エアコンの取り外しは素人でもできる?取り外しの手順を解説

エアコンを買い替える時は、本体購入費や取り付け工事費がかさみます。

転居により取り外しが必要になった場合も、引っ越し代とは別に取り外し料金の支払いが必要です。

ただでさえかさむ出費、「エアコンの取り外す費用くらいは節約したい」と思う方もいるでしょう。

この記事では、エアコンの取り外しを自力で行う方法について、詳しく解説します。

エアコンの取り外しをセルフで行う際は、注意点やリスクについても確認の上、安全を最優先にしてください。

エアコンの取り外しは素人でもできる?取り外しの手順を解説

エアコンは素人でも取り外し可能?

エアコンは素人でも取り外し可能?

エアコンの取り外しを行っている専門業者や家電量販店はたくさんありますが、結論から言うと、素人でもエアコンの取り外しは可能です。

エアコンの取り外し作業を行うにあたっては、特に必要な資格はないため、初心者でもできないことはありません。

ただし、エアコンには「ポンプダウン」と呼ばれる冷媒ガスをまわす部分をはじめ、経験や熟練の技が必要になる作業もあるため、知識のないまま取り外しを行うのは危険です。

故障や感電、事故やけがのリスクを把握した上で、エアコンの取り外しを行うようにしましょう。

エアコンを自分で取り外すメリット

エアコンを自分で取り外すメリット

大きくて重量のあるエアコン本体を自力で取り外すことは、そう簡単ではありません。

プロの業者に依頼した方が、手間と時間を省けるのは明確です。

しかしそれでも、セルフでエアコンの取り外しを行うことには次のようなメリットがあります。

取り外し費用が安く済む

自分でエアコンを取り外す一番のメリットは、経済的な負担を軽減できることでしょう。

通常、業者や家電量販店に依頼すると、エアコン取り外し工事費だけでも5,000円~8,000円程かかります。

取り外し工事費とは別に出張費が発生するケースもあり、トータルで見ると決して安い金額ではありません。

しかし、自分でエアコンの取り外しを行えば、かかる費用はほぼゼロです。

かかったとしても、取り外し作業に必要な道具の購入代だけで済むため財布には優しいでしょう。

予約を取る必要がない

業者に依頼しても、すぐにエアコン取り外し工事に来てもらえるとは限りません。

繁忙期の場合は予約も埋まりやすく、問い合わせから数か月かかることもあります。

しかし自分で取り外しを行えば、作業日は自分のスケジュール次第です。

“待ち”の状態がないため、業者の枠が空くよりも早くエアコンを取り外せるケースもあります。

自分でエアコンを取り外すことは決して容易ではありませんが、お金と時間の面で見るとメリットは大きいです。

作業前に必要な準備

作業前に必要な準備

自分でエアコンを取り外すと決めたら、作業に取りかかる前に下準備を行いましょう。

取り外しに使う道具を揃える

エアコンの取り外しに使用する道具を用意します。

最低限必要なものは、以下のとおりです。

〈必要な道具〉

  • ビニールテープ
  • 養生シート
  • 軍手
  • ゴミ袋
  • プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • モンキーレンチ(モンキースパナ)
  • 六角レンチ
  • ニッパー
  • ペンチ
  • 脚立
  • カッターナイフ
  • エアコン配管用のパテ(エアコンキャップでも可)

