「身内が孤独死したから特殊清掃が必要だけれど、費用はいくらなんだろう……」
「特殊清掃業者に依頼したいけれど、悪徳業者だったらどうしよう……」
という不安はありませんか?
孤独死後の特殊清掃は少しでも早く業者に依頼することが重要ですが、何十万円という出費に戸惑ってしまう人も少なくありません。また、清掃中や清掃後のトラブルを避けるためにも、優良な業者選びが重要です。
今回は特殊清掃の費用や作業内容、費用の事例やよくあるトラブルなどを解説します。トラブルを避けて適正価格で特殊清掃を行うコツも分かりますので、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 特殊清掃料金の相場と金額に幅がある理由
- 実例で分かる特殊清掃のリアルな費用
- 特殊清掃業者の作業内容
- 悪質業者のトラブル事例
- 優良業者を選ぶコツとメリット
目次
特殊清掃の費用相場
特殊清掃の費用相場は、8万円~70万円程度とかなり幅があります。非常に小規模の清掃で済む場合には10万円以下、清掃範囲が家全体に及ぶ場合には70万円前後となり、実際の費用は間取りや必要な作業の有無により激しく変動します。
ここでは、間取りと作業内容の2つの視点から料金相場を紹介します。
間取り別の料金相場
一般的に、特殊清掃を行う部屋の数が多いほど料金は高くなります。間取り別の料金の目安を以下の表にまとめました。
間取り | 料金の目安 |
1R~1K | 8万円~30万円 |
1DK~3LDK | 14万円~50万円 |
4DK | 25万円~70万円 |
実際には、料金は部屋の数だけで決まるものではありません。遺体の発見までに時間がかかってしまうと、血液や体液が床や壁の深くまで染みこんだり、ウジ虫やゴキブリなどが湧いたりといった弊害が生じます。様々な追加作業が必要となるため、作業料金が加算されることが多いです。一方で、死後すぐに遺体が発見されて部屋の汚損がごく軽度の場合には、相場より安くなる可能性があります。
なお、多くの特殊清掃業者は間取りだけでなく、作業内容それぞれについて料金を定めています。
作業別の特殊清掃費用相場
ひとまとめに「特殊清掃」といっても、実際には床上の清掃や消臭・消毒、汚染物質の除去など様々な作業内容が含まれています。作業内容別の料金目安は、以下の表のとおりです。
費目 | 料金の目安 |
床上の特殊清掃(一次処理) | 1K、1R:8万円~ 1DK~3LDK:14万円~ 4DK:25万円~ |
消臭・除菌剤の散布(一次処理) | 17000円~ |
血液・体液の除去(一次処理) | 5万円~10万円 |
血液のついた畳の撤去 | 1枚あたり5000~1万円 |
浴室清掃 | 3万円~ |
オゾン脱臭 | 1日あたり5万円~ |
害虫駆除 | 1万円~ |
ゴミ屋敷清掃 | 7万円~50万円 |
人件費 | 2万円~ |
作業を行う部屋の数や面積が増えるほど、作業の手間や人件費が増えるため料金は高額になります。上記すべての作業を必ず行うわけではなく、現場の状況に合わせて必要な工程を取捨選択することになります。
特殊清掃の費用が10万円以上変わる理由
同じような間取りでも、特殊清掃の費用は10万円以上の幅が開くことも少なくありません。特殊清掃は大きく分けると「一次処理」とその後の「完全消臭・原状回復」の2工程からなるため、それぞれの工程に分けて料金差が生じる理由を解説します。
特殊清掃現場での一次処理
特殊清掃の一次処理とは、遺族や物件所有者などが立ち入り可能な状態にするための応急処置的な清掃作業のことです。具体的には、遺体の痕跡の除去や血液・体液の拭き取り、床上の清掃や消臭・消毒処理が一次処理の作業内容となります。1K、1Rなどの小さな物件では、一次処理の費用は8万円~15万円程度となることが多いです。
