自宅から出るゴミのなかで、意外と捨て方に困るのが「木材」です。
コロナ禍で増えたおうち時間の充実として、DIYが人気を集めていますが、手作りの家具や小物を作れば、もちろんいらない木材が出ます。
不要になった木製の家具や、ガーデニング用品の木材、庭木のお手入れで剪定した枝などが溜まることもあるでしょう。
この記事では、そんな不要になった木材の正しい処分方法について詳しく解説します。
目次
木材の捨て方は5つ
いらなくなった木材の処分方法は、主に5つあります。
- 自治体が回収するゴミ収集に出す
- 粗大ゴミに出す
- ゴミ処理場に自己搬入する
- 木材専門の回収業者を利用する
- 不用品回収業者を利用する
ただし、木材の大きさによって、適切な捨て方が異なるため注意が必要です。
まずは具体的な木材の捨て方について、ひとつずつ紹介します。
自治体が回収するゴミ収集に出す
手っ取り早い捨て方は、自治体が回収する「ゴミの日」に出す方法です。
毎週必ず回収してもらえますし、木材の処分にかかる費用もゴミ袋代程度で済みます。
ただし、自治体が回収するゴミ収集は、自治体ごとに規定があるため注意が必要です。
既定サイズを超えているものは、家庭ゴミとして捨てることができません。
参考までに、「東京都渋谷区」と「東京都新宿区」の条件を見ていきましょう。
東京都渋谷区
- 木の枝・木くずは「可燃ゴミ」
- 太さ10センチメートル、長さ50センチメートル以下まで
多量の場合は清掃事務所に連絡が必要
東京都新宿区
- 木材は「可燃ゴミ」
- 全辺の長さが30センチメートル以下のものまで
同じ東京都でも条件に違いがあることが分かります。
まずはお住まいの自治体の回収できるサイズや条件を確認することから始めましょう。
ちなみに、もし規定サイズを超えた木材であっても、小さくカットすれば可燃ゴミとして出すことも可能です。
少し手間はかかりますが、費用をかけず無料で処分したい方は、検討してみて下さい。
粗大ゴミに出す
あまりにもサイズが大きいものや厚みがあるものなど、可燃ゴミとして出せるサイズを大幅に超えている場合は、細かく切るのも一苦労でしょう。
木材を切るために電動ノコギリなどを買うのもお金がかかります。
時間と費用を考えれば、「そのままの状態で捨てたい」と考える方も少なくないでしょう。
そんなとき、適切な捨て方のひとつが「粗大ゴミ」です。
どの自治体でも事前に申し込みなどすれば、大型のゴミは粗大ゴミとして回収してくれます。
粗大ゴミの受付方法も自治体によって違いますが、おおまかには次の流れで行います。
- 粗大ゴミ受付センターへ連絡する(電話・WEB)
- 受付番号・処分料金・回収日を確認する
- 必要なゴミ処理券を購入する(コンビニ・街の販売店)
- 回収日当日の朝8時までに、ゴミ処理券を貼って収集場所へ持っていく
粗大ゴミの処分は有料ではあるものの、大きな木材でも400~1,000円ほどと、それほど費用をかけずに処分できるメリットもあります。
しかし、自宅前や集合住宅の敷地内入り口付近など、指定された回収場所までは自力で運ばなくてはならないため、サイズが大きく重量のある木材の場合は人手が必要です。
また、収集まで数日かかるため、すぐに捨てられない点は粗大ゴミの欠点と言えます。
ゴミ処理場に自己搬入する
処分したい木材が大量にある場合は、粗大ゴミに出しても処分費用がかさみます。
出来るだけ処分費を抑えたい場合は、ゴミ処理場へ自己搬入するという方法もあります。
粗大ゴミ同様、費用は自治体によって異なりますが、比較的安い宮城県仙台市の場合、1回の自己搬入(100kgまで)を1,500円で行っています。
しかし、木材を自分で運ぶ手間と労力と車両が必要です。
車両への積み込みなどもすべて自分で行わなくてはならないため、重労働となります。
木材専門の回収業者を利用する
知名度はそれほど高くありませんが、木材を専門として取り扱う回収業者があります。
いらない木材が大量にある場合、粗大ゴミや自己搬入の処分方法はハードルが高いです。
木材専門の回収業者へ依頼すれば、サイズ・重量の大きい木材や細かい端材まで、まとめて引き取ってもらえます。
処分料金については業者によって異なりますので、まずは問い合わせて無料の見積もりを出してもらいましょう。
不用品回収業者を利用する
不用品回収業者も同様、大小に関わらず一度にまとめて回収してもらえます。
木材を紐で束ねたり、運び出しも作業内容に含まれているため、事前準備も不要です。
作業日程についても、最短で即日対応が可能な不用品回収業者もあり、数時間から1日で終わるので、木材をいち早く手間をかけずに処分したい方におすすめです。
ただし、不用品回収業者は便利な分、粗大ゴミ以上にお金がかかります。
回収にあたるスタッフの人件費に運搬代が必要になるため、木材の処分だけで利用するのはかなり高額になります。
不用品回収業者は、家具・家電・衣類など、どんな不用品の回収にも対応していますので、家中まるごと断捨離する勢いで利用した方が割安です。
複数社見積もりをとり、安くて優良な業者を選びましょう。
ホームセンターでは回収してもらえる?
