少子高齢化が進む日本では、生前整理や老前整理という言葉が知られるようになりました。
どちらも自身が亡くなる前に財産や荷物を整理することなのですが、明確には意味が変わってくるので、まずはその違いを確認しましょう。
目次
生前整理と老前整理の違い
生前整理とは
生前整理とは、自分が亡くなってしまったときに遺産や遺品整理などで家族が苦労しないために行うものです。
遺産をリスト化し、誰に分配するかをあらかじめ記載しておく遺書を用意します。
それ以外にも、自分の趣味のものや、亡くなった後も捨てて欲しくない遺品があれば、それをメモしておくことも重要です。
遺品整理の場合、日ごろ自分が使っている家具、タオル、衣類などの衣服は、遺すもの以外はゴミとして処分することが多いです。
少しでもゴミとして捨てるものを減らすことも、生前整理のひとつです。
生前整理は病気になった時や、定年退職をしたタイミングなどで行う人が多いようです。
資産が多い人は早めに着手する方がよいでしょう。
老前整理とは
高齢者になると、体力が落ちてしまって自宅の掃除もままならなくなる人が多いです。
そうならないために、事前に家にある不用品を片付けたり、いらないものを捨てたり、という作業をすることを老前整理と呼びます。
老前整理は40代から50代で着手する人が増えていて、家のリフォームなどと合わせて行う人が多いようです。
生前整理で行うべきこと
生前整理で大きなウエイトを占めるのが「資産」です。
自分にはどんな資産があるのかをリスト化しておくだけでも、自分が亡くなった時に家族の助けになります。
・自分が持っている口座の数とおおよその資金
・土地やマンションなどの不動産を持っている場合はそれを記載する
・自宅や車といった売却できるものを記載する
・自宅に現金がある場合はその場所と金額
おおよそで良いので、記載しておきましょう。
生前整理の場合、資産が書かれた紙を用意するだけでも生前整理になります。
しかし、もし資産の分配に何か指定がある場合は「遺書」という形で残しておくようにしましょう。
書類に記載しただけでは法的効力がないので、何かあった時に遺族同士の争いにつながってしまうかもしれません。
弁護士などを通して正式な遺書にしておくことが大切です。
エンディングノートを書く
生前整理で近年注目されているのがエンディングノートです。
エンディングノートは自分がどんな最後を迎えるのかというのを記録するノートのことです。
資産について書く場所もあれば、家族へのメッセージを残す部分もあります。
また、遺書のような法的効果はないものの、自分が飼っているペットのことなどを記載して、遺族にお願いをすることも出来ます。
亡くなった時の葬式についてや、葬式で連絡すべき人のリストなどを書いておくことでよりスムーズな最後を迎えることが出来ます。
自分が死んだ後のことを書くというのはなかなか難しいかもしれませんが、葬式を行う場所やプランなどを指定しておくことで遺族はとても助かります。
自分がどんな思いだったかを書く場所もあるので、そういった場所を有効に使って、身の回りのものも、思いも生前整理することが出来ます。
生前整理専門業者もある
遺品整理や生前整理を専門としている業者も存在します。
自分では何をすればよいかわからないことが多いかもしれませんが、プロがアドバイスをしてくれるので、スムーズに生前整理を行うことが出来ます。
不用品の処分なども行ってくれるので、初めての生前整理をしっかりと行いたい人は検討しましょう。
自分が死んだあとは、家族がバタバタと慌ただしい日々を過ごすことになるでしょう。
それを少しでもフォローできる準備をしておくのも、必要なのかもしれません。
老前整理で行うべきこと
老前整理で行うべきことは、「必要なもの」と「不要なもの」に分けることです。
例えば、自宅にお客さんが泊まりに来た時用の布団があるとします。
これからその布団は本当に使うのか、使わないのであれば捨ててしまうということも、老前整理にあたります。
高齢者になると、今まで出来ていたことが出来なくなることが多いので、使っていたものも不要になるケースがあります。
そういったものをまとめて片付ける必要があります。
また、粗大ゴミを捨てる機会でもあります。
昔使っていたけれど、今使わなくなっている家具や家電などを捨てることも老前整理のひとつです。
粗大ゴミの処分方法は3つ
老前整理では、処分するゴミが出ることが多いです。
燃えるゴミの日にだけ出せるものではなく、粗大ゴミも多く出ることが予想されます。
粗大ゴミの処分方法は大きく分けて3つです。
・リサイクルショップに持ち込む
・自治体の粗大ゴミ回収を依頼する
・生前整理や老前整理業者、ゴミ回収業者に依頼する
粗大ゴミの処分方法①リサイクルショップに持ち込む
自宅にある家具などがブランド物やメーカーのものの場合、まだ清潔でキレイなものであればリサイクルショップに持ち込むことが出来ます。
値段がついて買取をしてくれることが多いので、少しでも金額をプラスにしたいという人は利用してみてはいかがでしょうか。
デメリットは、買取をしてくれない店舗があるということです。
特に、ブランドものでない限り大型家具は断られることが多いようです。
粗大ゴミの処分方法②自治体の粗大ゴミ回収を依頼する
コストを抑えて処分するなら、自治体の粗大ゴミ回収を依頼しましょう。
役所に連絡をして、コンビニや役所で粗大ゴミ回収券を購入して貼り付けておけば、指定の日に粗大ゴミ回収をしてもらえます。
デメリットは、量が多い場合運び出しが大変になることです。
自分でゴミ回収場所まで持ち運ぶ必要があるため、老前整理をする人は体力が落ちているケースが多いので、持ち運びが難しい場合は業者に依頼することを検討しましょう。
粗大ゴミの処分方法③生前整理や老前整理業者、ゴミ回収業者に依頼する
ゴミ回収業者に依頼すれば、時間や日時を自分の都合に合わせることが出来ますし、最近ではトラック詰め放題などの安価なサービスを始めている業者もあります。
運び出しを行ってくれる業者がほとんどなので、苦労せずに老前整理や生前整理を行うことが出来ます。
ゴミ回収業者ではなく、生前整理・老前整理専門の業者も増えてきているので、相見積もりを取りながら自分に合った業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
生前整理と老前整理について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
これから自分の老後、亡くなった後のことを考えて、身の回りの整理をする方が増えているようです。
少しでも、生前整理や老前整理について興味があった方は、まずは自分でできる範囲で整理をしてみてください。