お役立ちコラム

引越しに伴う回収

退去費用が怖くて引っ越せない!安くするためにできること

退去費用が怖くて引っ越せない!安くするためにできること

「退去費用がいくらだか分からず、怖くて引越せない」

「退去費用が払えなかったら、どうなってしまうの?」

など、退去費用のお悩みはありませんか

賃貸物件を引き払うときに支払う退去費用は、退去が決まって部屋から家財を撤去するまでは分かりません。数万円程度で済むケースが多いものの、なかには100万円を超える事例もあるため「退去費用が怖くて引越せない」と考えるのも自然なことです。

そこで今回は、退去費用の不安を抱えている人に向けて、大切な基礎知識や退去費用の金額を決定する要素、安くするコツなどを解説します。どうしても支払えないときの対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

<この記事で分かること>

  • 退去費用が不安な人が、まず調べるべきこと
  • 退去費用が高額化するケースと安くするコツ
  • 退去費用が払えないときの解決法と払わなかったときのリスク

退去費用が怖くて引っ越せない…まずやること!

退去費用が怖くて引っ越せない…まずやること!

退去費用の正確な金額は退去するまで分からないため、「高すぎて払えなかったらどうしよう」と怖くなる人は多いようです。退去費用が不安な人は、まずは大まかな費用を調べたり、基本的な知識を理解したりしましょう。具体的なポイントは次の7つです。

  • 設備ごとの修繕費の概算をチェック
  • 引越すのは十分な費用が貯まってから
  • 退去費用の構成内容を理解する
  • 退去費用の相場
  • 原状回復費用とは?
  • ハウスクリーニング代は必要か?
  • 経年劣化で損傷した箇所は請求されない

退去費用は、部屋の状態や契約内容次第で数万円~数十万円もの差が出ます。具体的なポイントを見ていきましょう。

設備ごとの修繕費を確認してみる

退去費用の不安を解消するには、何にどれくらいの費用がかかるのかを知ることが欠かせません。設備ごとの一般的な修繕費を知れば、退去費用をある程度予想することができます。よくある修繕箇所にかかる費用目安を以下の表にまとめました。

修繕箇所費用目安
壁紙の張り替え800円~1000円/平方メートル
壁の下地ボードの交換3万円~6万円
フローリングの張り替え(6畳)10万円~20万円
カーペットの張り替え(6畳)5万円~12万円
畳の張り替え(6畳、新調)7万円~20万円
トイレの水垢・カビ取り5000円~1万円
お風呂の水垢・カビ取り1万円~2万円

実際にはすべての修繕費用を借主が支払うのではなく、通常の生活による損耗や経年劣化は貸主負担で修繕するのが原則です。また、入居時に敷金を支払っていた場合には敷金から退去費用が差し引かれるため、ほとんど出費がないケースも見られます。

部屋全体をチェックして、どの設備にいくらかかりそうかを大まかに理解しておきましょう。ざっくりでも予測が立てば、漠然とした不安から解放されて冷静に引っ越しを検討できるようになります。

退去費用が貯まるまで引越さない

高額な退去費用を請求されても慌てずに済むように、引越し前に資金をしっかり貯めておきましょう。計画的に引越資金を準備して、目標額が貯まるまで引越さないという意識が大切です。

たとえば、毎月の家賃に加えて、数千円ずつコツコツと退去費用相当額を積み立てておくのがおすすめです。光熱費や通信費の見直し、小さな無駄遣いの削減など、節約できるポイントを探しましょう。

引越のときには退去費用だけでなく、転居先での敷金・礼金や新居の初期費用なども必要になります。急いでお金を用意しようとするのではなく、計画的に資金を準備して引越しのスケジュールを組むことが大切です。

退去費用の内容とは?

