部屋が汚いので片付けたい…でも、何から始めたら良いのか分からない。
そんな悩みをお持ちではありませんか。
自分の汚い部屋をどうしたらいいかなんて、人にはなかなか相談できません。
なんとかしようと思って自力で片付け始めてみても、その日にちょっと片付いた気がするだけで、少し経てばいつのまにか元通り、なんてこともあるでしょう。
そこで今日は片付けのプロが、自力で汚部屋を片付ける時のコツやポイントを教えます。
目次
なぜ汚部屋になってしまうのか
せっかく部屋をキレイにしても、すぐに元に戻ってしまうようでは、苦労して片付けた意味がありません。
そこでどうして部屋が汚くなってしまうのか、まずは原因を探ってみましょう。
生活習慣
汚部屋ができる原因の一つは生活習慣です。
生活習慣といっても色々ありますが、掃除をする時間がない、家に帰るのが遅くてゴミ出しをする時間が取れないなど、掃除やゴミ出しが生活の一部に組み込まれていない人が増えています。
また、近年増えているリモートワークの影響もあります。
リモートワークであれば家にいる時間が長くなり、自由時間も増えるので掃除もゴミ捨てもやり易そうですが、常に家にいるのでオン・オフの区別がつきにくくなり、返って掃除をしなくなる人が多いのです。
こうした生活習慣によって汚部屋になる場合、習慣を変えていくことが難しく、汚部屋を克服しにくいという問題点があります。
性格
汚部屋ができる原因の2つ目は性格です。
面倒臭がりだったり、だらしなかったりすると、掃除をサボりがちになるでしょうし、不衛生な状態や物が散らかっている状態が気にならなない性格だと、そもそも掃除をする気が起きない、なんてこともあるかもしれません。
また、面倒なことを先送りする傾向のある人や、物を収集する傾向のある人、物を大切にしていてなかなか捨てられない人なども、汚部屋になりやすいでしょう。
精神疾患などの病気
最後に、精神疾患などの病気も汚部屋を作る原因の一つです。
例えばうつ病などの精神疾患に罹った場合、掃除をする気力がなくなり、汚部屋になることがあります。
または病気によって動くことが辛くなれば、掃除ができなくなることもあります。
通院などの治療の負担が重くなるにつれ、部屋の掃除にまで気が回らなくなって汚部屋になる、なんてこともあります。
こういった場合には、まずは病気を治療することが重要です。
参照:新宿ペリカンこころクリニック【心療内科Q/A】「家の中が片付けられない場合、どんな疾病の可能性が考えられますか?」
部屋の汚部屋レベル診断
汚部屋といっても様々なレベルがあります。
汚部屋とは一般に、「汚い部屋ではあるものの、ゴミ屋敷とまではいかない状態」と思っておけば良いでしょう。
とはいえ毎日見ていれば、自分ではどの程度汚いのかなんて、なかなか分からないものです。
そこでまずは片付けるにあたって、どのくらいの汚部屋レベルなのか、本当に自力でできるレベルなのか、汚部屋レベル診断をしてみましょう。
レベル1:床が物で隠れている
床に物が置かれている状態は、汚部屋のレベル1に該当し、汚部屋としては初期段階です。
汚部屋というにはまだそこまで汚くはないのですが、床に物が置かれているということは収納から物が溢れているか、だらしないかのいずれかが考えられます。
この場合、油断するとその後の汚部屋化のスピードは加速していきますので、早めの対応が必要です。
但し、まだ初期段階ですので汚部屋の克服はそれほど難しい物ではありません。
レベル2:探し物が見つからない
汚部屋は単純に汚いかどうかだけではなく、機能性からも判断できます。
部屋の中で必要な物がなかなか見つからない状態は、汚部屋としてはレベル2に該当します。
きちんと収納・整理された部屋であれば、何がどこにあるかは把握できているはずです。
何度も探し物を繰り返す状態ならば、それはもうすでに汚部屋です。
この場合、どこに何があるかも把握できていない点から汚部屋化が始まっていますので、汚部屋の克服にも少し手間がかかります。
レベル3:歩くだけでも気を使う
部屋の中を歩く際に物を踏まないなど、気を使う必要がある状態は、汚部屋レベル3に該当します。
床に物が溢れているだけではなく、床に何が置かれているのか分からず、気をつけて歩かなければならないような状態は、かなり汚部屋としては進行している状況です。
