徴
- 汚部屋に湧くゴキブリの根本的な対処法
目次
ゴキブリの侵入経路は6つの隙間!
ゴキブリのおもな侵入経路は次の6つです。
- 玄関・ドア
- ベランダ・窓
- 排水口・排水溝
- 換気扇・通風口・エアコンの隙間
- ダンボール・観葉植物
- ブレーカー周りの隙間・壁の穴
なぜこれらの場所からゴキブリが入り込んでくるのか、原因を解説します。
玄関・ドアはゴキブリの侵入経路
玄関から出入りできるのは人間だけではなく、ゴキブリも侵入してくることがあります。人間がドアを開けたときに一緒に入ってきたり、郵便受け一体型のドアの隙間を通ってきたりするので注意しましょう。とくに郵便受け一体型のドアは、チラシや新聞を差しっぱなしにしていると隙間が大きくなるためゴキブリが入りやすくなります。
なお、ゴキブリの体は扁平なので、2ミリ程度の隙間ならば通り抜けられるといわれています。ドアが完全にしまっているときはさすがに侵入できませんが、いったんドアのすき間に身をひそめてから、次にドアが開いたとき入り込んでくる場合もあるので注意が必要です。
ベランダ・窓や網戸の隙間からも侵入可能
ベランダや窓の付近にいたゴキブリが、侵入してくることもあります。網戸にわずかでも隙間が空いていると、その隙間からゴキブリが入ってくるので注意しましょう。
また、ベランダには室外機の下や雨水が溜まった場所など、ゴキブリが好む環境が多く存在します。洗濯物を出し入れするときベランダの網戸を開けっ放しにしてしまう人も多いですが、ゴキブリの侵入を防ぐために面倒でもこまめに閉めしましょう。とくに低層階のベランダはゴキブリが行き来しやすいため要注意です。
暗くて湿った排水口・排水溝から侵入
台所やお風呂などの排水口・排水溝の奥に住んでいるゴキブリが、家に侵入してくる場合があります。排水口や排水溝は食べ物の残りカスや髪の毛などが溜まりやすく、水分も豊富なのでゴキブリにとって恰好の住み家です。
とくに、排水口周りの清掃が不十分だったり、「排水トラップ」の水が減っていたりすると侵入しやすくなるので注意しましょう。排水トラップは排水口や排水溝の先にあり、水を溜める害虫や悪臭の侵入を防ぐ役割を持っています。しかし、あまり使用しないでいると排水トラップ内部の水が渇いてしまい、侵入防止効果が低下します。排水口や排水溝には水道の水を定期的に流し、排水トラップの水が減らないようにしましょう。
換気扇・通風口・エアコンの隙間
キッチンの換気扇や通風口、エアコンの配管まわりの隙間などもゴキブリの侵入経路です。これらの場所は屋内外がつながった状態になっているため、ゴキブリが入り込んでくることがあります。
とくに注意が必要なのが、換気扇や通気口にフィルターを取り付けていないケースです。フィルターがないとゴキブリは自在に侵入できてしまうため、フィルターはきちんと取り付けましょう。
なお、賃貸住宅でも持ち家でも、基本的に住み始めた時点ではフィルターが未装着のことが多いです。自分で購入した覚えがなければ、フィルターが付いていないままになっている可能性が高いのでチェックすることをおすすめします。
ダンボール・観葉植物について侵入
外から持ち込まれるダンボール箱や観葉植物に、ゴキブリがひっそりと付着して家に忍び込んでくるケースも知られています。宅配されてきたダンボールを収納用具として再利用し続けている人もいますが、ゴキブリのリスクを考えると再利用よりも処分のほうがおすすめです。ゴキブリはダンボールに卵を産み付けたり、ダンボールそのものをエサとして食べたりするので注意しましょう。
また、観葉植物の植木鉢は土や水分を含むため、ゴキブリにとっては理想的な住み家となります。購入した観葉植物を持ち込む際にゴキブリが付いていないかチェックするのはもちろん、定期的に屋内の観葉植物の鉢を見てゴキブリがいないか確かめることも大切です。
ブレーカー周りの隙間、壁の穴