退去費用の内容は、「原状回復費用」と「ハウスクリーニング代」の2つに分けられます。国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」には、退去費用の借主・貸主の負担分や退去費用にまつわるトラブル事例などが詳しく解説されているので参考にしましょう。

原状回復費用とは、借主が物件をもとの状態に戻して返還するための費用です。故意や過失による傷や汚れに対しては、借主が原状回復の義務を負います。

一方、ハウスクリーニング代とは、借主が退去してから専門業者を呼んでハウスクリーニングをするための費用です。経年劣化や通常の生活を送った際のハウスクリーニング代については、原則的には借主の負担にはなりません。ただし、入居時に交わした賃貸借契約で退去時に支払うハウスクリーニング代の特約などがある場合には、契約内容に従うこととなります。

退去費用の相場

退去費用は物件の広さや状態、契約内容によって大きく異なりますが、一般的には部屋が広いほど清掃や修繕の箇所が増えて高額化する傾向があります。故意や過失による傷・汚れなどがない場合には、退去費用の相場は以下の通りです。

<間取り別 退去費用の相場>

間取り退去費用の相場
1R、1K3万円前後
1DK、1LDK3万円~5万円
2DK、2LDK5万円~9万円
3DK~8万円~

ただし、壁紙一面の張り替えや水回りの修理のような大規模な修繕が必要な場合は、相場を上回って高額になる可能性が高いです。

原状回復費用

物件をもとの状態に戻すための費用が原状回復費用であり、借主の不注意や故意、管理義務を怠ったことによる傷や汚れ、通常の使用を越えた使用による損耗に対する費用を負担しなければなりません

たとえば、壁に物をぶつけて凹ませてしまった、家具の移動時にうっかりフローリングに傷を付けてしまった、自己判断でカギを交換していたなどケースでは、借主が原状回復することとなります。

さらに、タバコのヤニによる壁紙の変色、柱や床にペットが付けた傷、エアコンの水漏れを放置したことによる腐食なども原状回復費用の対象であり、修繕箇所が広範になるため高額化しやすい点には注意が必要です。

ハウスクリーニング代

ハウスクリーニング代は、退去時に部屋全体を清掃して次の入居者が気持ちよく入居できるようにするための費用です。

通常の生活による汚れへのハウスクリーニング代は貸主が負担するのが原則ですが、キッチンや換気扇が油でギトギトに汚れていたり、お風呂やトイレがカビや水垢で汚れていたりする場合には、借主が管理義務を怠ったことによる汚れであるため清掃費用を請求されます。

通常の清掃で落とせる程度の汚れなら、借主が自分で清掃すればハウスクリーニング代を請求されずに済む可能性が高いです。

経年劣化で損傷した箇所は請求されない

経年劣化や通常の使用による損傷は、原則として借主が費用を請求されることはありません。なぜなら、物件の寿命や時間の経過に伴う状態変化は、借主の故意や過失によるものではないと考えられるからです。

たとえば、壁紙の日焼け、家具の設置による床のへこみ、テレビや冷蔵庫の後ろの壁の電気焼けなどは原状回復費用の対象外です。もし、これらの箇所の修繕費用を請求された場合には、国土交通省のガイドラインを根拠にして抗議しましょう。

なお、入居した時点ですでについていた傷や汚れについても修繕の義務はありません。不当な請求をされた場合に備えて、入居時の物件の状態を写真に撮っておくと安心です。

退去費用が高額になりやすいケース

退去費用が高額になりやすいケース

退去費用が相場を上回るのは、次の5つのケースです。

  • ペットを飼育していた
  • 室内でタバコを吸っていた
  • 壁に穴をあけてしまった
  • 無断で工事やリフォームを行った
  • ゴミ屋敷・汚部屋化している

なぜ高額になるのか、それぞれのケースについて解説します。

ペットを飼育していた

部屋でペットを飼っていると、退去費用が高くなりやすいです。動物の体臭が部屋に染み付いていたり、引っ掻き傷や噛み傷が柱や壁に残っていたりすることが多いからです。

壁紙にペットの臭いが染み込んでしまうと、市販の消臭剤では消臭しきれません。業者の脱臭処理が必要となるため、費用が高額化します。匂いや汚れで部屋全体の壁紙の張り替えが必要となった場合には、張り替え面積や壁紙の素材などによっては数万円~数十万円もの退去費用が上乗せされることとなります。

さらに、フローリング全体が引っ掻き傷だらけになっていると、フローリングも広範囲に張り替える可能性があるので注意が必要です。

室内でタバコを吸っていた

室内での喫煙も、退去費用が高額になる原因のひとつです。タバコの煙に含まれるタール(ヤニ)などの成分は壁紙やカーテン、エアコンなどにさまざまな場所に付着して、しつこい黄ばみや臭いを残します。変色やヤニ臭さは壁やエアコンの奥深くまで入り込むため、通常のクリーニングではきれいに取り除くことができません。