いずれも、ホームセンターなどで購入できますが、一部100円ショップで手に入る道具もあります。

ゴミ袋・軍手・カッターナイフなどは、自宅にあるものや100円の商品で十分です。

ただし、六角レンチ・プラスドライバーなどの専用工具は、強度のあるホームセンターの商品の購入をおすすめします。

作業スペース・搬出動線を確保する

大型家電のエアコンを取り外し、外へ運び出すとなれば、それなりのスペースと搬出動線が必要になります。

あらかじめ確保しておかないと、後から作業が行き詰まったり余計な時間がかかったりする可能性が高いです。

エアコン周辺のものは退けておき、脚立や取り外したエアコンを置けるスペースを空けておきましょう。

エアコンは奥行きもあり、取り外した状態だと壁かけ時より大きく感じます。

気持ち広めに場所を開けておくと、スペースにもゆとりを持って作業が効率良く進められるはずです。

また、エアコンは室内機だけでなく室外機もあるため、外側の同線の確保も必要です。

搬出動線が草木で生い茂っている、隣の建物が行く手を阻む、などの状態では運び出し作業は困難です。

取り外したものの、運び出せないという事態にならない為に、あらかじめスペースと同線を確保しておきましょう。

エアコンの取り外し方法

エアコンの取り外し方法

それでは本題、エアコンの取り外しの手順の説明に移ります。

エアコン本体の取り外しであれば1時間ほどで終わりますが、流れに沿ってひとつずつ進めることが重要です。

おおまかな手順は、以下の通りです。

  1. 手順①エアコン下の床を養生する
  2. 手順②室外機のカバーを外す
  3. 手順③ポンプダウンを行う
  4. 手順④エアコンの運転を停止してコンセントを抜く
  5. 手順⑤外したバルブキャップを再び取り付ける
  6. 手順⑥室外機を取り外す
  7. 手順⑦室内機を撤去する
  8. 手順⑧壁の穴をパテで埋める

それほど難しい作業はありませんが、ひとつひとつの工程を丁寧に行わないと、故障やケガの原因になります。

1人では行わず人の手を借りながら、慎重に行いましょう。

ここでは、各手順についての詳細を注意点と合わせて説明していきます。

手順①エアコン下の床を養生する

エアコンを取り外す前に、部屋を養生することから始めましょう。

これは、エアコンを取り外す際、床を排水で汚したり、工具を落として傷つけたりすることを防ぐためです。

エアコン室内機を壁から取り外す際は脚立を使用する上に、取り外したエアコン本体や工具類を床に置いて作業を進めるため、部屋を傷つけないための養生は必須です。

エアコンを取り外すとほこりやごみが落ちることもありますが、養生マットを敷いていれば部屋が汚れる心配もありません。

手順②室外機のカバーを外す

エアコン室内機周辺に養生マットを敷いたら、外に出て室外機側に移動します。

一般的にエアコンというと室内機が思い浮かぶかと思いますが、実際は室外機の取り外しが第一工程で、室内と室外を行ったり来たりしながら作業を進めていきます。

まずは、プラスドライバーを使って、室外機の側面にあるカバーを取り外しましょう。

この時、室外機が置かれている環境によっては、ネジがさびていたりネジの頭がつぶれていたりすることがあります。

プラスドライバーを使っても噛み合わず、ネジを取り外せないケースもあります。

このような場合は無理に取り外さず、防錆潤滑剤を使ってから再度ネジをまわしてください。

潤滑剤を吹きかけることで、さびつき・つぶれたネジも取り外しやすくなるはずです。

一度外したネジはカバーを取り付ける際に使いますので、捨てずにとっておきましょう。

また、室外機周辺は電源コードなどで感電するリスクがありますので、作業はくれぐれも慎重に進めてください。

手順③ポンプダウンを行う

室外機のカバーを外したら、次はポンプダウンの作業に入りましょう。

ポンプダウンとは、エアコンの配管内にある冷媒ガスを回収する作業のことです。

これを行わないと、フロンガスが排出され環境汚染のリスクがあります。

ポンプダウンは、以下のように段階を踏んで進めていきます。

  1. バルブキャップ(弁)を外す
  2. エアコンの強制冷房運転をする
  3. 送り側の配管バルブを閉める
  4. 強制運転冷房(2~3分)後、受け側のバルブを締める

