自宅でゴキブリを1匹見つけた場合、見逃した時はもちろんのこと、退治できたとしてもそのまま放置するのは大変危険です。ゴキブリの繁殖力は人間には想像できないほど驚異的で、「1匹でも見かけたら100匹に増える」という表現も、決して大げさではありません。
退治したとしても見逃したとしても、ゴキブリを1匹でも見つけたら、速やかに大繁殖を防ぐ対策を打つのが得策です。1匹のゴキブリが大繁殖に繋がる理由や確実に駆除する方法、被害を拡大させないための対策を詳しく解説します。
目次
1匹いたら100匹!?ゴキブリの繁殖力は恐ろしい!
「ゴキブリのように増えた」という例え言葉がありますが、これは決して大げさな話ではありません。ゴキブリの繁殖力を甘く見ていると、半年も経たないうちに何十匹と増えてしまい、最悪の場合100匹を超えるゴキブリに悩まされてしまいます。
ゴキブリの生態と繁殖のメカニズムを知り、ゴキブリに対する楽観的な認識を改めましょう。1匹いたら100匹に増えてもおかしくない、ゴキブリの繁殖力の恐ろしさをご紹介します。
種類別の繁殖能力
ゴキブリは日本の全国各地に生息しており、主に見られるのは次の4種類です。
- チャバネゴキブリ
- クロゴキブリ
- ワモンゴキブリ
- ヤマトゴキブリ
どのゴキブリも、卵鞘(ランショウ)と呼ばれるカプセル状の卵を産みますが、実はこの卵鞘の中に小さな卵が大量に入っており、一気に孵化するとゴキブリが大発生します。ゴキブリの種類によって卵数は異なりますが、大まかな目安としては以下の通りです。
ゴキブリの種類 | 卵鞘に入っている卵数 | 生涯の産卵回数 |
チャバネゴキブリ | 約30〜40個 | 最大約7回 |
クロゴキブリ | 約20〜30個 | 最大約20回 |
ワモンゴキブリ | 約6〜18個 | 最大約80回 |
ヤマトゴキブリ | 約12個前後 | 最大約7回 |
つまり、1匹のゴキブリを見逃せば100匹以上のゴキブリが増え、さらに成長したゴキブリの数だけ卵が生まれるため、「たかがゴキブリ1匹」と甘く見ていると後悔する羽目になってしまいます。
メスだけでも子孫を残す
ゴキブリはメスだけで子孫を残す能力があり、逃したゴキブリがメスだった場合は1匹でも繁殖を免れません。メス単体で卵を産む行為は単為生殖(たんいせいしょく)と呼ばれており、ゴキブリ以外の昆虫や爬虫類・鳥類などにも見られる生存システムです。
基本的には雌雄で交尾して子孫を増やしますが、危機的状況に置かれると単為生殖で子孫を増やし、種族の減少を防いでいます。単為生殖は遺伝子情報の欠乏が懸念されるものの、「種を絶やさない」という面では優れた方法であり、ゴキブリを嫌う人間にとっては脅威ともいうべき繁殖能力です。
1か所に集まる性質がある
ゴキブリは、1か所に集まって集団で活動する性質が見られ、1匹でも残っていればやがてコロニーを形成します。ゴキブリが集団で活動するのは、主に次のような目的のためです。
- 寒さを凌ぎやすい
- 天敵から身を守りやすい
- 子孫を残しやすい
この目的を達成させるため、ゴキブリの糞には仲間を呼び込む成分が含まれており、匂いに誘われたゴキブリが集まりやがて巣を作ります。つまり、ゴキブリ1匹分のわずかな糞でも、室内に残っていれば多くのゴキブリを寄せ付ける原因になりやすく、早急な対策と徹底的な掃除を急がなければなりません。
1匹でも確実にゴキブリを見つけて退治する
自宅にいるゴキブリの根絶は、1匹でも確実にゴキブリを見つけて退治することから始まります。「1匹くらい見逃しても大丈夫」と思っていると、ゴキブリは確実に卵を産んで仲間を増やしてしまい、後から対処しようと思った時には後の祭りです。
1匹・2匹の段階で見つけて適切な対処をすれば、不快感を感じる時間も短時間で済み、大繁殖に怯える心配もありません。1匹でも多くゴキブリを退治するために、確認するべき場所と駆除方法をご紹介します。
叩いてつぶすのはNG!ゴキブリ駆除スプレーで退治
ゴキブリを見つけて退治する場合、叩いてつぶすのはNGです。ゴキブリは、体全体が病原菌の塊といっても過言ではなく、叩いてつぶすと病原菌が四方に拡散してしまいます。
たとえつぶした場所を除菌しても、菌がどこまで飛散したかは目に見えないため、思わぬ場所まで飛んだ菌に感染する可能性もないとは言い切れません。ゴキブリを見つけたらゴキブリ駆除スプレーで退治し、死骸に直接触れないよう処理しましょう。