次の入居者が快適に暮らせるようにするには、特殊なクリーニングや壁紙の張り替えが必要となり、高額な退去費用が発生します。タバコによる汚れは借主の責任であるため、費用を負担しなければなりません。

賃貸借契約で「喫煙可能」とされている物件であっても、退去費用を抑えるためには換気を徹底するなどの配慮が不可欠です。

壁に穴をあけてしまった

壁に穴をあけてしまうと、高額な退去費用は避けられません。壁の穴は通常の使用による損耗とは見なされず、借主の故意または過失による損傷と判断されるからです。

たとえば、誤って家具をぶつけて壁をくぼませたり、重量物を取り付けるために壁にネジ穴やクギ穴を開けたりした場合には、費用が高額化しやすいです。穴が深いと表面的な張り替えだけでなく下地ボードの補修もせざるを得なくなり、大がかりな修繕工事が必要となるため注意しましょう。

なお、壁にポスターを貼るなどの目的で画びょうを刺した穴については、通常の生活による浅い穴であるため原状回復費用は発生しません

無断で工事やリフォームを行った

大家さんに無断で賃貸物件の工事やリフォームを行うと、数十万円を超える高額な原状回復費用を請求される可能性があります。賃貸物件はあくまで大家さんの所有物であり、借主が勝手に手を加えることは契約違反にあたるからです。

たとえば、自分の好みに合わせて壁紙を張り替えたり、棚を取り付けたり、間取り変更の工事を行ったりした場合には、退去時には大家さんの指示に従って元の状態に戻さなければなりません。玄関のカギを勝手に交換した場合にも、原状回復義務が生じます

場合によっては、原状回復費用だけでなく契約違反への損害賠償を請求される可能性もあります。工事やリフォームを検討する場合は、事前に大家さんの許可を得ることが不可欠です。ただし、近年では「DIY型賃貸」「カスタマイズ賃貸」と呼ばれる契約スタイルもあり、その場合は契約書の範囲内ならリフォームしても原状回復費用は生じません。

ゴミ屋敷・汚部屋化している

部屋がゴミ屋敷や汚部屋状態だと、通常のハウスクリーニングでは対応できないため数十万円以上の退去費用が必要となります。長期間に放置されたゴミや汚れは床や壁に染み付き、強烈な臭いを発生させたり、カビや害虫を発生させたりするからです。

ゴミ屋敷や汚部屋を清掃する際には、まずは専門スタッフが堆積したゴミを運び出し、それから汚れやカビの除去、害虫駆除、脱臭処理などをしなければなりません。腐食したフローリングやカビの生えた壁紙などを広範囲に交換するケースもあり、それぞれに数万円~数十万円の費用がかかります。

ゴミ屋敷化は借主が管理義務を怠った結果であるため、原状回復にかかる費用はすべて借主が負担しなければなりません。

退去費用を下げるためにできること

退去費用を下げるためにできること

ここまで読んで、「うちは退去費用が高額になりそう……」と不安になった人もいるかもしれません。しかし、今からできる対策をしっかりと行えば、退去費用を抑えることは可能です。退去費用を安くするための、具体的な対策を解説します。

現状回復ガイドラインを理解する

国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を読んで、貸主と借主の負担範囲の考え方や判例などについて理解しましょう。基礎知識を頭に入れると、不当な請求を防いで貸主と交渉できるようになります。

このガイドラインは賃貸物件の原状回復についてまとめたもので、退去費用のトラブルを解決するのに役立ちます。たとえば、畳の表替えや壁の日焼けなど、経年劣化や通常の使用による損耗は原則として貸主負担、窓の結露を放置してできたカビやシミは借主負担、のようにくわしいケースが明記されています。

原状回復ガイドラインに法的な強制力はありませんが、不当な請求をされたときの交渉材料として有用です。まずはこのガイドラインを読み込んで、自分のケースに当てはめて考えることが大切です。