ポンプダウンを行うのに資格や経験は必要ありませんが、手順を間違うと事故やケガにもつながりかねません。

ひとつひとつ慎重に丁寧に、よく確認しながら行いましょう。

バルブキャップ(弁)を外す

まず初めに、六角形の「バルブキャップ(弁)」を取り外す作業にとりかかります。

バルブキャップは、送り側・受け側の両方とも回して外しましょう。

作業には、「モンキースパナ」を使用します。

モンキースパナをバルプキャップにあてて、左側(半時計)まわりに回すと外れます。

注意点は、配管を接続している六角ナットと間違わないようにすることです。

誤って外すと、冷媒ガスが漏れて危険を伴います。

肌に触れれば凍傷、目に入れば失明の恐れもあり、大けがにつながりかねません。

スパナをまわす前に、外すべきバルブキャップが合っているかを必ず確認してください。

また、室外機カバーのネジと同じように、錆びて回しにくくなっている場合もあります。

このような場合は、モンキースパナを2本使って固定しながら回すと良いです。

ちょうど90℃まわした部分には配管がつながっていますが、ここにも冷媒ガスが流れているため触れないよう注意してください。

キャップが外れると「バルブ(弁)」が見えますが、取り外したキャップは後ほど使いますので、失くさないよう保管しておきましょう。

エアコンの強制冷房運転をする

次に行うのが、エアコンの取り外し作業の中でもとくに重要な「ポンプダウン」です。

ポンプダウンとは、エアコンや配管パイプの内部に残っているフロンガスを室外機に送って、閉じ込める作業のことを言います。

しかしポンプダウンは、すぐに取りかかることはできません。

必ず下準備を行い、手順に沿って行う必要があります。

その工程のひとつが、エアコンの「強制冷房運転」です。

強制冷房運転を行わずに作業を進めると、フロンガスが漏れ出てエアコンの冷房効率が落ちるだけでなく、大気汚染につながります。

ポンプダウンを行う第一段階として、まずエアコンで「強制冷房運転」を行いましょう。

気温の高い夏場は、設定温度を最低まで下げて、通常通り冷房スイッチを押すだけでOKです。

しかし冬場は、外気が冷たく気温が低いため、冷房スイッチを押してもファンが回らない場合がほとんどです。

このように冷房運転できない時期については、エアコンの機能として搭載している「強制冷房運転」を行います。

強制冷房運転のスイッチは、エアコンのカバーを開けて右端にあることが多いです。

強制冷房運転の方法については、エアコンの取り扱い説明書に記載がありますので、事前に確認しておきましょう。

それでもわからない場合は、各メーカーの問い合わせ窓口に連絡してください。

  • ダイキン工業:電話(0120-881-081)またはメールでの問い合わせ
  • パナソニック:電話(0120-878-692)またはメールでの問い合わせ
  • 日立:電話(0120-3121-11)または電話またはLINEでの問い合わせ
    • 携帯電話の場合は050-3155-1111
  • 富士通:電話(0120-81-1539)での問い合わせ
    • 携帯電話の場合は0570-78-3885
  • 三菱電機:電話(0120-139-365)での問い合わせ
    • 携帯電話の場合は03-3414-9665
  • 東芝:電話(0120-1048-00)での問い合わせ
    • 携帯電話の場合は0570-78-3885
  • シャープ:電話(0120-78-178)での問い合わせ
    • 携帯電話の場合は0570-550-449