見失ったゴキブリが隠れている場所
見失ったゴキブリは、隠れそうな場所を探して退治してください。例えば、ゴキブリ退治で駆除スプレーを使った場合、効き目が弱いとゴキブリは即座にその場から逃げ、次のような場所に隠れます。
- 家具周辺の隙間
- 納戸の中
- 台所のシンク下
- 家電の設置面との隙間
- カーテンの裏側
- その他の薄暗い場所
薬剤の効き目が不十分だった場合、ゴキブリは隠れた場所で生き延びてしまうため、見えなくなったからといって放置してはいけません。例に挙げたような場所をくまなくチェックすることで、ゴキブリ退治の確実性も高まります。
ゴキブリを見失った…放置はヤバい! 直後の対処と翌日からやるべきこと
ゴキブリが1匹いたらやるべき対策
ゴキブリが1匹でも自宅に侵入していると、思わぬ場所で思った以上に繁殖する可能性が高くなるので、何かしらの対策が必要です。しかし、やみくもに対策をしただけではどうしても抜けができてしまい、思った以上の効果が得られません。
1匹のゴキブリは大繁殖の前兆と考え、自宅に入れない・繁殖させない・生存させないの3点を軸に対策しましょう。自宅にゴキブリが1匹でもいたらすぐにやるべき、具体的な対策を以下で解説します。
新たなゴキブリ侵入を防ぐ
最初に行うのは、ゴキブリを今以上家屋内に侵入させないための対策です。現時点でゴキブリを1匹見かけたということは、家屋内に侵入できる隙間があると考えられます。
この隙間を塞がなければ、見かけたゴキブリ1匹だけを退治しても別のゴキブリが入り込んでしまい、いつまでたっても駆除が終わりません。まずは次のような場所に隙間テープを貼ったり、害虫侵入防止カバーをしたりして、新たなゴキブリの侵入を防ぎましょう。
- 玄関扉や窓サッシの隙間
- キッチンのシンクの隙間
- 水回りの排水口
- 洗面台周囲の隙間
- 換気扇
- エアコンのドレンホースの排水口
- 家屋内の換気口
- 地震などで外壁に入ったひび割れ
卵鞘を発見し安全に回収
ゴキブリの卵鞘を発見したら、速やかに回収して適切な処理を行います。卵鞘を放置しておくと、数十匹にも及ぶゴキブリが生まれてしまうため、せっかく対策しても効果を感じられません。
卵鞘を見つけ次第回収・処理すれば、知らないうちにゴキブリが大量発生する恐れもなくなります。卵鞘は殻さえ割れば卵を死滅させられますが、素手で処理すると菌に感染しやすくなるので、あればビニール手袋着用、なければビニール袋などを手にかぶせてつまみ上げ、ティッシュに包んで割ってから処分してください。
ダンボールにゴキブリの卵が!駆除方法から寄せ付けない保管方法
ゴキブリ用の毒エサを設置する
ゴキブリ用の毒エサの設置は、ゴキブリを探す時間がなかったり、どうしても見つけられず不安を感じる人におすすめの方法です。ゴキブリを見かけた場所や出そうな場所に設置して置けば、毒エサを食べたゴキブリが自然に退治できるので、手間も掛からず簡単にゴキブリを駆除できます。
特に、ゴキブリのコロニーごと退治できる毒エサの場合、食べたゴキブリが毒の効果を仲間の元まで運ぶため、1匹でもゴキブリが食べれば根絶的な駆除が可能です。ただし、毒エサを食べたゴキブリがどこで絶命するかはわからないため、隠れそうな場所の定期的なチェックは欠かさないようにしましょう。
くん煙剤を使用する
気化した薬剤でゴキブリ退治をするくん煙剤も、1匹残らず駆除するという点で最適な方法です。くん煙剤の効果は、使用した部屋の隅々にまで行き渡るため、見つけにくい場所に隠れているゴキブリも駆除も可能で、探す手間が省けます。
定期的に使用すれば、見逃した卵鞘から孵化したゴキブリまで逃さず駆除でき、ゴキブリが出にくくなる室内環境を維持しやすいです。ただし、くん煙剤の効果は使用した場所だけにとどまるので、自宅全体をカバーしたい場合は、各部屋それぞれで1つのくん煙剤を使用するなどの対処をしてください。
【超重要】ゴミ屋敷や汚部屋はすぐ片付ける
1匹でもゴキブリが出たら、早急に探して退治するなどの対策が重要ですが、自宅が汚部屋だったりゴミ屋敷だったりした場合、まずはすぐ片付けることから始めなければなりません。自宅内がゴミや不用品で溢れたままでは、せっかくゴキブリ駆除をしても元の木阿弥です。