ブレーカー周りの壁には配線を通すための穴が開いているため、ゴキブリの侵入経路になる場合があります。壁の穴をパテで埋めておけば侵入の危険はありませんが、パテは経年劣化するため定期的に隙間ができていないかチェックすることが大切です。
なお、台所のシンクや洗面台の下にも、排水管を通すための穴が壁に開けられています。これらの穴も放置していると、ゴキブリが入ってくるおそれがあるのでパテで埋めましょう。配電盤や排水管、室外機のホースなど、家の中から外に通じる隙間や穴が開いている場所はすべてゴキブリの侵入経路になる可能性が高いです。
ゴキブリの侵入経路を徹底的に塞ぐ方法
ゴキブリの侵入を防ぐために、侵入経路をしっかり塞いで出入りできないようにしましょう。場所ごとの対策や塞ぐコツを解説します。
玄関の侵入経路を塞ぐ
玄関からのゴキブリの侵入を防ぐにはドアの開閉を最低限にして、開けっ放しにしないことが大切です。郵便受け一体型ドアの場合は、こまめに郵便物を抜いて郵便受けに隙間ができないようにしましょう。
玄関にゴキブリが嫌うミント系などの芳香剤を置いたり、待ち伏せタイプのゴキブリ駆除スプレーを使用したりするのも効果的です。殺虫成分を使いたくない人は駆除成分のないマイルドなアロマや忌避剤を使うといいでしょう。
より強い効果を求める場合には、待ち伏せタイプの駆除スプレーを玄関に散布しておくのがおすすめです。たとえば、KINCHOの「ゴキブリがいなくなるスプレー」やバルサンの「まちぶせスプレー」は、壁や床に付着した薬剤の効果が1か月程度持続して通りがかったゴキブリに効果を発揮します。
網戸・窓の隙間をテープで埋める
網戸や窓の隙間は、隙間テープを貼って塞ぎましょう。隙間テープは100円ショップやホームセンター、ネット通販などで数百円程度で購入可能です。粘着力が強く、結露で剝がれてしまわないように「防水」と書いてあるものがおすすめです。厚みがあるほうが効果的に隙間を塞げますが、分厚すぎると窓が開閉しづらくなるので購入前に適した厚みを図っておきましょう。
隙間テープを張るときは貼る場所の長さを図ってハサミでカットし、サッシの汚れを落としてから貼り付けます。なお、窓の開閉によってどうしても劣化してしまうため、定期的な張り替えが欠かせません。張り替えるときは古い隙間テープをすべてはがして新しいものに交換しましょう。
ゴミ受けと排水口・排水溝にパイプクリーナーを活用
台所やお風呂などの排水口・排水溝は、ゴミ受けとパイプクリーナーを使ってゴキブリ対策をしましょう。ゴミ受けは排水溝の受け皿部分で、排水管内部にゴミや食べカスなどが入らないようにして排水管詰まりを予防するパーツです。隙間のできないようにゴミ受けを正しく取り付けておくと、ゴキブリの通行を妨げることができます。
また、パイプクリーナーを使用して排水管を清潔に保つことも、ゴキブリが排水管に住みにくくするうえで有効です。パイプクリーナーとは「パイプユニッシュ」や「パイプハイター」のような配管のヌメリ・つまりを予防する薬剤で、液体タイプやタブレットタイプなどの形状が販売されています。ドラッグストアやホームセンター、100円ショップなどで購入できるので常備しておきましょう。
換気扇・通気口はフィルターやパテで塞ぐ
換気扇や通気口にフィルターを取り付けたり、配管用の壁の穴をパテで塞いだりするのもゴキブリの侵入を防ぐのに有用です。フィルターはホームセンターや100円ショップなどで購入でき、虫避けだけでなく油汚れやほこりを吸着する効果もあるのでおすすめです。
穴埋め用のパテは粘土のようにやわらかい建築材料で、穴を簡単に埋めることができます。数百円程度と安価で、ホームセンターなどに行くと様々な種類のパテが販売されています。速乾タイプやチューブ式で手を汚さないタイプなどもあるので、手軽に使えるものを選びましょう。
フィルターもパテも劣化する消耗品なので、汚れやゆるみ具合を数か月おきにチェックして適宜取り替えてください。
ダンボールや観葉植物は最初にチェック!