送り側の配管バルブを閉める

強制冷房運転を始めたら、エアコンを稼働させたままの状態で室外機側に出てバルブを閉めましょう。

エアコンのバルブには2種類あり、動線の太さで「送り側」「受け側」に分かれています。

  • 送り側:細い銅管が付いている
  • 受け側:太い銅管が付いている

上記のうち、配管を閉めるのは“細い銅管が付いている”「送り側」のバルブです。

送り側のバルブを締めずに作業を続けると、冷媒ガスが漏れる恐れがありますが、バルブを締めることで、室外機内のガスを室内機に送るのを停止できます。

バルブを締める際は六角レンチを使用しますが、締めすぎるのもNGです。

力を込めすぎるとバルブが破損する場合があり、ガス漏れの危険があるため注意が必要です。

また、誤って動線が太い「受け側」のバルブを締めると、エアコンのコンプレッサーが破裂しガス漏れの原因になります。

強制運転冷房(2~3分)後、受け側のバルブを締める

送り側のバルブを締めた後は、強制冷房運転を2~3分ほど続けましょう。

締めた後に数分エアコンを稼働させることで、室内機の内部や配管内に溜まった冷媒ガスが室外機に入っていきます。

強制運転冷房を停めた後は、先ほど触れなかった“太配管が付いている”「受け側」のバルブを締めてください。

送り側と同じく、強く締めるのは禁物です。

緩すぎず、きつすぎず、冷媒ガスが漏れ出ない塩梅の力加減で締めましょう。

以上で、ポンプダウンは完了となります。

作業自体はシンプルで難しいことはありませんが、バルブの種類や締め加減など、正確さと丁寧さが重要な工程です。

繰り返しになりますが、配管を誤るだけで危険を伴いますので、ひとつひとつの工程を慎重に進めてください。

手順④エアコンの運転を停止してコンセントを抜く

手順④エアコンの運転を停止してコンセントを抜く

ポンプダウンの工程を終えたら、速やかにエアコンの室内機の運転を停止します。

送り側と受け側、2つにバルブを閉じたままエアコンを稼働させると、室外機のコンプレッサーに負担がかかります。

コンプレッサーが爆発しガス漏れにつながる危険性もありますので、必ず電源を切りましょう。

停止する際は、リモコンを使用します。

エアコンの電源を切った後は、室内機の風向板と室外機のファンが止まったことを確認してから、コンセントから電源プラグを抜きます。

電源プラグがつながったままの状態だと、感電の恐れがあり非常に危険です。

運転停止後は、「必ずエアコンのコンセントを抜いてから」、作業の続きに取りかかってください。

手順⑤外したバルブキャップを再び取り付ける

手順③で室外機から取り外したバルブキャップ(弁)を、モンキースパナを使って元に戻します。

キャップを再び取り付ける時は、外した時とは逆方向にモンキースパナを回します。

方向は右まわり(時計まわり)です。

手順⑥室外機を取り外す

ここまで作業が進んだら、ここからは「室外機の取り外し」に取りかかります。

室外機を取り外す作業は、以下4つの工程を踏んで行います。

  1. 配管(動線)と室外機を取り外す
  2. 配管の接続部をテープで保護する
  3. 室外機の電源コードを取り外す
  4. 独立した室外機を移動する
  5. 壁に残った据付板(背板)を取り外す

室外機の取り外し作業は、ケーブル等の処理も行いますので、今一度コンセントから電源タップが抜けていることを確認してください。

銅管(配線)と室外機を取り外す

まずは、室外機バルブの上にあるナットをモンキースパナで回しましょう。

取り外す際は、細い管・太い管の順で、ナットは左まわり(反時計まわり)に使うと外れます。

バルブの締め具合によっては力がいる作業ですが、無理は禁物です。

この時、一瞬だけ「ぷしゅっ」と音がしたら、ポンプダウンは成功です。

「ぷしゅー」のように、音が長く続いたら、ポンプダウンが不十分な証拠です。

冷媒ガスがまだ漏れている可能性がありますので、手順③に戻ってポンプダウンをやり直しましょう。

配管の接続部をテープで保護する

無事2本の動線を取り外し終え、ポンプダウンも問題なければ、配管の保護を行います。

室外機側・配管側の接続口から、虫やゴミが入るのを防ぐためです。

保護せずに保管すると、穴から入り込んだ異物が原因で、再びエアコンを取り付けた時に故障や不具合を引き起こす場合があります。

保護に使用する道具は、ビニールテープでOKです。

ぽっかりと開き、むき出しになった接続部にテープを貼りつけて、穴をふさぎましょう。

取り付け時にすぐ剥がせるように、テープを一部折り曲げておくと良いです。

室外機の電源コードを取り外す

次に、電源コードの処理を行います。

室外機の内部に、「黒」「白」「赤」、3本の電源コードがありますが、どのエアコンも基本的には灰色のコード1本にまとまっています。

コードの接続部に付いている白いスイッチを押しながらコードを引き抜くことで、電源コードの取り外しが可能です。

コードがネジで留められている場合は、ドライバーを使って外しましょう。

取り外したコードの先端は、保管中につぶれてしまわないようビニールテープ等を使って保護します。

エアコンを再び利用せず、そのまま廃棄する場合は不要です。

コードを取り外す際も、処分を前提とするのならペンチ等を使って切断してもかまいません。

ただし、黒・白・赤の電源コードを3本まとめて切断すると、コンセントから電源タップを抜いていてもショートする場合があります。

感電する恐れもありますので、面倒でも1本ずつ切断した方が安全です。

電源コードの処理は、室外機を取り外す工程の中でもっとも重要で危険を伴います。

電源コードを取り外す前に、コンセントから電源タップが抜けていることを今一度確認していください。

独立した室外機を搬出する

電源コードの取り外し作業を終えたら、ようやく室外機の撤去です。

一般的に、室外機はプラスチックブロックの台座に固定されていることがほとんどです。

このままでも運べますが、台座から室外機を取り外した方が搬出しやすくなります。

プラスドライバーを使えば簡単に行えますので、台座のボルトを外しておきましょう。

注意すべきなのは、室外機を立てた状態で運ぶこと。

室外機は20〜50kgと重量があるため、撤去・搬出作業は決して1人では行わず、2人以上で運び出してください。

また、室外機の内部に雨水やごみが溜まっている場合もありますので、搬出する際は汚れないよう気を付けましょう。

手順⑦室内機を撤去する

手順⑦室内機を撤去する

ここまで来たら、室内機の取り外しを行います。

室内機の撤去区も室外機と同じように、段階を踏んでひとつずつ慎重に行いましょう。

  1. 化粧カバーを取り外す
  2. 室外機側のドレンホースを切断する
  3. 配管(銅管)を切断する
  4. 室内機を壁
  5. から取り外す
  6. エアコンの取付金具を取り外す

