分譲でも賃貸でも、マンションに住んでいるとどうしても気になってしまうのが、湿気などによって生えてしまうカビの対策です。自分では換気をしているつもりなのに、室内の壁紙や床・押入れなどにカビを見つけてしまうと、「あんなに気をつけているのに」と嘆きたくなります。
マンションのカビ問題は、カビが生える原因を理解した上で、適切な対策を立てることが大切です。今回は、今すぐできるマンションのカビ対策10と、カビの生えやすい場所・特徴を詳しく解説します。
目次
マンションにカビが発生しやすい理由
マンションに住んでいてカビが発生したとき、「今までと同じように住んでいるのにどうして?」と疑問に悩むケースは多く、自分なりに対策することも珍しくありません。しかし、なぜカビが発生するのかという理由を知っておかないと、せっかく対策してもあまり効果が得られず、いつまでも悩み続ける人もいます。
マンションのカビ対策は、なぜ発生しやすいのかを知ってから、発生場所に合わせた対策を取ることが重要です。マンションではなぜカビが発生しやすいのか、具体的な理由を以下で解説します。
戸建てよりマンションにカビが生えやすい理由
戸建てとマンションを比較した場合、よりカビが生えやすいのはマンションの方ですが、その主な理由に挙げられるのが気密性の違いです。気密性とは、簡単にいうと建物内の隙間(空気の流れ)のことで、気密性が高いほど空気の出入りが少ないと考えられています。
一般的に、マンションは戸建てよりも気密性が高く空気の流れが一定しているため、湿気がこもっても外部に漏れにくくカビも生えやすいです。戸建ても気をつけなければカビは生えますが、マンションよりは気密性が低く湿気を逃しやすいので、戸建てよりマンションの方がカビが生えやすいと言えます。
カビの生えやすいマンションの特徴
同じマンションというくくりでも、カビの生えやすさを左右するのがマンション自体の特徴です。例えば、高層マンションの上層部は風が強いので、窓が開けられなかったりベランダ自体がなかったりするケースも多々あり、通気性が良いとは言えません。
また、地下に駐車場があったり換気システムが古かったりするマンションも、湿気がこもりやすくカビの原因になります。このようなマンションの場合、各部屋で独自に対策をしないと、湿気を逃しきれずカビの発生を防げません。
マンションでも特にカビが生えやすい部屋の特徴
マンション内でも特に気をつけなければならないのが、カビが生えやすい特徴がある部屋の対策です。例えば、窓がない浴室や洗面所は、24時間換気扇を回さなければすぐに湿気がこもり、浴室や洗濯機の裏側の壁にカビが大発生してしまいます。
また、日当たりが悪い部屋や通路の面した部屋は空気の通りも悪く、クローゼットや押入れにまでカビが生えることも少なくありません。最初からわかっていれば対策も立てやすいですが、実際に入居してみてから湿気がこもりやすいと気づくケースも多く、部屋の特徴を知らずに暮らした結果、カビに悩まされる人も良く見られます。
マンションでおすすめのカビ対策10選
マンションの気密性が高い以上、どのような部屋に住んでいてもカビ対策は必須と考えた方が無難です。少し手間が掛かっても、ほんのちょっとの工夫でカビの発生を抑えられれば、資産価値も守られ退去費用が高額になる心配もありません。
これからご紹介するカビ対策で、湿気に負けない快適空間を作り上げてください。マンションでオススメの、カビ対策10選を詳しくご紹介しましょう。
1.除湿機やエアコンで湿気を除去する
湿気の多い部屋や場所に除湿機エアコンがある場合は、適度に動かして室内の湿気を除去します。例えば、通路側に寝室があり日当たりが悪い場合、寝具からの湿気も加わってカビやすくなりがちです。
寝室のエアコンを除湿モードで動かせば、空気中の湿気が除去されるので湿気にくくなり、寝具の不快感も改善しやすくなります。この時、室内のクローゼットや押入れも全開にしておくと、収納場所にこもった湿気の解消も可能です。
2.外に面した壁に家具をくっつけて置かない
外に面した壁には、家具をぴったりとくっつけるように置いてはいけません。気密性の高いマンションの壁は、空気が通りにくく外気の影響を受けやすい状態です。そのような場所に、壁にくっつけるように家具を置いてしまうと、外壁から伝わる気温差で湿気が溜まってしまい、壁紙だけではなく家具にもカビが生える可能性があります。
外に面した壁にどうしても家具を置きたい場合は、できれば10cm、無理そうなら5cm程度の隙間を開けて、温度差による湿気を回避できるよう工夫しましょう。
3.結露は早く拭き取る