ダンボールや観葉植物は、家に持ち込む前にゴキブリの成虫や幼虫・卵が付いていないか確認しましょう。ゴキブリの卵は1センチ程度と比較的大きいので、注意して見れば見逃すことはほとんどありません。
持ち帰る際にゴキブリや卵が付いていなくても、侵入してきたゴキブリがダンボールや観葉植物の植木鉢の裏に巣を作る可能性があります。ダンボールはできるだけ屋内に置かずに処分し、植木鉢はこまめに水を変えたり動かしたりしてゴキブリがいないかチェックしましょう。
侵入を塞ぐだけでは足りない!ゴキブリを寄せ付けないコツ
ゴキブリは非常にしぶとい害虫なので、侵入経路を断つだけでは対策は万全とは言えません。ゴキブリの習性を踏まえて、寄せ付けないようにするコツを解説します。
侵入経路の近くにゴキブリ対策グッズを設置
侵入経路になりやすい玄関や水回りなどには、ゴキブリ対策グッズを設置しましょう。ホウ酸やフィプロニルなどの薬剤が入った毒餌タイプのゴキブリ団子は、置くだけで半年~1年程度の効果が持続します。毒餌を食べたゴキブリを直接殺すだけでなく、ゴキブリの卵や同じ巣のゴキブリにも効き目があるのでおすすめです。
毒餌タイプの駆除剤はプラスチックケースなどに入っているので、直接手で触れる必要がありません。ゴキブリは自分の周囲50cm~2m程度のエサしか感知できないため、毒餌を効率よく食べさせるために設置数を増やすと効果的です。
食品は容器に入れて冷蔵庫保管
ゴキブリ対策のために、食品の保存方法を見直しましょう。封を開けた食品を置きっぱなしにしているとニオイに呼び寄せられてゴキブリが集まってくるおそれがあるため、容器に入れて冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
食べ残した食品は放置せず、すぐに片付けて水気を絞り、ビニール袋に密閉してゴミ出しの日まで密閉保存しておきましょう。生ゴミのニオイが漏れるとゴキブリが寄ってきてしまいます。また、食べカスを床に落ちたままにしておくのも厳禁です。こまめに掃除機をかけて、室内に食品・食べカスを残さないようにしましょう。
結露・湿気対策
ゴキブリはジメジメとした湿度の高い場所を好むので、結露や湿気の対策をすることも重要です。窓を開けて部屋を換気し、湿度を下げるようにしましょう。もちろん、窓を開ける際には網戸に隙間ができないようにすることも欠かせません。
梅雨の時期など、とくに湿度の高い時期は除湿器を活用するのもおすすめです。冬場は室内外の温度差が大きくて結露が発生しやすいので、こまめに換気したり結露防止シートや給水テープを活用したりして結露対策を行いましょう。
生ゴミや食品トレーはすぐに捨てる
ゴキブリを寄せ付けないためには生ゴミや食品トレーを放置せず、すぐに捨てるようにしましょう。放置していると、食べ物のニオイに引き寄せられてゴキブリが集まってくるおそれがあります。
生ゴミや食品トレーは毎日捨てるのが理想ですが、実際には自治体の収集日は週2回程度しかないので数日間家で保管することも多いです。生ゴミはできるだけ水気を切ってかさを減らし、袋の口をしっかり閉じて蓋つきのゴミ箱で密閉保存しましょう。食品トレーは洗剤で洗って乾かせば、ゴキブリの好むニオイや油汚れなどを落とすことができます。
水回りを清潔に保つ
台所やお風呂、洗面台などの水回りはゴキブリの水場になりやすいため、清潔に保ってゴキブリが住み着きにくいようにしましょう。水回りに溜まった食べこぼしや髪の毛などはこまめに取り除き、ゴキブリのエサとなるものを残さないようにします。
排水溝やシンクの下などを定期的に掃除するのも、ゴキブリが隠れにくくなるので重要です。掃除や換気を行うことで水回りに湿気が溜まりにくくなり、ゴキブリの繁殖しづらい環境を作ることにもつながります。
ダンボール・新聞紙はすぐ捨てる
ダンボールや古新聞はため込まず、資源回収の日にゴミとして出しましょう。これらの紙類は湿気を溜めやすく、ゴキブリにとっては恰好の隠れ家となってしまいます。放置しておくと、ゴキブリに卵を産み付けられて繁殖を助長することにもなるので注意してください。
必要最低限の段ボールや古新聞を保管しておきたい場合は、乾燥剤とともに密閉容器に入れて保管するのが理想的です。物置などに置きっぱなしにするのではなく、置き場所を定期的に掃除してホコリや湿気を溜め込まないようにしましょう。
ゴキブリが侵入しやすい家の特徴
