近年「終活」という言葉をよく耳にするようになりましたね。
生前に自分の身の回りのものを整理したり、遺言などを託しておくことなどとぼんやりとは知っているけれど、どのように進めていったらいいのか分からないといった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、終活の仕方について考えていきたいと思います。
そろそろ終活をと考えている方、ご家族にご高齢の方がいる方など、是非参考にしてみてください。
目次
終活とは
終活とは自身の死と向き合い、最期まで自分らしく生きるための準備のことを指します。
残された人たちへの準備かと思っていましたが、そうではないんですね。
近年は「終活」という言葉が聞かれるようになった背景には、少子高齢化といった時代背景が挙げられるでしょう。
単身の高齢者の家庭が増えていて、「孤独死」も取り沙汰されるようになりました。
このようなことから、人に迷惑を掛けないような自身の死について向き合わなくてはならない時代へと変わってきているということが分かります。
これらを踏まえて、自身が死を迎える時に「〇〇をしておけばよかった」という悔いを少しでも減らすために、計画的に“今”を過ごしていくことが終活ということになります。
終活はいつ頃からどう取り組めばいい?
終活は大病を患ってしまったなど、余命が見えてきてから行うというイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
むしろ健康そのもので、色々と行動ができるうちに行っておく方がベストと言えるかもしれないです。
終活を行うのに早過ぎるということはなく、葬儀やお墓など自分が亡くなった際に掛かる費用などを計算して避けておけば、老後の家計のやりくりが分かりやすくなります。
老後を豊かに過ごすためには、老後生活の不安を払拭することが大切です。
毎日ゆったりと楽しく過ごすためにライフプランを考えるようなイメージで、自分が亡くなった後に遺族に迷惑が掛からないような準備を少しずつ進めていきましょう。
お金や身の回りの整理だけでなく、万一の事態に延命治療をどうするか、臓器提供などの意思はなども余裕のあるうちに決めて家族などと共有しておくと役立ちます。
終活の取り組み方
終活に決まったパターンなどはありませんが、多くの方が取り組む事柄を4つ取り上げてご紹介していきます。
エンディングノートを作る
終活と言えばエンディングノートがワンセットのような扱いとなっています。
最近では、エンディングノートの書き方を教えてくれるセミナーなども開催されていますよね。
自分の終末期や死後に備えて、家族などの身近な人に希望や情報などを書き留めておくものとなります。
よく書かれる内容は、
・死後連絡をして欲しい友人リスト
・資産に関すること
・医療への希望
・葬儀やお墓の指示
などが挙げられます。
ただし、エンディングノートに法的な強制力はないので、あくまでこうして欲しいといった自分の希望を伝えるためのものです。
葬儀やお墓の準備
最近では、葬儀の生前予約もできます。
生きているうちに支払いまで済ましておけば、残された家族もスムーズに葬儀へと進めますよね。
同様に生前に墓地選びや墓石選びも行えるので、実際に現地を見学して気に入ったところを予約しておくケースも珍しくありません。
遺言書を作成する
相続トラブルを避けるために、法的効力のある遺言書を作成しておくのも安心です。
遺言書はエンディングノートと違って自由な書式では認められず、書式から作成方法まで細かい決まりがあります。
それに沿って書かないと法的効力がなくなってしまうので、しっかりと調べてから作成するようにしていきましょう。
生前整理をする
生前整理は、身の回りの荷物を整理しておくことを指します。
何を捨てるかというよりも、何を残すかを考え断捨離のように少しずつ無理なく整頓を進めていきましょう。
生前整理をしておくことによって、大切なものを家族が見つけやすいというメリットも出てきますよ。
また貴重品がしまってある場所は、リスト化しておくと家族が探しやすくなります。
終活に取り組むメリット
終活を行うメリットは次のようなことが挙げられます。
有意義に残りの生活を楽しめる
ぼんやりとした道のりの分からない老後生活を進むよりも、残された生活をどう生きるか。
何を残して、何を行うかなどを明確にしておけば、明るく前向きに老後生活を楽しむことができます。
老後生活を楽しみながら有意義に過ごすためにも、生前に必要な手続きやお金の計算を済ませておくといいでしょう。
相続トラブルを回避できる
生前に遺言書をしっかりと残しておけば、相続トラブルを防ぐことが出来ます。
遺族で揉めてしまうのは嫌ですもんね。
死後に思わぬトラブルを招かないためにも、しっかりと準備をしておきましょう。
自分の手に負えなそうな場合は
終活を行いたいけれど、自分1人では難しそうだと感じたら、終活支援事業にお願いをしてみるのもいいかもしれません。
NPOなどの民間事業にもありますし、所属している地方自治体が行っている場合もあります。
ケアマネージャー、社会福祉士、保健師など連携を図って不安を感じる事柄への相談に乗ってもらえるので、1人で抱え込まなくても大丈夫です。
葬儀やお墓など専門的な相談が必要な場合でも、市が協定を結んでいる民間事業者などへと繋いでもらえるので安心できますよ。
まとめ
終活の仕方などについてお話しして参りました。
お伝えしてきたように、終活には決まった手順などがあるわけではありません。
ただ、自身が不安を少しでも少なく明るく毎日を送るために行うことなので、家族などとも相談して無理なく終活を進めていくといいでしょう。
自分の手には負えないと感じた場合は行政の手を借りることもできるので、自分で相談したり手続きをしたりする余裕のあるうちに、早め早めに行動に移すようにしておくのが吉です。