これ以上の損傷や汚れを防止する

退去費用を少しでも安くするには、これ以上部屋に傷や汚れを付けないようにすることが欠かせません。

たとえば、フロアマットを敷いて床の傷を防ぐ、窓の結露を拭いてカビを増殖させない、台所や風呂などの水回りをこまめに掃除して水垢やカビを取るなどの対策が有効です。家具を移動するときは、床や壁にぶつけないよう細心の注意を払いましょう。

また、ホームセンターなどでは壁に跡の残らない細い画びょうも市販されているので、ポスターやカレンダーを貼るときに活用するのもおすすめです。今すぐにできることから始め、丁寧に物件を使用することを心がけましょう。

契約書やガイドラインを基に交渉する

提示された退去費用の見積もりが高額だった場合には、契約書や国土交通省のガイドラインを根拠に交渉することが大切です。提示された金額が必ずしも妥当であるとは限らず、不当な請求が含まれている可能性があるため慎重にチェックしましょう

たとえば、経年劣化で日焼けした畳の表替えや、壁に刺した画びょうの跡への修繕費用が含まれている場合には、ガイドラインを提示して貸主の負担であることを伝えましょう。通常のハウスクリーニングへの費用も、賃貸借契約書に特約などがない場合には貸主負担となるのが一般的です。

管理会社から提示された見積もりの内訳を細かく確認し、不明な点があれば見積書にサインをせずに質問しましょう。感情的にならずに根拠を示して冷静に話し合えば、費用の減額につながる可能性があります。

気まずくても退去立会いをする

たとえ気まずくても、貸主側が退去費用を算出するための「退去立会い」には必ず自分も参加しましょう。損耗の箇所や状態を担当者と自分でダブルチェックすれば、不当な請求を未然に防ぐことにつながります。

退去立会いをきちんと行わないと、後日一方的に高額請求をされるおそれがあります。担当者だけに任せるのではなく、自分も積極的に室内の状況を確認して不明な点があればすぐに質問しましょう。

とくに、入居前から物件が劣化していたり、傷があったりした場合は要注意です。入居前からの傷は本来なら原状回復の対象外ですが、担当者がうっかり退去費用を請求してしまう可能性があります。入居時の写真や記録を持参し、退去立会いのときの記録も写真やメモ、音声などで残しましょう。

ゴミ屋敷や汚部屋を片付ける

もし現状の部屋がゴミ屋敷や汚部屋になっているのであれば、退去費用を安くするためにも今すぐに片付けましょう。もし退去立会いまでに部屋を片付けられないと、貸主を介してゴミ屋敷清掃業者に片付けを依頼することになります。自分で業者を手配するよりも、仲介者がいるぶん利用料金が割高になってしまうので注意が必要です。

業者にゴミ屋敷清掃を頼むと、部屋の広さやゴミの量によって十万円~数十万円を越える費用がかかります。大量のゴミの処分や消毒、脱臭、害虫駆除などの手間がかかるため、高額な支出は避けられません。

自力でゴミ屋敷を片付けたり、業者を手配したりすれば、退去費用の大幅な削減が可能です。早めに計画を立て、片付けていきましょう。

退去費用が払えない時の対処法

退去費用が払えない時の対処法

退去費用を安くするポイントを押さえても、「やっぱり高額請求は避けられなさそう」「高すぎて支払えないかもしれない」という人もいるかもしれません。そこで、支払えないほどの高額費用を請求されたとき、現実的に取り得る対処法を紹介します。

日雇いバイトでお金を稼ぐ

「足りないぶんのお金を稼ごう」というシンプルな発想で、日雇いアルバイトでお金を貯めるのがひとつ目の方法です。日雇いバイトは即日払いの仕事が多く、急な出費に対応しやすい点が魅力です。

たとえば、引っ越し作業やイベントスタッフなどの単発業務は比較的簡単に見つかり、空いている時間を活用して収入を得ることができます。最近ではTimee(タイミー)などスキマ時間でも短発で受けられるバイトサービスが充実しており、社会人の副業としても活用可能です。

とはいえ、日雇いバイトで1日に稼げる金額には限界があります。高額な資金を用意するためには、数か月前から計画的にバイトを続けることが欠かせません

金融機関でお金を借りる

金融機関からの借り入れも、退去費用を用意する際の選択肢と言えます。具体的には、銀行のカードローンやフリーローン、消費者金融のカードローンなどが考えられます。これらのローンならまとまった金額が借りられるので、急いで退去費用を用意することも可能です。