住宅環境によっては、侵入経路を塞いだり環境を整えたりしてもゴキブリの侵入を防ぎきれない場合がります。ゴキブリが侵入しやすい家の特徴を解説します。
築年数の古い住宅
築年数の古い住宅は建物の経年劣化によって隙間や亀裂ができやすく、ゴキブリが侵入しやすいのが実情です。とくに木造住宅は構造上高温多湿になりやすく、経年劣化による木痩せで大きな隙間が生じることがあるため注意が必要です。
また、古い配管や排水溝はゴキブリの隠れ家となりやすく、繁殖しやすい環境になりがちです。窓のサッシが大きくずれて隙間が空いたり、壁にヒビが入っていたりする場合にはゴキブリ対策のためにも根本的な補修が必要ですが、賃貸住宅の場合は原状回復の義務があるため独断では補修できません。大家さんに相談し、家の補修を検討しましょう。
アパート・マンションの低層階
アパートやマンションの低層階は地面からの距離が近いため、ゴキブリが侵入しやすい傾向にあります。とくに1階は地続きなので侵入しやすく、ゴミ捨て場や共用部分からゴキブリが入り込んでくるケースも多いです。
共用部分に枯れ葉などのゴミが積もっていたり、通路の排水溝のメンテナンスが不十分で泥が溜まっていたりする場合には、さらに侵入リスクが高くなってしまいます。
ゴキブリは高い場所から低い場所へ飛ぶ習性があるため、地面から3階以上の高さまで飛び上がるケースは比較的まれだといわれています。もちろん、エレベーターや階段を上って来たり荷物に付着したりして高層階の部屋に侵入する可能性はありますが、低層階に比べれば高層階のほうがゴキブリの侵入リスクは低いです。
1階がコンビニや飲食店のアパート・マンション
1階がコンビニや飲食店のアパート・マンションは、ゴキブリが侵入してくる可能性が高いです。1階店舗にゴキブリのエサとなる食べ物が豊富にあり、常に客が出入りするためゴキブリが建物内に侵入する機会が多くなるからです。とくに、飲食店からの油汚れや食べこぼしは、ゴキブリを誘引する大きな要因となります。
1階がコンビニや飲食店だと、個人の力ではゴキブリを防ぎきれない場合があります。近隣住民と連携してゴキブリ対策の重要性を管理会社に訴え、管理会社に共用部分の清掃を徹底してもらうなどの対策が有用です。
山や川、公園に近い家
山や川、公園に近い家は自然環境が魅力ではありますが、一方でゴキブリが侵入しやすいというデメリットがあります。これらの場所にはゴキブリのエサとなる昆虫や植物がたくさん生息しており、落ち葉や腐葉土などゴキブリが繁殖しやすい環境が整っているためゴキブリが多く住んでいます。
ゴキブリが侵入しないよう、これまでにお伝えした侵入経路を徹底的に塞ぎましょう。定期的な掃除を行い、ゴキブリ用の駆除剤や忌避剤を活用して少しでもゴキブリが住みにくい環境にすることが大切です。
汚部屋・ゴミ屋敷
汚部屋やゴミ屋敷は、ゴキブリにとってまさにパラダイスのような環境です。食べこぼしやゴミが散乱しているのでエサが豊富で、ダンボールや新聞紙などゴキブリが隠れやすい場所もたくさんあります。物であふれているため湿気がこもりやすく、ゴキブリが繁殖しやすい条件がそろっています。
家が汚部屋やゴミ屋敷になっていると、どんなに対策を行っても侵入経路を断つのは困難です。外から入ってくるだけでなく、自宅内で繁殖している可能性もあるため根本的な対策をするには家を片付けることが欠かせません。
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まとめ
ゴキブリは玄関や窓、排水口、換気扇、壁の穴などから侵入したり、屋外から持ち込まれるダンボールなどに付着して忍び込んできたりします。これらの侵入経路をしっかり塞ぎ、隙間などができていないか定期的にチェックしましょう。
侵入経路を塞ぐだけでなく、置き型のゴキブリ団子を多数設置したり、家を衛生的に保ったりすることもゴキブリ対策には欠かせません。築年数の古い住宅や低層階、1階が飲食店の住居などはゴキブリが侵入しやすい環境であるため、より徹底した対策が必要です。
汚部屋やゴミ屋敷は自宅内でゴキブリが発生している可能性が高いため、侵入経路を塞いでも根本的な解決には至らない可能性が高いです。ゴキブリ対策のために、家をすっきり片付けましょう。
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