コラムblog
近年、メディアでも多く取り上げられるようになった「ゴミ屋敷問題」。
ゴミ屋敷と言うと、高齢者や一人暮らしの人がなりやすいイメージを持つ方は少なくないでしょう。
しかし、子育て中の方にとっても他人事ではありません。
むしろ、ファミリー層のゴミ屋敷問題は、年々増加傾向にあります。
ゴミ屋敷での暮らしは、子供に深刻な影響を与え、心身ともに傷が残る深刻な問題になるかもしれません。
時には、自治体や近所の方から“虐待”を疑われるケースもあるのです。
この記事では、子育て世帯がゴミ屋敷化してしまう原因や、ゴミ屋敷での生活による子供への悪影響について解説します。
目次
ゴミ屋敷になってしまう方は、一人暮らしや高齢の方が多いです。
しかし、子育て世帯の方も、他人事とは言えない現状があります。
子育て世帯がゴミ屋敷化してしまう原因として、次の3つが関係しています。
現代は核家族化が進んでいることから、夫婦で子供を育てる世帯の割合が増えています。
実家が遠方で、頼れる人が身近にいないという方は少なくありません。
夫婦共働きであれば、時間はさらに削られます。
例えば、朝に保育園へ送り、電車に揺られ、仕事をし、クタクタになって帰宅し、食事・入浴・洗濯と、大量の家事がある場合、家を片付ける時間は少なくなってしまうでしょう。
このように毎日多忙で時間的な余裕がないことが、ゴミ屋敷化してしまう大きな要因となっているのです。
幼い子供をつきっきりで見るのは、かなり神経を使います。
近くに両親や友人がいて、子育ての悩みを相談できる環境であれば、ストレスが溜まりにくいでしょう。
ですが、知り合いがおらず、常に子供と自宅で過ごしている人の場合は要注意です。
ストレスや孤独感が溜まって、ゴミ屋敷に陥ってしまう可能性があります。
転勤や引越しなどで、悩みを打ち明けられる人が近くにいないと、不満を1人で抱え込んでしまいます。
知り合いがいないことに加えて、パートナーの仕事が忙しく「ワンオペ育児」の状態だと、ゆっくりする時間も取れず、ゴミ屋敷化が加速するケースもあります。
友人や両親が近くにいれば、自宅へ招き入れることも多いため、自然と家の片付けや掃除をこまめにする回数が増えるでしょう。
ですが、常に子供と過ごす環境だと来客もないため、人の目を気にしなくなり、家が散らかっていても掃除をする気が起こらなくなってしまいます。
子供がいる家庭でゴミ屋敷となってしまうのは、忙しさやストレスが原因です。
家事や育児を頼る人もいない、悩みを打ち明けられる人もいない状況がずっと続くと、心の病気を発病するケースも少なくありません。
うつ病などの精神疾患を発病すると、家事だけでなく、子供の世話も手に付かなくなる場合も。
症状が悪化すれば、子供の成長にも影響を及ぼす可能性があるため、非常に危険です。
自宅がゴミ屋敷化すると、どんな生活になるのかイメージできますか?
現実は、想像よりも悲惨です。
汚れが溜まったゴミ屋敷には、必ずと言ってよいほど害虫が発生します。
腐敗した食べ物や、お弁当のパック、飲み終わったペットボトルなど、食料品にはとくに集まりやすいです。
なかでもゴキブリは、見た目も気持ち悪く、下水道を好む不衛生な害虫。
繁殖力も強いため、一度住み着いてしまったら最後。
大切なわが家は、またたく間にゴキブリの巣窟となってしまいます。
ゴミを捨てていなければ、害虫だけでなく臭いもきつくなります。
食べ物の腐敗臭や、カビ、放置されたペットの汚物。
洗濯を十分にしていなければ、タオルや衣類からも雑菌のいやな臭いがします。
こういった臭いは、放置すればするほど、部屋そのものにしみ込こんで、洗っても落ちないほどの悪臭に。
起きている間も寝ている時も、この悪臭に耐えなければならないのが、ゴミ屋敷での生活です。
部屋が汚れているだけであれば、掃除や片付けをすれば解決できます。
問題なのは、子供に身体的な影響が出ていることです。
汚れた部屋で生活していると、ゴミに集まってきた虫に刺される場合があります。
ゴミ屋敷で暮らしている子供の手足には、虫に刺された跡がたくさん見られた事例も。
虫に刺されると、痒み・傷みだけでもツライもの。
それだけでなく、虫を通して、細菌感染を引き起こすリスクもあり、非常に危険なものです。
ゴミ屋敷での暮らしは、子供にとって何ひとつメリットはありません。
むしろ、汚れや臭い、虫による被害など、身体面にさまざまな被害を及ぼします。
ゴミだらけの部屋で生活することを望んでいる子どもは、誰一人としていません。
ゴミ屋敷での暮らしは、1種の虐待と捉えられるケースもあるほど、過酷な状況なのです。
ゴミ屋敷での生活を続けていくと、心身へさまざまな悪影響をきたす恐れもあります。
小学生にもなれば、友達の家へ行き来することも増えてきます。
しかし、自宅がゴミ屋敷では、友達を呼びたくてもつれてくることができません。
自宅に招いたとしても、汚れの酷さに驚き、自宅に上がりたがらないはずです。
呼ばれた友人も、家族にその出来事を話し、ウワサは次第に広まってしまいます。
その結果、「ゴミ屋敷に住んでいる子」という悪評から、友達ができなくなる恐れもあるのです。
ゴミ屋敷に住んでいると、洗濯や入浴がままならないことも多いです。
しかし子供は、両親が洗濯をしてくれなければ、汚れた不衛生な服を着て学校へ行くしかありません。
どんなに汗をかき、服が汚れてしまっても、他に着るものがなければ、薄汚れた服を着続けるしかないのです。
