コラムblog
廃品回収車が、どんなものでも無料で回収とアナウンスしながら巡回する光景をよく見かけます。
ちょうど処分に困ったり悩んでいる不用品があれば、無料なら依頼してみようかと思う人も少なくないでしょう。
しかし、何気なく廃品回収車に声をかけたことが引き金となって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
間接的に犯罪の手助けをする事になっていたり、はたまた自分自身が犯罪の被害者になったりする可能性があることをご存知ですか。
今回は、なぜ廃品回収車に不用品回収を依頼するとトラブルに巻き込まれる恐れがあるのかを紹介します。
目次
廃品回収車は、リサイクル業者とも言われます。
リサイクル業者であれば回収した家電を分解して部品を取り出したり、また状態の良いものを修理、販売して利益を得る仕組みです。
しかし廃品回収者の中には、犯罪目的でターゲットを探しているケースもあると指摘されています。
無料で不用品処分できるならお得で都合がいい、と軽い気持ちで廃品回収車に声をかけることの危険性を詳しく見ていきましょう。
廃品回収車という表の顔には、思いもしない裏の顔がが隠されているとも言われています。
詳しく紹介します。
最も多いと指摘されるのが、詐欺目的でターゲットを探している業者です。
まず大前提として理解したいのが、自治体により毎週実施される可燃ゴミや不燃ゴミに出せないゴミの処分については、費用がかかることを理解する必要があります。
つまり、本来であれば費用がかかる廃品の処分を本当に無償で行えるとしたら、その裏には何か特別な目的や理由があると考えてよいでしょう。
実際廃品回収車の多くが無料回収を謳いながら実際には有償であり、さらに回収作業の過程で強引に費用を請求するケースが後を絶たないと報告されています。
具体的な詐欺の事例は後に紹介しますが、詐欺の被害者にならないためにも、廃品を無料で回収、という文句を安易に信じるのは控えた方が賢明です。
無料ほど高いものはないのかもしれません。
一般家庭から廃品を回収するためには一般廃棄物処理業許可や委託、提携が必要です。
正規の業者であれば、リサイクル品を販売するために、古物商の許可が必要です。
また古物商の許可と同時に産業廃棄物収集運搬許可を取得していれば、家電リサイクル法4品目に定められたエアコン・テレビ・冷蔵庫や冷凍庫・洗濯機や衣類乾燥機の回収もできるようになります。
裏を返せば、一般廃棄物処理業許可・古物商の資格を取得、委託、提携等がなければ合法のリサイクル業者とは言えません。
また産業廃棄物収集運搬許可証を取得、委託、提携等していなければ、エアコンやテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の廃品回収はできません。
「ご家庭の不用品何でも回収します」を実現するためには、複数の資格が必要になってくるのです。
廃品回収車の中には、回収した家電製品を輸出したり、家電リサイクル法に反して適正な料金も支払わず、家電リサイクル法4品目に定められた家電を廃棄処分している恐れもあります。
回収した廃品の使える部分だけ取り出し、他の部分は不法投棄している可能性も否めません。
万が一回収した廃品に所有者の個人情報を特定できるような何かが残っていた場合、その情報が悪意の第三者に悪用される可能性もあります。
廃品の回収を依頼したそれだけのことで、知らぬ間に犯罪の片棒をかつがされていたという事態に陥る恐れがあることも、念頭におくべきでしょう。
廃品回収車に収集を依頼したい家電や家具が重くて一人では搬出できず、搬出を手伝わせた結果、室内に業者を招き入れてしまうこともあるでしょう。
ただ廃品回収車だからと無条件に信じ込むのは危険です。
見ず知らずの出所も知れない他人を室内に招き入れて、室内を物色する機会を与えている可能性が考えられます。
また何気ない世間話で高齢者の一人暮らしなどと話せば、空き巣や詐欺といった犯罪のターゲットに自ら名乗り出ていることにもなりかねません。
普段なら住人しかいない地域に、廃品回収のアナウンスを流しながら練り歩く廃品回収車は、不審がられることもなく地域の様子を物色できる免罪符を掲げているとも言えます。
消費者が巻き込まれたさまざまな問題に取り組む独立行政法人国民生活センターには、廃品回収車に被害を被った消費者から、日々相談が寄せられています。
国民生活センターで公表されたトラブルの事例を、具体的に紹介します。
巡回していた廃品回収業者にテレビとオルガンの回収を依頼したところ、それ以外にも小型冷蔵庫やソファ、消火器などを勝手に持ち出し「回収費用として5万円」と請求してきた。
