「ゴミ屋敷」と聞いた時に思い浮かぶのは、家の外にまでゴミやモノが溢れ、そのまま何年も置きっぱなしになっている・・・そんなイメージではないでしょうか。
見た目に不潔な感じがするだけでなく、庭にまでゴミがはみ出したゴミ屋敷には、さまざまなリスクが潜んでいます。
どのようなリスクがあるのでしょうか。
目次
ゴミ屋敷の庭に溜まってしまいがちなモノとは?
不潔なので、ゴミの内容が何かまで見る人は少ないと思いますが、ゴミ屋敷の庭に積み上げられたゴミには、どのようなものがあるのでしょうか。
ゴミ・生ゴミ
収集日に捨てようと思ってまとめたはずなのに、気がつけばいつの間にか庭にたまっていた・・・というケースは多いようです。
最初はゴミ屋敷内に置いていたものがいっぱいになってしまい、ゴミ屋敷外に置くしかなくなって、溜まっていってしまいます。
雑草・庭木の枝や落ち葉
庭の掃除で抜いた草や、庭木の剪定をした枝や、集めた落ち葉をまとめたのはいいけれど、そのままゴミ屋敷の周りに放置されているケースは多く見られます。
粗大ゴミ
壊れた家電や古くなった家具など、処分が大変なため、ゴミ屋敷から庭に出したまま放置されているものもよく見られます。
家具は大きくて重いものが多いため、処分する場合は粗大ゴミとして出す必要があります。
しかし、粗大ゴミを出すには事前予約や粗大ゴミ券の購入が必要な自治体も多く、つい面倒で先延ばしにしてしまいがちです。
また、家電は、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機、テレビなど、家電リサイクル法に従って処分しなくてはならないもの、パソコンのようにメーカーで処分してもらうものなど、環境に配慮した方法で捨てなくてはなりません。
それが面倒だけど、ゴミ屋敷ではあれ室内に置いておきたくない・・・と、庭で野ざらしにされるケースが多いようです。
自治体のゴミに出せないもの
ゴミ屋敷の庭に放置されているゴミには、コンクリートブロック、レンガ、タイヤ、土や砂など、自治体で収集していないものがそのまま積まれているのも見られます。
自治体によって出せない品目は異なりますが、「処理困難物」とされるものが庭に放置されがちです。
資源ゴミ
ゴミ屋敷の庭に放置されるゴミには、古紙類をまとめてしばったものや、ペットボトル、空き缶が入った袋など資源ゴミもよく見られます。
ゴミ屋敷の庭に放置したゴミに潜むリスクとは?
ゴミ屋敷の庭に積み上げられたゴミには、多くのリスクが潜んでいます。
近隣に迷惑をかける
庭がいくら自分の敷地内であっても、敷地外からもわかるほどゴミが溢れていれば、ゴミが腐敗して放つ悪臭も相当なものになると考えられます。
そこから液体が滲み出たり、害虫や害獣が大量に発生して、近隣に迷惑をかけることも。
害虫は、汚いところが気に入れば、どんどん繁殖します。
こうして虫自体が増えるだけでなく、その虫をエサとして狙う虫や動物が集まり始め、建物も庭も糞や尿で汚されてしまいます。
結果的に、街の価値まで下げてしまいかねません。
建物の資産価値が下がる
どんなに広い立派なお屋敷でも、うず高く積まれているゴミは建物の資産価値を著しく低下させます。
ゴミ屋敷は手入れがされておらず、家自体も傷んでいるからです。
ゴミが溜まっていることにより、害虫や害獣が発生したり、屋敷内外がゴミに埋めつくされて風も通らないため、ゴミ屋敷となり、どんどん傷んでいきます。
また、悪臭や汚れが染み込んでいることも考えられ、価値が低下していくのです。
火災のリスクがある
庭にゴミがたくさん積まれていると、ゴミの中から発生したガスが爆発することで、火災に発展する可能性があります。
ゴミが多いということは、燃えるものがたくさんあるということ。
一度、火がついたら、あっという間に建物にまで燃え広がる可能性があります。
もし発火してしまった場合、ゴミ屋敷の周りや庭に積まれているゴミが邪魔になり、消火に時間がかかったり、逃げ道を防いだりする可能性も高まります。
命の危険があるだけでなく、近隣にも多大な迷惑をかけることになります。
また、ゴミ屋敷周辺や庭にゴミが積まれていると放火されやすくなるリスクもあります。
草や枝、ゴミ、古紙類などは燃えやすいため、放火の被害に遭いやすいと言えるしょう。
不法投棄される
ゴミ屋敷の庭のゴミ放置にも「割れ窓理論」が当てはまります。
「割れ窓理論」とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士の提唱したもので、「1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増えていき、街全体が荒廃してしまう」というものです。
たとえば、ゴミ袋からペットボトルが透けて見えたからこれもいいか、とペットボトルを置いて行かれると、じゃあ自分も、と捨てる人が続いていくというわけです。
これと同様に、庭にゴミを放置していると、誰かがゴミを捨て始め、ゴミ屋敷の敷地はいつの間にか「ゴミ捨て場」になってしまいます。
不法投棄の連鎖を断ち切るためには、ゴミ屋敷の庭のゴミを片付けなくてはなりません。
ゴミ屋敷の庭の上手な掃除方法とは?