一次処理の料金は遺体発見までの日数や季節、現場と業者所在地との距離などにより変動します。遺体の発見が遅れれば腐敗が進んで家全体に汚損が進み、一次処理費用が高額になります。また、冬よりも夏のほうが遺体の腐敗が早く、害虫被害などが拡大する可能性が高いです。さらに、孤独死現場と業者の所在地が遠いと、スタッフの稼働時間が増えたりガソリン代が高くなったりするため料金が上がる場合があります。
特殊清掃現場の完全消臭・原状回復
一次処理よりもさらに料金の幅が大きくなりやすいのが、一次処理後の完全消臭・原状回復の工程です。費用の範囲は10万円台~70万円程度となるのが一般的で、とくに多いのは40万円前後のケースです。死亡直後に発見された場合には一次処理だけで済むこともありますが、孤独死事例の大半では完全消臭・原状回復の工程を行います。
完全消臭には、特殊な薬剤やオゾン発生器が必要です。臭いの発生源に応じて適切な薬剤を選んだり、状況に応じて適切な機器操作を求められたりするため、ケースに応じた料金となります。
また、原状回復のための作業も状況次第で変動します。血液や体液が床や壁の深くまで染みこんでいると、フローリングや壁紙の張り替え作業を含めた大規模なリフォーム工事が必要です。トイレや浴室で死亡した場合には、排水管に流入した血液などを高圧洗浄で除去する作業も発生します。これらの費用が積み重なって、ときには100万円を越えるケースも見られます。
特殊清掃の費用事例
特殊清掃の費用事例を紹介します。自分のケースでいくらかかるか調べるには業者の現地見積もりを頼む必要がありますが、あらかじめ事例を見ておくとイメージがつかみやすくなります。
1Kアパート・孤独死現場の特殊清掃費用
1Kアパートで、死後3日とかなり早期に遺体が発見された事例です。冬場であったため遺体の腐敗が進みづらかったこともあり、特殊清掃は一次処理の床上清掃、除菌消臭のみで済みました。作業人数は2名、費用は108,900円で作業時間は5時間程度でした。
戸建4LDK・遺品整理と特殊清掃費用
戸建て4LDKの物件で、特殊清掃後の遺品整理も行った事例です。死後1か月経過しており、8名のスタッフで5日かけて作業しました。特殊清掃後の遺品整理に先駆けて依頼主様のご要望をあらかじめヒアリングしており、形見の品を丁寧に仕分けしながら作業を行いました。合計費用は759,000円でした。
1Kアパート・ゴミ屋敷整理での特殊清掃費用
1Kアパートで作業面積は小さかったものの、うず高く積み上がったゴミの中での作業となった一例です。特殊清掃としての費用22万円に加えて、ゴミ屋敷清掃を15万円で承り、合計376000円の費用となりました。清掃後の消毒・消臭作業に3日間、ゴミ屋敷清掃として2日間を要し合計5日間の工程でした。
マンション浴室の特殊清掃費用
マンション浴室の浴槽内で起こった孤独死の特殊清掃事例です。浴室は清掃が難しい場所の代表格で、狭い場所であるためスタッフ1名で作業しました。浴室洗浄に12万円、除菌・消臭で6万円を要した他、追い炊き式配管内部と排水口の清掃が必要となり各4万円の作業費用が発生しました。合計費用は264,000円です。
2DKマンションの遺品整理と特殊清掃
2DKのマンションで遺品整理と特殊清掃を依頼されたケースです。寝室内で孤独死し、死後1週間が経過していました。遺体からの体液の染み出しなどはベッドの中にとどまっていたため、床などへの汚染はほとんど見られない状態でした。作業人数は4人で、床上清掃と消臭、害虫除去などを行っています。作業日数は3日、遺品整理と合計で228,000円でした。
特殊清掃費用を安く抑えるコツ
特殊清掃は数十万円という高額な出費となることが多く、安さだけを売りにしている業者を選ぶとトラブルに巻き込まれる危険があります。清掃後に遺体の痕跡が残ったままだったり、死臭が消えていなかったりするケースもあるので注意しましょう。
そのようなケースで、なおかつアフターフォロー制度がなかった場合には、別業者にお金を払って特殊清掃を頼み直さなければなりません。かえって出費がかさんでしまうので、安易に格安業者に依頼しないことが重要です。ここでは、適正価格の範囲内で安く特殊清掃を頼むコツを解説します。
相見積もりを取って費用を比較する