ただし、借り入れには審査があり、金利も発生するため返済計画をしっかりと立てなければなりません。とくに消費者金融は最短20分程度で借り入れ可能な迅速さがメリットである一方、金利が3%~18%程度と銀行よりもかなり高いので注意が必要です。

多重債務を避けるためにはローンを組む前に複数の借入先を検討し、金利や返済サイクルなどを確認して無理な借り入れをしないことが重要です。

公的融資制度を利用する

国や自治体が提供する公的な融資制度が利用できないか、検討するのもひとつです。

たとえば、低所得者世帯や障害者世帯、65歳以上の高齢者世帯に該当する場合には、厚生労働省の生活福祉資金貸付制度の対象となります。これは市区町村の社会福祉協議会を介して申し込める制度で、貸し付け条件を満たせば保証人がいなくても申し込みが可能です。

公的な融資制度は、民間のローンに比べて金利が低いのがメリットです。一例として前述の生活福祉資金貸付制度では、保証人がいる場合には無利子、保証人なしの場合は年1.5%となります。やむを得ない事情で退去費用を含めた生活費の支払いに困っている人は、利用できる制度がないか役所などに相談してみましょう。

不用品を売却する

今すぐ現金を用意する方法として、自宅にある不用品を売却するのもおすすめです。ブランド品や貴金属、骨董品のような高価な品物だけでなく、CDやホビーグッズ、書籍、ゲーム、ベビー用品なども買値が付きやすいです。また、製造後5年以内の家電も、高価買取が期待できます。

リサイクルショップへの持ち込みのほか、出張買取やフリマアプリ、インターネットオークションなどを利用すれば手軽に売却することができます。不用品を手放せば部屋の片付けにもつながるので、市場価値のありそうな物は積極的に売却を検討しましょう。

ただし、自分が希望する値段で売れるとは限らず、フリマアプリなどに不用品を出品した場合は購入者が現れるまで自宅で保管しなければなない点には注意が必要です。

分割払いに対応できるか交渉する

退去費用の一括払いが難しい場合は、管理会社や大家さんに分割払いが可能か交渉してみるのもひとつの選択肢と言えます。交渉の際には具体的な返済計画を提示するなど、相手に安心感を与えるように心がけましょう。

大家さんが近親者だったり、親しい関係性が築けていたりする場合には、分割払いに応じてもらえる可能性がないとは言い切れません。また、請求額の大半をその場で支払い、残金のみ分割で受け付けるなどのケースも考えられます。

しかし、現実的には分割払いを断られる可能性のほうが高いです。支払わずに放置すると連帯保証人に請求が行ったり訴訟を起こされたりするおそれがあり、詳しくは退去費用を払わないとどうなる?で詳しく解説します。

専門窓口に相談する

支払い不能な金額を請求されたら、消費者トラブルの専門窓口に相談することをおすすめします。消費者ホットラインや公益財団法人日本賃貸住宅管理協会など、無料で相談できる専門窓口を表にまとめました。

<退去費用の相談が可能な専門窓口>

相談窓口概要電話番号受付時間備考
消費者ホットライン自治体の消費生活センターに接続され、消費生活に関する無料相談が可能(通話料金は別途)。188(全国共通、局番なし)年末年始を除き原則毎日退去費用の専門ではなく、その他契約トラブルや製品事故などの相談も受け付けている。
一般財団法人日本消費者協会 消費者相談室相談員がトラブル解決のアドバイスや、必要に応じたあっせんを無料で行う。03-5282-5318原則火・水・木 10:00~12:00、 13:00~15:00公式ホームページの「相談受付フォーム」からも相談可能。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会賃貸住宅に関するトラブルへのアドバイスを行う。1人1回まで。相談受付は書面(Webフォーム、FAX、郵便)のみ。受付後に電話で回答。Webフォーム、 FAX:03-6265-1556
郵便:〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー18階 (公財)日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅に関するご相談窓口」宛
アドバイスが目的であり、弁護士あっせんや経営指導などは行っていない。