室内機は壁の高い位置から取り外すため、エアコンの取り外し作業の中で一番難しい工程です。

化粧カバーを取り外す

いったん外に出て、配管を覆うための化粧カバーを取り外しましょう。

室外機の搬出を終えた後、ついでに行ってもOKです。

化粧カバーはネジで留めてありますが、ドライバーを使えば簡単に外れます。

室外機側の銅管とドレンホースを切断する

次に、室外機側に付いているドレンホースの取り外し作業に移ります。

ドレンホースとは、室外機内の水を外へ排出するための役割を担っている管です。

配管穴から伸びており、化粧カバーやビニールテープで巻かれていたり、ダクトカバー内に収まっていたりすることもあります。

ドレンホースを切断する際は、これらのカバーを外し、カッターナイフでテープをカットしましょう。

この時、誤ってドレンホース本体を傷つけることのないよう注意が必要です。

ドレンホースは室内機側と接続した室外機側2本のホースでできていますが、室内機側のホースを切断すると後ほど再利用できません。

色や素材が微妙に異なりますので、切る前によく確認してください。

エアコンを廃棄する予定の場合は、ドレンホースを切断しても大丈夫です。

配管(銅管)を切断する

続いて、配管(銅管)も切断します。

銅管もドレンホースと同じように、室内機側のものと室外機側のものが接続された状態になっていますが、カットするのは室外機側の配管です。

ナットを目安に、ニッパーなどを使って切断しましょう。

この時、誤って室内機側の銅管をカットしてしまうと、ドレンホース同様に使えなくなってしまいます。

繰り返しになりますが、再利用の予定がある場合は、切断するホース・配管を間違っていないか確認してください。

切断した銅管やドレンホースは、ビニールテープを巻いて、失くさないようまとめておきましょう。

室内機を壁から取り外す

ここまできたら、いよいよ室内機本体のエアコンを取り外します。

本体は10~20kgと室外機ほどの重さはありませんが、壁から下ろす作業は落下の危険を伴います。

加湿機能やお掃除機能付きの特殊なエアコンなど、さらに重量のある製品もありますので、壁から下ろす作業は無理なく慎重に行ってください。

取り外す時は脚立を使い、足場を整えた上で、手順に沿って行いましょう。

両手の手のひらを使ってエアコンの左右下側を支えながら、上に持ち上げるようにエアコンを取り外します。

下から上に押し上げるようなイメージです。

室内機本体は、壁に固定された据付板にツメを引っかけるように設置してあります。

そのため、室内機本体を持ち上げるだけで簡単に取り外せます。

ただしこの時、勢いよく持ち上げると、重量でバランスを崩す恐れがあります。

手が滑って室内機を落としてしまったり、足を滑らせて転倒したり、大きなケガにつながる恐れがありますので十分注意してください。

また、エアコン室外機の搬出時と同じように、内部に溜まった水が漏れ出る場合があります。

突然水が出てきても慌てずに、室内機を落とさないよう慎重に取り外しましょう。

漏れ出た水や、取り外した室内機を直置きすることで、床が濡れて傷が付く可能性もありますので、ブルーシートや養生シートはスペースに余裕を持って敷いておくと安心です。

壁に残った据付板(背板)を取り外す

エアコンの室内機を取り外した後は、壁に残った据付板を取り外します。

据付板を壁に固定しているボルトをドライバーで外していくだけなので、作業自体は簡単です。

ただし、ボルトを外していくと突然据付板が落下する恐れもあるので、板を外す際は片手で板を押さえるような形で作業を進めると安心です。

ちなみに、据付板は再度エアコンを取り付ける際に使用します。

万が一失くした場合、メーカーから有償で取り寄せする必要がありますので、大切に取っておきましょう。

取り外してまとめておいた動線・ドレンホース、エアコン室内機、電源コード、据付板を、室内機裏側にある格納スペースに入れておくと、運び出しやすく保管もばっちりです。

これで、エアコン室内機の取り外し作業は完了となります。

手順⑧壁の穴をパテで埋める

エアコンの取り外しもいよいよ大詰めで、最後の工程は室内機を外した後に残る壁に空いた穴を埋める作業です。