ここまでくると、汚部屋の克服も大変なレベルと言えるでしょう。
レベル4:棚や引き出しに仕舞った物が取り出せない
床だけでなく部屋全体に物が増えてしまい、開けられない棚や引き出しがある状態は、汚部屋レベル4に該当します。
このレベルになってくると、日常生活にも支障をきたし始めています。
棚や引き出しが開けられないことで中に入っている物が使えず、中に収納することもできないので、物をそのまま放置するしかない。
だから、いつも同じような服を着て、その後は床の上などに置きっぱなし。
そして、また同じ服を着るなど、汚部屋の克服はおろか日常生活にも影響が出るでしょう。
レベル5:ゴミが捨てられずに放置されている
捨てなければならないゴミが放置されている状態が、汚部屋レベル5に該当します。
この状態から更にゴミが増えてくれば、それはもう汚部屋を通り越して、立派なゴミ屋敷です。
ゴミ屋敷レベルまできてしまうと、克服するのはそう簡単ではありません。
場合によっては、自力よりも他の手段を探した方が良いレベルと言えるでしょう。
自力で片付ける7ステップ
自身の部屋のレベルを把握したら、早速片付けを始めていきましょう。
7つのステップに分けて解説します。
1.片付けに必要な物を揃えよう
片付けるには事前準備が大切です。
スムーズに片付けの作業を行うためにも、まずは必要な物を用意しましょう。
必要な物としては以下のような物があげられます。
- ゴミ袋
- ガムテープ・ひも
- 掃除道具
ゴミ袋は「後で足りない…」なんてことにならないように、汚部屋レベルに応じて少し多めなくらい用意しておきましょう。
ガムテープやひもは、ゴミとして捨てる場合にも、段ボールなどに収納する場合にも必要となりますので、事前に用意しておくと便利です。
掃除道具については、雑巾や掃除機は勿論ですが、長い間掃除していない場所にはほこりが溜まっているので、ハンディモップなども用意しておくと良いでしょう。
2.どこから何から片付けるか方針を決めよう
用意ができたら、どこから片付けて、何から始めるかを決めましょう。
床が物で埋め尽くされている場合、片付けを始める最初の場所としては、入口に近いところがおすすめです。
そこにゴミ袋などを置くスペースを作りつつ、作業を進めていきましょう。
また、物の種類を決めて作業する方法もおすすめおすすめです。
ペットボトルのゴミがあれば、まずはペットボトルを捨てることから始めて、服、雑誌や本などというように、片付ける対象となる物の種類を決めて片付けていくと、片付けに慣れていない人でもやりやすいでしょう。
3.ゴミを捨てよう
最初は分かりやすいゴミから捨てていきましょう。
ペットボトルや雑誌、カタログ、チラシといった、判断のつきやすい物から集めていくのがおすすめおすすめです。
また書類や段ボール、服などといった広いスペースを占有している物があれば、優先的に片付けていきましょう。
大きな物から片付けて床の見える場所が広がれば成果を実感しやすいので、片付けのモチベーションがアップします。
4.とにかくいらない物を集めよう
床が見えてくるようになったら、長年使っていない物を集めて捨てていきましょう。
その場合には一定の期間を決めて、例えば「一年間使っていない物は捨てる」と良いでしょう。
その際には、今収納場所にキレイに収まっている物も例外ではありません。
普段使いしているのに床に置かれている物の収納場所を作ってあげるためにも、思い切って捨てることが重要です。
5.残す物を仕分けしよう
本当に必要な物の判断ができたら、それらを仕分けして、どこに収納していくかを決めていきましょう。
片付ける際にどこに片付けるかをいちいち考えるのは面倒なので、例えばキッチン関係ならキッチン用品、食品、食器と分類したり、洋服関係なら春夏物、秋冬物、下着といったように分類して、それぞれどこに片付けるかを事前に考えておきます。
そうすれば、決めた分類に従って決まった場所に仕舞えば良いので、使った後に簡単に片付けられるでしょう。
また、収納場所を決めることで、収納できる量が目で見て分かるようになりますから、そこに入り切らない場合には何かを捨てるといったように、片付けるタイミングを知ることができるようになります。
6.物を収納しよう
物の分類の仕方を決め、それぞれ仕舞う場所を決めたら、実際に片付けていく作業を始めます。