庭や建物の景観を美しく保ったり、衛生状態を保ったりするためには、定期的に掃除をすることが必要です。
ゴミを片付け、定期的に掃除をして、美しい庭に戻しましょう。
庭掃除は、そんなに難しいものではありません。
基本的な庭掃除の仕方をご紹介します。
落ち葉を取り除く
落ち葉を放っておくと、落ち葉の陰や雑草などを好むシロアリなどの害虫が増え、それを狙うネズミなどの害獣も集まってきます。
これらのフンのために、衛生状態はどんどん悪化していってしまいます。
落ち葉は、竹ぼうきや熊手、ゴミを風圧で飛ばすブロワーなどで集めましょう。
コツは、落ち葉が乾いているときに掃除を行うことです。
落ち葉が湿っているとくっついて集めにくいので、晴れが何日か続いている時に掃除を行うと効率的です。
雑草を抜く
雑草が茂ると虫が発生しやすくなったり、日当たりが悪くなったりします。
生え始めたら早めに抜きましょう。
時間が経って深く根を張ってしまうと、抜きにくくなるからです。
雑草の場合は、雨が降ったあと、地面が柔らかくなっている方が抜きやすくなります。
また、根元に熱湯をかけると、細胞が壊れて雑草が枯死します。
庭木を剪定する
庭木の枝の剪定も大切です。
剪定することで、隣家へ枝が伸びるのを防ぐと同時に、庭木の生長を促します。
脚立と剪定バサミ、または高枝切りハサミなどを用意しましょう。
枯れた枝や、絡んでしまっている枝、下向きに伸びている枝など不自然な伸び方をしている枝をカットすればOKです。
ゴミを処分し、再び置かない
そして、もちろんのことですが、ゴミを処分し、再び置かないようにしましょう。
庭を片付けて、ゴミ屋敷を清潔に変身させましょう。
庭まで荒れたゴミ屋敷、手に負えない時はどうする?
自分では手に負えないほどのゴミの庭はどうすればよいのでしょうか。
できれば、ゴミ屋敷も一緒に片付けられたらいいな・・・。
そんな場合は、プロの手を借りるという方法があります。
造園業者
庭に関する専門知識を持つプロなら、造園業者でしょう。
庭木の剪定や管理、庭の掃除などをお願いすることができます。
ただし、庭木や雑草以外のゴミの引き取りは依頼できません。
また、ゴミ屋敷の掃除や片付けなどはお願いできません。
シルバー人材センター
地元の高齢者が登録しているシルバー人材センターにも、庭掃除を依頼することができます。
プロではないため、草むしり程度の作業の依頼しかできないこと、仕上がりにバラツキが出ることがありますが、費用を抑えたい人、大まかな仕上がりでいい人にはお得です。
ゴミ屋敷の片付けや掃除はお願いできません。
ハウスクリーニング業者
ハウスクリーニング業者でも、庭の掃除をやってくれます。
片付けや掃除もできますが、ゴミ屋敷レベルの片付けとなると、業者によってはできない場合も。
また、ゴミ屋敷の大量のゴミの運搬・処理はできない場合もあるため、事前に確認が必要です。
片付け専門業者
プロの片付け専門業者は、ゴミでいっぱいの庭はもちろん、ゴミ屋敷の片付けも依頼することができます。
ゴミの運搬・処分、雑草の処理や庭木の剪定まで、全て任せることができます。
ただし、庭木の剪定については、やってもらえるか事前に確認した方がよいでしょう。
また、ゴミ屋敷の方も、ゴミの仕分け、片付け、ゴミの運び出しから処分、ハウスクリーニングまで、全て任せることができます。
とにかく早くきれいにしたい人、庭と屋敷を一気にきれいにしたい人に向いています。
庭までがゴミ屋敷・・・潜むリスクと片付けのコツを解説 まとめ
庭までゴミで溢れているゴミ屋敷は、悪臭や火災のリスクなど、近隣に悪影響を及ぼします。
そのため、一刻も早くゴミを処分し、庭も建物もきれいにしましょう。
自分で掃除するのが難しい場合は、片付け専門業者に依頼すれば、庭も建物もすばやく片付き、ゴミ屋敷から最短で脱出できます。