壁の穴は配管パイプを通すだけあって大きめです。

そのままにしておくと、虫や雨風、ゴミなどが入り、室内が汚れてしまいます。

エアコン室内機の取り外しが終わったら、早急に穴を埋めましょう。

元々付いていたエアコンキャップがあればキャップの取付のみ、なければパテ(粘度)を使います。

エアコンを自分で取り外す際の注意点

エアコンを自分で取り外す際の注意点

エアコンの取り外し自体は、特別な資格を持っている必要はありません。

しかし、配管や電源抜き差しを行うため、作業自体は危険と隣り合わせです。

ひとつ間違っただけで、感電やケガのリスクもあるため安全とは言い切れません。

自分でエアコンを取り外す場合、とくに気を付けたい点は次の3つです。

エアコンの故障・破損

家庭用とは言え、重くサイズも大きいエアコン。

室外機・室内機ともに取り外しが必要になるため、作業中に誤って落としたり本体を傷つけたりすることで、エアコンが故障する恐れがあります。

特に注意したいのが、室内機側の配管です。

室外機側と誤って切断してしまったり、なかなか外れず強引に引っ張ったりすると、配管が傷んで故障や破損につながります。

取り外したエアコンの処分

エアコンを取り外した後、廃家電として処分する場合は、捨て方についても考える必要があります。

家電リサイクル法の対象品目である家庭用エアコンは、自治体のごみ回収や粗大ごみに出すことができません。

廃棄するにあたって、必ず「家電リサイクル料金」の支払いが必要です。

その他、指定引取場所に運ぶための収集運搬料金もかかります。

エアコンを処分する方法は複数ありますので、自分に合う方法を事前に探しておく必要があります。

冷媒ガスの取り扱い

エアコンの取り外し作業の中でも、とくにリスクが高いのが「冷媒ガス」です。

ボルトの締め具合ひとつでガス漏れにつながることもあり、最悪の場合は爆発事故が発生する恐れもあります。

冷媒ガスが目に入れば失明、皮膚に付けば凍傷を負う恐れもあり、大ケガにつながりかねません。

特に「ポンプダウン」の作業時は、冷媒ガスが漏れる危険と隣り合わせです。

ひとつひとつの作業を慎重に、着実に進めたとしても、エアコンの取り外しに慣れていないと思わぬミスを犯してしまう場合もあります。

プロの業者に依頼した方が良いケース

素人でも行えるエアコンの取り外しですが、1つやり方を間違えただけで、感電やケガを負う危険もあります。

自信がない方は無理をせず、エアコンの取り外しを業者に依頼しましょう。

とくに以下に該当するエアコンは、取り外し時のリスクが高いため、プロにお任せすることをおすすめします。

  • 特殊なエアコン
  • 10年以上経過した、年式が古いエアコン
  • 吊り下げ・壁面設置の室外機
  • 作業、搬入スペースが狭い
  • 室内機、室外機の設置場所が特殊(壁置き/屋根置き/二段置きなど)

エアコン室内機・室外機の置き場所が特殊な場合や、搬出・作業スペースが狭いなど、自力では取り外しが難しい場合は、経験豊富なプロに頼った方が安心・安全です。

エアコンの取り外し費用は、取付状況や店・業者によって異なりますが、相場費用は5,000円~6,000円ほどです。

業者によっては、エアコンの処分までまとめて引き受け可能なところもあります。

もちろん別途処分費用はかかりますが、処分まで依頼できれば効率的です。

エアコンの取り外しは、大手の家電量販店やエアコンの関連業者に依頼できますので、一度相談してみましょう。

まとめ

エアコンの取り外しは素人でもできますが、危険も伴います。

自分で行うか、業者に依頼するかは、この記事で紹介したやり方をよく読み、検討してみてください。

少しでも「難しい」と思った場合は無理をせず、専門業者に依頼することをおすすめします。

この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家

氏名:新家 喜夫

年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。



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