DIY用の木材を、ホームセンターで購入する方も多いでしょう。
ホームセンターの木材売り場には、さまざまな種類の木材をお手頃な価格で販売しているため、気軽に購入しやすいです。
販売店なら、不要になった木材の引き取りに対応しているような印象もありますが、基本的には回収を行っていません。
新たに木材を購入した人など条件付きで、木材の引き取りが可能なホームセンターも一部あります。
木材のやってはいけない処分方法
木材を処分する際は、気を付けるべき点がいくつかあります。
不要になった木材を捨てる前に、やってはいけない処分方法を知っておきましょう。
部品や金具は取り除く
家庭ゴミとして処分する場合は、素材ごとの分別が必須となるので、金属製などの部品はあらかじめ取り外さなくてはなりません。
ただし、粗大ゴミに出す場合は、金具や部品が付いたままでも問題なく回収してもらえることがほとんどです。
土に埋める
処分費用を浮かせるため、木材を土に埋めることなどを考える方もいるかもしれません。しかしホームセンターで取り扱っている木材は、もともと防腐処理が施されているものがほとんどなので、自然へ還るのに数十年という長い時間がかかることを考えても、土に埋める処分方法は避けた方が良いでしょう。
燃やす
木材を燃やす「野焼き」は、法律で禁じられており、罰則もかなり厳しいものです。
廃棄物処理法 第25条第15号では、” 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者“
許可なく木材を焼却処分した場合、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、または両方の罰則を科せると記載があります。
火事のリスクや有害物質の発生など、様々なリスクから絶対にやるべきではありません。
不法投棄をする
許可なく山林へ木材を置いてくる行為は、家具家電を勝手に山へ放置する「不法投棄」と同様です。
法律でも禁じられており、廃棄物処理法の第16条では、“何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない“木材を山林へ投棄すれば、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、または両方と記載されています。
このように、木材を処分する際に気を付けるべきことはいくつかあります。
必ず適切な処分方法を選び、ルールを守って手放しましょう。
木材は捨てるのではなく「再利用」の道もある
ここまで、木材の捨て方について紹介してきましたが、いらない木材が溜まっていても、すぐに捨てると判断するのはもったいないです。
木材は、自然がくれた貴重な資源です。
状態が良い木材であれば、まだ再利用できる可能性があります。
いらなくなっても、処分するより先にリサイクルする道を考えることが重要です。
使える木材は資源として有効活用し、自分に適した方法でリサイクルしましょう。
DIYする
もともとDIYで余ったものだったとしても、不要になった木材で違うものを新たに作るほこともできます。
例えば、端材ならコースターや鍋敷きなどにリメイクするのも良いでしょう。
工夫次第で少量の木材でも作れるアイテムはたくさんあります。
処分する前に、使い道がないかじっくり考えてみましょう。
リサイクルショップへ持っていく
自分では使い道が見つからない場合、リサイクルショップで買い取ってもらう方法もあります。
新型コロナウイルスで巣ごもり需要として、DIYの人気に火が付いたことから、人気が高く需要のある木材は、買い取り可能な可能性もあります。
ケヤキやローズウッド、ヨーロピアンウォールナットといった木材は、とくに人気のため、相場より高く売れる場合もあります。
ただし、どんな木材でも買い取ってもらえるわけではないほか、リサイクルショップによっては、木材の買い取り自体を行っていない場合もありますので、持っていく前に問い合わせてみましょう。
フリマアプリに出品する
リサイクルショップでは売れる木材は、サイズが大きくDIYに使いやすいものが基本なため、形も大きさもバラバラな木材は、ほぼ売れません。
しかしフリマアプリなら、DIYに使う木材を安値で探しているユーザーと取引できるため、そういった端材であっても売れる場合があるのです。
ただし、フリマアプリは写真を撮影し説明文を作成する出品の手間や、購入希望者の質問に答えたり、梱包・発送したりする手間もかかります。
購入者が現れるとも限らないため、売れるまでに時間を要する場合もあるでしょう。
必要な人に譲る
捨てるにはもったいないけれど、売るのも面倒という場合は、「人に譲る」という選択肢もあります。
友人・知人だけでなく、地域密着型の掲示板を利用して、欲しい人を探すことも可能です。
人に譲ることで、相手は購入費用が浮き、自分自身も処分費用が浮くため一石二鳥です。
まとめ
不要になった木材の処分方法は、サイズや状態に応じて適切な捨て方が異なります。
木材は大切な資源ですので、できる限り有効活用することも重要です。
もしリサイクルできないほど傷んでいるなど、捨てる木材がある場合は早めの処分をおすすめします。
木材を放置しておくと、シロアリをはじめとする害虫が発生する可能性があるためです。
もし自力での処分が難しい場合は、費用はかかりますが業者に依頼することもひとつの選択肢に入れてみましょう。