収納にあたっては使う頻度なども考慮して、収納スペース内での置き場所を決めていきましょう。
収納スペースが足りなくなった場合には、さらに物を減らしていくか、収納グッズを購入して、収納スペースを有効活用することを検討しましょう。
7.掃除しよう
物が溢れていて床が隠れていると、そこにホコリやゴミなどが溜まっていることが多いです。
歩くのに注意が必要なレベルでは、その周囲にある棚の上や家具、家電などもホコリが溜まっています。
全てが決まった収納スペースに収まり、床の上にも物がない状態になったら、高いところから順にホコリを落とし、キレイに掃除していきましょう。
汚部屋を自力で片付ける際のアイテム別のポイント
7ステップの手順を理解した次に、アイテム別の片付けポイントを解説します。
衣類は種類別収納
衣類は大きく分けて、以下3つに分けましょう。
- 今の時期に着ている物
- 来季に着る物
- もう着てない物
衣類は増え過ぎると収納スペースに収まりきらず、床の上に山積みになったり、脱ぎっぱなしの状態で放置されたりと、部屋が散らかっていく原因となります。
洋服、小物、下着など、種類別に収納場所を決めて収納していくようにし、そこに入り切らない洋服が出た場合には、良いタイミングだと考えて思い切って着ない物から処分していきましょう。
衣類に関しては衣替えなどもありますので、春夏物と秋冬物は分けるようにしましょう。
シーズン物が混在していると、全然着ていない洋服があっても気が付きにくいです。
持っている洋服を把握するためにも、種類別に整理することを心がけましょう。
靴は収納グッズを活用
靴が多くある場合、出番がないのに何となく下駄箱に入っている靴も中にはあるでしょう。
特に流行遅れになった靴や、足に合わなかった靴などは、再び履く可能性はかなり低いです。
そういう場合、まずは一定期間以上履いていない靴は処分していきましょう。
処分しても収納しきれない場合は、シューズケースやシューズホルダーを活用して隙間収納ができれば、うまく収納できるかもしれません。
下駄箱の収納グッズは100円ショップなどでも手に入りますので、気軽に試してみると良いでしょう。
アクセサリーや小物は似たものがあれば片方を処分
アクセサリーや小物などは、似たような色やデザインの物を買うことが多く、気がつくと似たようなものばかり溜まっているということがあります。
まずは持っているアクセサリーや小物を集め、どんな物を持っているのかを把握した上で、似たようなデザインの物や長期間使っていない物を思い切って処分しましょう。
処分するのが勿体ないと感じるなら友人に譲ったり、業者やフリマアプリを介して売却するというのもおすすめおすすめです。
本や雑誌は表紙を見て判断
いつか読みたいと思って買っておいた本や雑誌も、長期間放置していた場合はそのまま読まずに放置することも多いでしょう。
絶版になった本を除けば、多くの本は必要になれば再び買うことができます。
本当に保管しておきたい本や雑誌だけを本棚や収納スペースに収納したら、それ以外の本は思い切って処分することを検討しましょう。
実際に処分するかどうかを判断する際には、中身を読むと捨てられなくなることが多いので、表紙だけで判断するくらいが良いかもしれません。
処分するかを悩むくらいであれば、思い切って処分するのがおすすめです。
本や雑誌は重いし場所も取りますので、スペースを確保するためにも売却するなどして効率的に片付けを進めていきましょう。
自力で片付けるメンタル3つのポイント
手順やポイントが理解できたら、あとは心持の問題です。
汚部屋の片付けに挑む際のメンタルについて解説します。
物を捨てることへの抵抗をなくそう
汚部屋を自力で片付けるためには、まず物を捨てることへの抵抗をなくすことが重要です。
物を捨てられない人は、必要ない物や使っていない物であっても、まだ使える、いつか使うと捨てずに取っておく傾向があります。
物を大切にすることは良いことですが、何でもかんでも取っておくと、部屋が汚部屋になってしまいます。
本当に必要な物だけを収納して、使わない物は思い切って捨てる習慣を身につけると良いでしょう。
最近使ってない物は処分しよう
- 以前はよく使っていたけど、最近は使ってない
- 何回か使って、いつかまた使うだろうと思って取ってあるけど、なかなか使う機会がない
こういった物がある場合には、思い切って処分しましょう。