複数の業者で相見積もりを取って比較検討することが、費用を抑えるのに役立ちます。業者によって作業内容や料金体系が大きく異なり、複数の見積もりを比較すると相場が分かります。また、高すぎたり安すぎたりする業者を見極めることが可能です。
高額請求の業者を避けるのはもちろん、安すぎる業者にも注意しましょう。安さだけが売りの業者は、あとで高額請求をしてきたりスキルが未熟で脱臭しきれなかったりすることがあります。
相見積もりを取るときは、金額だけでなく作業内容の違いをチェックしましょう。業者によって清掃範囲や使用薬剤、オプションの内容が異なるため、見積もり書に記載されている項目をひとつひとつ確認することが大切です。不明点は見積もりの時点で必ず質問し、スタッフのマナーや作業内容、費用などを総合的に判断して業者を選びましょう。
出来るだけ早く依頼する
特殊清掃の費用を抑えるためには、できるだけ早い段階で業者に依頼することが欠かせません。なぜなら、遺体発見から時間が経つほどに、遺体の腐敗や体液などの染み出しがひどくなるからです。清掃が複雑化すると作業時間が増え、結果的に費用が高くなります。
遺体が発見された直後に特殊清掃を行えば一次処理だけで済むこともあり、その場合には10万円以下となる可能性があります。しかし、多くのケースでは数日以上放置された状態で発見されるため、血液や体液が床などに染みこんで悪臭が蔓延していることが多いです。
放置期間が長くなるほど部屋の構造や素材へのダメージも大きくなり、リフォームなどが必要になれば料金の高額化は避けられません。特殊清掃が必要だと判断した場合は、できるだけ早く業者を選んで適切な処理をしてもらいましょう。
特殊清掃一次処理前には他業者をいれない
無駄な出費を抑えるためには、特殊清掃の一次処理が済むまで家賃保証会社やリフォーム業者などを部屋に入れないことも重要です。特殊清掃と無関係な業者が一次処理前の部屋に立ち入ると、現場を踏み荒らして汚損範囲を広げてしまうからです。特殊清掃の作業量が増えれば、もちろん費用は高くなります。
不用意に誰かが移動すると、死亡した場所から他の部屋へと血液や体液、細菌などを運ぶことにもなりかねません。賃貸物件の場合は共用部分にまで汚損が広がる場合があり、その場合は特殊清掃費用が跳ね上がるおそれがあります。
遺族が現場に残された貴重品などを調べようとして立ち入ろうとするケースがありますが、やはり汚損の拡大につながるため一次処理が終わる前の入室はやめましょう。
特殊清掃業者で対応可能なサービス
特殊清掃業者が提供できるサービスについて解説します。対応可能なサービスを理解しておくと、見積もり時に内訳や費用の漏れをチェックしやすくなります。基本的な作業内容を覚えておきましょう。
消臭・消毒
消臭・消毒は、特殊清掃でとくに重要な作業のひとつです。遺体から生じた死臭や病原菌・ウイルスによる汚染を除去するために、消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を用いて作業します。
消毒・消臭は一次処理に必須の工程ですが、「遺体が腐敗して臭いが家に染みついている」「生前のタバコや生ゴミの臭いも混ざって強烈な悪臭を放っている」などの場合には、より強力な薬剤や装置を用いて完全消臭を行います。
完全消臭にはオゾン発生器による空間除菌や薬剤散布による消臭、空気清浄など、様々な方法が用いられます。悪臭の原因となる成分を見極めて、それに合わせた薬剤を選択することでより効果的な消臭が可能です。完全消臭は日数を置いてくり返し行う必要があるため、数日から数週間の工程となることが多いです。日数や回数に相関して、料金が高くなる傾向が見られます。
汚染物質の除去
血液や体液、腐敗物、嘔吐物、排泄物などの汚染物質を除去するのも、特殊清掃の作業のひとつです。汚染物質は健康被害や悪臭の原因となるため、少しでも早く除去しなければなりません。
