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静岡県袋井市のゴミ屋敷に対する条例(通称:袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例)の内容とは


静岡県袋井市のゴミ屋敷に対する条例(通称:袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例)の内容とは

静岡県の中央、西よりに位置する袋井市。
約8.8万人の人口を抱える都市です。
江戸時代には宿場町が置かれた歴史ある町で、西から数えても東から数えても27番目に位置しています。

市内には「遠州三山」と呼ばれ、市民に親しまれている3つの古刹があります。
1つは厄除け団子が名物の「尊永寺」、2つめは紅葉の名所の「油山寺」、3つめは徳川家康ゆかりの「可睡斎」で、暦英を今に伝えています。
袋井市は遠州灘に面、広い海岸線には、公園や新鮮な海産物を楽しめる施設がつくられています。

のどかな雰囲気で暮らしやすい都市ですが、ここにもゴミ屋敷に関する条例が制定されています。
どのような内容なのでしょうか。

社会の中のゴミ屋敷と条例の関係とは?

社会の中のゴミ屋敷と条例の関係とは?

ゴミ屋敷と並ぶ社会問題に、「空き家問題」があります。
この対策として、2010年、埼玉県所沢市が「所沢市空き家等の適正管理に関する条例」を制定しました。

空き家に関しては、すでに制定されている建築基準法によって対応することができました。
しかし、実際には適用されないために、新たに条例を制定せざるを得なかったのです。
このような背景があり、2014年11月には「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律がつくられました。

ゴミ屋敷も、空き家と同様に、地域の生活環境に支障を与える存在です。
しかし、ゴミ屋敷に関しては、国でつくった法律がありません。
なぜなのでしょうか。

ゴミ屋敷の場合、対応できる既存の法律がなく、まさに「何もない」状態にあります。
そのため、何らかの措置を講じるためには、条例を制定するしかないというのが現状です。

ゴミ屋敷を明確に念頭に置いた条例が初めてつくられたのは、2008年12月制定の「荒川区良好な生活環境の確保に関する条例」でした。
その後、以下のようにゴミ屋敷に対応する条例が各地の自治体で制定されるようになったのです。

  • 2012年10月「足立区生活環境の保全に関する条例」
  • 2013年12月「大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」
  • 2014年11月「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」

静岡県袋井市のゴミ屋敷条例とは?

静岡県袋井市のゴミ屋敷条例とは?

袋井市のゴミ屋敷などに関する条例は、正式名称を「袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」といいます。

この条例は、市民の良好な生活環境を保全し、健康で安全な生活を確保することを目的としてつくられました。

袋井市の条例における「ゴミ屋敷」とは?

他の都市の条例と同様に、袋井市でも、条例の中で「ゴミ屋敷」という言葉は使っていません。
しかし、第2条において、「物の堆積が原因で、害虫やネズミ、悪臭などが発生していたり、火災の発生や物の崩落の恐れがある」建築物を「不良な状態」と定義しています。

物が堆積された建築物の周辺は、生活環境を著しく害していたり、または害する恐れがあります。
そのものズバリの言葉こそ使っていませんが、ゴミ屋敷のことと解釈してよいでしょう。

「堆積物」の定義とは?

条例の中で使われている「堆積物」が何かについては、定義されていません。
「堆積することにより、不良な状態の原因となっている」とされているので、実際に積み上げられているものは、ゴミであってもゴミでなくても関係ありません。

それが積み上げられていることにより、「不良な状態」となっていることを問題としています。
また、ものを積み上げることによって「不良な状態」を発生させている人を「堆積者」と呼んでいます。

袋井市民に求められる責務は?

第3条第1項に「何人も、その居住し、又は使用する建築物等を不良な状態にしてはならない」と書かれています。
つまり、袋井市民は、自宅や、そのほか使う建物で「不良な状態にしない」ことを求められているのです。

不要物が積み上がり、ゴミが散乱しているような家には、害虫や悪臭が発生し、次第に近隣にも迷惑をかけていくことになります。

また、家の中が整っていなければ、物につまずいて転ぶなど、ケガをするリスクも高くなります。
健康で安全な生活を送るためには、環境を清潔にすることが必要不可欠なのです。
そのため、第2項では「建築物等における不良な状態は、堆積者の責任で自ら解消することを原則とする」と規定されています。

袋井市が負う責務とは?