「1万円しかない」と言うと「内金として1万円を払い、残りは振り込んで」と言われた。
(80代 女性)
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen208.html)
「無料」とアナウンスしながらで巡回している業者を呼び止め、廃品回収を依頼した。
作業前に、無料であることを確認したが、積み終えたとたんに6万円を請求された。
話が違うと抗議したが、「回収代金は無料だが、積み込み料金は発生する」と言われた。
しつこく請求されたので、仕方なく手持ちの3千円だけ支払った。
残金は近いうちに取りに行くと言われた。(60代 女性)
(参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen254.html)
他県に住む親がチラシを見て、廃品回収を事業者に依頼した。
チラシには「廃品回収代金が8万円」と書かれていたが、実際には47万円請求され、支払ってしまった。(当事者:80歳代 男性)
参照元:http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen317.html)
廃品回収車には、言葉巧みに日常に忍び寄り、詐欺とも言える手口で不当に高額料金を搾取しようとする業者も少なくありません。
無料でないなら廃品回収は依頼しないと抗議しても、積み込んだ廃品は返却できなからとにかく料金を支払うようにと、強硬な態度をとる廃品回収車の業者も居るようです。
この時、自分一人で解決しようとするのは大変危険です。
身の安全のためにも、すぐに警察に通報するのが良いでしょう。
悪徳な業者は、高圧的な態度で高額料金支払いを迫ってくるケースもあります。
この事態をとにかく抜け出したいという思いから、お金を払ってしまうケースもあります。
不当請求であっても、一旦支払ったお金は返ってこない可能性が高いと言われます。
廃品回収業者に支払いしたものの、後日返金依頼をしてトラブルになる場合は、地域の消費者センターに相談を持ちかけてみましょう。
廃品回収車も、全てが悪質な業者というわけではありません。
では、悪質な廃品回収車の業者による罠にかからないためには、どのように見極めたらよいでしょうか。
そのポイントは3つあります。
大前提として、「こちらは廃品回収車です」とアナウンスしている廃品回収車に声をかけないことが、最大の安全策でしょう。
少量であれば自治体の粗大ゴミ回収制度を利用するのが安心です。
また引っ越しなどに伴う自分では搬出できない大型のゴミや大量の不用品の回収なら、不用品回収業者に依頼するのも一つの方法です。
不用品回収業者は、インターネットで検索すれば、ホームページに料金体系も明示されており、無料で訪問見積もりのサービスを依頼することも可能です。
見積もりをとって、納得した上で廃品回収を依頼する方が、安心で安全です。
廃品回収車でアナウンスしたり、チラシを配ったりしている業者の場合、会社が存在しないケースも見受けます。
住所がない会社、住所地がアパートの一室、携帯電話の番号しかない、といった業者は悪徳業者のケースが多いので、廃品回収を依頼する前に名刺で確認しましょう。
この時、一般廃棄物処理業許可などの資格についても明記されているかも併せて確認しましょう。
名刺すら持っていなかったり、名刺に必要事項の記載がない廃品回収車の業者は、依頼は見合わせるのが安全策と言えます。
万が一トラブルになるようであれば、すぐに警察に通報して助けを求めましょう。
廃品の回収には費用がかかるものである、という理解のもと、少量であれば自治体の粗大ゴミに、大量であれば不用品回収業者やごみ屋敷清掃業者、遺品整理業者などに依頼することを検討するのが安全策です。
最近は高齢者を狙った廃品回収車によるトラブルも多発しています。
ご実家の親御さんがこういったトラブルに巻き込まれないよう気を配ることも大切です。
また不要な家電や家財が大量にある場合は生前整理も兼ねて、不用品回収業者や遺品整理業者などに無料見積もり依頼するのも一つの方法です。
この記事の監修をしたゴミ屋敷の専門家
氏名:新家 喜夫
年間2,500件以上のゴミ屋敷を片付け実績を持つ「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国で展開する株式会社テンシュカクの代表取締役。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長。
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