特殊清掃業者は血液などが付着した箇所と範囲を正確に把握し、専用の洗剤や薬品を用いて洗浄・除去します。また、汚染物質の染みこんだカーペットや家具などは、廃棄処分しています。汚染物質の種類や量によって作業内容や所要時間は異なり、専門的な知識と技術が必要な作業です。
感染症のリスクがあるため、防護服やマスクを着用して安全に作業を行います。汚染物質の除去は部屋の見た目をきれいにするだけでなく、二次感染を防いで住環境を安全な状態に戻すために不可欠な作業です。
残留物の処理
孤独死の現場には故人の遺品や生活用品などの残留物が発生するため、特殊清掃では残留物の処理も行うことがあります。具体的には、遺品整理や不用品処分、汚染された物品の廃棄がこのサービスに含まれます。残留物の量が多かったり、特殊な処理が必要な物品が含まれていたりすると、作業費用が上がる可能性が高いです。
遺品整理では、遺族の意向を尊重しながら必要な物と不要な物を分別します。不用品処分は、家に残った家具や家電、生活用品などを適切に処分する作業です。また、体液などで汚染された物品は、感染症予防の観点から安全に回収・処理します。
ただ物を捨てるだけでなく、故人や遺族に丁寧に向き合い、不用品や感染リスクなどがある物を適切に処分するのが残留物の処理サービスです。遺族の心身の負担を軽減する、重要な作業といえます。
害虫駆除
特殊清掃の現場では、遺体や長期間放置されたゴミなどから害虫が発生することがあります。害虫の種類はゴキブリやハエ、コバエ、ダニなど多岐に渡り、それらの害虫を駆除するのも特殊清掃の一部です。
特殊清掃業者は現場の状況を見て、発生した害虫の種類や巣の場所を特定します。害虫の種類に応じた薬剤を巣や隠れ場所に散布し、徹底的に駆除します。また、後で害虫がふたたび発生しないよう、残留物の除去や清掃を行って環境を整える作業も必要です。
害虫は感染症を媒介する可能性があり、健康被害を避けるためにも適切に駆除しなければなりません。害虫を放置することによる精神的なストレスや近隣住民とのトラブルなどを考えると、一刻も早い駆除が望まれます。専門的な知識と技術を持つ業者に依頼することで、迅速かつ確実な害虫駆除が可能となります。
原状回復工事
特殊清掃業者は、部屋の原状回復工事も受け付けています。一次処理やオゾン脱臭などで解決できないほど壁や床の汚損が広がっている場合には、クロスや壁紙の張り替えのようなリフォーム工事で原状回復を行います。浴室やトイレなどの排水管の交換や、汚損したドアや窓のような建具の修理・交換も原状回復工事の一種です。
原状回復工事を行うことで、不動産の価値を保つことができます。孤独死が起こった家や部屋を売却したり、賃貸に出したりする場合には原状回復工事を積極的に検討しましょう。
悪質な特殊清掃業者とのトラブル事例
特殊清掃を行う業者はたくさんありますが、技術力が低かったり高額請求をしてきたりする悪質な業者も混在しているのが現状です。悪質な事例としては、次の4つのケースが知られています。
- 作業開始後に追加料金を請求する
- 作業中に発見した貴重品を窃盗する
- 特殊清掃作業後にも臭いが残る
- 廃棄物を不法投棄する
悪質な特殊清掃業者の引き起こすこれらのトラブルについて、詳しく解説します。
作業開始後に追加料金を請求する
悪質な業者は作業開始後に「予想外の事態が発生した」などと理由をつけて、追加料金を請求してくることがあります。「当初の見積もりよりも汚れを除去する範囲が広かった」、「汚れがひどくて特殊な薬剤が必要になった」、「作業時間の延長が必要になった」などといって料金を上乗せしようとするため、注意しましょう。
事前の見積もりがずさんな業者は、当日に追加請求をしてくる可能性が高いです。このため、契約する前に必ず見積もり書を作成してもらい、内容を確認することが欠かせません。作業内容ごとの料金が明確に記載されているか、内訳もしっかりチェックしましょう。
不明な点は事前に質問し、追加料金が発生する可能性はあるか、ある場合はいくら程度の追加料金が発生するかなども確認してください。回答をうやむやにする業者は、あとでトラブルを起こす可能性があります。契約書の内容をしっかりと確認し、納得のいく契約を結ぶようにしましょう。