綺麗に整って清潔感を保った部屋だからこそ、効果的なゴキブリ駆除や対策が可能になります。ゴキブリが1匹でもいた場合、ゴミ屋敷や汚い部屋をすぐ片付けなければならない理由と、具体的な解決方法をご紹介しましょう。
ゴミ屋敷や汚部屋はゴキブリの楽園
ゴミが散乱し不用品が積み上がっているゴミ屋敷や汚部屋は、ゴキブリにとって最高の環境であり、楽園といっても過言ではありません。ゴミ屋敷や汚部屋の多くは、ホコリ・湿度・一定した温度という、ゴキブリがこの無条件が揃っていて、カビや害虫も発生しやすくエサになるものが豊富です。
さらに、薄暗く散らかった室内はゴキブリが隠れやすく、卵鞘を産みつけても駆除されにくいため、繁殖場所としても適しています。つまり、ゴミ屋敷や汚部屋を片付けない限り、新たなゴキブリを招き入れる引き金にもなりかねず、直接的な駆除対策だけを行っても一向に解決できません。
ゴミ屋敷バスター七福神でゴキブリに住みにくい部屋へ
ゴミ屋敷や汚部屋にゴキブリが出てしまい、自分一人では駆除対策しきれないとお悩みの方は、ゴミ屋敷バスター七福神がお手伝いいたします。散らかり放題のゴミ屋敷や汚部屋は、ゴキブリの生息地としても産卵場所としても最適なので、放置しているといつまでたってもゴキブリを一掃できません。
人間にとって住み心地の良い部屋になるよう片付けることで、ゴキブリが寄り付きにくく住みにくい部屋へ生まれ変わります。七福神にご相談いただければ、最短1日でゴミ屋敷や汚部屋を片付け、ゴキブリが住みにくい部屋にすることも可能です。
事前にゴキブリ駆除に関する悩みもお聞かせいただければ、お客様にとって最適なプランをご提案いたします。現在の状況やゴキブリに対する恐怖など、些細な悩みでも丁寧にお伺いいたしますので、ぜひ相談窓口までご連絡ください。
ゴキブリ対策でのポイント
ゴキブリ対策は、ポイントを押さえて行うことでより効果的になり、快適な生活環境が整います。特に、毒餌や燻煙剤などを使用する場合、使用方法を間違えると思ったような効果が得られず、いつまでもゴキブリ対策に頭を悩ませなければなりません。
より強力なゴキブリ対策を行う場合は、事前に注意点をよく確認し、最大効果で徹底的にゴキブリを駆除しましょう。ゴキブリ対策で気をつけるべきポイントを、以下で詳しく解説します。
毒餌剤の使用期限と安全管理
ゴキブリ対策で毒餌剤を使用する場合は、必ず使用期限のチェックと安全管理を行いましょう。毒餌剤の使用期限は、未開封のもので約2〜3年保管が可能で、開封してすぐに使用した場合は約1年は効果が持続します。
しかし、開封して余った未使用の毒餌は、空気に触れているため保管中に効果が薄れてしまい、毒餌としての役割は期待できません。毒餌から毒の効果が抜けてしまったら、ゴキブリにとってはただのエサにしかならず、むしろゴキブリ寄せになる可能性も考えられます。
さらに、毒餌剤の成分は人間や動物にも有害なので、特に小さなお子さんやペットが誤飲したり触ったりしないよう、十分な完全管理が必要です。毒餌を使用する前に、必ずパッケージに記載された注意事項をチェックしておけば、安全かつ効果的にゴキブリを駆除できます。
燻煙剤使用後の再発防止
燻煙剤によるゴキブリ対策を行う場合、必ず考慮しなければならないのが再発防止策です。燻煙剤の効果はかなり高いですが、残念ながら硬い殻で包まれた卵鞘には影響が及ばないため、燻煙剤使用直前に卵鞘を産みつけられた場合、成虫が駆除できても卵鞘からゴキブリが孵化してしまいます。
つまり、「燻煙剤で駆除したから大丈夫」と1回の使用で対策を終わらせると、燻煙剤使用後に孵化したゴキブリが野放しになってしまい、また対策し直さなければなりません。卵鞘が産みつけられてから孵化するまでおよそ3週間なので、1回目から1ヵ月後にもう1回使用すれば、孵化したゴキブリも駆除できて再発防止に繋がります。
【一軒家】ゴキブリ対策で最強の方法とは?侵入を防ぐためにやるべきポイントも解説
まとめ
自宅にゴキブリが一匹でもいることを確認したら、駆除対策と侵入防止策を徹底させて、ゴキブリが寄り付きにくい環境に整えましょう。毒餌や燻煙剤などを使用した上で防止策を行えば、ゴキブリが寄り付きにくくなり今後の駆除も楽になります。
ただし、ゴミ屋敷や汚部屋のままでゴキブリ駆除対策を行っても、思ったような効果を得られずゴキブリの侵入・繁殖を防げません。自分では無理だと感じたら片付け専門業者の力も借りて、ゴキブリを寄せ付けない心地よい生活環境を作りましょう。