しかし、汚れた服を着て学校へいけば、臭いや汚れで周囲から距離を置かれる原因となってしまいます。
服や頭、体に染みついた臭いが原因で、からかわれることも。
臭いや汚れによって友達ができないどころか、いじめに発展するケースも少なくありません。
いじめの対象や学校で常に独りぼっちの状態が続けば、次第に学校へ行かなくなってしまいます。
ゴミ屋敷の弊害で恐いのが、アレルギーや病気の発症リスクです。
長らく掃除をしていない部屋には、カビやほこりが山ほど溜まっています。
こういったカビやほこりを吸い込むと、咳やくしゃみ、痰といった風邪のような症状が引き起こされます。
症状が悪化すれば、肺炎をはじめとする深刻な病気になるリスクもあるのです。
ゴミ屋敷の生活で、病気にかかるリスクは、カビとほこりだけではありません。
劣悪な環境で大量に発生したダニ、そして放置された害虫の集まった害獣によって発症する可能性もあります。
ダニの死骸が付いた絨毯、カーペットは、鼻みずやくしゃみなどの症状が原因引き起こすリスクが高いです。
また、ねずみなどの害獣が集まれば、まき散らされた糞尿により、衛生環境はさらに悪化します。
ゴミ屋敷で暮らしている子供は、学力の遅れが目立ちます。
勉強机のそこら中が汚れ、害虫がうごめいている環境で、集中して勉強に取り組めるでしょうか。
たとえ大人でも、そんな劣悪な部屋では勉強も仕事もはかどりません。
また、自宅がゴミ屋敷だと、学校の宿題をする場所が取るのはおろか、学校で使う教科書でさえ置き場所がない場合もあります。
こういった、勉強できない環境での暮らしは、子供の学力にまで悪影響を及ぼします。
成績が落ち、学力が遅れるだけでなく、学ぶことに対する意欲さえも失ってしまう場合もあるのです。
子供のころ、ずっとゴミ屋敷で生活をしていると、その状態が“普通”だと認識してしまいます。
そのため、正しいゴミ出しルールや毎日お風呂に入り、洗濯したキレイな服を着る、という当たり前の生活習慣が身に付きません。
ゴミだらけの部屋で暮らすことに、何の違和感も抱かなくなってしまうのです。
ゴミ屋敷での生活が当たり前になったまま大人になると、将来親元を離れて暮らしたときも、同じようにゴミを溜め込んでしまう可能性があります。
その結果、友人や会社から“浮いた存在”となり、他人とコミュニケーションが困難に。
大人になって世間とのギャップに気付いたとき、悩み苦しむことにもなりかねないのです。
大切な子供を汚れた家で育てたいと思う人は、誰ひとりとしていないはずです。
ゴミ屋敷に陥らないためにも、次のことを実践してみましょう。
子育て中のママがゴミを溜めてしまうのは、「余裕のなさ」も大きな要因です。
家事・仕事、そして子供のお世話をたった一人で抱え込むのは、とても大変なこと。
日々頑張っているうちに心身ともに疲弊し、ゴミ屋敷化してしまったという事例は決して少なくありません。
とくに育児は、誰かと共有し、“ひとりで抱え込まない”ことが重要です。
ママ友や親・兄弟、ご主人に話をして、できる限り協力を得ましょう。
もし周りに頼れる人がいない場合は、自治体の子育て相談所を利用するもひとつの手。
誰かに悩みを話し、共感・理解してもらうだけでも、心労はやわらぎます。
物が多い方は、まず掃除をする前に、不要なものを処分することから始めましょう。
収納は、断捨離をしてから行うのが、正しい手順です。
物を減らす前に整理整頓しようとすると、収納スペースが増え、部屋がさらに狭くなってしまいかねません。
1年以上使っていないものがあれば、ジャンル問わず思い切って処分しましょう。
物を減らすことで、部屋が広くなり、気分もスッキリしますよ。
自分ではどうにもできないときは、プロの力に頼りましょう。
不用品回収業者では、ゴミのほか、自力では処分できない大きな家具もまとめて引き取りを行っています。
お金はかかりますが、手間をかけずスピーディーな作業が可能。
ゴミに溢れた現状をすぐに変えられるメリットがあります。
希望すれば、男性ではなく女性スタッフが対応してくれる業者もあるので安心です。
ゴミ屋敷を専門の行う業者や、特殊清掃を得意としている業者もありますので、一度相談してみましょう。
子育て家庭で陥るゴミ屋敷問題。一番の被害者は、他でもない「子供」です。
不衛生な環境に住み、心身ともに不調が現れる可能性もあります。
それだけでなく、友達や保護者から「ゴミ屋敷に住んでいる子」というレッテルを張られ、子供が周囲から避けられるケースも。
そのまま汚い環境で育っていくこと、汚いことに違和感がなくなり、子供が大人になったときもゴミ屋敷化するという、悪循環にもなりかねません。
子供に悪影響を及ぼさないためにも、いち早くゴミ屋敷から抜け出すことが必要不可欠。
自力で片付けをするのが難しい場合は、ゴミ屋敷の清掃を専門に行っている業者が力になります。
子供の将来へ悪影響を与えないためにも、ゴミ屋敷にしないことが大切です。
この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家
氏名:新家 喜夫
年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。
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