特に年単位で使っていない物は、今後も使う可能性は低いです。
その品物に思い入れがある場合もあるでしょうが、思い切って捨てる勇気を持つようにしましょう。
この先使う見込みがない物は処分しよう
貰った物や衝動買いした物など、まだ使ってないけど何となく取ってある物ってありませんか。
何かで使えそうとか、いつか使うと思っていても、長期間に渡って使っていないようであれば、それをもう使うことはほぼないでしょう。
勿体ないと感じるかもしれませんが、そういった物は思い切って処分しましょう。
処分の方法としては捨てる他にリサイクルショップやフリマアプリで売却する方法もあります。
もう読まない本や着ていない洋服、使っていないカバンや家電製品など、リサイクルできそうな物については、ただ使わずにおいておくよりも有効活用できるでしょう。
長期間使っていなければ、物は劣化していきます。
不要な物を有効活用しつつ、部屋の中を整理して、清潔な状態を保てるようにするという意味では、有効な処分方法の一つです。
汚部屋に逆戻りしないための3つのポイント
汚部屋から解放されたあとは、また汚部屋にリバウンドしないように気を付けなければいけません。
二度と汚部屋にしないためのポイントについて解説します。
収納できない物を増やさない
せっかく床に物がない状態にしたのですから、その状態を維持できれば部屋をきれいに保つことができます。
物を購入する際には、今ある物を捨てて収納場所を空けるなど、事前にどこに収納するのかをよく考えて購入するようにしましょう。
定期的に片付ける
気が付いたらやろうと思っていると、実際にはなかなか実行できない物です。
そこで、例えば一ヶ月に一度は部屋の片付けをするといったように、計画的に片付けるようにしましょう。
片付けの日を決めて定期的に掃除しておくことで、少なくともその日は片付けをしようという気になりますし、片付けられないほど汚れる、という事態も避けられます。
ゴミの日を確認する
計画的にゴミを出すようにすることは、清潔な部屋を維持するためには重要なポイントです。
ゴミ出しの日を意識することで、ゴミ出しの日に向けて不要な物を定期的に処分できるようになり、部屋にゴミが溜まっていくことを予防できます。
特に、ガラスびんやペットボトル、新聞や雑誌などといったリサイクルできるゴミは日にちが決まっていますので、意識的に分別して指定の日に出すことが重要です。
また生ゴミは腐敗すると臭いが部屋に充満するので、特に早めに捨てるように心がけましょう。
汚部屋のビフォーアフター
汚部屋から克服するためには専門業者への依頼が確実です。
そこで、専門業者に依頼することで汚部屋を克服した事例を、ビフォーアフターを交えていくつかご紹介します。
汚部屋克服ビフォーアフター事例①マンション1LDK
マンションの1F、1LDKの汚部屋を克服しました。
2人のスタッフにて2時間。事例を見ていただけると分かるように、汚部屋がすっかり克服されました。
汚部屋克服ビフォーアフター事例②マンション2F・1LDK
愛知県常滑のマンションの2Fの汚部屋克服事例です。
汚部屋というよりもほぼゴミ屋敷の状態でしたが、5人のスタッフにて4時間で汚部屋を克服しました。
汚部屋克服ビフォーアフター事例③1K
京都市の1Kのマンションの汚部屋のビフォーアフター事例です。
急遽両親が訪ねてくることになったので汚部屋を克服したいとの相談を受けました。
3人のスタッフにて不用品の回収、ハウスクリーニングも行うなど、4時間の作業で汚部屋を克服しました。
汚部屋を自力で片付けるためのまとめ
以上のように、汚部屋を自力で片付ける際には、まず汚部屋レベルを把握し、きちんと方針を立てること。
そして、正しいステップを踏み、ポイントをおさえて片付けていくことが重要です。
汚部屋は勝手に片付いてはくれません。
汚部屋から脱出するためには、捨てられる物はとにかく捨て、必要ならば収納を見直して、収納できる量まで物を減らさなければなりません。
しかし、自力で片付けるのが難しいと思った場合には、専門業者に依頼することも視野に入れてみると良いでしょう。
専門業者であれば、汚部屋の克服は難しい物ではありません。
ただ、一度汚部屋をキレイにしたら、もう二度と汚部屋に逆戻りしないように、片付けやゴミ捨てを習慣化するようにしていくと良いでしょう。