壁紙や窓の周囲に結露を見つけた場合、速やかに拭き取り水気が溜まらないよう気をつけなければなりません。特に冬場は、朝・昼・夜の寒暖差が激しいため、ほぼ一日中結露が発生してしまいます。
結露は湿気を助長させる原因で、そのまま放置するカビの侵食と劣化で建具が腐ってしまい、高額なリフォーム料金という経済的リスクを回避できません。特に床が木製フローリングだった場合、ワックスだけではなく合板が剥がれることもあるので、結露は見つけ次第速やかに拭き取るのが正解です。
4.部屋干しや加湿器を控える
気密性が高いマンションでは、洗濯物の部屋干しや加湿器の使用もできるだけ控えましょう。マンションの室内で部屋干しをすると、洗濯物から上がる湿気で湿度が上がり、床の角や壁にカビが生えてしまいます。
加湿器も同様で、マンションで使用すると湿度が上がってしまい、カビの発生を助長しかねません。マンションの室内では部屋干しも加湿器の使用も控え、どうしても部屋干ししたいときは除湿機やエアコンの除湿モードも同時に活用しましょう。
5.水槽もカビ発生の要因に
室内に金魚や熱帯魚の水槽を置いている場合、そこから発生した湿気もカビの要因になります。水槽周りは常に水が自然蒸発し、頻繁に移動しないことからホコリや汚れが溜まりやすい環境です。カビは、適度な湿気と栄養源になるものがあれば発生するため、室内の水槽からカビの原因になるケースもよく見られます。
できれば水槽は置かない方が良いですが、趣味でどうしても置きたい場合は蓋つきの水槽にして風通しの良い場所に設置してください。その際、サーキュレーターも使用しで空気を巡回させれば、湿気対策としてかなり効果的です。
6.お風呂の使用後はすぐに換気する
湿気の溜まりやすいお風呂場は、使用後にすぐ換気して湿気を分散させるようにします。ここでいう換気とは、お風呂に設置された換気扇を回すだけではなく、窓や扉を解放して換気する方法のことです。
使用後のお風呂場は、水滴と熱気がこもった状態なので、換気扇だけでは湿気を逃しきれずカビが生えてしまいます。換気扇を回しつつ窓や扉を開けておけば、熱気と湿気の両方を飛ばしやすくなり水滴が溜まりません。
7.定期的に換気を行う
定期的な換気も、マンションのカビ対策では日常的に行うべき対策です。気密性が高いマンションの室内は、仕事や学校などで住人が留守になり、1日閉め切った状態が続くだけでも熱気と湿気が溜まります。
帰宅後最低でも30分ほど窓を開けて換気すれば、空気の入れ替わりと同時に熱気と湿気も追い出され室内に止まりません。窓が開けられない場合は、キッチンの換気扇を回しつつサーキュレーターも併用すると、換気の効率を上げられます。
8.防カビコーティングをする
室内に防カビコーティングをして、カビ自体をシャットする方法もおすすめです。防カビコーティングとは、カビの元になるカビ菌の付着を防ぐためのコーティング剤で、気になる場所を事前に処理しておけば、空中を漂うカビ菌の付着を防ぎます。
カビ菌が付着しなければ、条件が整っていてもカビが生えにくくなるため、湿気対策と併用すればかなり効果は高いです。防カビコーティング剤には、くん煙タイプやスプレータイプなど様々な種類がありますが、しっかりコーティングした人は専門業者へ相談してみましょう。
9.結露が発生しやすい窓に断熱材を張る
カビの発生原因うち、特に窓の結露が気になる人におすすめなのは、窓ガラスに断熱材を張る方法です。そもそも結露とは、暖かい空気が冷たい空気に触れることで、空気中の水分が液体化する現象なので、断熱材で冷たい空気が遮断できれば結露は発生しにくくなります。
完全に発生を抑えられなくても、軽減できれば水分量自体がかなり減るため、拭き取る作業も苦になりません。本格的な断熱シートが用意出来ない場合は、荷造りなどでよく見られる緩衝材(ビニール製のプチプチ)を窓に貼れば充分代用可能です。特に冬場は断熱材としての効果も期待でき、結露と暖房費の両方の削減に繋がります。
10.いらない家具や衣類を処分する
一見関係ないように見えますが、いらない家具や衣類を処分することも、マンションにおける立派なカビ対策です。ただでさえ気密性が高いマンションに、いらない家具や不用品がひしめき合っていると、どれだけ換気を頑張っても通気性が悪くカビを発生させてしまいます。
特に、いらない衣類は湿気を吸ってしまうため、ふとした瞬間に持ち上げたらカビが生えていた、というケースも大げさな話ではありません。室内にいらない家具や衣類が積み上がっている人は、思い切って処分するだけでも立派なカビ対策です。
マンションでカビが発生はこんなに危険
マンションでカビが発生したとき、害虫のような目に見える気持ち悪さや被害が実感できないため、「見えなければいいだろう」と放置する人も良く見られます。しかし、カビの被害は見えにくいからこそ危険で、決して見て見ぬ振りをしていいものではありません。