上記の窓口に相談することで、解決の糸口が見つかる可能性があります。また、初回無料で相談を受け付けている弁護士事務所もあるので、探してみるのもひとつです。

親族に相談する

一時的な対策として、親族にお金を借りて退去費用を支払うのも現実的な選択肢です。信頼関係の深い親族なら、事情を理解して一時的に資金援助をしてくれるかもしれません。金融機関のローンと違って返済期間や返済方法に融通が利きやすく、無利息にしてもらえる可能性もあります。

ただし、年間110万円を超える金額を無利息で借りると、税務署に贈与とみなされることがあるので注意しましょう。贈与とみなされた場合、贈与税を支払わなければ脱税になってしまいます。法的に有効な借用書を作成すれば、贈与扱いされる危険がなくなります。借用書には貸し借りの事実や金銭授受の日付、返済日や貸す人、借りる人の記名などが必要です。

また、お金を借りた相手にできるだけ迷惑をかけないよう、配慮しましょう。借りっぱなしや口約束は親族トラブルのもとなので、返済期限を明確にして借用書などの記録を残すことが大切です。

退去費用を払わないとどうなる?

退去費用を払わないとどうなる?

「できることなら高額な出費は避けたい」「請求された退去費用を払わずに済む方法はないだろうか……?」と考える人もいるかもしれませんが、残念ながら支払いを無視することはできません

退去費用の金額に不満があるならすぐに交渉しなければならず、請求されたまま放置するのは危険です。退去費用を払わないとどうなってしまうのか、滞納し続けた場合のリスクについて解説します。

管理会社から支払いの催促が来る

退去費用を指定された期日までに支払わないと、管理会社から支払いを催促されます。電話や書面による通達があり、書面は転居先に配送されます。仮に今すぐ支払えない金額だったとしても、真摯に対応して支払いの意思を示すことが大切です。

催促を無視し続けると管理会社からの信用を失い、より厳しい措置が取られる可能性が高いです。内容証明郵便による請求や連帯保証人への連絡、法的措置の準備などが進められるおそれがあるので、管理会社から催促が来たら事態の悪化を防ぐために速やかに対応しましょう。

緊急連絡先に連絡が行く

退去費用の支払いを滞納し、管理会社からの催促にも応じずにいると、賃貸契約時に登録した緊急連絡先へ連絡が行く可能性が高いです。緊急連絡先への連絡は、本人への連絡が困難なときや支払いの意思がないと判断されたときに行われます。

緊急連絡先には親族や親しい友人が登録されていることが多く、管理会社はこれらの連絡先を通じて本人への連絡を試みたり、状況の説明や協力を求めたりします。緊急連絡先に連絡が行くと、親族や友人に自分の滞納状況や賃貸トラブルを知られて信用を落とすことにもなりかねません。

さらに、管理会社は連帯保証人に退去費用を請求して本人の肩代わりをさせます。連帯保証人は法的にも支払いを拒めないため、多大な被害を受けることになるでしょう

訴えられて裁判になる可能性がある

退去費用の支払いが滞り続け、連帯保証人への取り立ても難航した場合には訴訟を起こされるおそれがあります。裁判では未払いの退去費用だけでなく、遅延損害金や訴訟費用なども請求されます。

退去費用の請求を無視し続けていた場合、こちらに非があるとみなされ敗訴する可能性が高いです。敗訴すると請求された費用を支払う義務が生じ、拒否した場合は財産を差し押さえられるおそれがあります。

裁判は精神的な負担が大きく、弁護士を雇うとさらに費用の負担が大きくなります。なお、裁判の呼び出しを無視すると訴えられたほうに不利な判決になり、財産が差し押さえられるリスクもあるので絶対に無視をしてはいけません。

退去費用に関するよくある質問

退去費用に関するよくある質問

退去費用に関するよくある質問にお答えします。

支払いを待ってもらうことはできる?