作業中に発見した貴重品を窃盗する
特殊清掃の現場では現金や貴金属などの貴重品が発見されることがあり、貴重品を盗んでしまう悪質な業者も存在します。特殊清掃の現場、とくに一次処理前の現場には基本的に遺族も立ち入らないため、悪質な業者は「盗みやすい」と考えてしまうのです。
また、タンスや仏壇などに貴重品が隠されていた場合、遺族に申し出ないで家具ごと持ち去るケースも起こり得ます。
窃盗を防ぐためには、長い経営実績があり信頼できる業者を選ぶことが大切です。ネット上の口コミや評判も参考にしましょう。一次処理が済んで遺族が立ち入れるようになったら、可能な限り業者の作業に立ち合って目を光らせるのもひとつです。
特殊清掃作業後にも臭いが残る
質の悪い業者に頼むと、作業後も死臭などが残ってしまうことがあります。家に染みこんだ汚れや臭いの除去は難しいため、技術が未熟だったり、適切な薬剤を選ばなかったりすると臭いを取り切れないのです。臭いのもととなる汚染物質や細菌を除去しきれないと、時間が経つにつれて再び臭いが出てくることもあります。
臭いの被害を防ぐためには、複数の業者に見積もりを依頼して作業内容や使用薬剤などを比較検討することが大切です。作業後のアフターフォロー制度がある業者を選び、万が一臭いが残った場合の対応について確認しておきましょう。
なお、格安で特殊清掃を請け負っている業者の中には、技術力が低い業者も混在しています。安く頼めても消臭が不十分だと他社に再依頼することになってしまうので、確実に消臭してくれる業者を選びましょう。
廃棄物を不法投棄する
悪質な業者が、回収後の物品の処分費用や手間を省こうとして山林などに不法投棄する事例が見られます。不法投棄は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条と25条、32条によって、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される犯罪です。なお、法人では3億円以下の罰金が科せられます。
不法投棄が起こった場合、業者が罰せられるだけでなく依頼した遺族にも罰則が適応されることがあるため注意しましょう。不法投棄を避けるためには一般廃棄物収集運搬許可を自社で取得、もしくはこの許可を持つ他業者と提携していることを確認することが重要です。なお、リフォーム工事で生じた廃材の回収には産業廃棄物収集運搬許可が必要となるため、併せて確認しましょう。特殊清掃に必要な許可は後述します。
特殊清掃の業者を選ぶ5つのポイント
トラブルを避けて孤独死現場を片付けるには、優良な特殊清掃業者を選ぶことが欠かせません。優良業者を見極めるポイントは次の5つです。
- 実績と経験豊富なスタッフが在籍
- 契約書や同意書の提示がある
- 見積もり書の内訳が詳細
- 必要な許可を取得している
- コミュニケーションが取りやすく対応も丁寧
具体的なポイントを解説するので、業者選びの参考にしましょう。
実績と経験豊富なスタッフが在籍
特殊清掃は高度な専門知識と技術が必要な作業であるため、実績が多くて数々の現場を経験しているスタッフのいる業者を選ぶことが大切です。経験豊富なスタッフは、様々な状況に対応できるノウハウを持っています。
たとえば、浴室で亡くなって遺体が溶け出してしまっているケースや狭いトイレ内での死亡事例なども、過去に経験したことのあるスタッフなら適切に対処可能です。また、熟練のスタッフは過去の経験からトラブルになりやすいポイントを理解しており、事前に対策を講じることができます。
実績のある業者の強みは、長年の経験から培われた技術によって高品質なサービスを提供できることです。目安として3~5年以上の特殊清掃実績を持つ業者であれば、安心感が高まります。
契約書や同意書の提示がある
無責任な業者を避けるために、事前に契約書や同意書を作ってくれる業者を選びましょう。契約書がなく口頭説明のみだと、作業中や作業後にトラブルが起きても対処できません。