マンションで発生したカビが及ぼす悪影響を知り、カビ対策に対する意識を改めて高めましょう。マンションでカビが発生したとき、ありえるかもしれない危険について詳しく解説します。
健康被害
自宅マンションでカビが発生したとき、最初に思いつく危険は健康被害です。カビの胞子は肉眼で見えないほど小さく、空気中を舞っていても気がつくことは不可能なので、気がついたら健康被害を受けていた、という人も数多く見られます。
カビの胞子を吸い込むとアレルギー反応を引き起こし、慢性的なくしゃみや鼻水といった被害は免れません。症状がさらに悪化すると、呼吸器系に異常を起こしたり免疫力が下がったりして、病気になりやすい体になってしまいます。
高額なリフォーム費用や退去費用
リフォーム費用や退去費用が高額になりがちなのも、カビの被害の例として挙げられます。例えば、窓がない洗面所でカビ対策をしていなかった場合、ホコリが溜まりやすい洗濯機の周囲はカビが生え放題で、壁紙だけではなく壁まで侵食することも珍しくありません。
このような場合、コンクリート壁のカビ処理をしてから壁紙を全面貼り直さなければならず、リフォーム費用や退去費用が30万円を超えることもあります。賃貸マンションの場合、経年劣化と認められれば費用は貸主側になるものの、使い方の問題だと言われれば揉めるのは確実で、最悪の場合高額な退去費用を支払わなければなりません。
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悪臭や見た目のストレス
カビの悪臭や見た目の気持ち悪さから、ストレスを感じるのもカビ被害の悪影響と言えます。例えば、結露からカビが生えて壁紙を侵食した場合、黒いシミがじわじわと浮き出ているような見た目をしており、室内全体が暗く淀んだ雰囲気でかなりのストレスです。
また、広範囲に広がったカビからは湿って泥のような悪臭が漂い、お世辞にも過ごしやすい場所とは言えません。そこまでカビが侵食していれば健康被害も受けやすく、心身ともに体を壊すこともあります。
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カビが発生してたら早急にカビ取りを行う
自宅マンションでカビが発生しているのを見つけたら、取るべき方法は早急なカビ取りの一択です。しかし、カビは壁紙だけではなく建材にまで浸透している可能性が高く、ただ拭き取ったりこすったりしただけでは落としきれません。
マンションにカビが発生したら、専門の方法で根絶的なカビ取りを行うことがポイントです。カビが発生しているのを見つけたとき、早急にカビ取りするための具体的な方法を以下でご紹介します。
自力でカビ取りを行う
カビを見つけたとき、まだ発生範囲が狭く被害も最小限なら、市販の薬剤を使用して自力でカビ取りを行いましょう。カビ取り剤の多くは塩素系で殺菌効果も高く、カビに掛けて拭き取れば簡単にカビ取りができます。
家具についたカビに、塩素系のカビ取り剤を使用することはできませんが、エタノールなどで拭き取れば殺菌することは可能で、家具を傷める心配もありません。カビ取り剤は強力で使用可能な材質も制限があるので、使用上の注意をよく読んで選んでください。
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カビ取り業者に依頼する
カビが広範囲に広がっていて、自力では拭き取りが不可能だと感じたら、カビ取り業者へ依頼します。カビ取り業者は、独自開発の特殊な薬剤やノウハウを駆使するので、カビ取りもより強力で根絶的です。
自分では見逃しそうなカビも、豊富な経験から取りこぼすことなく対処してくれるため、安心してお任せできます。まずは口コミやホームページなどで情報を集め、複数の業者から見積もりをとって比較し、より状況に合った業者を選んで依頼しましょう。
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まとめ
マンションは気密性が高く湿気がこもりやすいため、事前のカビ対策は必須です。特に、換気システムが古かったり地下に駐車場があったりするマンションは、湿気が上がってきやすくカビが生えやすい環境にあります。
日常的にカビ対策をしておけば防ぎやすいものの、隠れた場所に生えたカビはなかなか気づけず、自力で拭き取ることは難しいのが現状です。しつこいカビをどうしても取りきれない場合は、カビ取り専門業者や片付け業者に依頼して、マンションのカビを一掃してから改めてカビ対策を行いましょう。