退去費用をすぐに払えない場合、管理会社や大家さんが支払いを待ってくれるかどうかは状況によって異なります。交渉次第では支払期限を延ばしてくれたり分割払いにしてくれたりする場合もありますが、現実的には非常に難しいです。

貸主には支払い期限を延長する義務はないため、期日通りに支払いを求めてくるのが通常です。ただし、大家さんとの付き合いが長く、深い信頼関係が築けている場合などには支払いを待ってくれる可能性もゼロではありません。

なお、たとえ断られる可能性が高いとしても、期日の延長を相談することはとても大切です。連絡もせずに退去費用を滞納し続けていると貸主からの心証が悪くなり、督促状や法的措置の準備に進むリスクが高まってしまいます。支払いが滞っている理由を伝え、支払い可能な期日や具体的な支払い計画を提示しましょう。

退去費用の支払い期限は?

退去費用の支払い期限は転居先へ送付される請求書に記載されており、退去日から1か月以内などと設定されているケースが多いです。期限を過ぎると遅延損害金が発生する可能性があるので注意しましょう。

なお、退去費用を退去立会いの担当者がその場で請求してきたら、ぼったくりの可能性が高いです。退去立会いでは見積書を提示されることはあっても、確定した金額を請求してくることはまずありません。数日かけて適正な金額を確定させ、退去後に請求書を送ってくるのが本来の流れです。即座に請求されたら、不当な請求が混ざっている可能性があるので注意しましょう。

また、退去費用が入居時に払った敷金よりも安く済んだ場合には、敷金の残額が自分の口座に返金されます。退去後1か月以上経っても退去費用の請求書が到着せず、敷金の返金もない場合には貸主が返金処理を忘れているおそれがあるので問い合わせることをおすすめします。

引越しの不用品はゴミ屋敷バスター七福神へ

ゴミ屋敷バスター七福神

退去費用を安く抑えたいなら、引越し前の不用品処分が欠かせません。ゴミ屋敷バスター七福神は年中無休の最短即日対応でお客様のお宅に駆けつけ、いらなくなった家具や家電、日用品などをまとめて回収いたします。

「退去立会いの前に家を空っぽにしないとけないのに、物だらけで片付かない」「粗大ゴミの予約や運び出しが大変で、退去日に間に合わない」など、引越し前の準備で頭を悩ませる人は少なくありません。しかし、ゴミ屋敷バスター七福神ならスタッフが不用品をスピーディに運び出すので、お客様がゴミの分別や搬出作業などを行う必要は一切ありません

不用品買取にも対応しており、退去費用の足しにすることも可能です。また、女性スタッフも在籍しているため、一人暮らしの女性も安心してご依頼いただけます。お見積もり、ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

まとめ

退去費用の支払いが怖くて引っ越しをためらっている人は、退去費用が高くなるケースを理解して少しでも安くするための対策を始めましょう。

退去費用が不安なら、まずは修繕費の目安や相場を把握したり、契約内容を確認したりすることが大切です。経年劣化や通常損耗は貸主負担が原則ですが、故意・過失による損傷や喫煙、ペットの飼育などによる汚れは借主負担となります。

費用を下げるためには国土交通省のガイドラインを理解して、日頃から丁寧な使用を心がけることが欠かせません。退去立会いには必ず参加し、高額な請求には契約書やガイドラインを根拠に交渉してください。

もし退去費用が支払えない場合は、日雇いバイトや金融機関からの借り入れ、親族からの資金援助などを検討しましょう。退去費用を滞納し続けると督促状が届いたり、裁判沙汰になったりする危険があるため、請求書を無視するのは危険です。

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この記事の監修者

ゴミ屋敷片付けの専門業者「ゴミ屋敷バスター七福神」代表

監修者 竹本 泰志

年間20,000件以上のゴミ屋敷片付け・遺品整理の実績「ゴミ屋敷バスター七福神」を全国規模で展開する株式会社クオーレの代表取締役。
複数の職を経て、2011年、25歳の頃に仲間と共に株式会社クオーレを設立。 不用品回収業としてスタートし、遺品整理やゴミ屋敷片付けを中心に手掛けるように。
現在は愛知の他、岐阜・静岡・神奈川・埼玉・千葉・栃木・東京・静岡・大阪・和歌山にも支店や支社を構え、 精力的に事業を拡大している。

新家 喜夫(ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長)

監修者 新家 喜夫ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長)

遺品整理やゴミ屋敷片付けが必要な方のために活動し、数々のメディア取材を受けてきた。ゴミ屋敷清掃士認定協会理事長を務め、著書も出版している。
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