一般的な契約書には、作業内容や料金体系、作業スケジュールやキャンセル時の費用負担、アフターフォロー、などについて記載されています。損害賠償責任保険や盗難時の対応などについても明記されており、いざというときに法的根拠として役立ちます。
契約書を残さない業者に頼んでしまうと、トラブル時に責任を追及するのが困難です。正式な契約書や同意書を発行してくれる、優良業者と契約しましょう。
見積もり書の内訳が詳細
特殊清掃業者を探すときは、詳細な見積もり書を作成してくれる業者を選びましょう。見積もり書を作成しない、あるいは「作業一式」のように大雑把な見積もり書しか渡してこない業者は要注意です。見積もり書が適当だと、当日に「予想外の作業が追加になった」などと理由を付けて追加請求をしてくる可能性が高いです。
見積もり書が丁寧な業者は、床上清掃やオゾン脱臭、害虫駆除など必要な作業とその料金を詳しく記載しています。使用する薬剤の種類や料金も明記されていると、さらに安心です。見積もり書に「基本料金」と記載され詳細が省かれているときは、どの作業が基本料金の範囲内でどこからがオプションとなるかも質問しましょう。
必要な許可を取得している
特殊清掃の作業自体には、法律で定められた許可はありません。しかし、特殊清掃で生じたゴミなどの取り扱いには、一般廃棄物収集運搬許可や産業廃棄物収集運搬許可などの許可が必要です。
さらに、事件現場特殊清掃士や遺品整理士の資格を持つスタッフが在籍していると、質の高いサービスが期待できます。優良業者を選ぶにあたり、必要な資格を表にまとめました。
許可・資格 | 概要 |
一般廃棄物収集運搬許可(自社で取得または他社との提携) | 一般家庭(孤独死現場を含む)から出たゴミの収集運搬に要する許可 |
産業廃棄物収集運搬許可 | 床板解体などで生じた廃材の収集運搬に要する許可 |
古物商許可 | 不用品の買取に要する許可 |
解体工事業登録 | 孤独死現場の解体作業をする際に要する登録 |
事件現場特殊清掃士 | 特殊清掃の専門知識・技術を有することを証明する認定資格 |
遺品整理士 | の専門知識・技術を有することを証明する認定資格 |
業者のホームページで上記の許可や資格を公表している場合もありますし、業者への問い合わせで確認することもできます。業者選びの参考にしましょう。
コミュニケーションが取りやすく対応も丁寧
孤独死に直面した遺族は強いショックを受けて疲弊しているため、コミュニケーションを円滑に取れる業者を選ぶことが大切です。遺族の気持ちに寄り添って丁寧に作業してくれる業者なら、心の負担の軽減にもつながります。要望や質問があるときも、気軽に相談できれば安心です。
業者のコミュニケーション能力は、問い合わせの電話対応や訪問見積もりのときにチェックできます。質問しても返事が噛み合わなかったり、回答をうやむやにして契約を推し進めようとしたりする業者を選んではいけません。Googleマップなどインターネット上の口コミから、業者のマナーや技術力について情報収集することができます。
高くても優良な特殊清掃業者に依頼するメリット
特殊清掃の費用は決して安くはないため、「業者を呼ばずに自分で掃除できないだろうか」と考えたくなる人もいるかもしれません。しかし、自力で孤独死現場を片づけるのは心理面でも多大な負担となり、感染リスクなどの面からもおすすめできません。
ここでは、たとえお金がかかっても特殊清掃業者に依頼したほうが良い理由について解説します。
強烈な死臭も対応可能
特殊清掃業者なら、家全体に染みついた強烈な死臭にも対応可能です。死亡から時間の経った家は床下や屋内の構造部分まで死臭が染みこんでいることが多く、そのような場合には一般的な掃除で臭いを除去することはできません。
死臭は生ゴミの不快臭などより遥かに強烈で、チーズや肉の腐った臭いをさらに強くしたような特有の臭いです。遺体が細菌などに分解されてガスが発生し、アンモニアや硫化水素などを含む死臭を発散させます。