条例では、市民だけでなく、袋井市側が負うべき責務についても規定しています。
第4条第1項で、袋井市は、市民と協力して、建築物などの不良な状態の発生を防止するものと書かれています。
もし不良な状態が起こっていた場合、その解消に必要な対策を考え、改善しなくてはなりません。

さらに第2項では、市は「建築物等における不良な状態の発生の背景には、堆積者の地域社会における孤立等の生活上の諸課題があり得ることを踏まえ、福祉的観点から堆積者に寄り添った支援を行うものとする」と定められています。

つまり、不良な状態を単に解消するだけではなく、この建物はなぜ不良な状態になってしまったのか、ということを考えながらの対応が求められています。

堆積者、つまりゴミ屋敷の住人は、うつ病やためこみ症、統合失調症、セルフネグレクトなどの精神的な疾患を抱えていたり、認知症を発症していたり、発達障害を抱えていたりするケースが多く見られます。
そのため、一口に「ゴミを片付ける」と言っても、簡単に片付けを進められるケースは少なく、きめ細かい対応が必要とされます。
その観点から、この条例は、現実に即した対応を市に課していると言えるでしょう。

条例に違反した場合の罰則は?

条例に違反した場合の罰則は?

もし、市民が条例で定められた内容に違反した場合、どのような罰則が課せられるのでしょうか。
違反した場合の罰則は、段階を踏んで厳しくなっていきます。

第5条

第3条の「建物などを不良な状態にしてはならない」という規定に違反していると認められると、片付けるようにと市長から勧告されます。

最初の段階では、まずは期限を決めて、溜まったゴミを捨てたり、掃除をしたりするように勧告されます。
堆積物を適切に管理したり、ゴミである場合は適切に処分することで、不良な状態を解消するよう指導されることもあります。

第6条

ゴミ屋敷など、建物などが「不良な状態」にあると認められ、改善に関する指導や勧告を受けたにも関わらず、住人(堆積者)が片付けや掃除を行わないことがあります。
このような場合、その住人に対し、期限を定めて、ゴミなどの堆積物を適切に処分し、清潔な状態にすることを命じられます。

期限付きは第5条と同じですが、強制力が一段階上がり、市長から「命じられる」ことになります。

第7条

住人が正当な理由なく片付けを行わない場合は、この旨を公表されます。

ただし、公表する際は、あらかじめ住人には、なぜ公表されるのかという理由が通知されます。
また、住人には、弁明の機会が与えられます。
もし住人が弁明をしたら、この弁明の内容も併せて公表されることになります。

第8条

第8条では、片付けの勧告などを受けた住人が、正当な理由なく命令に従わない場合について規定されています。

住人が命令を実行することが困難で、なおかつ、その家を放置することが非常に生活環境を悪くしているときは、行政や第三者にこれを代わって実行させます。
その時にかかった費用は、住人が支払うことになります。

第9条

第9条では、立ち入り調査について定めています。
市長は、不良な状態にあったり、不良な状態になる恐れがあると認められる建築物に立ち入り調査を行うことができます。

あくまで「この条例の施行に必要な限度において」という限定はつきます。
しかし、あまりに改善されない場合や、住人が改善することができない状態にある場合は、市の職員が建物に立ち入り、その状態を調査することになります。
その際、その建物の居住者や使用者、ゴミや物をためた堆積者、さらには建物の所有者が、市の職員から質問されることもあります。

また、市長は、指導や勧告、また命令の実施に必要がある場合は、調査などのほか、官公署に対し必要な情報の提供を求めることができるとも定められています。

まとめ

静岡県袋井市のゴミ屋敷に対する条例(通称:袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例)の内容とは

静岡県袋井市のゴミ屋敷に対する条例は「袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」として定められています。

市民や市にそれぞれ責務を設定し、市民の良好な生活環境を保全したり、健康で安全な生活を確保したりすることが目的です。
もし、ゴミ屋敷で困っていたら、市に相談しましょう。
早めに対策するのがおすすめです。

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