死臭の残る家では通常の生活を営むのは困難ですし、賃貸に出しても新規入居は期待できません。しかし、特殊清掃業者であれば、オゾン発生器などを適切に使用して死臭を取り除くことが可能です。
短時間で特殊清掃が完結する
特殊清掃業者なら、1日~1週間程度で清掃や消臭作業を完了させることができます。リフォーム工事を行う場合は別途時間が必要ですが、汚染物質の除去自体は数時間程度で終わることが多く、残りの日数は臭いの種類や強さに応じて消臭作業を繰り返すための時間となります。
一般人が自力で片づけようと思っても、精神的な苦痛を要する孤独死の現場を短時間で片づけるのはほぼ不可能です。死亡直後に発見された場合を除いて孤独死の現場には遺体の痕跡の色濃く残っており、どう片づけたら良いか分からなくなってしまいます。
孤独死直後のつらい時期をスムーズに乗り越えるためにも、業者に頼んで清掃を長期化させないことが重要です。
床や壁の汚れの原状回復が任せられる
特殊清掃業者に頼めば、床や壁に染みこんだ頑固な血液汚れなどをすみやかに除去できます。状況に応じてクロスの張り替えなどのリフォーム工事も行えるため、家をすばやく原状回復するには特殊清掃業者に依頼することが重要です。
自分で清掃しようとしても市販の洗剤では血液汚れを落とすのは難しく、不適切な洗剤を使うと壁などが傷む場合があります。また、清掃範囲が広範囲に及ぶと、時間を浪費するばかりでいつまでも原状回復できません。
すみやかに原状回復できれば、家を売却したり賃貸に出したりする際に有利に働きます。家の資産価値を落とさないためにも、特殊清掃業者に頼んで原状回復してもらいましょう。
汚染されたベッドや布団も処分してくれる
特殊清掃業者なら、体液や血液などで汚れたベッドや布団なども回収してくれます。自分で粗大ゴミに出そうとしても、そのベッドなどが大量の血液・体液で汚染されていた場合には自治体が引き受けてくれない可能性が高いです。
粗大ゴミだけでなく、一般的なゴミでも血液汚染などがあると処分できない場合があるため、捨て方が分からず戸惑うことになりかねません。また、汚染された寝具などを不用意に扱うと感染症にかかる場合もあるため、遺族が自分で孤独死現場の物品を処分するのは危険です。
特殊清掃業者は、汚染された寝具などを適切に処分するための知識と経験を持っています。安全かつ確実に処分するために、プロの業者に依頼することが大切です。
特殊清掃は経験豊富なゴミ屋敷バスター七福神にお任せください
トラブルを避けて適正価格で特殊清掃をしたい方は、ゴミ屋敷バスター七福神にご相談ください。年中無休の最短即日対応で、孤独死の起こった現場に駆けつけます。特殊清掃に必要な許可を保有し、事件現場特殊清掃士や遺品整理も在籍しているためご遺族の気持ちに寄り添うスピーディな作業が可能です。
さらに、ゴミ屋敷清掃にも強いのが当社の特徴です。孤独死の現場は生前から蓄積した物が堆積してゴミ屋敷状態になっていることが多く、原状回復には困難が伴います。しかし、ゴミ屋敷バスター七福神では特殊清掃後のゴミ屋敷清掃や遺品整理もスピーディに行うことが可能です。どんな現場でも安心してお任せください。
まとめ
特殊清掃の費用相場は8万円~70万円程度で、遺体の発見までに時間がかかったり、清掃が広範囲に及んだりした場合には高額になりやすいです。
安さだけを基準にして特殊清掃業者を選ぶと、思わぬ追加請求をされたり技術が未熟で臭いが残ったりするリスクがあるので注意しましょう。相場範囲内で料金を安くするコツは、相見積もりを取って早めに依頼すること、そして踏み荒らされないために一次処理完了前には他業者を入れないことです。
悪質な業者に依頼すると、窃盗や不法投棄などのトラブルに遭う危険もあります。安心して依頼するためには、実績・経験が豊富で必要な許可を保有している業者を選びましょう。見積もり書が詳しくて、契約書を事前に取り交わしてくれる業者を選ぶことも重要です。
業者選びで悩んだら、ゴミ屋敷バスター七福神にご相談ください。お見積もり・ご相談無料で、お客様のご連絡をお待ちしています。